王太子に婚約破棄されたので、ぶった斬りました!何を?!出来損ない令嬢の波乱万丈恋愛物語

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
上 下
27 / 48

私の胸の大きさを馬鹿にした子爵を粉砕・不能にしました

しおりを挟む
ということで我々はハインツェルの王都を出発した。目指すは元王都オーバードルフだ。
お兄様とお姉様の一団は両巨頭を中心に意気揚々と出ていった。

一峯の私の軍は・・・・どんよりしていた。
特に第三騎士団のボケ共が・・・・

後ろから宝剣で叩いてやろうかしらと思った途端、

「エルヴィーラ様。それだけはおやめ下さい」
慌てて第三騎士団長が飛んできた。

「じゃあ、もっと胸張りなさいよ。何故、そんなに私を気にしているのよ」

そうだ、先頭に立っている第三騎士団の連中はなぜか、後ろというか私をとても気にしているのだ。
私の身の安全を気にしてとか言っているが、絶対に違う。

「間違えて、後ろから不能剣振るの止めてくださいね」
ヘルマン第三騎士団長が言う。宝剣を捕まえて不能剣ってなんだ?
戦神が知られたら怒られるのは確実だ。

「さあね、機嫌が悪くなったら、間違ってやっちゃうかも」
私が言うと

「すいません。お願いだから、冗談言うのも止めて下さい」
「冗談じゃないんだけど」
「ヒェぇぇぇ」
おいおい、味方に悲鳴あげてどう済んだよ。

フェルは騎士たちが私を怖れているのを見て、何故かとてもご機嫌だ。
何でこいつ笑っているんだ?

こいつ絶対に面白がっていやがる。

私はムッとした。


そんな中、
「前方にホフマン子爵の砦が見えてきました」
斥候が叫んできた。

ホフマン子爵、このあたりでは一番大きな砦で、建国の時は激戦になったところだ。

武のほまれ高いホフマン子爵は、何代も騎士団長を輩出している家柄で、我軍の軍門に下るのを好しとしていないらしい。

我軍は敵の弓の射程外に陣取った。

まあ、たかだか500くらいだ。第三騎士団ならそれほど時間をかけずに占拠できるだろう。

私が楽観した時だ。

「ふんっ、総指揮官は出来損ないの姫だと、我々も嘗められたものだな!」
大音声が砦から響いてきた。

「何だと!あの野郎!」
何故か私よりもフェルが切れている。
そこは私が切れるところよ!

「儂は騎士団に所属する事30年のホフマンだ。出来損ないなど片手で相手してやるわ。女の魅力でバルチュ侯爵令嬢に負けた腹いせに、王太子殿下を不能にするなど女の風上にもおけぬ奴よ。顔が酷くて外も歩けないそうじゃないか」
「あいつ、もう殺す!」
フェルが突っ込んで行こうとするなか、周りが必死に止めていた。
私はそんなこと言われてもびくともしないんだけど。出来損ないなんて領地にいれば皆、影で言っているし、顔が酷いとか、それもよく聞く。

「まあ、フェル、おっさんには好きに言わせておけば」
私は大人の対応した。

「な、なんと事実だから怒れないのか?」
おっさんはバカにしきった顔をするが、挑発しようとしても無駄なんだよ。
脳筋相手に真面目にやっていては馬鹿だ。

「ふん、胸が小さいと根性も小さいな」
「な、何ですって」
私は次の瞬間激怒していた。む、胸のことに触れるなんて。

「えっ、エル!」
「もう一度言ってみなさいよ」
胸の大きさだけはバカにされたくない。

「ふんっ、何度でも言ってやるわ。ペチャパイ!」
おのれ、あろうことか私をペチャパイと呼ぶとは。
「もう許さん!」
私は宝剣を抜いていた。

「ヒィィィィ!」
「全員伏せろ」
第三騎士団の連中が一斉に伏せた。その上を私の怒りの宝剣の一振りが通りすぎたのだ。

凄まじい閃光と衝撃が砦を襲う。

光と煙が消えたあとには300年の歴史のある砦は、瓦礫しか残っていなかった。

そして、500名もの重傷者が・・・・。

彼らがどうなっていたかは言うまでもない。

「ふんっ、私をペチャパイなんて呼ぶからよ」
仁王立ちして私は言い切った。

私の言葉に何故か皆100メート以上距離を取っていた。

厄災姫の胸のことは死んでも触れるな、これが我軍の不文律になった瞬間だった。

これ以降、私は出来損ないと呼ばれてもペチャパイと呼ばれることは二度と無かった・・・・。

**********************************************************

剣聖や大魔術師に殺されるか、厄災姫に不能にされるか・・・・
しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~

tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!! 壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは??? 一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました

さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。 私との約束なんかなかったかのように… それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。 そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね… 分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!

嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした

基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。 その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。 身分の低い者を見下すこともしない。 母国では国民に人気のあった王女だった。 しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。 小国からやってきた王女を見下していた。 極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。 ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。 いや、侍女は『そこにある』のだという。 なにもかけられていないハンガーを指差して。 ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。 「へぇ、あぁそう」 夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。 今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。

正妃として教育された私が「側妃にする」と言われたので。

水垣するめ
恋愛
主人公、ソフィア・ウィリアムズ公爵令嬢は生まれてからずっと正妃として迎え入れられるべく教育されてきた。 王子の補佐が出来るように、遊ぶ暇もなく教育されて自由がなかった。 しかしある日王子は突然平民の女性を連れてきて「彼女を正妃にする!」と宣言した。 ソフィアは「私はどうなるのですか?」と問うと、「お前は側妃だ」と言ってきて……。 今まで費やされた時間や努力のことを訴えるが王子は「お前は自分のことばかりだな!」と逆に怒った。 ソフィアは王子に愛想を尽かし、婚約破棄をすることにする。 焦った王子は何とか引き留めようとするがソフィアは聞く耳を持たずに王子の元を去る。 それから間もなく、ソフィアへの仕打ちを知った周囲からライアンは非難されることとなる。 ※小説になろうでも投稿しています。

悪役令嬢に仕立て上げられたので領地に引きこもります(長編版)

下菊みこと
恋愛
ギフトを駆使して領地経営! 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない

おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。 どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに! あれ、でも意外と悪くないかも! 断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。 ※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

処理中です...