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女の武器でハロルドを虜にした聖女たちを、プッツン切れた勢いでハロルド諸共張り倒しました。

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私は何が起こったか判らなかった。
いきなりテントの中に男が入ってきたかと思ったら、剣を目にも留まらぬ速さで抜くや、寝ている私に突き刺してきたのだ。
終わった! 私はこの人生も終わったと思ったのだ。一度目の人生は人助けで悪役令嬢に転生させられて、二度目は殺されて終わりなんて・・・・。それにこいつ、ロンド王国でハロルドの次に強い騎士団長だ。


ガキンッ

しかし、突き刺されたはずの剣は、龍の体で、跳ね返されて、いや根本からポキっと折れてしまったのだ。

私はホッとした。騎士団長もギクッとしたみたいだった。

しかし、相手はそれで許してくれなかったのだ。
ニヤリと笑うと今度はいきなり私に馬乗りになって、私の首に手を伸ばして掴んできたのだ。男のでかい指につかまれて、男は私の首を渾身の力で締め出してくれたのだ。

く、苦しい・・・・。

私は手をどけようとしたが、男の渾身の力に叶うわけはなく、急に意識が遠のきだした。

「ギャッーーーー」
その時男が悲鳴を上げた。


見ると龍が男の手に噛みついていたのだ。

私の意識が戻る。

「よくもやってくれたわね」
私は怒りに任せて、思いっきり張り倒していた。手に魔力を込めて。

バシーーーン

騎士団長は私のテント諸共に弾き飛んでいった。

ハロルドは何しているのよ。私がこんなになっても助けに来ないなんて!
私が切れた時だ。


一斉に明かりがつけられた。周りには魔導灯を手にしたベルファストの兵士たちが充満して囲ってくれていた。
今まで隠れていたのだろう。

そして、私のテントだった周りには、数十人のロンドの騎士達がいて、驚いた顔で光を見ていた。
黒い十字架の残骸を持っている男もいる。


しかし、
「ハロルド、もっと」
私は淫乱聖女に押し倒されているハロルドを見つけてしまったのだ。
淫乱聖女がハロルドに抱きついていた。

こ、こいつ、私がロンドの騎士団長に殺されそうになった時に、淫乱聖女とイチャイチャしていたんだ。

慌てたロンドの騎士達が私に剣を向けようとしたが、完全に切れた私はそれどころじゃ無かった。

「動くな」
誰かが私の体に後ろから手を回した。ナイフが首に当たっているのが判った。この声はエイベルだ。

「動くと、この女の命がないぞ」
ハロルドは周りの騎士たちに叫んでいた。

「ああら、単純エセ聖女はあっさりと捕まってしまっの? あんたのハロルドも、あんたのペチャパイじゃ不満だそうよ。ほうら、私の豊満な胸のほうが良いって言っているわよ」
淫乱聖女は、ニヤけた顔をして呆けているハロルドの顔に胸を擦り付けたのだ。私に見せびらかすように。

こいつ、私のハロルドに何してくれるのだ。
それにハロルドもハロルドだ。淫乱聖女に篭絡されやがって、もう許さん。

私の怒りに完全に火がついた瞬間だった。

「本当に貧弱な乳だな」
気持ちの悪いことにエイベルが私の胸に触れてきたのだ。

「何するのよ、変態!」
私は思いっきりエイベルを張り倒していた。ナイフもクソも関係なかった。

吹き飛んだエイベルは遠くまで吹っ飛んでいった。

「な、何を、皆、やっておしまい」
慌てた淫乱聖女が指示を下し、騎士達が私に向かつてくるが、プッツン切れた私の敵ではなかった。瞬時に障壁を展開して全員を弾き飛ばした。

私はハロルドの上にまたがっている淫乱聖女しか見ていなかった。

「この淫乱、許さない」
「ちょっと、まって、止めて」
淫乱聖女は恐れて私から逃げようとする。
腰砕けて、コケてしまった。

でも、もう許さない。

私ははだけた聖女の胸元に目がいく。こいつ許してくれって言いながら、まだでかい胸を見せびらかすのか。更に私の頭に血が上った。

恐怖に震えて、はだけた大きな胸を震わせて私を挑発し続ける聖女に完全にされた。必死になにか言いかける淫乱聖女を私は渾身の力を込めて思いっきり張っ倒していた。

ベルファストの騎士達は私を助けようとするどころか、災害から身を守るように、全員、地面に伏せてた。

その上を淫乱聖女が血まみれになって飛んで行ったのだ。




「キャサリン、大丈夫か」
ハッとして正気に戻ったハロルドが私の後ろから越えをかけてきた。

でも、ムカムカしていた私がすぐに許せるわけもなかった。あの胸に顔を挟まれて呆けていたハロルドの姿を思い出していたのだ。

「あなた、そんなにデカパイが良い訳」
私の怒りを感じたのかハロルドがギクリとした。

「いや、ちょっと待て、いきなり、聖女が抱きついてきて、何がなんだかわからなくなって・・・・」
「ふーん、言い訳はそれだけね」
「いゃちょっと」

バシーーーーン
 ムカムカした私はそのままハロルドを張り倒していたのだった。
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