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王女の侍女は超大国の皇太子連中にとんでもないことをしていたと初めて知りました・・・・
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翌日、ボフミエ魔導国の治療魔導師によって治療された私は傷も殆どふさがり、跡は残らないと聞かされてホッとした。
その後来たクリス様は後ろにアルバートを連れていた。
アルバートが色々話したそうにしていたが、リーナ様やクリス様と私が話しているので、何も話せず後ろで控えていた。私はとてもやりにくかった。
クリス様は考えてやってって言うけれど、基本、貴族の妻なんて私の柄ではない。
それに私に内緒で、バーミンガム家に伝わる婚約の印を渡していたなんて許せなかった。アルバートが無事に帰ってくる縁起物だって言うから結構目につくところにつけていたのだ。
皆の目には、公爵家の息子と婚約できて自慢している残念女という感じで映っていたのではないかととても不安だった。
「ソニア、大丈夫か」
そこにジャンヌとアレクが入ってきた。
「あ、ジャンヌ様。アレク様。わざわざインダルまで来ていただけたんですか」
私は喜んで二人に言った。まさか、本当に来てくれるなんて思ってもいなかったのだ。二人は優秀な魔導騎士で、これでマエッセンが攻めて来ても勝てる。まあ、クリス様一人でも十二分に勝てるとは思うが。私は嬉しくなった。
「賭けに負けたからな。まあ負けたのはアルバートだけど」
ジャンヌはアルバート様を見て言った。まだ言っているみたいだ。
「まだ言うんですか。しつこいですね」
アルバートが苦笑いする。私には笑っても許さないんだから。私はそう思いながら、でも何でアルバートはジャンヌに敬語なんだろうと少し不思議に思った。
「それよりも、クリス。オーウェンの奴がうるさいんだけど」
ジャンヌはクリス様の事も呼び捨てだ。確か親戚とか言っていたけど。
親戚?侯爵家の分家か何かだろうか。
「良いんです。私に黙ってソニアをインダルに帰すなんて信じられません」
クリス様が本当に怒っていた。
「すいません。筆頭魔導師様。私が無理やり帰るって言ったんです。そうしたら一人で帰るのは大変だからってトリポリの皇太子殿下を紹介していただいて、スカイバードに載せてもらったり・・・・・」
「ソニア、トリポリの皇太子に変なことされなかった」
いきなりアルバートが横から会話に入ってきた。
「はい?親切でしたよ。行く所なかったら、俺のところに来ないかって冗談言われていましたけど」
公爵令息の事を無視するわけにもいかず、私は答えた。でも許したわけではない。
「あいつ、今度殺す」
アルバートの目が怖かった。余計なことを言ってしまっただろうか。
「えっ、いやだから、オウは悪くなくて」
「でも、オウもすぐに私に教えてくれたら良かったじゃない。それならソニアがここまであの変態王妃に痛めつけられることはなかったわ」
クリスは私のために怒ってくれたようだ。でも待てよ。クリスの恋人はオウ。今はオーウェンに怒っているって言っていた。オーウェンイコールオウ?
ちょっと待って、内務卿の名前は確かオーウェンドラフォード・・・・・・
私は少し目眩がした。
「あのう、ひょっとしてオウって内務卿であらせられますか」
私は恐る恐る聞いた。
「そうよ」
「何だソニアは知らなかったのか」
クリスとジャンヌが頷いた。
「えええええ!」
私は絶句した。じゃあ、あの親書ってオウ本人がが書いてくれたものなんだ。
トリポリの皇太子もドラフォードの皇太子から頼まれたら嫌だとは言えないよね。
それにオウに胸のペンダントのことも聞かれた。ドラフォードの皇太子なら自国の公爵家の話は当然知っているはずだ。公爵家の婚約者だから色々やってくれたんだ。
なのに、私、一人で帰るとか言って駄々こねたり、超大国の皇太子殿下にとても失礼なことをしていたんじゃ・・・・
「私とても無理なことを色々お願いして・・・・」
オウとの会話を思い返して蒼白になった。
「良いのよソニア。そんな事気にしなくて。あなたは私の大切な友達なんだから、オウは当然気にしてくれて当たり前よ。でも、そういうことをしたのなら即座に私に言うべきよ」
クリスはまだ怒っていた。
オウはドラフォードの皇太子殿下だったんだ。まあ、筆頭魔導師様の恋人だし。学園長はテレーゼの皇太子。
でも、ここにもっと偉そうな人が二人いるんだけれど。考えたらジャンヌはオーウェンと内務卿を呼び捨てにしていた。
ジャンヌとアレク・・・・ジャンヌとアレク・・・・・
確かマーマレードの皇太子殿下が同じ名前で、それと親しいのはノルデイン帝国の皇太子・・・・
私はとんでもないことを思いついた。
「あのう、ジャンヌ様ってマーマレードの方ですか」
「当然だろう」
ジャンヌは何を聞いてくると不審そうな顔わした。
「ひょっとして皇太子殿下であらせられますか」
「えっ、お前知らなかったの?」
「はいっ」
私は蒼白になって頷いた。
「だってお前、様ってつけて私のことを呼んでいたじゃん。当然知っていたと思ったんだけど。ちなみにアレクはノルデインの皇太子だけど」
私は血の気がさああああっと引いていった。
うそ、あの暴風王女と赤い死神に、手伝ってくれってお願いしていた。
「も、申し訳ありません。何も知らなかったとは言え、超大国のお二方にとんでもないことをお願いしておりました」
私はベッドの上で平伏した。
「あっはっはっはっ」
ジャンヌが大声で笑い出した。
「お前本当に面白いな。まあ、面白かったし気にするな。なあアレク」
「しかし、ここまで来てやったのに、全然敵がいないぞ」
えっ、赤い死神が怒っているよ。王妃を処断したのはクリスの雷撃だって聞いたけど、王子派はほとんど無抵抗で降参したんだろうか。
赤い死神の黒い笑みに私は詰んだと思った。責任とって爆裂魔術で燃やされるかも知れない。
そう言えば訓練の時に障壁を赤い死神に思いっきり当てようとしていた。
私はダラダラと冷や汗まみれになっていた・・・・
その後来たクリス様は後ろにアルバートを連れていた。
アルバートが色々話したそうにしていたが、リーナ様やクリス様と私が話しているので、何も話せず後ろで控えていた。私はとてもやりにくかった。
クリス様は考えてやってって言うけれど、基本、貴族の妻なんて私の柄ではない。
それに私に内緒で、バーミンガム家に伝わる婚約の印を渡していたなんて許せなかった。アルバートが無事に帰ってくる縁起物だって言うから結構目につくところにつけていたのだ。
皆の目には、公爵家の息子と婚約できて自慢している残念女という感じで映っていたのではないかととても不安だった。
「ソニア、大丈夫か」
そこにジャンヌとアレクが入ってきた。
「あ、ジャンヌ様。アレク様。わざわざインダルまで来ていただけたんですか」
私は喜んで二人に言った。まさか、本当に来てくれるなんて思ってもいなかったのだ。二人は優秀な魔導騎士で、これでマエッセンが攻めて来ても勝てる。まあ、クリス様一人でも十二分に勝てるとは思うが。私は嬉しくなった。
「賭けに負けたからな。まあ負けたのはアルバートだけど」
ジャンヌはアルバート様を見て言った。まだ言っているみたいだ。
「まだ言うんですか。しつこいですね」
アルバートが苦笑いする。私には笑っても許さないんだから。私はそう思いながら、でも何でアルバートはジャンヌに敬語なんだろうと少し不思議に思った。
「それよりも、クリス。オーウェンの奴がうるさいんだけど」
ジャンヌはクリス様の事も呼び捨てだ。確か親戚とか言っていたけど。
親戚?侯爵家の分家か何かだろうか。
「良いんです。私に黙ってソニアをインダルに帰すなんて信じられません」
クリス様が本当に怒っていた。
「すいません。筆頭魔導師様。私が無理やり帰るって言ったんです。そうしたら一人で帰るのは大変だからってトリポリの皇太子殿下を紹介していただいて、スカイバードに載せてもらったり・・・・・」
「ソニア、トリポリの皇太子に変なことされなかった」
いきなりアルバートが横から会話に入ってきた。
「はい?親切でしたよ。行く所なかったら、俺のところに来ないかって冗談言われていましたけど」
公爵令息の事を無視するわけにもいかず、私は答えた。でも許したわけではない。
「あいつ、今度殺す」
アルバートの目が怖かった。余計なことを言ってしまっただろうか。
「えっ、いやだから、オウは悪くなくて」
「でも、オウもすぐに私に教えてくれたら良かったじゃない。それならソニアがここまであの変態王妃に痛めつけられることはなかったわ」
クリスは私のために怒ってくれたようだ。でも待てよ。クリスの恋人はオウ。今はオーウェンに怒っているって言っていた。オーウェンイコールオウ?
ちょっと待って、内務卿の名前は確かオーウェンドラフォード・・・・・・
私は少し目眩がした。
「あのう、ひょっとしてオウって内務卿であらせられますか」
私は恐る恐る聞いた。
「そうよ」
「何だソニアは知らなかったのか」
クリスとジャンヌが頷いた。
「えええええ!」
私は絶句した。じゃあ、あの親書ってオウ本人がが書いてくれたものなんだ。
トリポリの皇太子もドラフォードの皇太子から頼まれたら嫌だとは言えないよね。
それにオウに胸のペンダントのことも聞かれた。ドラフォードの皇太子なら自国の公爵家の話は当然知っているはずだ。公爵家の婚約者だから色々やってくれたんだ。
なのに、私、一人で帰るとか言って駄々こねたり、超大国の皇太子殿下にとても失礼なことをしていたんじゃ・・・・
「私とても無理なことを色々お願いして・・・・」
オウとの会話を思い返して蒼白になった。
「良いのよソニア。そんな事気にしなくて。あなたは私の大切な友達なんだから、オウは当然気にしてくれて当たり前よ。でも、そういうことをしたのなら即座に私に言うべきよ」
クリスはまだ怒っていた。
オウはドラフォードの皇太子殿下だったんだ。まあ、筆頭魔導師様の恋人だし。学園長はテレーゼの皇太子。
でも、ここにもっと偉そうな人が二人いるんだけれど。考えたらジャンヌはオーウェンと内務卿を呼び捨てにしていた。
ジャンヌとアレク・・・・ジャンヌとアレク・・・・・
確かマーマレードの皇太子殿下が同じ名前で、それと親しいのはノルデイン帝国の皇太子・・・・
私はとんでもないことを思いついた。
「あのう、ジャンヌ様ってマーマレードの方ですか」
「当然だろう」
ジャンヌは何を聞いてくると不審そうな顔わした。
「ひょっとして皇太子殿下であらせられますか」
「えっ、お前知らなかったの?」
「はいっ」
私は蒼白になって頷いた。
「だってお前、様ってつけて私のことを呼んでいたじゃん。当然知っていたと思ったんだけど。ちなみにアレクはノルデインの皇太子だけど」
私は血の気がさああああっと引いていった。
うそ、あの暴風王女と赤い死神に、手伝ってくれってお願いしていた。
「も、申し訳ありません。何も知らなかったとは言え、超大国のお二方にとんでもないことをお願いしておりました」
私はベッドの上で平伏した。
「あっはっはっはっ」
ジャンヌが大声で笑い出した。
「お前本当に面白いな。まあ、面白かったし気にするな。なあアレク」
「しかし、ここまで来てやったのに、全然敵がいないぞ」
えっ、赤い死神が怒っているよ。王妃を処断したのはクリスの雷撃だって聞いたけど、王子派はほとんど無抵抗で降参したんだろうか。
赤い死神の黒い笑みに私は詰んだと思った。責任とって爆裂魔術で燃やされるかも知れない。
そう言えば訓練の時に障壁を赤い死神に思いっきり当てようとしていた。
私はダラダラと冷や汗まみれになっていた・・・・
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