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ベッキー視点4 何が何でもリアを連れ戻すつもりで帝国に向かうといきなり皇帝に謁見されていました
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リアがいなくなってから5日後、私はリアからの手紙をもらった。
慌てて、封を切ると、手紙はところどころ水に濡れていた。
これってリアの涙じゃない!
それを見るなり、私は使用人に指示を出して、有り金全て持って馬車に飛び乗った。
リアの薬屋に行く途中で、その手紙を読んだ。
「ベッキー、今まで本当にありがとう。
私、今まで女友達なんていなかったから、本当に嬉しかった。寮の生活は本当に楽しかったわね。
至らない私のために、本当に色々気を使ってくれて、本当に嬉しかった。
ベッキーはカートが第一王子殿下だって知っていたのよね。唯一の文句はなんでさっさと教えてくれなかったのってことだけです。
だって平民の私が第一王子の隣に立つなんて絶対に無理よ。
でも、その逆風の中、私がカートの隣に立てるように、それを必死に整えようとしてくれていのよね。ベッキー。
でも、あなたの商会のためにも、これ以上お手数をおかけするわけにはいきません。
帝国の皇女殿下の方が平民の私よりもカートの婚約者としてお似合いだと思います。身分も合うし、帝国の後ろ盾が出来るし、王家としても平民の女が婚約者になってお貴族様方の反感を食らうよりも余程良いと思います。
それに、あなたの能力ならば、帝国の皇女殿下の下でも、きちんとやっていけるわ。
プリシラは第一王子殿下の側近のメルヴィン様といずれは結婚するんだから、プリシラを頼れば、あなたなら皇女殿下の側近に採用されるはずよ。
あなたなら十二分に出来るわ。そうやってカートの治世を手伝ってあげてほしいのです。
私も、出来たらそうしたいけど・・・・
ごめん、私には無理よ。
私以外の女がカートの横に立つのを笑って見ていることは絶対に無理なの。
だから、私がいなくなるのを許して下さい。
今まで本当にありがとう。
ベッキーのことが大好きでした。
あなたのリアより」
私はそれを涙にくれながら、読んだのだ。
「何考えているのよ。馬鹿リア!、まだ、何も終わっていないのに。これからなのに」
リアの母の七転八倒ポーションは騎士たちには絶大な効果があった。飲んだ騎士たちの苦痛に七転八倒する様に騎士たちは恐怖を感じて、リアがいなくなる事に恐怖を感じたのだ。
こんなポーションか帝国の出来損ないのポーションしかなくなるのだ。リアのポーションは副作用は何も無かったのだから尚更だ。
大貴族たちにローマン商会の連中が根回ししていたのも、大げさに伝えるようにオーガストたちには指示していた。
プリシラもリアを連れて帰ってこないなら、親子の縁を切るとアボット公爵に圧力をかけているはずだ。
リアさえ帰ってきたら、まだまだ逆転可能なのだ。
我がブライトン王国は帝国の下請けではないのだ。
違う、私達のリアをなんとしても王妃にするのだ。
それが私達の合言葉になっていたのだ。
私はリアの家の前で馬車を止めると中に入った。
「あ、これはリアの友達の」
「ベッキーです。ハンスさん」
私はハンスにずいっと近づいた。
「すいません。リアが誰と出ていったか本当の事を教えてもらえますか。知っていますよね」
私はリアの手紙を握りしめていった。
「えっ、でもなんで」
「私はリアの親友なんです。今まで辛い時も楽しい時も一緒でした。知る権利があると思います」
私は言ってくれなかったら無理矢理でも聞くつもりだった。
「剣聖と一緒に出ていったよ」
「剣聖って帝国の? だって帝国には恋敵の皇女がいるのに?」
「うーん、その事だけど、皇帝はリアをはねのけてまで、皇女をカーティス殿下に娶らせるつもりは無いって、剣聖は言っていたよ」
「えっ、どういうことなんですか」
私はハンスの言っていることの意味がよく判らなかった。皇女がカーティス殿下と婚約するのは皇帝の意思ではないってこと?
「まあ、よく判んないけど。リアは今頃帝都で春休みをたのしんでいるんじゃないかな」
「そんな訳無いでしょ」
私は必死に頭を回らせた。
単純なリアなら、帝国に騙されて囲い込まれる可能性もある。帝国にとっても超特級ポーションを作れるリアは利用価値がある。謀略に長けた帝国なら、ブライトン王国には皇女を送り込んで、リアを王国から追い出して上手いこと言って帝国に取り込んだ可能性も十分にあった。
このままではいけない。私は決心した。
「じゃあ、帝都の剣聖を訪ねれば、リアの居所は判るんですね」
「まあ、そうだけど、待っていても卒業パーティーまでには帰ってくると思うよ」
ハンスはのんきに言ってくれた。
「何言っているんですか。そんな事言って帰ってこなかったらどうするんですか。あなたそれでもリアの保護者なんてすか」
「えっ、保護者はアリシア様で、アリシア様がそう言っているからそうなんじゃない」
「んなわけ無いでしょ」
私は頭にきてその家を出ようとした。
「あっ、ベッキーさん。リアに合ったらポーションの残りが少なくなったから、帝都でも作っていると思うから持って帰ってきてねって伝えて」
「そんなの自分で言って下さい」
私はそう言うと思いっきり音を立てて扉を締めた。
ハンスさんがこんな人だとは思わなかった。
もっとリアの事心配していると思ったのに。なんだあの脳天気な態度は。
私は切れていた。
私はそのまま馬車で帝国に向かった。
途中で護衛を拾ってサウス湖畔からの道を取る。
サウス湖畔ではリアとの想い出が蘇った。リアはどこでも元気だった。
そのリアが泣いているのだ。私は馬車を飛ばしに飛ばした。
途中国境で道が新たに作られているのに気づいた。
たしか、ここはうねった細い山道だったのが、何か山を一つ吹っ飛ばしたみたいに直線の道になっているのだ。誰かが魔術で攻撃したような跡が・・・・・
誰かが怒りのあまりやったんじゃないだろうなと不吉な予感がしたが・・・・
国境のゲートシティーからは馬車を返して船にした。
船は豪華な船で、帝国の威光がこんなところにも現われていた。
私はリアのことが心配でそれを楽しむ余裕もなかったが・・・・
帝都はブライトン王国の王都とは比べようもないくらい栄えていた。
人口は周辺もいれると100万人を超えるという世界最大の都市だ。
剣聖の住まいはその中でも王宮の直ぐ側にあった。
リアに会いたいと執事に言うとしばらく待たされた挙げ句に、ここにはいないと言われた。
どういうことだと聞くと剣聖に問い合わせると言う。
リアはどうしたんだろう?まさかと思うがどこかに囚われているのだろうか?
私はとても不安になった。
応接室で待たされること2時間、そこに慌てた剣聖が帰ってきた。
「これはベッキー嬢、わざわざ帝都までオーレリア様に会いにいらっしゃったのですか」
「ルーカス様、お久しぶりでございます。リアを帝国に連れられたとお伺いしまして慌てて追ってきたのです。リアは元気ですか」
「リア様は元気にしておられますよ。陛下には冷たいですが・・・・」
「えっ、皇帝陛下ですか?」
私は何故そこに皇帝の名前が出てくるのか理解できなかった。皇帝はあっちの方もお盛んで王妃が3人もいると聞いている。ひょっとしてリアを4人目にする目的で連れてきたのか。リアはポーションの腕前は超級、魔術も王国一の腕前だ。第4妃として帝室に入れて取り込むことも十分に帝国に利がある。
私はきっとして剣聖を睨んだ。
しかし、剣聖は考え事をしているようだった。
「リア様は今王宮にいらっしゃるのです。よろしければこれからご案内いたしましょう」
私はついていくことにした。
もし、皇帝が良からぬことを考えているならば、リアを逃げ出させないと。でも、リアならば実力で逃げ出せるはずだ。おそらく、この剣聖相手にやっても勝てるはずだ。
なのにまだいるってことはどういうことなんだろう。そもそも恋敵の第一王女殿下がいる王宮に何故リアがいるんだろう。私はよく判らなかった。
私は剣聖から色々聞き出そうとしたが、剣聖は無口で中々肝心なことは話してくれなかった。
そうこうしているうちにとある一室に案内された。
「少しお待ち下さい」
剣聖はそう言うと私を座らせて慌てて出ていった。
作りはとても豪華な応接室だ。
クッションの座り心地からして違う。
我が国の王宮よりも豪華だ。
絨毯はこれまた手の混んだ絨毯だし、扉の取っ手にしても細工がしてあった。
我が商会が扱っているどの室内装飾具よりも高級品なのだ。
これって特別な部屋だよね。
ここでリアに会うのか。
私がそう、思った時だ。
扉が開いた。
そして、そこに入ってきたのがなんと帝国の皇帝だった。
えっ、いきなり謁見? 私は頭が真っ白になった。
慌てて、封を切ると、手紙はところどころ水に濡れていた。
これってリアの涙じゃない!
それを見るなり、私は使用人に指示を出して、有り金全て持って馬車に飛び乗った。
リアの薬屋に行く途中で、その手紙を読んだ。
「ベッキー、今まで本当にありがとう。
私、今まで女友達なんていなかったから、本当に嬉しかった。寮の生活は本当に楽しかったわね。
至らない私のために、本当に色々気を使ってくれて、本当に嬉しかった。
ベッキーはカートが第一王子殿下だって知っていたのよね。唯一の文句はなんでさっさと教えてくれなかったのってことだけです。
だって平民の私が第一王子の隣に立つなんて絶対に無理よ。
でも、その逆風の中、私がカートの隣に立てるように、それを必死に整えようとしてくれていのよね。ベッキー。
でも、あなたの商会のためにも、これ以上お手数をおかけするわけにはいきません。
帝国の皇女殿下の方が平民の私よりもカートの婚約者としてお似合いだと思います。身分も合うし、帝国の後ろ盾が出来るし、王家としても平民の女が婚約者になってお貴族様方の反感を食らうよりも余程良いと思います。
それに、あなたの能力ならば、帝国の皇女殿下の下でも、きちんとやっていけるわ。
プリシラは第一王子殿下の側近のメルヴィン様といずれは結婚するんだから、プリシラを頼れば、あなたなら皇女殿下の側近に採用されるはずよ。
あなたなら十二分に出来るわ。そうやってカートの治世を手伝ってあげてほしいのです。
私も、出来たらそうしたいけど・・・・
ごめん、私には無理よ。
私以外の女がカートの横に立つのを笑って見ていることは絶対に無理なの。
だから、私がいなくなるのを許して下さい。
今まで本当にありがとう。
ベッキーのことが大好きでした。
あなたのリアより」
私はそれを涙にくれながら、読んだのだ。
「何考えているのよ。馬鹿リア!、まだ、何も終わっていないのに。これからなのに」
リアの母の七転八倒ポーションは騎士たちには絶大な効果があった。飲んだ騎士たちの苦痛に七転八倒する様に騎士たちは恐怖を感じて、リアがいなくなる事に恐怖を感じたのだ。
こんなポーションか帝国の出来損ないのポーションしかなくなるのだ。リアのポーションは副作用は何も無かったのだから尚更だ。
大貴族たちにローマン商会の連中が根回ししていたのも、大げさに伝えるようにオーガストたちには指示していた。
プリシラもリアを連れて帰ってこないなら、親子の縁を切るとアボット公爵に圧力をかけているはずだ。
リアさえ帰ってきたら、まだまだ逆転可能なのだ。
我がブライトン王国は帝国の下請けではないのだ。
違う、私達のリアをなんとしても王妃にするのだ。
それが私達の合言葉になっていたのだ。
私はリアの家の前で馬車を止めると中に入った。
「あ、これはリアの友達の」
「ベッキーです。ハンスさん」
私はハンスにずいっと近づいた。
「すいません。リアが誰と出ていったか本当の事を教えてもらえますか。知っていますよね」
私はリアの手紙を握りしめていった。
「えっ、でもなんで」
「私はリアの親友なんです。今まで辛い時も楽しい時も一緒でした。知る権利があると思います」
私は言ってくれなかったら無理矢理でも聞くつもりだった。
「剣聖と一緒に出ていったよ」
「剣聖って帝国の? だって帝国には恋敵の皇女がいるのに?」
「うーん、その事だけど、皇帝はリアをはねのけてまで、皇女をカーティス殿下に娶らせるつもりは無いって、剣聖は言っていたよ」
「えっ、どういうことなんですか」
私はハンスの言っていることの意味がよく判らなかった。皇女がカーティス殿下と婚約するのは皇帝の意思ではないってこと?
「まあ、よく判んないけど。リアは今頃帝都で春休みをたのしんでいるんじゃないかな」
「そんな訳無いでしょ」
私は必死に頭を回らせた。
単純なリアなら、帝国に騙されて囲い込まれる可能性もある。帝国にとっても超特級ポーションを作れるリアは利用価値がある。謀略に長けた帝国なら、ブライトン王国には皇女を送り込んで、リアを王国から追い出して上手いこと言って帝国に取り込んだ可能性も十分にあった。
このままではいけない。私は決心した。
「じゃあ、帝都の剣聖を訪ねれば、リアの居所は判るんですね」
「まあ、そうだけど、待っていても卒業パーティーまでには帰ってくると思うよ」
ハンスはのんきに言ってくれた。
「何言っているんですか。そんな事言って帰ってこなかったらどうするんですか。あなたそれでもリアの保護者なんてすか」
「えっ、保護者はアリシア様で、アリシア様がそう言っているからそうなんじゃない」
「んなわけ無いでしょ」
私は頭にきてその家を出ようとした。
「あっ、ベッキーさん。リアに合ったらポーションの残りが少なくなったから、帝都でも作っていると思うから持って帰ってきてねって伝えて」
「そんなの自分で言って下さい」
私はそう言うと思いっきり音を立てて扉を締めた。
ハンスさんがこんな人だとは思わなかった。
もっとリアの事心配していると思ったのに。なんだあの脳天気な態度は。
私は切れていた。
私はそのまま馬車で帝国に向かった。
途中で護衛を拾ってサウス湖畔からの道を取る。
サウス湖畔ではリアとの想い出が蘇った。リアはどこでも元気だった。
そのリアが泣いているのだ。私は馬車を飛ばしに飛ばした。
途中国境で道が新たに作られているのに気づいた。
たしか、ここはうねった細い山道だったのが、何か山を一つ吹っ飛ばしたみたいに直線の道になっているのだ。誰かが魔術で攻撃したような跡が・・・・・
誰かが怒りのあまりやったんじゃないだろうなと不吉な予感がしたが・・・・
国境のゲートシティーからは馬車を返して船にした。
船は豪華な船で、帝国の威光がこんなところにも現われていた。
私はリアのことが心配でそれを楽しむ余裕もなかったが・・・・
帝都はブライトン王国の王都とは比べようもないくらい栄えていた。
人口は周辺もいれると100万人を超えるという世界最大の都市だ。
剣聖の住まいはその中でも王宮の直ぐ側にあった。
リアに会いたいと執事に言うとしばらく待たされた挙げ句に、ここにはいないと言われた。
どういうことだと聞くと剣聖に問い合わせると言う。
リアはどうしたんだろう?まさかと思うがどこかに囚われているのだろうか?
私はとても不安になった。
応接室で待たされること2時間、そこに慌てた剣聖が帰ってきた。
「これはベッキー嬢、わざわざ帝都までオーレリア様に会いにいらっしゃったのですか」
「ルーカス様、お久しぶりでございます。リアを帝国に連れられたとお伺いしまして慌てて追ってきたのです。リアは元気ですか」
「リア様は元気にしておられますよ。陛下には冷たいですが・・・・」
「えっ、皇帝陛下ですか?」
私は何故そこに皇帝の名前が出てくるのか理解できなかった。皇帝はあっちの方もお盛んで王妃が3人もいると聞いている。ひょっとしてリアを4人目にする目的で連れてきたのか。リアはポーションの腕前は超級、魔術も王国一の腕前だ。第4妃として帝室に入れて取り込むことも十分に帝国に利がある。
私はきっとして剣聖を睨んだ。
しかし、剣聖は考え事をしているようだった。
「リア様は今王宮にいらっしゃるのです。よろしければこれからご案内いたしましょう」
私はついていくことにした。
もし、皇帝が良からぬことを考えているならば、リアを逃げ出させないと。でも、リアならば実力で逃げ出せるはずだ。おそらく、この剣聖相手にやっても勝てるはずだ。
なのにまだいるってことはどういうことなんだろう。そもそも恋敵の第一王女殿下がいる王宮に何故リアがいるんだろう。私はよく判らなかった。
私は剣聖から色々聞き出そうとしたが、剣聖は無口で中々肝心なことは話してくれなかった。
そうこうしているうちにとある一室に案内された。
「少しお待ち下さい」
剣聖はそう言うと私を座らせて慌てて出ていった。
作りはとても豪華な応接室だ。
クッションの座り心地からして違う。
我が国の王宮よりも豪華だ。
絨毯はこれまた手の混んだ絨毯だし、扉の取っ手にしても細工がしてあった。
我が商会が扱っているどの室内装飾具よりも高級品なのだ。
これって特別な部屋だよね。
ここでリアに会うのか。
私がそう、思った時だ。
扉が開いた。
そして、そこに入ってきたのがなんと帝国の皇帝だった。
えっ、いきなり謁見? 私は頭が真っ白になった。
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