娘の命を救うために生贄として殺されました・・・でも、娘が蔑ろにされたら地獄からでも参上します

第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません

麓の村を山賊が襲ったのはシャラをおびき出す罠でした

麓の村は大混乱だった。

今までこんなことはなかったのに、急遽山賊が襲ってきたのだ。

剣を抜いて何十人もの山賊が急遽襲ってきたのだ。

男たちは直ちに応戦しようとしたが、族達は多く、あっという間に切り捨てられた。

族達は家に押し入り、めぼしい物を略奪、若い女と見るとそのまま集団で襲った。

その少女の家にも男たちが押し入ってきた。

「何しやがる」
少女の父親が叫んで鋤で殴りかかるが、かわされて、長刀でたたっ切られていた。

「いやあああ」
少女が悲鳴を上げる。

「ほう、いいえものがいたぜ」
男たちは目を輝かして少女に襲いかかろうとした。

少女はその男たちを避けて窓から飛び出した。

慌てて逃げる。

「おいおい、俺達から逃げられると思っているのか」
あっという間に男たちに追いつかれる。

そして、あっという間に、男たちに腕を掴まれた。

「いや、離して」
言う少女の服はあっという間にビリビリに引き裂かれた。

「いやあああ」
少女が悲鳴を上げる。

男らは少女を地面に押し倒した。

そして、男が少女にのしかかろうとした時だ。

少女は思わず目を閉じた。

(神様！)

絶体絶命の瞬間少女は心の底から叫んでいた。

次の瞬間周りで笑ってみていた男らの躰が真っ二つに裂けていた。

「えっ」
少女にのしかかろうとしていた男が慌てて首を上げた時だ。

男の首は胴体から切り離されて飛んでいた。

「何をしている。貴様ら」
そこには山賊共の血を浴びて血だらけになりながら仁王立ちしているシャラがいた。

少女の目にはそこには血まみれになって笑う鬼神いや女神が映っていた。



「姉御。山賊の奴ら全員始末しました」
しばらく立って周りを見て回ったステバンが報告した。

「おい、ステバン。貴様がなんでここにいる。クローディアの側には誰がいるのだ」
シャラは慌てて叫んでいた。

「エルンストの野郎がいますよ。奴は腕もたつし問題ないかと」
ステバンが言った。

「愚か者。あれほどどんな事があってもクローディアの傍から離れるなと申しておったろうが」
シャラは思いっきりステバンを殴っていた。
シャラはとても不吉な予感がした。


「戻るぞ」
そう言うとシャラは転移していった。

「えっ、姉御。ここの始末はどうするんですか」
チェレンチーは叫んでいたが、既にシャラはいなかった。

「チェッ。もう娘のことになると見境がなくなるんだから」
チェレンチーは慌てて堅実そうな部下を10名残して帰還することにした。



一方、シャラらが山賊胎児に慌てて飛んで出ていった村は急激に人の数が減った。

それを遠くから見張っていたノザレの特殊部隊は一斉に村に侵入した。

しかし、村の境界に入った途端に、一斉にけたたましい警報が鳴り出した。

「な、何だ。これは」
特殊部隊の魔導師たちは驚いた。

そして、次の瞬間爆薬が次々に爆発した。

魔導師たちは障壁で防ぐが兵士たちの半数はその爆発に巻き込まれていた。

50名いた特殊部隊の面々は半数までに減っていた。

「いたぞ、あの金髪の女だ」
男たちは庭の薬草の世話をしていたクローディアを見つけた。

全員がそちらに走っていく。

その前にエルンスト・ミハイルが棒立ちしていた。

男たちはジンデルの影から、エルンストは裏切ったと聞いていた。

「エルンスト手伝え」
先頭を走っていた男がエルンストに声をかける。

エルンストは一瞬戸惑った顔をした。

しかし、男がエルンストの横を走って通ろうとした時だ。

エルンストは一瞬で下段から剣を抜くと剣で切り上げていた。

横を通ろうとしていた男は弾け飛んでいた。