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お昼を食べに行ったら王子にスープを頭からぶっかけられた挙げ句に礼儀作法の先生に叱責される事になってしまいました
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私はとりあえず、食事をしようと食堂に行ったら凄まじい人が既に並んでいたのだ。
これでは中々食べられない。でも、列に並ぶしかなかった。
でも、列は思った以上に早く進んで、私はあっという間にぶりの照り焼き定食をゲットできた。
食べ物は和風の世界で本当に良かった。さすが好い加減な女神様の作った世界だ……お米もあるし、パンもある。日本の食生活とほとんど変わらないのだ。絶対に女神様は食い意地が張っているに違いなかった。
食事はやっと手に入ったけれど、次は食べる席探しだ。既に十分経っている。昼休みは残りは四十分だ。私は席を探してうろうろした。でも、新学期早々、皆はまだ真面目に食堂で食べていて、どこも空いている席なんてなかった。
さっさと教室を出て食堂に向かったアニエスやその取り巻き達は男性陣も巻き込んで一角で大所帯で食べていた。さすがヒロインだ。
でも、私はあのヒロインには近づきたくはなかった。
何を言われるか判らないし、下手したらえん罪をかけられるかもしれない。
クラスも違う方が良かったのに、何で男爵令嬢が一緒のAクラスにいるのよ!
悪役令嬢に虐めさせるのに都合が良かったからゲームではそうなっていたと思うけれど……
筆入れを隠したり、教科書を隠したり、果ては宿題の論文を池に浮かべたりと、悪役令嬢のクラリスはやりたい放題だった。果てはバケツで水をかけられたこともあった。
本当にクラリスとその取り巻きは酷い事をしていたのだ。
もっとも、私は女神様には悪いけれど、私は悪役令嬢をやるつもりはなかった。
そろそろ私が悪役令嬢になっていないとヒロインも気付く頃だ。
絶対にヒロインも転生者だ。
そして、私が転生者だと気付いたら文句を言ってくるのは確実だ。
私は知らぬ存ぜぬで通すつもりだったけれど……
他の攻略対象のお兄様らは今のところは見えないんだけど……。
聖女を見た感じでは王太子のエミール狙いは確実だった。
そして、食堂ではエミールとの出会いのイベントがあるはずだ。
本来のゲームでは、王子とヒロインが最初から馬車で登場するなんてシーンはなくて、確か混雑している食堂でトレイを持った二人がぶつかって王子のトレイに載っていたスープの一部がヒロインにかかってしまうのだ。そこで、ヒロインに王子が謝るのが二人の出会いのはずだった。
確かゲームではぶつかられた時に、両手を胸の前で組んで上目遣いに王子を見上げて目をうるうるさせて「何でもありませんわ」と答えるのが正解なのだ。
でも、トレイを持っているから両手を胸の前で組むのは無理だと思って、私はその選択肢を選べなくて、中々王子と仲良くなれなかったのだ。
絶対に出来もしない変な選択肢作るなよ!
私はゲームの最中で怒った記憶があった。
それを思い出した時だった。
「ああああ! エミール様!」
アニエスの喜んだ大声が食堂中に響いた。
こいつ絶対に呼ぶなと言われていたのにまた名前呼びしているし……
エミールもアニエスの胸を揉ませてもらって、胸のない私よりもアニエスに鞍替えしたんだろう! 絶対に許さない!
私が食器のトレイを思わず怒りで半分に割りそうになった時だ。
「エミール様。どこに行くんですか?」
「来るな!」
なんかアニエスの戸惑った声とエミールの焦った声が近づいて来た気がするんだけど……
私が思わずトレイを手に振り返った時だ。
私の目の前には走って逃げてくるエミールが迫っていた。
「……」
私は悲鳴を上げる暇もなかった。
エミールのトレイと私のトレイがぶつかって、何故か両方のトレイを私は頭からかぶることになってしまったのだ。
ガン!
バシャ!
ダン!
三連チャンだった。
私は自分のポタージュとブリの照り焼きのソース、サラダのドレッシングと、エミールの焼き肉のソースとトマトジュースをもろに頭からかぶっていたのだ。
その瞬間、騒々しい食堂はシーンとした。
そして、何故か私の目の前から青い顔をしたアニエスが遠ざかっていくのが見えたのだ。
「クラリス、大丈夫か?」
慌てて駆け寄ってくるエミールはしかし、途中でぎくりと止まってしまった。
何故か私の後ろを見て唖然としているんだけど……
後ろに怪物でもいるのか?
私が思った時だ。
「殿下、これはどういう事ですか?」
私の後ろから地獄の閻魔様もかくやあらんという低いうなり声が聞こえた。
ロッテンマイエル先生だ。
振り返ると、食べ物の大半は私がかぶったのだが、私のグレープジュースが何故か大きく飛んでいって、ロッテンマイエル先生の頭の上からぶちまけたみたいだった。
まあ、先生の服は青いから紫のジュースはそんなに目立たないようだったが、とても良かったですねと言える雰囲気ではなかった。
「いや、アニエスさんに追いかけられて」
エミールが慌てて言い訳するが
「アニエスさんなんてどこにいるのですか?」
ロッテンマイエル先生はエミールの後ろを見渡してエミールに鋭い視線を戻した。
「えっ、いやそこに?」
慌ててエミールは後ろを振り返ってアニエスがどこにもいないのに初めて気付いたのだ。
アニエスはロッテンマイエル先生にかかった瞬間に、後難を恐れて慌てて逃げ出したのだ。
その逃げ足だけは速い。
今頃は絶対に被害の及ばないところまで逃げたに違いなかった。
「さあ、どういう事か、職員室でじっくりとお伺いしましょうね」
被害者の私まで有無を言わさぬロッテンマイエル先生に連れて行かれて、延々怒られたんだけど、何故に!
**************************************************
お忙しい中ここまで読んで頂いてありがとうございます。
これは悪役令嬢にならないから怒った女神の天罰なのか?
巻き込まれたかわいそうなクラリスでした……
これでは中々食べられない。でも、列に並ぶしかなかった。
でも、列は思った以上に早く進んで、私はあっという間にぶりの照り焼き定食をゲットできた。
食べ物は和風の世界で本当に良かった。さすが好い加減な女神様の作った世界だ……お米もあるし、パンもある。日本の食生活とほとんど変わらないのだ。絶対に女神様は食い意地が張っているに違いなかった。
食事はやっと手に入ったけれど、次は食べる席探しだ。既に十分経っている。昼休みは残りは四十分だ。私は席を探してうろうろした。でも、新学期早々、皆はまだ真面目に食堂で食べていて、どこも空いている席なんてなかった。
さっさと教室を出て食堂に向かったアニエスやその取り巻き達は男性陣も巻き込んで一角で大所帯で食べていた。さすがヒロインだ。
でも、私はあのヒロインには近づきたくはなかった。
何を言われるか判らないし、下手したらえん罪をかけられるかもしれない。
クラスも違う方が良かったのに、何で男爵令嬢が一緒のAクラスにいるのよ!
悪役令嬢に虐めさせるのに都合が良かったからゲームではそうなっていたと思うけれど……
筆入れを隠したり、教科書を隠したり、果ては宿題の論文を池に浮かべたりと、悪役令嬢のクラリスはやりたい放題だった。果てはバケツで水をかけられたこともあった。
本当にクラリスとその取り巻きは酷い事をしていたのだ。
もっとも、私は女神様には悪いけれど、私は悪役令嬢をやるつもりはなかった。
そろそろ私が悪役令嬢になっていないとヒロインも気付く頃だ。
絶対にヒロインも転生者だ。
そして、私が転生者だと気付いたら文句を言ってくるのは確実だ。
私は知らぬ存ぜぬで通すつもりだったけれど……
他の攻略対象のお兄様らは今のところは見えないんだけど……。
聖女を見た感じでは王太子のエミール狙いは確実だった。
そして、食堂ではエミールとの出会いのイベントがあるはずだ。
本来のゲームでは、王子とヒロインが最初から馬車で登場するなんてシーンはなくて、確か混雑している食堂でトレイを持った二人がぶつかって王子のトレイに載っていたスープの一部がヒロインにかかってしまうのだ。そこで、ヒロインに王子が謝るのが二人の出会いのはずだった。
確かゲームではぶつかられた時に、両手を胸の前で組んで上目遣いに王子を見上げて目をうるうるさせて「何でもありませんわ」と答えるのが正解なのだ。
でも、トレイを持っているから両手を胸の前で組むのは無理だと思って、私はその選択肢を選べなくて、中々王子と仲良くなれなかったのだ。
絶対に出来もしない変な選択肢作るなよ!
私はゲームの最中で怒った記憶があった。
それを思い出した時だった。
「ああああ! エミール様!」
アニエスの喜んだ大声が食堂中に響いた。
こいつ絶対に呼ぶなと言われていたのにまた名前呼びしているし……
エミールもアニエスの胸を揉ませてもらって、胸のない私よりもアニエスに鞍替えしたんだろう! 絶対に許さない!
私が食器のトレイを思わず怒りで半分に割りそうになった時だ。
「エミール様。どこに行くんですか?」
「来るな!」
なんかアニエスの戸惑った声とエミールの焦った声が近づいて来た気がするんだけど……
私が思わずトレイを手に振り返った時だ。
私の目の前には走って逃げてくるエミールが迫っていた。
「……」
私は悲鳴を上げる暇もなかった。
エミールのトレイと私のトレイがぶつかって、何故か両方のトレイを私は頭からかぶることになってしまったのだ。
ガン!
バシャ!
ダン!
三連チャンだった。
私は自分のポタージュとブリの照り焼きのソース、サラダのドレッシングと、エミールの焼き肉のソースとトマトジュースをもろに頭からかぶっていたのだ。
その瞬間、騒々しい食堂はシーンとした。
そして、何故か私の目の前から青い顔をしたアニエスが遠ざかっていくのが見えたのだ。
「クラリス、大丈夫か?」
慌てて駆け寄ってくるエミールはしかし、途中でぎくりと止まってしまった。
何故か私の後ろを見て唖然としているんだけど……
後ろに怪物でもいるのか?
私が思った時だ。
「殿下、これはどういう事ですか?」
私の後ろから地獄の閻魔様もかくやあらんという低いうなり声が聞こえた。
ロッテンマイエル先生だ。
振り返ると、食べ物の大半は私がかぶったのだが、私のグレープジュースが何故か大きく飛んでいって、ロッテンマイエル先生の頭の上からぶちまけたみたいだった。
まあ、先生の服は青いから紫のジュースはそんなに目立たないようだったが、とても良かったですねと言える雰囲気ではなかった。
「いや、アニエスさんに追いかけられて」
エミールが慌てて言い訳するが
「アニエスさんなんてどこにいるのですか?」
ロッテンマイエル先生はエミールの後ろを見渡してエミールに鋭い視線を戻した。
「えっ、いやそこに?」
慌ててエミールは後ろを振り返ってアニエスがどこにもいないのに初めて気付いたのだ。
アニエスはロッテンマイエル先生にかかった瞬間に、後難を恐れて慌てて逃げ出したのだ。
その逃げ足だけは速い。
今頃は絶対に被害の及ばないところまで逃げたに違いなかった。
「さあ、どういう事か、職員室でじっくりとお伺いしましょうね」
被害者の私まで有無を言わさぬロッテンマイエル先生に連れて行かれて、延々怒られたんだけど、何故に!
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お忙しい中ここまで読んで頂いてありがとうございます。
これは悪役令嬢にならないから怒った女神の天罰なのか?
巻き込まれたかわいそうなクラリスでした……
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