42 / 59
第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません
シャラは元司法長官に国王即位を依頼されました
しおりを挟む
その時、シャラは建物に客人を迎えていた。
その男は元司法大臣のブリエントだった。
「ジャルカ。貴様、何でこんな奴を通した」
その顔を見てシャラは切れた。
「も、申し訳ありません。シャラ様。クローディア様に卑劣なことを致した点、このブリエント平伏するのみでございます」
ブリエントは平伏していた。
「どういう事だ。ジャルカ。コヤツはダレルの手下であったやつではないか」
シャラは睨みつけた。
クローディアを生贄にしようとしたダレル王国の連中には全員地獄に叩き落としたはずであった。何故こいつが生きるている。
「まあ、まあ、シャラや、このブリエントはお主が来た時に地下牢に入れられていらしい。、お主が助けたのじゃろうが」
ジャルカが苦笑いして言った。
「たまたま、我が天誅を受けなんだか。ならばその幸運を喜び我が前より消え失せろ」
今更殺す気力もシャラには無かった。
そもそも自分に平伏している人間を殺せるほどシャラは人間が完成してはいなかった。
「は、ありがたき幸せにございます。その幸運に面し、私、シャラ様に折り入ってお頼みしたき義がございます」
平伏したままブリエントは言った。
「はんっ。命を助けてやると言っただろう。その上頼みごととは図々しいにもほどがあるのではないか」
「申し訳ございません。ただ、臣はただただ、民のためにお願いしたき義がございます」
シャラの怒りをスルーして平伏したままブリエントは言った。
「民のためだと。何か困っているのか」
「聞くだけでも聞いて頂けますか」
ブリエントは少し顔を上げて聞いた。
「ふん、碌でもないことならその方の命をもらうが」
「お聞き届け頂き、ありがとうございます。ダレル国が消滅してより、我がダレルの地に、ノザレやマーマの手の者が入り込んで狼藉を重ねておりまする」
「チェレンチー、そうなのか」
部下の中で一番まともそうなチェレンチーにシャラは尋ねた。
「さあ、ダレルの地のことについては詳しくは調べておりませんが、十分に考えられることではあります」
「なんだか、面倒くさいな。その者共を追い払えばよいのか」
シャラは面倒そうに聞いた。
「はっ、ありがたき幸せにございます」
ブリエントは平伏した。
「しかし、王の居ぬこのダレルの地に進出しようとする輩は多々おりましょう。
シャラ様にはそのたびにお手を煩わすのは我々共もしのびなく」
「ブリエント。なんか回りくどいな。どうしてほしいのだ」
聞き飽きてシャラが言った。
「はっ。マーマ王国軍を一撃で殲滅、悪逆非道の国王らを成敗されたシャラ様には民のことを鑑みられて、ぜひとも王に即位頂きたく平にお願いいたす次第でございます」
その一瞬にシャラは固まっていた。
シャラは平民で指導者から見れば反逆者だ。その反逆者に王になれなどこいつは何を言っているのだ。
「何を言っている。ブリエント。私はダレル王国に反逆した謀反人だぞ。それも平民だ。王なんてなれるわけはないだろう」
シャラは叫んでいた。
「何をおっしゃいます。シャラ様は義の人。元々約束を破ったのは悪逆非道のダレル国王でございます。そもそも、ここにはダレル王国を開闢された大賢者ジャルカ様もいらっしゃいます。シャラ様が即位されることに何の問題もございません」
「何を言っている。ジャルカ、お前も何とか言え」
シャラは叫んだが、
「ほっほっほっ、元々ダレル王国の始祖は平民でござる。反逆者ということで言えばマーマ王国の現国王こそ反逆者ですぞ。別にシャラが即位するのに何の問題もございません」
「はっ、ありがたき幸せ」
そのジャルカの言葉にブリエントが平伏する。
「何を言っておる。私は無理だ」
シャラは叫んでいた。王なんて面倒なことやってられるか。
出来るわけないのに、ジャルカは何を言いやがるんだ。そう思い、ジャルカを見たが、ジャルカは笑っていた。
絶対に楽しんでやがる。
シャラが更に切れそうになった時だ。
「姉御。大変だ。山賊が地元の村を襲っているそうだ」
ステバンが駆け込んできた。
「何だと。直ちに出撃だ。行くぞ野郎ども」
これ幸いとシャラは叫んでいた。
そして、仲間を集めると直ちに飛び出していった。
それがノザレの作った囮だとも知らずに。
その男は元司法大臣のブリエントだった。
「ジャルカ。貴様、何でこんな奴を通した」
その顔を見てシャラは切れた。
「も、申し訳ありません。シャラ様。クローディア様に卑劣なことを致した点、このブリエント平伏するのみでございます」
ブリエントは平伏していた。
「どういう事だ。ジャルカ。コヤツはダレルの手下であったやつではないか」
シャラは睨みつけた。
クローディアを生贄にしようとしたダレル王国の連中には全員地獄に叩き落としたはずであった。何故こいつが生きるている。
「まあ、まあ、シャラや、このブリエントはお主が来た時に地下牢に入れられていらしい。、お主が助けたのじゃろうが」
ジャルカが苦笑いして言った。
「たまたま、我が天誅を受けなんだか。ならばその幸運を喜び我が前より消え失せろ」
今更殺す気力もシャラには無かった。
そもそも自分に平伏している人間を殺せるほどシャラは人間が完成してはいなかった。
「は、ありがたき幸せにございます。その幸運に面し、私、シャラ様に折り入ってお頼みしたき義がございます」
平伏したままブリエントは言った。
「はんっ。命を助けてやると言っただろう。その上頼みごととは図々しいにもほどがあるのではないか」
「申し訳ございません。ただ、臣はただただ、民のためにお願いしたき義がございます」
シャラの怒りをスルーして平伏したままブリエントは言った。
「民のためだと。何か困っているのか」
「聞くだけでも聞いて頂けますか」
ブリエントは少し顔を上げて聞いた。
「ふん、碌でもないことならその方の命をもらうが」
「お聞き届け頂き、ありがとうございます。ダレル国が消滅してより、我がダレルの地に、ノザレやマーマの手の者が入り込んで狼藉を重ねておりまする」
「チェレンチー、そうなのか」
部下の中で一番まともそうなチェレンチーにシャラは尋ねた。
「さあ、ダレルの地のことについては詳しくは調べておりませんが、十分に考えられることではあります」
「なんだか、面倒くさいな。その者共を追い払えばよいのか」
シャラは面倒そうに聞いた。
「はっ、ありがたき幸せにございます」
ブリエントは平伏した。
「しかし、王の居ぬこのダレルの地に進出しようとする輩は多々おりましょう。
シャラ様にはそのたびにお手を煩わすのは我々共もしのびなく」
「ブリエント。なんか回りくどいな。どうしてほしいのだ」
聞き飽きてシャラが言った。
「はっ。マーマ王国軍を一撃で殲滅、悪逆非道の国王らを成敗されたシャラ様には民のことを鑑みられて、ぜひとも王に即位頂きたく平にお願いいたす次第でございます」
その一瞬にシャラは固まっていた。
シャラは平民で指導者から見れば反逆者だ。その反逆者に王になれなどこいつは何を言っているのだ。
「何を言っている。ブリエント。私はダレル王国に反逆した謀反人だぞ。それも平民だ。王なんてなれるわけはないだろう」
シャラは叫んでいた。
「何をおっしゃいます。シャラ様は義の人。元々約束を破ったのは悪逆非道のダレル国王でございます。そもそも、ここにはダレル王国を開闢された大賢者ジャルカ様もいらっしゃいます。シャラ様が即位されることに何の問題もございません」
「何を言っている。ジャルカ、お前も何とか言え」
シャラは叫んだが、
「ほっほっほっ、元々ダレル王国の始祖は平民でござる。反逆者ということで言えばマーマ王国の現国王こそ反逆者ですぞ。別にシャラが即位するのに何の問題もございません」
「はっ、ありがたき幸せ」
そのジャルカの言葉にブリエントが平伏する。
「何を言っておる。私は無理だ」
シャラは叫んでいた。王なんて面倒なことやってられるか。
出来るわけないのに、ジャルカは何を言いやがるんだ。そう思い、ジャルカを見たが、ジャルカは笑っていた。
絶対に楽しんでやがる。
シャラが更に切れそうになった時だ。
「姉御。大変だ。山賊が地元の村を襲っているそうだ」
ステバンが駆け込んできた。
「何だと。直ちに出撃だ。行くぞ野郎ども」
これ幸いとシャラは叫んでいた。
そして、仲間を集めると直ちに飛び出していった。
それがノザレの作った囮だとも知らずに。
20
お気に入りに追加
1,830
あなたにおすすめの小説
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる