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第一章 娘が生贄にされるのを助けるために地獄から脱獄します

魔神はダレル王国を消滅させました

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そして、王宮の大門が爆裂魔術で吹き飛ばされた。

大音響と共に門が内側に倒れ込む。

「非常事態だ」
「攻撃だ。大門が破られたぞ」
声を掛け合って騎士たちがわらわらと飛び出してきた。

「出会え!出会え!」
次々と出てきた騎士たちがシャラに切りかかる。
地獄からかっさらってきた宝剣草薙の剣の切れ味は素晴らしく、次々に騎士たちを肉塊に変えていった。

「大変でございます。金髪を逆立てた女騎士が押し込んできました」
騎士が国王に注進する。

「敵は何人なのだ」
「詳しくは不明ですが、見る限り1人です」
「一人くらい騎士団でなんとかしろ」
「しかし、やたら強い騎士でして」
納得しない国王に騎士が反論する。


「ええい、もう面倒くさい」
シャラは騎士の多さに嫌気が差してきた。

シャラは無詠唱で爆裂魔術を炸裂させる。

前にいた大量の騎士と後ろの王宮の壁もろとも弾き飛ばす。

その爆発は謁見の間も巻き込んで、アーノルド達も爆風で弾き飛ばされた。


「お、ここにいたか」
シャラは国王たちを見つけて言った。

「貴様何奴」
アーノルドはシャラが誰か判らなかった。

「何という恩知らず。元国王アーノルド、その方私を忘れたのか」
シャラが呆れていった。
「コニー達は少なくとも覚えておったぞ」

「コニー、ひょっとして貴様シャラか」
アーノルドは驚愕して聞いた。

「やっと思い出したか。ぼんくら国王」
「し、しかし、貴様は生贄として死んだはずでは」

「そうさ、貴様らのせいで地獄の無限地獄で悲惨な目に合わされていた」
「う、嘘よ」
王妃の悲鳴が上がった。

「ふんっ。人が苦労している時に、貴様らはここでのうのうとして私のかわいいクローディアをいじめていたのよな」
シャラはゆっくりとアーノルドの方へ歩き出した。
「いや、待て、シャラ」
「アーノルド貴様よくも裏切ったな」
シャラの鉄拳が国王アーノルドの頬を張り飛ばした。
「ぎゃっ」
アーノルドは柱に叩きつけられた。
「マティルダ。貴様もだ」
「いゃ、待って、そんな、ギャーーーーー」

マティルダの頬にも鉄拳が舞う。マティルダも顔中血だらけにしてふっとばされた。

「おのれ、化け物め」
皇太子が斬りかかるが、剣で弾き飛ばされる。

「貴様が能無し皇太子か。良くもクローディアを裏切ってくれたな」
シャラの怒りの鉄拳が鼻にめり込んだ。
鼻柱を陥没させて皇太子が吹き飛んでいた。


「貴様らが一生我が娘クローディアを大切にするという約束を良くも反故にしてくれたな」
「ま、待ってくれ。シャラ、これには訳が」
「何がわけがだ。そのようなものはいらん。何のために私が地獄から蘇ってきたと思うのだ。貴様らを地獄に叩き落すためだ」
シャラは手に魔力を込めた。

「まて、貴様王国を滅ぼすつもりか」
「ふんっ。こんな嘘つき王国など亡き方が余程民のためであろう」
「まっ待って」
国王と王妃が必死に許しを請う。

「言い訳は地獄の閻魔の前でやってくれ。閻魔には十分によしなにしてやってくれと頼んでおく」
「いや、うそ、やめて」

「地獄に帰れ」
シャラは爆裂魔術で王宮を一瞬で火の海に変えた。

ここに300年保ったダレル王国は消滅した。
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