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大きな胸に鼻の下を伸ばしていた者たちを許していなかったら、大きな胸の淫乱聖女もやってきました

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黒い十字架が豊満な胸の全裸女性に変身して、鼻を伸ばした男たちに私は完全に切れていた。

私の怒り狂った渾身の障壁パンチは、当然姑息な手段で延命を計った黒い十字架を瞬時に破壊してはいたが、その周りにいたボケ龍やハロルドらも張り倒していたのだ。

そもそも、そこにあった小山一つもあっさりと消滅させたし。

周りにいた騎士達はなんか私を恐れ慄いて見ているような気がするが、知ったことではない。

私に張り倒されて小型化した龍が慌てて飛んできた。

「ピーピー」
私の足にすり寄るが私はそれを足蹴にしたのだ。

「ふんっ」
絶対に許すもんか。

「ピーーーーーーー」
悲しそうに鳴くが全く無視だ。

「まあまあ、キャサリン様。男というものは、ああいう物が見えると、どうしてもああなってしまうものなのですよ」
「左様でございます」
エイブさんの言葉にヘリフォード伯爵も頷くんだけど。

私がギロリと睨むと、二人共まずいと思ったのか、いきなり明後日の方を向いた。
「いや、疲れましたな」
「少し休みましょうか」
私から離れようとした二人に騎士達も皆ついていこうとした。

「エイブさん。まだ、魔物たちが片付いたわけではありません」
逃げようとしたエイブさんらに、私の地獄の底から聞こえたような声に二人はギクッとする。

「左様で御座いますな。直ちに地上の状況を確認してまいります」
ヘリフォード伯爵が慌てて地上に向かって逃げ出した。

「では、私も」
エイブさんも逃げようとしたのだが、私がガシッと捕まえて逃さなかったのだ。

「そのあたりの男性心理というものをしっかりとお聞かせいただいても宜しいかと?」
私の言葉にさすがのエイブさんも引きつっていた。

私の障壁に張り倒されたのは数十名の騎士とハロルドで、騎士らは本当にいやらしそうな顔をして気絶していた。

「これはまだまだ修行が足りないのではありませんか」
「さ、左様で御座いますな」
私の地の底からの言葉にエイブさんも認めてくれた。

龍は私の怒りを感知して、10メートルほど離れて頭を垂れているんだけど、絶対に許してやらないんだから。

それは幸せそうな顔をして気絶していたハロルドも同じだった。




翌朝、ダンジョンの傍らのテントから起き出すと、

そこには土下座をして頭を下げているハロルド以下50名の騎士がいた。
「ピーーー」
ハロルドの横にはちゃっかりと龍も一緒に頭を下げている。

「な、なんなのよ」
私は驚いた。

「キャサリン、申し訳なかった」
ハロルドが謝る。
「キャサリン様申し訳ありませんでした」
「ピーーーー」
それに合わせて騎士達と龍が頭を下げるんだけど。

「ふんっ、そんなに胸が大きいのが良いのなら、ロンド王国の淫乱聖女に、この国の聖女になってもらったら良いんじゃない。胸は淫乱聖女の方が大きいわよ」
私がムッして言うと

「いや、ちょっと目がそちらに向いてしまったのだ」
「ふーん、大きな胸に見入ってしまったと言うのね」
私が白い目で見ると

「ゴホンゴホン」
エイブさんが咳払いをする。

思わず頷いていしまいそうだったハロルドが慌てて首を振って
「胸がでかいだけが女ではないぞ。ロンドの聖女はあれは淫女だ」
「左様ですぞ。あれはさながらサキュバスですな」
ハロルドの言葉にヘリフォード伯爵も同調する。

ふんっ、サキュバスでも迫られたら男は嬉しいんじゃないの?
私はムッとして二人を見た。


ハックション
その時遠くで大きなくしゃみの音がした。


「申しあげます。隣国のエイベル王子殿下と聖女様がお越しになられました」
騎士が飛び込んできたのだった。
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