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学園祭にジルおじさんが来ました
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学園祭二日目は更に盛況だった。
何故か私の服だけ丈の長い服に変わっていた。
「何で私だけ服変わったの?」
「ザカリーがどこかから見つけて来たのよ」
「ふーん」
「あのままじゃアビゲイル先生に怒られたら不味いと思って」
「有り難う」
ザカリーの言葉に私は感激した。そう、それは確かに不味い。
「リア、お客様よ」
ヒルダが呼びに来てくれた。
「おじさん!」
そこにいたのはジルおじさんだった。それともう一人、知らない人を連れていた。
「リア、お前だけ、わしがやった服じゃないじゃないか」
「あんな服着れるわけないでしょ。アビゲイル先生に見つかったら補講ものよ」
私が文句を言った。
「何とアビゲイルがまだ元気にしているのか?」
「えっ、おじさん知っているの?」
「まあ、アビゲイルは厳しくて有名じゃからな!それに他のもののスカートの丈が長くなったような気がするが」
「当然でしょ。あんなハレンチな服着れるわけないでしょ。ハンナらが必死に直してくれたのよ」
私が怒って言った。
「何だ。つまらんな。皆の話を聞いて折角目の保養にやって来たのに」
「何か言った?おじさん」
「いや、何でもない」
私の剣幕に慌てておじさんは誤魔化した。
「お帰りなさい、おじさん。こちらへどうぞ」
「おい、リア。皆と言う言葉が違うが」
私が一応挨拶をするとおじさんが文句を言った。
「えええ!おじさんにはこれで良いでしょ?」
私が上目遣いに見上げると
「まあ、仕方がないか」
おじさんはあっさりと納得した。
席に二人を案内する。
「リア、お前もここに掛けろ」
おじさんが隣の席を案内する。
「はい、失礼します」
私は二人の横に座った。
「あのう、こちらの方は」
「ああ、こいつは帝国の奴でルーカスだ」
「初めまして、ルーカス様」
私が立ち上がってカテーシする。
「いえ、こちらこそお久しぶりです」
ルーカスが立ち上がって挨拶する。
「止めて下さいよ。ルーカス様。ここは隣の貴族喫茶と違ってメイド喫茶なんですから」
「そうは言われても、大きくなられましたな」
ルーカスは感慨深げに私を見た。
「すいません。覚えていなくて。いつくらいにお会いしましたっけ?」
「お前が7歳くらいの時かな」
ジルおじさんが教えてくれた。
「そうなんですか」
「その頃はダンションに一人で潜っておられると聞いて驚きましたぞ」
「そうだ。わしも知らんかったからな。アリシアも7歳の娘に無理をさせる」
「ひょっとして剣のおじちゃん?」
私は思い出した。
「思い出して頂けましたか?」
「はい。なんかあの頃はやんちゃで無茶やっていて」
「まあ子供だから無茶はするものだが、お前の場合は規格外だったからな」
「障壁で剣もろとも弾き飛ばされた時は驚きました」
「まあリアの障壁は規格外じゃからの」
笑ってジルおじさんが言った。
「しかしきれいになられて驚きました」
「お前にはやらんぞ」
ジルおじさんが父親みたいな事を言う。
「お世辞言われても何も出ませんよ。何しろ学園で付いたあだ名が破壊女ですから」
私は自虐ネタを披露した。
「さすがアリシアの血を引くだけはありますな」
「えっ、母もそんな感じだったんですか」
「彼女の場合は破壊の魔女でしたか。怒らしたら怖いのなんの」
「そうなんですか?どんな風だったのですか? 私あんまり母の帝国時代の話し聞いたことなくて」
「えっ、いや、あんまり話すと後が恐ろしいですからな」
剣のおじさんが笑っていった。
「そう言っていつもジルおじさんも教えてくれないんです」
私が文句を言う。
そこへベッキーが来て次の客が待っている旨を知らせてくる。
「是非ともまた母の武勇伝聞かせて下さい」
私は立ち上がった。
「なんじゃもう行くのか?」
「ごめん、おじさん。今日は時間がなくて。また店に来てよ。そうしたらゆっくり出きるから」
私はそう言うと席を後にした。
何故か私の服だけ丈の長い服に変わっていた。
「何で私だけ服変わったの?」
「ザカリーがどこかから見つけて来たのよ」
「ふーん」
「あのままじゃアビゲイル先生に怒られたら不味いと思って」
「有り難う」
ザカリーの言葉に私は感激した。そう、それは確かに不味い。
「リア、お客様よ」
ヒルダが呼びに来てくれた。
「おじさん!」
そこにいたのはジルおじさんだった。それともう一人、知らない人を連れていた。
「リア、お前だけ、わしがやった服じゃないじゃないか」
「あんな服着れるわけないでしょ。アビゲイル先生に見つかったら補講ものよ」
私が文句を言った。
「何とアビゲイルがまだ元気にしているのか?」
「えっ、おじさん知っているの?」
「まあ、アビゲイルは厳しくて有名じゃからな!それに他のもののスカートの丈が長くなったような気がするが」
「当然でしょ。あんなハレンチな服着れるわけないでしょ。ハンナらが必死に直してくれたのよ」
私が怒って言った。
「何だ。つまらんな。皆の話を聞いて折角目の保養にやって来たのに」
「何か言った?おじさん」
「いや、何でもない」
私の剣幕に慌てておじさんは誤魔化した。
「お帰りなさい、おじさん。こちらへどうぞ」
「おい、リア。皆と言う言葉が違うが」
私が一応挨拶をするとおじさんが文句を言った。
「えええ!おじさんにはこれで良いでしょ?」
私が上目遣いに見上げると
「まあ、仕方がないか」
おじさんはあっさりと納得した。
席に二人を案内する。
「リア、お前もここに掛けろ」
おじさんが隣の席を案内する。
「はい、失礼します」
私は二人の横に座った。
「あのう、こちらの方は」
「ああ、こいつは帝国の奴でルーカスだ」
「初めまして、ルーカス様」
私が立ち上がってカテーシする。
「いえ、こちらこそお久しぶりです」
ルーカスが立ち上がって挨拶する。
「止めて下さいよ。ルーカス様。ここは隣の貴族喫茶と違ってメイド喫茶なんですから」
「そうは言われても、大きくなられましたな」
ルーカスは感慨深げに私を見た。
「すいません。覚えていなくて。いつくらいにお会いしましたっけ?」
「お前が7歳くらいの時かな」
ジルおじさんが教えてくれた。
「そうなんですか」
「その頃はダンションに一人で潜っておられると聞いて驚きましたぞ」
「そうだ。わしも知らんかったからな。アリシアも7歳の娘に無理をさせる」
「ひょっとして剣のおじちゃん?」
私は思い出した。
「思い出して頂けましたか?」
「はい。なんかあの頃はやんちゃで無茶やっていて」
「まあ子供だから無茶はするものだが、お前の場合は規格外だったからな」
「障壁で剣もろとも弾き飛ばされた時は驚きました」
「まあリアの障壁は規格外じゃからの」
笑ってジルおじさんが言った。
「しかしきれいになられて驚きました」
「お前にはやらんぞ」
ジルおじさんが父親みたいな事を言う。
「お世辞言われても何も出ませんよ。何しろ学園で付いたあだ名が破壊女ですから」
私は自虐ネタを披露した。
「さすがアリシアの血を引くだけはありますな」
「えっ、母もそんな感じだったんですか」
「彼女の場合は破壊の魔女でしたか。怒らしたら怖いのなんの」
「そうなんですか?どんな風だったのですか? 私あんまり母の帝国時代の話し聞いたことなくて」
「えっ、いや、あんまり話すと後が恐ろしいですからな」
剣のおじさんが笑っていった。
「そう言っていつもジルおじさんも教えてくれないんです」
私が文句を言う。
そこへベッキーが来て次の客が待っている旨を知らせてくる。
「是非ともまた母の武勇伝聞かせて下さい」
私は立ち上がった。
「なんじゃもう行くのか?」
「ごめん、おじさん。今日は時間がなくて。また店に来てよ。そうしたらゆっくり出きるから」
私はそう言うと席を後にした。
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