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アルバート視線4 アルバートは泣いている王女の侍女を抱きしめました
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俺は障壁に吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた。
そして、侍女に負けたことに呆然とした。
まさか、小国のほとんど魔術も使えなかった者に負けるなんて。
「うそーーー。アルバートが負けた」
遠くで呆然としたジャンヌが見えた。
まさかこんなことになるなんて思ってもいなかったのだろう。
「ソニア!」
クリス様の悲鳴が聞こえる。
慌てて駆け寄ると、魔力切れでソニアは倒れていた。
俺は責任とって気絶したソニアを今日寝ていた王宮の部屋に運ぶことにした。
こいつも2日連続で魔力切れで気絶するなんてなんて奴だと思いながら。
部屋に運ぶと医師が見に来てくれたが、単なる魔力切れだと言われた。
俺は責任取る意味で。ソニアが気づくまで側にいることにした。
しかし、まさか、障壁を縦に伸ばして攻撃してくるなんて思ってもいなかった。
とんでもないやつだ。
ここまで完璧にやられるともう笑うしか無かった。
でも、戦闘職種でもない侍女にやられるなんて。後で周りのやつになんて言われるやら。
途中で見舞いに来たクリス様についてきたその弟のウイルには、馬鹿にされて笑われた。
この事が年の離れた兄貴らに知られるとまた何を言われることになるやら。
父に知られれば、一から特訓だといってかいって猛特訓になるかも知れない。
それを考えると本当に憂鬱だった。
ソニアは中々起きなかった。
途中何回もうなされていた。
涙を流しながら。
ソニアは父と母を幼い頃にマエッセンの奴らに殺されて、もう、縁者もいないそうだ。主の王女が縁者みたいなものだとクリス様もおっしゃっていらっしゃった。
ソニアも、王女を守る為に必死だったのだろう。
しかし、暴風王女と赤い死神に頼るなんてなんて奴だ。
まあ、本人は優秀な友だちに頼んだつもりなのかも知れないけれど。いや、絶対に気付いていない。
そして、俺がまさかの敗北を喫してしまったから、暴風王女も赤い死神も手伝わざる負えなくなってしまった。
ふんっ、人を代わりに戦わせるからだ。
しかし、マエッセンはこれで確実に詰んだ。絶対に。
暴風王女と赤い死神に楯突いて、無事な国なんてなかなか存在しない。マエッセンの淫乱暴虐王らにしたら、赤い死神と暴風王女がインダル側についたなんて夢にも思っていないだろう。インダルなんて小国の侍女が世界最強の後ろ盾を連れてくるなんて。
それも、本人のソニアですらその事に気づいていない。少し考えれば判るはずなのに。
近衛の俺より強いやつってボフミエでもそんなにいないのだが。
そもそもそのソニアの友達がこの国最強の筆頭魔導師様って事も知らないし。
近衛の俺がついているだけで、本来気づいても良いことなのに、本当にソニアは天然だ。
本当にソニアらしい。
俺はなぜか笑っていた。
「止めてーーーー」
次の日の夜中にソニアがまたうなされた。
「大丈夫だ」
俺は手をのばしたソニアの腕を掴んでやる。
なんてか細い手なんだ。
俺はその手を握ってやった。
ソニアが目を開けて飛び起きた。
「しっかりしろ」
俺はソニアの肩を抱いていった。
ソニアは泣いていた。
そして、震えてした。
「すいません。父と母が殺される夢を見ていました」
ソニアは顔を両手で抑えて震えて言った。
「大丈夫か」
俺はハンカチを渡した。
「すいません。涙が止まらなくて」
ソニアは俺のハンカチで涙を拭いた。
俺は震えるソニアの肩を抱きしめて慰めてやりたくなった。
俺は優しく肩を抱くと胸の中に抱いた。
「すいません。こんな事されたの、両親が生きていた時くらいで」
ソニアはつまりつまりながら言った。
その背中をトントンと軽くたたいてやる。
「気にしなくてもいい。好きなだけ泣いていいから」
俺は慰めていった。そんなこと言ったのは初めてだった。でも、ここですげなく冷たくするなんてことは出来なかった。
「すいません。本当にすいません」
そう言いながらソニアは俺の胸の中で思いっきり泣いていた。
俺はソニアが泣きつかれて眠ってしまうまでその柔らかい躰を優しく抱きしめていた。
そして、侍女に負けたことに呆然とした。
まさか、小国のほとんど魔術も使えなかった者に負けるなんて。
「うそーーー。アルバートが負けた」
遠くで呆然としたジャンヌが見えた。
まさかこんなことになるなんて思ってもいなかったのだろう。
「ソニア!」
クリス様の悲鳴が聞こえる。
慌てて駆け寄ると、魔力切れでソニアは倒れていた。
俺は責任とって気絶したソニアを今日寝ていた王宮の部屋に運ぶことにした。
こいつも2日連続で魔力切れで気絶するなんてなんて奴だと思いながら。
部屋に運ぶと医師が見に来てくれたが、単なる魔力切れだと言われた。
俺は責任取る意味で。ソニアが気づくまで側にいることにした。
しかし、まさか、障壁を縦に伸ばして攻撃してくるなんて思ってもいなかった。
とんでもないやつだ。
ここまで完璧にやられるともう笑うしか無かった。
でも、戦闘職種でもない侍女にやられるなんて。後で周りのやつになんて言われるやら。
途中で見舞いに来たクリス様についてきたその弟のウイルには、馬鹿にされて笑われた。
この事が年の離れた兄貴らに知られるとまた何を言われることになるやら。
父に知られれば、一から特訓だといってかいって猛特訓になるかも知れない。
それを考えると本当に憂鬱だった。
ソニアは中々起きなかった。
途中何回もうなされていた。
涙を流しながら。
ソニアは父と母を幼い頃にマエッセンの奴らに殺されて、もう、縁者もいないそうだ。主の王女が縁者みたいなものだとクリス様もおっしゃっていらっしゃった。
ソニアも、王女を守る為に必死だったのだろう。
しかし、暴風王女と赤い死神に頼るなんてなんて奴だ。
まあ、本人は優秀な友だちに頼んだつもりなのかも知れないけれど。いや、絶対に気付いていない。
そして、俺がまさかの敗北を喫してしまったから、暴風王女も赤い死神も手伝わざる負えなくなってしまった。
ふんっ、人を代わりに戦わせるからだ。
しかし、マエッセンはこれで確実に詰んだ。絶対に。
暴風王女と赤い死神に楯突いて、無事な国なんてなかなか存在しない。マエッセンの淫乱暴虐王らにしたら、赤い死神と暴風王女がインダル側についたなんて夢にも思っていないだろう。インダルなんて小国の侍女が世界最強の後ろ盾を連れてくるなんて。
それも、本人のソニアですらその事に気づいていない。少し考えれば判るはずなのに。
近衛の俺より強いやつってボフミエでもそんなにいないのだが。
そもそもそのソニアの友達がこの国最強の筆頭魔導師様って事も知らないし。
近衛の俺がついているだけで、本来気づいても良いことなのに、本当にソニアは天然だ。
本当にソニアらしい。
俺はなぜか笑っていた。
「止めてーーーー」
次の日の夜中にソニアがまたうなされた。
「大丈夫だ」
俺は手をのばしたソニアの腕を掴んでやる。
なんてか細い手なんだ。
俺はその手を握ってやった。
ソニアが目を開けて飛び起きた。
「しっかりしろ」
俺はソニアの肩を抱いていった。
ソニアは泣いていた。
そして、震えてした。
「すいません。父と母が殺される夢を見ていました」
ソニアは顔を両手で抑えて震えて言った。
「大丈夫か」
俺はハンカチを渡した。
「すいません。涙が止まらなくて」
ソニアは俺のハンカチで涙を拭いた。
俺は震えるソニアの肩を抱きしめて慰めてやりたくなった。
俺は優しく肩を抱くと胸の中に抱いた。
「すいません。こんな事されたの、両親が生きていた時くらいで」
ソニアはつまりつまりながら言った。
その背中をトントンと軽くたたいてやる。
「気にしなくてもいい。好きなだけ泣いていいから」
俺は慰めていった。そんなこと言ったのは初めてだった。でも、ここですげなく冷たくするなんてことは出来なかった。
「すいません。本当にすいません」
そう言いながらソニアは俺の胸の中で思いっきり泣いていた。
俺はソニアが泣きつかれて眠ってしまうまでその柔らかい躰を優しく抱きしめていた。
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