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プロローグ 王女が絶体絶命のピンチに無敵の戦神が来臨しました
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モニカは肢体を十字架に固定されて城門の方にさらされていた。
抵抗したのだろうか。衣服はもうボロボロだった。
さらされた小麦色の肌はあちこち傷だらけだった。
空は今にも雨が落ちてきそうなほど真っ暗だった。
新大陸から少し離れたアッチラ島の真ん中にドグリブ王国の王都はあった。
インディオの王国としては小規模なものだった。だが、この300年幾多の戦乱を生き残ってきた。国の規模としては小規模だが、剣呑な地形を利用して多くの策略を駆使してなんとか滅亡の危機を乗り越えてきた。
しかし、今その国境の町カロンはホワイテア帝国の大軍に包囲されていた。
頼みの険しい地形の砦は宰相の裏切りによって占領されていた。援軍の要請は四方に発したが、まだどこからも来ていなかった。そして、今後継者の一人の王女も敵に捕まってしまった。ドグリブ王国は建国以来の絶体絶命の危機に陥っていた。
前世紀初頭から新大陸において白人国家ホワイテア帝国の侵略は始まった。
インディオは勇敢だったが、単純で白人たちの狡猾で陰湿な策略の前に次々に騙され、同士討ちをさせられたりして次々に侵略されていった。多くの勇敢なインディオはホワイテアの前に殺され、女どもは白人たちの娼婦や奴隷と化し滅ぼされていった。
そして、彼らは新大陸の多くを制圧し、今このアッチラ島に進出してきたのだ。
「こうして見てみるとインディオと言っても可愛いな」
将軍の男がモニカのおとがいに手を当てて上向かせて言った。
モニカは汚らしい手を嫌って思いっきりつばを飛ばした。
「何しやがる」
将軍は平手でモニカの頬を張った。
「この場で犯してやろうか」
将軍はモニカの喉元に手を当てて叫んだ。
「将軍閣下。モニカはこの戦いが終わったら私に下げ渡して頂けるはずでは」
モニカの部下だった元宰相のホセ・ルイスは慌てて将軍に抗議した。
「ふんっ、インディオの命などこの儂の命令いかんでどうとでもなるのだぞ」
将軍はそうホセに言うと手を離した。
モニカは咳き込んだ。
そう、この宰相の言う事を信じて捕まったのだった。
まさか宰相が裏切るとは思ってもいなかった。
ホセらはこの王女モニカの命と引換えに全面降伏を王国に要求するつもりみたいだったが、そんなの了承したら、男たちは虐殺されるか奴隷にされて、女どもは性交奴隷に落とされるのがオチだった。自分のために皆を巻き込むわけにはいかなかった。
これでも王女なのだ。自分の命よりも幾万の民の命の方が大切だった。
白人共に好きにさせるわけにはいかない。
最悪この生命を神に捧げよう。
モニカは決心していた。
兄は援軍を頼みに旧大陸に渡ったが、それ以来音信不通だ。
もともと、白人の多くいる旧大陸に期待はしていなかった。同種族のモンゴロイドの陳王国が白人のボフミエ魔導国に助けられたと風の噂で聞いて兄は出ていったが、そんなに上手くいくわけはなかった。
幼馴染のダビッドも兄について行ったが、どうなったことか。
「ダビッド、ゴメン、この生命、皆のために使う」
モニカは心のなかで叫んでいた。
裏切り者の宰相の慰みものになるくらいならこの生命神に捧げよう。
モニカは真っ黒な空を見上げた。
「神様。この生命あなたに捧げます。何卒ドグリブの民をお助けください」
モニカはそう祈ると全魔力量を両の手に集めようとした。
「あなたはモニカ?」
その時のんびりしたどこか場違いな声がモニカの頭に響いた。
「えっ、そうだけど」
「あなた、何故縛られているの?」
少女は驚いて言った。
「モニカ、どうしたんだ」
その少女を押しのけてダビッドが叫んだ。
いつの間にかモニカの前には驚いた顔のダビッドが映っていた。
「だ、ダビッド」
モニカは驚いた。死ぬ前に神様がダビッドに会わせてくれたんだろうか。
でも、何でダビッドは敵の白人の女の子と一緒にいるのだ。
「お前何やってんだ」
ホセたちが驚いて言った。
魔導電話もないのにモニカが連絡しているのに驚いていた。
「ホセ、何故王女が縛られている」
「ダビッド、貴様こそどこにいるのだ」
「貴様、ホワイテアに裏切ったな」
ダビッドが叫んでいた。
「ふんっ、強いものについて何が悪い」
ホセは居直った。
「貴様はそこでドグリブが蹂躙されて貴様の王女が私のものになるのを見ているが良い」
ホセは服の上からモニカの胸をもんだ。
「いやあああ」
モニカは悲鳴を上げていた。
手に魔力を込める。
「そこのブタ、何やってるのよ」
画面の少女、クリスが切れた。
「モニカ、早まっては駄目。今行くわ」
クリスが叫ぶ。
「待て!、クリス」
「駄目だったら」
「国際問題になる」
「ちょっと」
画面の向こうは大騒動になっているようだった。
「ふんっ、貴様がどこにいるか判らんが、来た時には終わっておるわ」
ホセは笑って言った。
しかし、次の瞬間凄まじい衝撃波とともに地面に叩きつけられていた。
凄まじい突風が周りを襲う。
多くの兵士がなぎ倒された。
そして、その衝撃が収まった後にはそのホセを足蹴にして怒りに染まった戦神シャラザールが仁王立ちしていた。
抵抗したのだろうか。衣服はもうボロボロだった。
さらされた小麦色の肌はあちこち傷だらけだった。
空は今にも雨が落ちてきそうなほど真っ暗だった。
新大陸から少し離れたアッチラ島の真ん中にドグリブ王国の王都はあった。
インディオの王国としては小規模なものだった。だが、この300年幾多の戦乱を生き残ってきた。国の規模としては小規模だが、剣呑な地形を利用して多くの策略を駆使してなんとか滅亡の危機を乗り越えてきた。
しかし、今その国境の町カロンはホワイテア帝国の大軍に包囲されていた。
頼みの険しい地形の砦は宰相の裏切りによって占領されていた。援軍の要請は四方に発したが、まだどこからも来ていなかった。そして、今後継者の一人の王女も敵に捕まってしまった。ドグリブ王国は建国以来の絶体絶命の危機に陥っていた。
前世紀初頭から新大陸において白人国家ホワイテア帝国の侵略は始まった。
インディオは勇敢だったが、単純で白人たちの狡猾で陰湿な策略の前に次々に騙され、同士討ちをさせられたりして次々に侵略されていった。多くの勇敢なインディオはホワイテアの前に殺され、女どもは白人たちの娼婦や奴隷と化し滅ぼされていった。
そして、彼らは新大陸の多くを制圧し、今このアッチラ島に進出してきたのだ。
「こうして見てみるとインディオと言っても可愛いな」
将軍の男がモニカのおとがいに手を当てて上向かせて言った。
モニカは汚らしい手を嫌って思いっきりつばを飛ばした。
「何しやがる」
将軍は平手でモニカの頬を張った。
「この場で犯してやろうか」
将軍はモニカの喉元に手を当てて叫んだ。
「将軍閣下。モニカはこの戦いが終わったら私に下げ渡して頂けるはずでは」
モニカの部下だった元宰相のホセ・ルイスは慌てて将軍に抗議した。
「ふんっ、インディオの命などこの儂の命令いかんでどうとでもなるのだぞ」
将軍はそうホセに言うと手を離した。
モニカは咳き込んだ。
そう、この宰相の言う事を信じて捕まったのだった。
まさか宰相が裏切るとは思ってもいなかった。
ホセらはこの王女モニカの命と引換えに全面降伏を王国に要求するつもりみたいだったが、そんなの了承したら、男たちは虐殺されるか奴隷にされて、女どもは性交奴隷に落とされるのがオチだった。自分のために皆を巻き込むわけにはいかなかった。
これでも王女なのだ。自分の命よりも幾万の民の命の方が大切だった。
白人共に好きにさせるわけにはいかない。
最悪この生命を神に捧げよう。
モニカは決心していた。
兄は援軍を頼みに旧大陸に渡ったが、それ以来音信不通だ。
もともと、白人の多くいる旧大陸に期待はしていなかった。同種族のモンゴロイドの陳王国が白人のボフミエ魔導国に助けられたと風の噂で聞いて兄は出ていったが、そんなに上手くいくわけはなかった。
幼馴染のダビッドも兄について行ったが、どうなったことか。
「ダビッド、ゴメン、この生命、皆のために使う」
モニカは心のなかで叫んでいた。
裏切り者の宰相の慰みものになるくらいならこの生命神に捧げよう。
モニカは真っ黒な空を見上げた。
「神様。この生命あなたに捧げます。何卒ドグリブの民をお助けください」
モニカはそう祈ると全魔力量を両の手に集めようとした。
「あなたはモニカ?」
その時のんびりしたどこか場違いな声がモニカの頭に響いた。
「えっ、そうだけど」
「あなた、何故縛られているの?」
少女は驚いて言った。
「モニカ、どうしたんだ」
その少女を押しのけてダビッドが叫んだ。
いつの間にかモニカの前には驚いた顔のダビッドが映っていた。
「だ、ダビッド」
モニカは驚いた。死ぬ前に神様がダビッドに会わせてくれたんだろうか。
でも、何でダビッドは敵の白人の女の子と一緒にいるのだ。
「お前何やってんだ」
ホセたちが驚いて言った。
魔導電話もないのにモニカが連絡しているのに驚いていた。
「ホセ、何故王女が縛られている」
「ダビッド、貴様こそどこにいるのだ」
「貴様、ホワイテアに裏切ったな」
ダビッドが叫んでいた。
「ふんっ、強いものについて何が悪い」
ホセは居直った。
「貴様はそこでドグリブが蹂躙されて貴様の王女が私のものになるのを見ているが良い」
ホセは服の上からモニカの胸をもんだ。
「いやあああ」
モニカは悲鳴を上げていた。
手に魔力を込める。
「そこのブタ、何やってるのよ」
画面の少女、クリスが切れた。
「モニカ、早まっては駄目。今行くわ」
クリスが叫ぶ。
「待て!、クリス」
「駄目だったら」
「国際問題になる」
「ちょっと」
画面の向こうは大騒動になっているようだった。
「ふんっ、貴様がどこにいるか判らんが、来た時には終わっておるわ」
ホセは笑って言った。
しかし、次の瞬間凄まじい衝撃波とともに地面に叩きつけられていた。
凄まじい突風が周りを襲う。
多くの兵士がなぎ倒された。
そして、その衝撃が収まった後にはそのホセを足蹴にして怒りに染まった戦神シャラザールが仁王立ちしていた。
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