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心配して待っていた結衣の所に有頂天になった翔太が帰ってきて喧嘩になりました
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「遅い!」
結衣はご飯を前にイライラしながら翔太の帰りを待っていた。
「結衣、もう食べてしまったら」
「もう少し待つわ。翔太が連絡もしないで遅くなるなんて今までなかったから」
母の言葉に結衣が返した。
「まあ、でも、翔太も付き合いとかで連絡できない都合とかもあるんじゃない?」
母が物わかりの良い発言をしてくれるが、
「でも」
結衣は納得できなかった。
「翔太にも付き合いくらいはあるわよ。山岳部の友達と話しているのかもしれないじゃない」
「それなら連絡してくれたら良いじゃない。携帯も持っているのに」
結衣が何回送っても帰ってこないLINEの画面を見た。
そう、いつもは部活で遅くなっても19時には帰って来るのに、今日に限って20時を回っても帰ってこないのだ。
いくら何でも遅すぎる。
結衣はイライラしながら待っていた。
「私、心配だから少し見てくる」
結衣は外に探しに行こうとした。
「ちょっと結衣! あなた女の子なんだからこんな時間に外に出るのは止めて」
母に注意される。
「でも、外は街路灯もあるから大丈夫よ」
「男の翔太よりも、結衣の方が心配だから今外に出るのは止めて」
「ええええ!」
母の言葉に結衣は不満そうだ。
「だって翔太が事故にあっているかもしれないじゃない」
結衣が叫んだ時だ。
「ただいま」
何もなかったように翔太が帰ってきた。
「ほら、言ったでしょ」
母が結衣の方を見て頷いた。
「翔太、遅いじゃない!」
結衣が翔太を睨みつけてむっとして文句を言うと、
「ごめんごめん、ちょっと友だちと話していて」
翔太は謝った。
「ご飯が出来ているわ」
「ごめん母さん。俺、その友だちと食べてきた」
「な、なんですって。私はずっと待っていたのに」
結衣が文句を言う。
「えっ、ごめん」
翔太はそう言うと、二階に上がっていった。
「な、何なのよ。心配して、損しちゃった」
ムッと膨れて結衣が言いながら食べだす。
「まあ、結衣、翔太も色々ある年頃なのよ」
「いろいろって、LINEくらい出来るわよ」
ムッとして結衣は膨れる。
そこに翔太が二階から降りてきた。
「翔太。誰と食べていたのよ。山岳部の先輩?」
結衣が聞くと、
「誰でもいいだろう」
「ずっと待たしておいて、その言い方はないんじゃない」
「待ってくれって頼んだわけじゃないよ」
「何なのよ。その言い方。私に言えない誰かなの? ひょっとして朝倉さん?」
結衣がからかうように聞いてきた。
「誰でもいいだろう」
「否定しないところ見るとそうなのね」
少しムッとして結衣が膨れる。
「俺が誰と食べようと勝手だろう」
怒って翔太は風呂に入りに行った。
「な、何なの? 今まで心配して待っていたのに、馬鹿みたいじゃない!」
結衣はそう言うと箸を机に叩きつけた。
「ちょっと結衣」
「もういらない」
母の言葉も耳に入らないように、怒った結衣は2階に駆け上がっていったのだ。
「ふうううう」
翔太はため息をついた。
翔太は頭の中がとても混乱していた。
黒い虫を見て思わず抱きついていたまどかの体はとても柔らかかった。
女の子に抱きつかれて、完全に翔太はあがっていた。
思わずまどかの背中を撫でていたのだ。
しばらくしたらまどかは落ち着いたみたいだった。
ひしっとしがみついてくるまどかを理性を総動員して引き剥がしたのだ。
「もうどこにもいないから」
まどかにそうごまかしながら引き剥がしたのだった。
あまりにも寂しそうにしているまどかがかわいそうになってカレーを一緒に食べだのだ。
「美味しい。翔太とカレー食べられて最高」
まどかはとても喜んでくれた。
そして、最後に家を出しなに、
「今日は有難う」
そう言って、さっと、翔太の唇を奪っていたのだ。
単なる唇が触れるだけの簡単なキスだった。
でも、これまで翔太はキスしたことが無かったのだ。
翔太にとってファーストキスだった。
翔太はとても驚いた。
「じゃあ」
どうやって帰ってきたかも翔太は覚えていなかった。
翔太は夢見心地で家まで帰ってきたのだ。
結衣が機嫌が悪かったのは判ったが、今はそれどころではなかった。
ただ、そのキスした時、一瞬、何故かとても懐かしい気がした。
翔太にはその理由がよく判らなかった。
*********************************************
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
『傭兵バスターズ』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/368891667
絶賛更新中です。
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「結衣、もう食べてしまったら」
「もう少し待つわ。翔太が連絡もしないで遅くなるなんて今までなかったから」
母の言葉に結衣が返した。
「まあ、でも、翔太も付き合いとかで連絡できない都合とかもあるんじゃない?」
母が物わかりの良い発言をしてくれるが、
「でも」
結衣は納得できなかった。
「翔太にも付き合いくらいはあるわよ。山岳部の友達と話しているのかもしれないじゃない」
「それなら連絡してくれたら良いじゃない。携帯も持っているのに」
結衣が何回送っても帰ってこないLINEの画面を見た。
そう、いつもは部活で遅くなっても19時には帰って来るのに、今日に限って20時を回っても帰ってこないのだ。
いくら何でも遅すぎる。
結衣はイライラしながら待っていた。
「私、心配だから少し見てくる」
結衣は外に探しに行こうとした。
「ちょっと結衣! あなた女の子なんだからこんな時間に外に出るのは止めて」
母に注意される。
「でも、外は街路灯もあるから大丈夫よ」
「男の翔太よりも、結衣の方が心配だから今外に出るのは止めて」
「ええええ!」
母の言葉に結衣は不満そうだ。
「だって翔太が事故にあっているかもしれないじゃない」
結衣が叫んだ時だ。
「ただいま」
何もなかったように翔太が帰ってきた。
「ほら、言ったでしょ」
母が結衣の方を見て頷いた。
「翔太、遅いじゃない!」
結衣が翔太を睨みつけてむっとして文句を言うと、
「ごめんごめん、ちょっと友だちと話していて」
翔太は謝った。
「ご飯が出来ているわ」
「ごめん母さん。俺、その友だちと食べてきた」
「な、なんですって。私はずっと待っていたのに」
結衣が文句を言う。
「えっ、ごめん」
翔太はそう言うと、二階に上がっていった。
「な、何なのよ。心配して、損しちゃった」
ムッと膨れて結衣が言いながら食べだす。
「まあ、結衣、翔太も色々ある年頃なのよ」
「いろいろって、LINEくらい出来るわよ」
ムッとして結衣は膨れる。
そこに翔太が二階から降りてきた。
「翔太。誰と食べていたのよ。山岳部の先輩?」
結衣が聞くと、
「誰でもいいだろう」
「ずっと待たしておいて、その言い方はないんじゃない」
「待ってくれって頼んだわけじゃないよ」
「何なのよ。その言い方。私に言えない誰かなの? ひょっとして朝倉さん?」
結衣がからかうように聞いてきた。
「誰でもいいだろう」
「否定しないところ見るとそうなのね」
少しムッとして結衣が膨れる。
「俺が誰と食べようと勝手だろう」
怒って翔太は風呂に入りに行った。
「な、何なの? 今まで心配して待っていたのに、馬鹿みたいじゃない!」
結衣はそう言うと箸を机に叩きつけた。
「ちょっと結衣」
「もういらない」
母の言葉も耳に入らないように、怒った結衣は2階に駆け上がっていったのだ。
「ふうううう」
翔太はため息をついた。
翔太は頭の中がとても混乱していた。
黒い虫を見て思わず抱きついていたまどかの体はとても柔らかかった。
女の子に抱きつかれて、完全に翔太はあがっていた。
思わずまどかの背中を撫でていたのだ。
しばらくしたらまどかは落ち着いたみたいだった。
ひしっとしがみついてくるまどかを理性を総動員して引き剥がしたのだ。
「もうどこにもいないから」
まどかにそうごまかしながら引き剥がしたのだった。
あまりにも寂しそうにしているまどかがかわいそうになってカレーを一緒に食べだのだ。
「美味しい。翔太とカレー食べられて最高」
まどかはとても喜んでくれた。
そして、最後に家を出しなに、
「今日は有難う」
そう言って、さっと、翔太の唇を奪っていたのだ。
単なる唇が触れるだけの簡単なキスだった。
でも、これまで翔太はキスしたことが無かったのだ。
翔太にとってファーストキスだった。
翔太はとても驚いた。
「じゃあ」
どうやって帰ってきたかも翔太は覚えていなかった。
翔太は夢見心地で家まで帰ってきたのだ。
結衣が機嫌が悪かったのは判ったが、今はそれどころではなかった。
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