171 / 174
第三部 隣国潜伏編 母の故国で対決します
閑話 暴走してしまった王太子
しおりを挟む
ブルーノをなんとか逃走させて、意識を取り戻してから私はどんどん良くなってきた。
もっとも、ブルーノにやられた傷は即座にヒールで治したので、元々寝ている必要はなかったのだ。
エルダとかイングリッドが大事を取れと言うからベッドに横になっているだけで。でも、それ以上にやらなければいけない仕事はあるはずだった。
今はイェルド様とクリストフ様、それにフィル様を中心に回してくれているみたいだけど。
「エルダ、あなたの公爵家、あなたとイェルド様、二人共出てきてよかったの?」
私は気になって聞いていた。オールソン公爵家の子供はエルダとイェルド様の二人しかいないのだ。二人共公爵家と縁を切って出てきたってそれで公爵家は良いのだろうか?
「アンはそんな事は気にしないで良いのよ。私達がいなくなっても親戚から養子を取れば良いのだから」
「でもそれじゃ、お父様もお母様も納得されないでしょう?」
「父はどうでもいいわ。私の親友のアンの危機を教えてくれなかったんだから。私は絶対に許さないんだから」
エルダは公爵様には怒っているみたいだだった。
「私が出てきても、兄は残ると思ったのよ」
「なんでイェルド様は出て来られたの?」
「私達が何するか判らなかからですって」
ブスッとしてエルダが言った。
「それだけ心配されているということじゃない」
私が言うと
「イングリッドが心配なのよね。とんでもないことするから」
訳知り顔でエルダが言うんだけど・・・・。
「何を人のせいにするのよ。あなたも人のことは言えないでしょ」
入ってきたイングリッドが言った。
「そんな事ないわよ。あなたと比べたら天地雲泥の差よ」
「よく言うわね。クリスティーン様と同じ甲冑着て戦おうとしたくせに」
「当然のことでしょ。アンのために戦おうとしたのよ」
「甲冑の重みで潰されて、歩けなかったのに?」
馬鹿にしてイングリッドが言った。
「慣れなかっただけよ」
「よく言うわね」
ムッとして言うエルダに、呆れてイングリッドが言った。
「私、兄からは絶対にエルダに鎧は着せるなって言われているんだけど」
「よく人のことが言えるわね。家から宝剣を持ち出そうとして家の壁に穴を開けたのはイングリッドじゃない」
エルダが逆襲した。
「ちょっと、手が滑っただけよ。壁に小さな穴が開いただけじゃない」
「へええええ! どうしたら、屋敷の壁に穴が空くのよ」
「ふんっ」
二人はお互いに睨み合った。
「あっ、いたいた、エルダ、クリストフが呼んでいたぞ」
そこへフィル様が入って来た。
「えっ、クリス様が」
「なんでも、鎧がどうのこうのって言っていたけれと」
「ちょっとイングリッド、クリス様になにか余計なこと言ったのね」
エルダが憤怒の形相でイングリッドを睨みつけた。
「何も言っていないわよ」
「良いわ。クリス様にイングリッドのこと色々聞くわ」
「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ」
エルダの後を追って慌てたイングリッドが飛び出していった。
「あの二人は相変わらずなんだな」
「そうみたいです」
フィル様の呆れた顔に私は思わず頷いた。
フィル様はそんな私を見て、姿勢を直した。
「アン、ブルーノの攻撃に間に合わなくて君を守れなくて申し訳なかった」
フィル様がいきなり謝ってくれたんだけど。
「それは仕方がないですよ。私達が転移していったんですから。それを追いかけるなんて不可能です」
「でも、俺は君を守りたかった」
「そう考えて頂いただけで、私は嬉しいです」
フィル様の真剣な声に私は喜んでいった。
「アン、俺はぜひとも君の力になりたい」
更にそうフィル様は言ってくれるんだけど、
「有難うございます。フィル様。でも、オースティン王国の王太子殿下であるフィル様を、これ以上危険な目に合わせるわけには行きません」
私は思っていたことを言った。
「何を言っているんだ。アン。俺はとっくに、オースティン王国の王位継承権は放棄しているんだ」
「えっ、そうなのですか? クリスティーン様からはフィル様お一人がオースティン王国の地位にしがみ、いえ、そのままだとお伺いしましたので」
「あいつ、余計なことを」
「なにかおっしゃいましたか」
フィル様の言った事がよく聞き取れなくて私は聞き返していた。
「いや、何でも無い。だからここでアンに見捨てられても俺は行くところがどこにもないのだ」
「でも、そんな、ブルーノの力は絶大ですし、私達で勝てる保証はなにもないのです」
「そう、敗けたら私も行く場がないのは君と同じだ」
フィル様はそう言い切るんだけど。でも、隣国の王太子にそんな危険なことをやらす訳にはいかない。
「でも、フィル様」
「アン、俺は君の婚約者だ。君が命がけの危険を犯す時に私が傍に居なくてどうするんだ」
フィル様は私を見ていってくれるんだけど。それはとても嬉しいけれど、私はフィル様が好きだ。だから、フィル様には安全な所にいて欲しい。
「でも」
「死ぬ時は一緒だよ。アン」
「えっ」
私はその言葉に固まってしまった。フィル様にそこまで思ってもらっていると知って私は嬉しかった。しかし、
「でも」
「デモは禁止だ。俺は今まで王太子としてきた実績がある。ぜひともアンネローゼ殿下の補佐官として君の役に立ちたい」
「でも・・・・」
私は更に心を鬼にして断ろうとしたのだ。とても嬉しい申し出だったが、愛しのフィル様を危険に晒す訳にはいかない。
そう言おうとした私の唇をフィル様がキスで塞いでいたのだ。
そんな、嘘ーーーー。
私は真っ赤になってしまった。
それも今回は長い。
フィル様に両肩をしっかりとつかまれて私は逃げられなかった。
頭がぼうーーーっとしてくる。
「アン、君が好きだ。だから俺を見捨てるようなことは言わないで」
私は呆然と、フィル様を見た。
その私の唇が再度フィル様に奪われたのだ。
私は何が起こったかもよく判っていなかった。
そして、そのまま、もつれ合うように、フィル様は私を押し倒したのだ。
ええええ!
ベッドの上にフィル様に押し倒された・・・・私はあまりのことに頭が完全に回っていなかった。
フィル様に何度も唇を吸われて私は完全に呆けてしまっていたのだ。
そして、その時だ。
ダーーーーン
という音と共に
「フィル、クリス様は呼んでいないって・・・・・」
扉を蹴り開けたエルダが、ベッドの上の私達二人を見て固まってしまった。
「ええええ!」
後ろから駆け込んできたイングリッドも固まってしまっていた。
「いや、イングリッド、これには訳が」
慌ててフィル様は言い訳しようとしたが、
「ちょっと、フィル、何、病人のアンを押し倒しているのよ」
我に返ったイングリッドはフィル様を私の上から弾き飛ばしてくれたのだ。
「ちょっとアン、大丈夫」
私は呆けたようになっていて、返事も出来なかった。
直ちにフィル様は私の部屋から叩き出されて、怒り狂った二人によってしばらく私に会うこともままならなくなってしまったのだった。
***************************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございました。
この続編『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした!勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/782706326
で始めました。下にリンクあります。
是非とも読んで頂けたら嬉しいです!
もっとも、ブルーノにやられた傷は即座にヒールで治したので、元々寝ている必要はなかったのだ。
エルダとかイングリッドが大事を取れと言うからベッドに横になっているだけで。でも、それ以上にやらなければいけない仕事はあるはずだった。
今はイェルド様とクリストフ様、それにフィル様を中心に回してくれているみたいだけど。
「エルダ、あなたの公爵家、あなたとイェルド様、二人共出てきてよかったの?」
私は気になって聞いていた。オールソン公爵家の子供はエルダとイェルド様の二人しかいないのだ。二人共公爵家と縁を切って出てきたってそれで公爵家は良いのだろうか?
「アンはそんな事は気にしないで良いのよ。私達がいなくなっても親戚から養子を取れば良いのだから」
「でもそれじゃ、お父様もお母様も納得されないでしょう?」
「父はどうでもいいわ。私の親友のアンの危機を教えてくれなかったんだから。私は絶対に許さないんだから」
エルダは公爵様には怒っているみたいだだった。
「私が出てきても、兄は残ると思ったのよ」
「なんでイェルド様は出て来られたの?」
「私達が何するか判らなかからですって」
ブスッとしてエルダが言った。
「それだけ心配されているということじゃない」
私が言うと
「イングリッドが心配なのよね。とんでもないことするから」
訳知り顔でエルダが言うんだけど・・・・。
「何を人のせいにするのよ。あなたも人のことは言えないでしょ」
入ってきたイングリッドが言った。
「そんな事ないわよ。あなたと比べたら天地雲泥の差よ」
「よく言うわね。クリスティーン様と同じ甲冑着て戦おうとしたくせに」
「当然のことでしょ。アンのために戦おうとしたのよ」
「甲冑の重みで潰されて、歩けなかったのに?」
馬鹿にしてイングリッドが言った。
「慣れなかっただけよ」
「よく言うわね」
ムッとして言うエルダに、呆れてイングリッドが言った。
「私、兄からは絶対にエルダに鎧は着せるなって言われているんだけど」
「よく人のことが言えるわね。家から宝剣を持ち出そうとして家の壁に穴を開けたのはイングリッドじゃない」
エルダが逆襲した。
「ちょっと、手が滑っただけよ。壁に小さな穴が開いただけじゃない」
「へええええ! どうしたら、屋敷の壁に穴が空くのよ」
「ふんっ」
二人はお互いに睨み合った。
「あっ、いたいた、エルダ、クリストフが呼んでいたぞ」
そこへフィル様が入って来た。
「えっ、クリス様が」
「なんでも、鎧がどうのこうのって言っていたけれと」
「ちょっとイングリッド、クリス様になにか余計なこと言ったのね」
エルダが憤怒の形相でイングリッドを睨みつけた。
「何も言っていないわよ」
「良いわ。クリス様にイングリッドのこと色々聞くわ」
「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ」
エルダの後を追って慌てたイングリッドが飛び出していった。
「あの二人は相変わらずなんだな」
「そうみたいです」
フィル様の呆れた顔に私は思わず頷いた。
フィル様はそんな私を見て、姿勢を直した。
「アン、ブルーノの攻撃に間に合わなくて君を守れなくて申し訳なかった」
フィル様がいきなり謝ってくれたんだけど。
「それは仕方がないですよ。私達が転移していったんですから。それを追いかけるなんて不可能です」
「でも、俺は君を守りたかった」
「そう考えて頂いただけで、私は嬉しいです」
フィル様の真剣な声に私は喜んでいった。
「アン、俺はぜひとも君の力になりたい」
更にそうフィル様は言ってくれるんだけど、
「有難うございます。フィル様。でも、オースティン王国の王太子殿下であるフィル様を、これ以上危険な目に合わせるわけには行きません」
私は思っていたことを言った。
「何を言っているんだ。アン。俺はとっくに、オースティン王国の王位継承権は放棄しているんだ」
「えっ、そうなのですか? クリスティーン様からはフィル様お一人がオースティン王国の地位にしがみ、いえ、そのままだとお伺いしましたので」
「あいつ、余計なことを」
「なにかおっしゃいましたか」
フィル様の言った事がよく聞き取れなくて私は聞き返していた。
「いや、何でも無い。だからここでアンに見捨てられても俺は行くところがどこにもないのだ」
「でも、そんな、ブルーノの力は絶大ですし、私達で勝てる保証はなにもないのです」
「そう、敗けたら私も行く場がないのは君と同じだ」
フィル様はそう言い切るんだけど。でも、隣国の王太子にそんな危険なことをやらす訳にはいかない。
「でも、フィル様」
「アン、俺は君の婚約者だ。君が命がけの危険を犯す時に私が傍に居なくてどうするんだ」
フィル様は私を見ていってくれるんだけど。それはとても嬉しいけれど、私はフィル様が好きだ。だから、フィル様には安全な所にいて欲しい。
「でも」
「死ぬ時は一緒だよ。アン」
「えっ」
私はその言葉に固まってしまった。フィル様にそこまで思ってもらっていると知って私は嬉しかった。しかし、
「でも」
「デモは禁止だ。俺は今まで王太子としてきた実績がある。ぜひともアンネローゼ殿下の補佐官として君の役に立ちたい」
「でも・・・・」
私は更に心を鬼にして断ろうとしたのだ。とても嬉しい申し出だったが、愛しのフィル様を危険に晒す訳にはいかない。
そう言おうとした私の唇をフィル様がキスで塞いでいたのだ。
そんな、嘘ーーーー。
私は真っ赤になってしまった。
それも今回は長い。
フィル様に両肩をしっかりとつかまれて私は逃げられなかった。
頭がぼうーーーっとしてくる。
「アン、君が好きだ。だから俺を見捨てるようなことは言わないで」
私は呆然と、フィル様を見た。
その私の唇が再度フィル様に奪われたのだ。
私は何が起こったかもよく判っていなかった。
そして、そのまま、もつれ合うように、フィル様は私を押し倒したのだ。
ええええ!
ベッドの上にフィル様に押し倒された・・・・私はあまりのことに頭が完全に回っていなかった。
フィル様に何度も唇を吸われて私は完全に呆けてしまっていたのだ。
そして、その時だ。
ダーーーーン
という音と共に
「フィル、クリス様は呼んでいないって・・・・・」
扉を蹴り開けたエルダが、ベッドの上の私達二人を見て固まってしまった。
「ええええ!」
後ろから駆け込んできたイングリッドも固まってしまっていた。
「いや、イングリッド、これには訳が」
慌ててフィル様は言い訳しようとしたが、
「ちょっと、フィル、何、病人のアンを押し倒しているのよ」
我に返ったイングリッドはフィル様を私の上から弾き飛ばしてくれたのだ。
「ちょっとアン、大丈夫」
私は呆けたようになっていて、返事も出来なかった。
直ちにフィル様は私の部屋から叩き出されて、怒り狂った二人によってしばらく私に会うこともままならなくなってしまったのだった。
***************************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございました。
この続編『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした!勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/782706326
で始めました。下にリンクあります。
是非とも読んで頂けたら嬉しいです!
5
『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした!勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/782706326
両親を幼い頃に殺された王女アンネローゼはその仇を討つために母国スカンディーナ王国に仲間とともにアンネローゼ王国を建国した。悲劇の王女として祖国に暖かく迎え入れられると思ったのに、周りの民の反応は疫病神に対するようで、その上、そこに現れた勇者と名乗る男に魔王と言われ、自分が前世のゲーム『スカンディーナの聖女』のラスボス魔王だと知るのだ。何でこうなった? 自分は悲劇のヒロインのはずが…ラスボスは両親の仇、悪逆非道の摂政ブルーノのはずなのに…。ブルーノが慈悲深い聖王だと…そんな訳あるか
弱小国の軍隊を率いて必至にあがく可憐な王女のはずが、素手で勇者を粉砕、付いた渾名が暴虐の山姥、とか赤髪の魔王、私を見ると皆逃げていくんだけど、なんで!前世コミュ障引きこもりだった私が気弱なふりをすればするだけドツボに嵌って…。隣国の暴虐令嬢の先輩と大魔術師、冷酷非道な内務卿に良いように振り回されて、いく国盗り物語です。
是非ともお読み下さい。
お気に入りに追加
1,640
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。

冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました
ゆうき
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。
その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。
それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。
記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。
初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。
それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。
だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。
変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。
最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。
これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎

魔法の薬草辞典の加護で『救国の聖女』になったようですので、イケメン第二王子の為にこの力、いかんなく発揮したいと思います
高井うしお
恋愛
※なろう版完結済み(番外編あり〼)
ハーブ栽培と本が好きなOL・真白は図書館で不思議な薬草辞典と出会う。一瞬の瞬きの間に……気が付くとそこは異世界。しかも魔物討伐の軍の真っ只中。そして邪竜の毒にやられて軍は壊滅状態にあった。
真白が本の導きで辞典から取り出したハーブを使うと彼らはあっという間に元気になり、戦況は一変。
だが帰還の方法が分からず困っている所を王子のはからいで王城で暮らす事に。そんな真白の元には色々な患者や悩み事を持った人が訪れるようになる。助けてくれた王子に恩を返す為、彼女は手にした辞典の加護で人々を癒していく……。
キラッキラの王子様やマッチョな騎士、優しく気さくな同僚に囲まれて、真白の異世界ライフが始まる! ハーブとイケメンに癒される、ほのぼの恋愛ファンタジー。

聖女召喚に巻き込まれた挙句、ハズレの方と蔑まれていた私が隣国の過保護な王子に溺愛されている件
バナナマヨネーズ
恋愛
聖女召喚に巻き込まれた志乃は、召喚に巻き込まれたハズレの方と言われ、酷い扱いを受けることになる。
そんな中、隣国の第三王子であるジークリンデが志乃を保護することに。
志乃を保護したジークリンデは、地面が泥濘んでいると言っては、志乃を抱き上げ、用意した食事が熱ければ火傷をしないようにと息を吹きかけて冷ましてくれるほど過保護だった。
そんな過保護すぎるジークリンデの行動に志乃は戸惑うばかり。
「私は子供じゃないからそんなことしなくてもいいから!」
「いや、シノはこんなに小さいじゃないか。だから、俺は君を命を懸けて守るから」
「お…重い……」
「ん?ああ、ごめんな。その荷物は俺が持とう」
「これくらい大丈夫だし、重いってそういうことじゃ……。はぁ……」
過保護にされたくない志乃と過保護にしたいジークリンデ。
二人は共に過ごすうちに知ることになる。その人がお互いの運命の人なのだと。
全31話

姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる