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定期テストに向けて必死に勉強しました
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結局、私達は図書館では勉強出来ないので、食堂でやることにした。
学校側もさすがにテスト期間は、特別措置で図書館も食堂も24時間開いていることになっていた。食事時間の最盛期の18時から20時は食堂は追い出されるが、それ以外は大丈夫だ。
私はベッキーには帝国語の判らない事を教え、ベッキーからは数学を教えてもらった。問題は礼儀作法と魔導学だった。礼儀作法の授業のテストは一曲ワルツを踊ることだった。最後の授業の時にペアを組んでやるのだ。
何故かザカリーがやってくれると言って来た。ベッキーとやらなくて良いのかと聞いたが、テストとサマーパーティーは別物だと言われ、出来ない子を出来るように踊らすことは得点アップに繋がるのだと言う。確かに私は最高にうまく踊ってもCを取るのが精一杯なのに、ザカリーなら私をうまくリードできれば最高のSを取れるはずだ。ベッキーと踊っても余程の事がない限りA止まりだろう。
私は有り難くその申し出を受けることにした。帝国語の補講を同じ時間やるとの約束で。
魔導実技は先生の
「お前は受けなくて良い。Sをやるから。学校を破壊されたら事だから」の一言でテスト免除が決まった。
珍しくブリトニーとドロシアは静かだった。余程巨大ファイアーボールが恐かったらしい。
ま、文句を言う奴がいれば訓練場で対決する気満々だったが。私もローソクの火で練習するのははっきり言ってもう嫌だ。
でも誰も名乗りでなかった。つまらない・・・・
テスト勉強で一番頭が痛いのは魔導学だった。神を信じれば魔力は増えるなんて、嘘教えてるとんでもない授業だ。そう思うから更に頭に入らない。ベッキーのノート見せてもらったけど、全然頭に入らなかった。
これは必須だから、落とすわけにもいかず、私は途方にくれた。
カートに相談すると
「ああ、あのおばちゃんか。適当によいしょしておけば、Cはくれるよ」
「本当に?私、神を信じていないって言ったら、最初から目をつけられて散々なんだから」
私が言うと
「そんなの簡単だろ。先生の話を聞いて神を信じる事にしたら魔力が増えました。的な事を書けばCはくれるって」
「本当?」
私はその言葉が信じられなかった。あの頭の固い自分勝手な先生が私の言葉を信じるのだろうか?
「俺の言うことを信じろって」
カートが言うが、
「入試の情報はいい加減だったじゃない」
私は中々信じられなかった。
「他に何かやりようがあるか?」
しかし、そうカートに言われたら返しようが無かった。
「なら、信じろって!」
「もし、こんな変なことを書いた奴がいるって笑われたらどうするのよ」
私が不安に思って聞くと、
「その時はその時だろ!そもそもリアの伝説は一杯あるんだから、更に一つ増えたくらいどうってこと無いだろ」
「何その言い方」
私がブスッとして言うと、
「もし何かあって、退学になっても、お前一人くらいの面倒くらい、見てやるから」
「じゃあ一生涯面倒見てよ!」
私が言うと、
「お前が良ければ一生涯見てやる!」
カートが言いきってくれた。
私はそれに安心して、そうすることにした。
一生涯面倒見てくれるって、一生涯ダンジョンに潜るのついてきてくれるって事だよね・・・・
一抹の不安を懐きながら・・・・
テスト当日、私は生まれて初めて作文に嘘の創作をした。
「私は先生の言うことに反発していて、ちゃんとお祈りしていなかった。しかし、友人に、信じる事にしたら(テストが)救われる。と言われて毎日お祈りしていたら、魔力が増えた(気がした)。(テストのために)必死に、お祈りしていたら、魔力が増えた(事に仕方無しにした)。先生のお考えがどれだけ素晴らしいか良く判った。半年間私のために教えてくださった先生は先生の鏡です。大変有り難うございました」
というような内容だった。
もう良心の呵責に苛まれて、ボロボロになりながら時間一杯をかけて大作を何とか書き上げたのだった・・・・。
学校側もさすがにテスト期間は、特別措置で図書館も食堂も24時間開いていることになっていた。食事時間の最盛期の18時から20時は食堂は追い出されるが、それ以外は大丈夫だ。
私はベッキーには帝国語の判らない事を教え、ベッキーからは数学を教えてもらった。問題は礼儀作法と魔導学だった。礼儀作法の授業のテストは一曲ワルツを踊ることだった。最後の授業の時にペアを組んでやるのだ。
何故かザカリーがやってくれると言って来た。ベッキーとやらなくて良いのかと聞いたが、テストとサマーパーティーは別物だと言われ、出来ない子を出来るように踊らすことは得点アップに繋がるのだと言う。確かに私は最高にうまく踊ってもCを取るのが精一杯なのに、ザカリーなら私をうまくリードできれば最高のSを取れるはずだ。ベッキーと踊っても余程の事がない限りA止まりだろう。
私は有り難くその申し出を受けることにした。帝国語の補講を同じ時間やるとの約束で。
魔導実技は先生の
「お前は受けなくて良い。Sをやるから。学校を破壊されたら事だから」の一言でテスト免除が決まった。
珍しくブリトニーとドロシアは静かだった。余程巨大ファイアーボールが恐かったらしい。
ま、文句を言う奴がいれば訓練場で対決する気満々だったが。私もローソクの火で練習するのははっきり言ってもう嫌だ。
でも誰も名乗りでなかった。つまらない・・・・
テスト勉強で一番頭が痛いのは魔導学だった。神を信じれば魔力は増えるなんて、嘘教えてるとんでもない授業だ。そう思うから更に頭に入らない。ベッキーのノート見せてもらったけど、全然頭に入らなかった。
これは必須だから、落とすわけにもいかず、私は途方にくれた。
カートに相談すると
「ああ、あのおばちゃんか。適当によいしょしておけば、Cはくれるよ」
「本当に?私、神を信じていないって言ったら、最初から目をつけられて散々なんだから」
私が言うと
「そんなの簡単だろ。先生の話を聞いて神を信じる事にしたら魔力が増えました。的な事を書けばCはくれるって」
「本当?」
私はその言葉が信じられなかった。あの頭の固い自分勝手な先生が私の言葉を信じるのだろうか?
「俺の言うことを信じろって」
カートが言うが、
「入試の情報はいい加減だったじゃない」
私は中々信じられなかった。
「他に何かやりようがあるか?」
しかし、そうカートに言われたら返しようが無かった。
「なら、信じろって!」
「もし、こんな変なことを書いた奴がいるって笑われたらどうするのよ」
私が不安に思って聞くと、
「その時はその時だろ!そもそもリアの伝説は一杯あるんだから、更に一つ増えたくらいどうってこと無いだろ」
「何その言い方」
私がブスッとして言うと、
「もし何かあって、退学になっても、お前一人くらいの面倒くらい、見てやるから」
「じゃあ一生涯面倒見てよ!」
私が言うと、
「お前が良ければ一生涯見てやる!」
カートが言いきってくれた。
私はそれに安心して、そうすることにした。
一生涯面倒見てくれるって、一生涯ダンジョンに潜るのついてきてくれるって事だよね・・・・
一抹の不安を懐きながら・・・・
テスト当日、私は生まれて初めて作文に嘘の創作をした。
「私は先生の言うことに反発していて、ちゃんとお祈りしていなかった。しかし、友人に、信じる事にしたら(テストが)救われる。と言われて毎日お祈りしていたら、魔力が増えた(気がした)。(テストのために)必死に、お祈りしていたら、魔力が増えた(事に仕方無しにした)。先生のお考えがどれだけ素晴らしいか良く判った。半年間私のために教えてくださった先生は先生の鏡です。大変有り難うございました」
というような内容だった。
もう良心の呵責に苛まれて、ボロボロになりながら時間一杯をかけて大作を何とか書き上げたのだった・・・・。
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