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帝国皇子視点3 後少しでエルに告白しようとしたまさにその時転移してきたエルの姉に邪魔されました
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とりあえず、最初は成功した。
俺は気を良くして、エルとの散策デートを楽しんだ。
「ねえねえ、あの女の人だあれ」
「あのハンサムな男の人にエスコートされている」
「げっ、出来損ない姫だ」
「えっ、あの」
「王国の王太子を婚約破棄された怒りのあまり蹴り飛ばして不能にしたっていう」
俺はそう言う奴らをじろりと睨みつけてやった。
「や、やばい」
俺の視線を受けて皆慌てて、散っていった。
うーん、この領地ではエルの人気はもう一つみたいだった。
しかし、エルは周りに何を言われようと全然ビクともしていない。
街の通りはどこも活気にあふれていた。
噴水の前では恋人たちが、コインを後ろ向きに投げていた。
「ねえ、あれって」
エルの問いかけに俺は頷いた。
昔俺たちが遊びでやっていたやつだ。
いつの間にかそれが定着してしまったらしい。
文房具のお店などを冷やかしながら歩いて、12時前に定食屋についた。本当はもっと洒落た店にしたかったんだが、これはエルの希望だ。
「いらっしゃい!」
おばちゃんが大声で声をかけてきた。
あいも変わらず声がでかいおばちゃんだ。
「おばちゃん、相変わらず元気ね」
エルが声をかけている。
「おーっと、あんたはエルじゃないか。きれいになって」
おばちゃんも偶には良いことを言う。
「ということは、そっちはその頃から過保護な兄ちゃんだね。あんたもメチャクチャ格好良くなって。その感じならもてるだろう」
「おばちゃん。俺はその時からエル一筋だ」
せっかく俺が褒めようとしたのに、おばちゃんが余計なことを言ってくれるので俺は修正した。
「そうだよね。昔からあんたはエル一筋だもんね」
おばちゃんが、肯定していくれた。そう、それで良いんだ。俺が喜んでエルを見るとエルはその俺を変なものでも見るように見ている。えええ!、どういう事?
「おばちゃん。いつもの定食ある」
「エルは芋三昧だったね」
「おばちゃん俺のは」
「はいはい、唐揚げ三昧もまだあるよ」
おばちゃんはそう言うと奥に戻っていった。
俺はエルに何と言ってアプローチしようかと考えていると、エルは領都の街並みを見ながら伸びをして言った。
「うーん、ここに座っていると領都に帰ってきたという実感が湧くわ」
「そうだな。俺もこの店来るの3年ぶりか」
「私が王都に行く前に連れてきてくれたのよね」
「そうだったな」
俺は感慨深げに周りを見ていた。
「どこに行っていたのかい? 全然来てくれなかったけど」
「王都に行っていたのよ」
「オーバードルフ王国のかい」
「そう」
おばちゃんの問にエルが頷く。
「あっちは寂れているだろう。もうじきお館様が併合なさるみたいだよ」
「えっ、王国を」
「ああ、みんなそう言っているからね。併合したって利益はないけどって」
なるほど、領都の民はそう言う感じなのか。今回は叔父も本気で王国とやり合うかもしれない。まあ、そろそろ潮時だと思うが。
「何でも向こうの王様がもう治めきれないんだろう。能力ないのに、いつまでも王様やっているから。まあ、もともと今の国王にはその器がなかったんじゃないのかい」
そう、それは俺も思った。この大切なときに国王は国際会議でのほほんとしたのだ。外交よりも内政だろう。でもその重要性が国王には判っていなかったらしい。だって我が帝国は派遣しているのが、帝国なんてどうでもいいと思っている俺なのだ。国王が来ているのはオーバードルフだけだった。ハインツェルの大使なんて呆れていたし。いない間に王太子はとんでもないことをやってくれたし、国王も頭が痛いだろう。まあ、それだけで済めばよいが、今回は難しいのではないだろうか。俺は戦いになれば憎き王太子をたたっ斬ると心に誓っていたが。
俺のエルを虚仮にしやがってただではおかん。
「はい、お待ち」
おばちゃんがアツアツを持ってきてくれた。
「あっ、これ、この味よ」
エルが喜んで熱々を口に入れてハフハフしながら食べる。
うーん、これがデートで良いのか?、と思わないでもなかったが、俺もその美味しさに思わず無言で食べていた。
「フェル、次は街の城壁に登りたい」
エルが言ってきた。よし、こうなったら、最後の手段だ。俺は決意をした。領都を見渡す城壁の上で告白するしか無い。
「これは姫様」
警備の兵に手をふると慌てて中に入れてくれた。
俺を見ても普通だ。ひょっとしてこいつら俺をエルのお供と勘違いしているんではないか、と思わないでもなかったが・・・・。ここでは泣く子も黙る帝国の第五皇子も、単なるエルの付き人だった。
俺達は城壁を少し歩いた。
「うーん、ここから見るお城はめちゃくちゃキレイよね」
エルが湖の光の中の城を見て感動している。
そうだ。今だ。今しか無い。
「あのう」
でも、おれは、すぐには言えなかった。
「うん、どうかしたの?」
エルが不審がって聞いてくる。何をしている俺?
「いや、だから」
「だから何?」
エルが不思議そうに俺を見た。
「ええい、もう、やけだ」
もう格好もくそもない。二度とエルは誰にも渡はしない。
俺はエルの前に跪いた。
エルは驚いて口を開けて固まっている。
よし、今しか無い。
「エル、俺は・・・・」
俺が言おうとした時だ。
いきなり、俺の上に何かが乗ってきたのだ。
「ギャ」
俺はそいつの下敷きになった。
どこのどいつだ。俺が切れそうになった時だ。
「大丈夫?」
聞いてきたのはエルの姉だった。
「大丈夫なわけ無いでしょ」
俺はかろうじて怒鳴り散らすのは止めた。
「どうしたの? お姉様」
「王都から使者が来たのよ。で、すぐに城に帰ってくるようにですって」
何もこの時に、俺がせっかく告白しようとする時に来る必要ないだろう!
必死に努力したのに、俺の努力が・・・・・
俺はとても落ち込んだのだ
俺は気を良くして、エルとの散策デートを楽しんだ。
「ねえねえ、あの女の人だあれ」
「あのハンサムな男の人にエスコートされている」
「げっ、出来損ない姫だ」
「えっ、あの」
「王国の王太子を婚約破棄された怒りのあまり蹴り飛ばして不能にしたっていう」
俺はそう言う奴らをじろりと睨みつけてやった。
「や、やばい」
俺の視線を受けて皆慌てて、散っていった。
うーん、この領地ではエルの人気はもう一つみたいだった。
しかし、エルは周りに何を言われようと全然ビクともしていない。
街の通りはどこも活気にあふれていた。
噴水の前では恋人たちが、コインを後ろ向きに投げていた。
「ねえ、あれって」
エルの問いかけに俺は頷いた。
昔俺たちが遊びでやっていたやつだ。
いつの間にかそれが定着してしまったらしい。
文房具のお店などを冷やかしながら歩いて、12時前に定食屋についた。本当はもっと洒落た店にしたかったんだが、これはエルの希望だ。
「いらっしゃい!」
おばちゃんが大声で声をかけてきた。
あいも変わらず声がでかいおばちゃんだ。
「おばちゃん、相変わらず元気ね」
エルが声をかけている。
「おーっと、あんたはエルじゃないか。きれいになって」
おばちゃんも偶には良いことを言う。
「ということは、そっちはその頃から過保護な兄ちゃんだね。あんたもメチャクチャ格好良くなって。その感じならもてるだろう」
「おばちゃん。俺はその時からエル一筋だ」
せっかく俺が褒めようとしたのに、おばちゃんが余計なことを言ってくれるので俺は修正した。
「そうだよね。昔からあんたはエル一筋だもんね」
おばちゃんが、肯定していくれた。そう、それで良いんだ。俺が喜んでエルを見るとエルはその俺を変なものでも見るように見ている。えええ!、どういう事?
「おばちゃん。いつもの定食ある」
「エルは芋三昧だったね」
「おばちゃん俺のは」
「はいはい、唐揚げ三昧もまだあるよ」
おばちゃんはそう言うと奥に戻っていった。
俺はエルに何と言ってアプローチしようかと考えていると、エルは領都の街並みを見ながら伸びをして言った。
「うーん、ここに座っていると領都に帰ってきたという実感が湧くわ」
「そうだな。俺もこの店来るの3年ぶりか」
「私が王都に行く前に連れてきてくれたのよね」
「そうだったな」
俺は感慨深げに周りを見ていた。
「どこに行っていたのかい? 全然来てくれなかったけど」
「王都に行っていたのよ」
「オーバードルフ王国のかい」
「そう」
おばちゃんの問にエルが頷く。
「あっちは寂れているだろう。もうじきお館様が併合なさるみたいだよ」
「えっ、王国を」
「ああ、みんなそう言っているからね。併合したって利益はないけどって」
なるほど、領都の民はそう言う感じなのか。今回は叔父も本気で王国とやり合うかもしれない。まあ、そろそろ潮時だと思うが。
「何でも向こうの王様がもう治めきれないんだろう。能力ないのに、いつまでも王様やっているから。まあ、もともと今の国王にはその器がなかったんじゃないのかい」
そう、それは俺も思った。この大切なときに国王は国際会議でのほほんとしたのだ。外交よりも内政だろう。でもその重要性が国王には判っていなかったらしい。だって我が帝国は派遣しているのが、帝国なんてどうでもいいと思っている俺なのだ。国王が来ているのはオーバードルフだけだった。ハインツェルの大使なんて呆れていたし。いない間に王太子はとんでもないことをやってくれたし、国王も頭が痛いだろう。まあ、それだけで済めばよいが、今回は難しいのではないだろうか。俺は戦いになれば憎き王太子をたたっ斬ると心に誓っていたが。
俺のエルを虚仮にしやがってただではおかん。
「はい、お待ち」
おばちゃんがアツアツを持ってきてくれた。
「あっ、これ、この味よ」
エルが喜んで熱々を口に入れてハフハフしながら食べる。
うーん、これがデートで良いのか?、と思わないでもなかったが、俺もその美味しさに思わず無言で食べていた。
「フェル、次は街の城壁に登りたい」
エルが言ってきた。よし、こうなったら、最後の手段だ。俺は決意をした。領都を見渡す城壁の上で告白するしか無い。
「これは姫様」
警備の兵に手をふると慌てて中に入れてくれた。
俺を見ても普通だ。ひょっとしてこいつら俺をエルのお供と勘違いしているんではないか、と思わないでもなかったが・・・・。ここでは泣く子も黙る帝国の第五皇子も、単なるエルの付き人だった。
俺達は城壁を少し歩いた。
「うーん、ここから見るお城はめちゃくちゃキレイよね」
エルが湖の光の中の城を見て感動している。
そうだ。今だ。今しか無い。
「あのう」
でも、おれは、すぐには言えなかった。
「うん、どうかしたの?」
エルが不審がって聞いてくる。何をしている俺?
「いや、だから」
「だから何?」
エルが不思議そうに俺を見た。
「ええい、もう、やけだ」
もう格好もくそもない。二度とエルは誰にも渡はしない。
俺はエルの前に跪いた。
エルは驚いて口を開けて固まっている。
よし、今しか無い。
「エル、俺は・・・・」
俺が言おうとした時だ。
いきなり、俺の上に何かが乗ってきたのだ。
「ギャ」
俺はそいつの下敷きになった。
どこのどいつだ。俺が切れそうになった時だ。
「大丈夫?」
聞いてきたのはエルの姉だった。
「大丈夫なわけ無いでしょ」
俺はかろうじて怒鳴り散らすのは止めた。
「どうしたの? お姉様」
「王都から使者が来たのよ。で、すぐに城に帰ってくるようにですって」
何もこの時に、俺がせっかく告白しようとする時に来る必要ないだろう!
必死に努力したのに、俺の努力が・・・・・
俺はとても落ち込んだのだ
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