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無事に元の世界に戻れました
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「翔太、助けて」
まどかが夢の中で叫んでいた。
翔太はそのまどかの手に手を伸ばそうとして手を掴もうとして伸ばしたら柔らかいものに触れてしまった。
そして、まどかが結衣に代わってはっとして翔太は目を覚ました。
「ちょっと何すんのよ」
結衣が翔太の手を弾いた。
やばい、またしばかれる。
翔太が身構えた時だ。
「さっさと起きなさいよね」
そう言うとぷんぷんしながら結衣が部屋を出て行った。
それも真っ赤になりながら……
あの後、結衣は少し変だった。
爆発の後気付いたら結衣と翔太は神社の横の通路に抱き合って倒れていた。
「うわああああ」
気付いて慌てて離れたのだが、結衣も真っ赤になっていて何も言ってこなかった。
時間は行方不明になってから三日が過ぎていたが、翔太と結衣は記憶がその間ないと言って誤魔化したのだ。
帰ってみると、皆の記憶からはまどかと堀田の記憶は完全になくなっていた。
なんかそれが翔太には悲しかった。
理不尽なものを感じたが、どうしようもなかった。
二人の記憶は爆発の中心にいた翔太と結衣だけが持っているみたいだった。
「翔太、ご飯粒が付いている」
考え事をして食事をしていたら、結衣がご飯粒を取ってそれを口に含んでいた。
翔太は何かそのしぐさがとても色っぽく感じた。
「どうかした?」
赤くなった翔太を見て結衣が聞いて来た。
「ちょっと二人とも、早くしないと学校に遅れるわよ」
母が台所から声を出す。
「「はい」」
二人は慌てて二階に駆け上がった。
慌てて制服を着るや、
「翔太行こう」
結衣が顔を出して二人して外に出た。
結衣の自転車の鍵が外れないので、あれから二人は歩いて登校している。
何故か二人一緒だ。翔太と結衣の二人の距離があれからとても近くなった。
「今日の英語の予習、ちゃんとできたの?」
結衣が聞いて来た。
「あれだけ教えたんだからちゃんとしてよね」
そう言いつつ、結衣がカバンを少し翔太のカバンにぶつけてきた。
「大丈夫だって」
昨夜は遅くまでかかって結衣に英語を教えてもらっていたのだ。
「お前ら早いやんか」
「お二人さん、おはよう」
莉子と上野が自転車で追いついてきた。
「なんか最近、やたら二人仲良くない」
「そんなこと無いわよ」
莉子に指摘されてそう言う結衣は少し赤くなっていた。
「莉子と上野君ほどじゃないけれど」
「はああああ! 上野君とはたんなる友達で」
「そうや。腐れ縁や」
二人はそう言うが、翔太は少し怪しいと思っていた。二人とも翔太と同じ時期に行方不明になっていたのだ。
二人はその間の記憶がないみたいだが、絶対に何かがあったに違いない。
「おはようございます」
「おはようございます」
翔太らを自転車をこいだ三上と石田が抜いて行った。
「南無妙法蓮華経、南無阿弥陀仏、仏説摩訶般若波羅蜜多」
その前ををお経を唱えて鶴田先輩が歩いていた。
「先輩何下手なお経を唱えているんですか。何か違いますよ」
「本当に生臭坊主ですな」
「かあーーーーーつ」
鶴田は叫んで手を伸ばしたが、三上と石田はそれを避けた。
「やばい」
「逃げろ」
「お前ら後で覚えていろよ」
「無理です。忘れます」
自転車の二人は慌てて走っていく。
「上野。のんびりしていていいの。今日は日直じゃないの」
「そうや、忘れてた。というか、お前も一緒やろが」
「仕方ないな。付き合ってあげるわ。じゃあお先に」
二人はそう言うと先に走っていく。
「翔太、一限目数学じゃない。ちょっと教えて欲しいから、私達も少し急ごう」
そう言うと結衣は翔太の手を引っ張り出したのだ。
「えっ、ああ」
手を繋いで歩く二人に太陽の光はもう暖かかった。
***********************************************:
ここまで読んで頂いて有難うございました
これにて完結です
まどかが夢の中で叫んでいた。
翔太はそのまどかの手に手を伸ばそうとして手を掴もうとして伸ばしたら柔らかいものに触れてしまった。
そして、まどかが結衣に代わってはっとして翔太は目を覚ました。
「ちょっと何すんのよ」
結衣が翔太の手を弾いた。
やばい、またしばかれる。
翔太が身構えた時だ。
「さっさと起きなさいよね」
そう言うとぷんぷんしながら結衣が部屋を出て行った。
それも真っ赤になりながら……
あの後、結衣は少し変だった。
爆発の後気付いたら結衣と翔太は神社の横の通路に抱き合って倒れていた。
「うわああああ」
気付いて慌てて離れたのだが、結衣も真っ赤になっていて何も言ってこなかった。
時間は行方不明になってから三日が過ぎていたが、翔太と結衣は記憶がその間ないと言って誤魔化したのだ。
帰ってみると、皆の記憶からはまどかと堀田の記憶は完全になくなっていた。
なんかそれが翔太には悲しかった。
理不尽なものを感じたが、どうしようもなかった。
二人の記憶は爆発の中心にいた翔太と結衣だけが持っているみたいだった。
「翔太、ご飯粒が付いている」
考え事をして食事をしていたら、結衣がご飯粒を取ってそれを口に含んでいた。
翔太は何かそのしぐさがとても色っぽく感じた。
「どうかした?」
赤くなった翔太を見て結衣が聞いて来た。
「ちょっと二人とも、早くしないと学校に遅れるわよ」
母が台所から声を出す。
「「はい」」
二人は慌てて二階に駆け上がった。
慌てて制服を着るや、
「翔太行こう」
結衣が顔を出して二人して外に出た。
結衣の自転車の鍵が外れないので、あれから二人は歩いて登校している。
何故か二人一緒だ。翔太と結衣の二人の距離があれからとても近くなった。
「今日の英語の予習、ちゃんとできたの?」
結衣が聞いて来た。
「あれだけ教えたんだからちゃんとしてよね」
そう言いつつ、結衣がカバンを少し翔太のカバンにぶつけてきた。
「大丈夫だって」
昨夜は遅くまでかかって結衣に英語を教えてもらっていたのだ。
「お前ら早いやんか」
「お二人さん、おはよう」
莉子と上野が自転車で追いついてきた。
「なんか最近、やたら二人仲良くない」
「そんなこと無いわよ」
莉子に指摘されてそう言う結衣は少し赤くなっていた。
「莉子と上野君ほどじゃないけれど」
「はああああ! 上野君とはたんなる友達で」
「そうや。腐れ縁や」
二人はそう言うが、翔太は少し怪しいと思っていた。二人とも翔太と同じ時期に行方不明になっていたのだ。
二人はその間の記憶がないみたいだが、絶対に何かがあったに違いない。
「おはようございます」
「おはようございます」
翔太らを自転車をこいだ三上と石田が抜いて行った。
「南無妙法蓮華経、南無阿弥陀仏、仏説摩訶般若波羅蜜多」
その前ををお経を唱えて鶴田先輩が歩いていた。
「先輩何下手なお経を唱えているんですか。何か違いますよ」
「本当に生臭坊主ですな」
「かあーーーーーつ」
鶴田は叫んで手を伸ばしたが、三上と石田はそれを避けた。
「やばい」
「逃げろ」
「お前ら後で覚えていろよ」
「無理です。忘れます」
自転車の二人は慌てて走っていく。
「上野。のんびりしていていいの。今日は日直じゃないの」
「そうや、忘れてた。というか、お前も一緒やろが」
「仕方ないな。付き合ってあげるわ。じゃあお先に」
二人はそう言うと先に走っていく。
「翔太、一限目数学じゃない。ちょっと教えて欲しいから、私達も少し急ごう」
そう言うと結衣は翔太の手を引っ張り出したのだ。
「えっ、ああ」
手を繋いで歩く二人に太陽の光はもう暖かかった。
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ここまで読んで頂いて有難うございました
これにて完結です
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