ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
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ハロルドのベッドに忍び込んだらベッドに引きずり込まれました
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私は伯爵家の執事さんに部屋に案内してもらったが、何故か感情が落ち着かなかった。
ハロルドが無視したので、なんかムカついていたのだ。
と言うか、伯爵家の娘カーラがハロルドの腕に豊かな胸を押し付けていたんだけど、私はそれが許せなかった。
なんか本当にムカつく。
でも、ハロルドは元々、婚約破棄の場面にいた最強騎士だっただけだった。それを私が利用しようとしただけだった。そう、ここまで見の安全のために無理やり付いてきてもらっただけなのだ。そんなハロルドが他の女にヘラヘラしても全然問題ない・・・・はずだった。
なんか今日の私は変だ。
なんでハロルドが他の女と仲良くなってイライラしているんだろう?
私にはよく判らなかった。
夕食にも案内されたが、
席順は奥は右側がハロルド、辺境伯、奥様、私で、手前はハロルドの向かいが伯爵の娘のカーラ、伯爵、奥様という感じだった。
話が王都の名所の事になって、大聖堂のステンドグラスがいかにきれいか、ハロルドとカーラで盛上っていた。
それを見て私はムツとしていた。
「キャサリンさんはロンド王国のご出身とお伺いしていますが、ロンド王国の王都にはどのような名所がございますの」
伯爵夫人がわざわざ話を振ってくれた。
「伯爵夫人、わざわざお話頂いたのですが、王都にはあまりいい思い出がなくて、ハロルドの方が色々知っていると思いますよ」
私の言葉に伯爵夫人は戸惑ってしまったようだった。
「キャサリンさん、流石にハロルド様を呼び捨てにされるのは宜しく無くて?」
やんわりとカーラが釘を刺してきた。やはりハロルドは高位貴族だし、普通はそうだろう。何しろ私は冒険者になるのだから。
「いや、そこは問題ありませんよ。私もキャサリンと呼び捨てにしていますので」
ハロルドの声にカーラは固まってしまった。
「そうなのですか。ハロルド様とキャサリンさんはお仲が宜しいのですね」
愛想笑いを伯爵夫人がしてきた。
出来たらハロルドと娘のカーラが仲良くなってくれれば良いと伯爵夫婦は思っていたのだろう。
いい気味だと思いつつ、でも、これって第二王子派を切り崩すためにはハロルドとキャサリンが仲良くなってくれたほうが良いのではないかと思わないでもないのだが・・・・。
私は感情のままに話していた。
「ハロルドには無理言って、王都からここまで送ってもらいましたから。二人で野宿したりして仲良くなったんですの」
私はのほほんと言ってやった。
何故か伯爵夫人とカーラが真っ赤になっているんだけど・・・・。まあ、野宿するのは貴族令嬢としてはどうかとは思うが、そこまで赤くなることか?
「まあ、キャサリン様は神に愛されているお方でしてな。今回のスノードニア王国の侵攻戦においても大活躍して頂けまして」
エイブさんが庇ってくれた。
「そうなのですか。キャサリンさんは魔術師か何かですか」
伯爵が聞いてきた。
「まあ、そのようなものですわ」
私は愛想笑いをした。辺境伯にもハロルドにも正体は明かすなと言われているのでここは笑うしかない。
話を誤魔化すために、王宮の大階段から落ちた時にハロルドが受け止めてくれて、それからの付き合いだと言っておいた。
カーラが私を視線で殺すように睨んで来るんだけど、私は得意そうにしてみせた。
そして、その日の夜だ。私は話で盛り上がる男性陣に呆れてさっさと部屋に帰った。
その時にハロルドからまた後で部屋に顔を出すと小声で言われたのだが、ええええ! ついに愛の告白?
まあ、それはないだろう。調子に乗って色々話しすぎたのを注意されるんだろうか?
私は用は何なんだろうともんもんとして待っていたが、中々ハロルドはやってこない。
いくらなんでも遅すぎる。
そこで私はこちらからハロルドの部屋に行くことにした。
部屋の扉をそうっと開ける。
ベッドには人が寝ているようだ。
ハロルドを待っていたのに先に寝てしまったの?
私はムッとしてベッドに近付いた。
ベットカバーに手をかけるといきなり、手を引かれてベッドに引きずり込まれたのだった。
ハロルドが無視したので、なんかムカついていたのだ。
と言うか、伯爵家の娘カーラがハロルドの腕に豊かな胸を押し付けていたんだけど、私はそれが許せなかった。
なんか本当にムカつく。
でも、ハロルドは元々、婚約破棄の場面にいた最強騎士だっただけだった。それを私が利用しようとしただけだった。そう、ここまで見の安全のために無理やり付いてきてもらっただけなのだ。そんなハロルドが他の女にヘラヘラしても全然問題ない・・・・はずだった。
なんか今日の私は変だ。
なんでハロルドが他の女と仲良くなってイライラしているんだろう?
私にはよく判らなかった。
夕食にも案内されたが、
席順は奥は右側がハロルド、辺境伯、奥様、私で、手前はハロルドの向かいが伯爵の娘のカーラ、伯爵、奥様という感じだった。
話が王都の名所の事になって、大聖堂のステンドグラスがいかにきれいか、ハロルドとカーラで盛上っていた。
それを見て私はムツとしていた。
「キャサリンさんはロンド王国のご出身とお伺いしていますが、ロンド王国の王都にはどのような名所がございますの」
伯爵夫人がわざわざ話を振ってくれた。
「伯爵夫人、わざわざお話頂いたのですが、王都にはあまりいい思い出がなくて、ハロルドの方が色々知っていると思いますよ」
私の言葉に伯爵夫人は戸惑ってしまったようだった。
「キャサリンさん、流石にハロルド様を呼び捨てにされるのは宜しく無くて?」
やんわりとカーラが釘を刺してきた。やはりハロルドは高位貴族だし、普通はそうだろう。何しろ私は冒険者になるのだから。
「いや、そこは問題ありませんよ。私もキャサリンと呼び捨てにしていますので」
ハロルドの声にカーラは固まってしまった。
「そうなのですか。ハロルド様とキャサリンさんはお仲が宜しいのですね」
愛想笑いを伯爵夫人がしてきた。
出来たらハロルドと娘のカーラが仲良くなってくれれば良いと伯爵夫婦は思っていたのだろう。
いい気味だと思いつつ、でも、これって第二王子派を切り崩すためにはハロルドとキャサリンが仲良くなってくれたほうが良いのではないかと思わないでもないのだが・・・・。
私は感情のままに話していた。
「ハロルドには無理言って、王都からここまで送ってもらいましたから。二人で野宿したりして仲良くなったんですの」
私はのほほんと言ってやった。
何故か伯爵夫人とカーラが真っ赤になっているんだけど・・・・。まあ、野宿するのは貴族令嬢としてはどうかとは思うが、そこまで赤くなることか?
「まあ、キャサリン様は神に愛されているお方でしてな。今回のスノードニア王国の侵攻戦においても大活躍して頂けまして」
エイブさんが庇ってくれた。
「そうなのですか。キャサリンさんは魔術師か何かですか」
伯爵が聞いてきた。
「まあ、そのようなものですわ」
私は愛想笑いをした。辺境伯にもハロルドにも正体は明かすなと言われているのでここは笑うしかない。
話を誤魔化すために、王宮の大階段から落ちた時にハロルドが受け止めてくれて、それからの付き合いだと言っておいた。
カーラが私を視線で殺すように睨んで来るんだけど、私は得意そうにしてみせた。
そして、その日の夜だ。私は話で盛り上がる男性陣に呆れてさっさと部屋に帰った。
その時にハロルドからまた後で部屋に顔を出すと小声で言われたのだが、ええええ! ついに愛の告白?
まあ、それはないだろう。調子に乗って色々話しすぎたのを注意されるんだろうか?
私は用は何なんだろうともんもんとして待っていたが、中々ハロルドはやってこない。
いくらなんでも遅すぎる。
そこで私はこちらからハロルドの部屋に行くことにした。
部屋の扉をそうっと開ける。
ベッドには人が寝ているようだ。
ハロルドを待っていたのに先に寝てしまったの?
私はムッとしてベッドに近付いた。
ベットカバーに手をかけるといきなり、手を引かれてベッドに引きずり込まれたのだった。
10
前作
『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/904668301
前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。二人をくっつけようとするシルフィだけど、何故か上手くいかなくて・・・・。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
前の投稿作品がこちら
『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/337638866
前世コミュ障で話し下手な私はゲームの世界に転生できた。しかし、ヒロインにしてほしいと神様に祈ったのに、なんとモブにすらなれなかった。こうなったら仕方がない。せめてゲームの世界が見れるように一生懸命勉強して私は最難関の王立学園に入学した。ヒロインの聖女と王太子、多くのイケメンが出てくるけれど、所詮モブにもなれない私はお呼びではない。コミュ障は相変わらずだし、でも、折角神様がくれたチャンスだ。今世は絶対に恋に生きるのだ。でも色々やろうとするんだけれど、全てから回り、全然うまくいかない。挙句の果てに私が悪役令嬢だと判ってしまった。
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