上 下
166 / 174
第三部 隣国潜伏編 母の故国で対決します

ブルーノに殺されそうになった時に私の火の玉がUターンして戻ってきました。

しおりを挟む
ブルーノの攻撃で血まみれになった私は死を覚悟した時だ。

ミニアンちゃんが転移してきてくれてブルーノを蹴倒してくれた。


しかし、ブルーノはやられるまではいっていなくて、頭を振るとゆっくりと立ち上がったのだ。

「シュワッチュ」
ミニアンちゃんは手を十字に組んだ。

いや、ミニアンちゃん! ウルトラマンと仮面ライダーがごっちゃになっているって、私は叫びたかった。

そのまま、光の光線をブルーノに出したのだ。それはひょっとしてスペシューム光線のつもりか?
でも、それは光の魔術で、ガーブリエル様がミラーでやられたやつだ。

「ミニアンちゃん。ミラーよ!」
私はなんとか叫んでいた。

「えっ?」
ミニアンちゃんは私が言った意味がよく判らなかったみたいだ。

ミニアンちゃんの攻撃は簡単にブルーノにミラーで弾かれるが、

「シュワッチュ」
なんとミニあんちゃんも手を広げるとそこにミラーを出現させたのだ。

ブルーノからのミラーの反射をミニアンちゃんも返す。

それをブルーノも返して、二人で返し会う。

私はその隙に間に起き上がろうとしたが、中々立てない。ヒールを自分にかけてなんとか立ち上がった。

もうこうなったらミニアンちゃんと挟み撃ちにして倒すしか無い。

私は次の瞬間にはブルーノの反対側に転移していた。


「食らえ! 光の一撃」
そして、残りの全ての力をかけた渾身の聖魔術を叩きつけていた。

しかし、ブルーノはこちらをチラとも見なかったが、私の渾身の聖魔術はブルーノの直前でミラーで跳ね返されたのだった。

しまった! ブルーノのミラーは彼を360度覆っていたのだ。

私にはもうそれを跳ね返す力も無かった。

私は自ら放った聖魔術をモロに受けてボロ雑巾のように弾き飛ばされた。

「アン!」
ミニアンちゃんは私が弾け飛ぶのを見て叫んでいた。

「ふんっ、愚かなやつじゃ。貴様の母親と同じで、自らの魔術で死にかけるとは」
しかし、私にはもう、ブルーノに反論する力も残っていなかった。

「おのれブルーノ、良くもアンにやってくれたな」
ミニアンちゃんはそう叫ぶと、自らが光り輝いた。

周りの光をすべて集める。周りは真っ暗になった。

「食らえええええーーーー」
そう叫ぶとミニアンちゃんは自らが光の塊になって飛び上がって、真下にいるブルーノにぶつかっていった。

ズカーーーーーン
凄まじい爆発が起こる。

私はその爆風で、木の葉のように弾き飛ばれさた。

私が顔を上げてみると、粉塵の消えた後には、傷だらけになったブルーノが立っていた。

「ふんっ、貴様の人形、自爆攻撃をしたみたいだが、それでは私は倒せん」
そう言うと、ゆっくりと私に向かってきた。

私はもう、抗う力は全く残っていなかった。

ブルーノが私を見下ろす。

そして、次の瞬間お腹を衝撃が襲った。

「グウェェェェ」
ブルーノに蹴られたと知ったのは蹴り飛ばされている途中でだった。

もう、どうしようもなかった。

魔術を使う力もどこにも残っていなかった。私は地面に叩きつけられた。

もう立ち上がれない。

私はゆっくりと歩いてくるブルーノをぼんやりと見た。
もう、終わりだ。ここでブルーノに殺されるんだ。

「フィル様」
私にはフィル様のことが思い出された。最後にフィル様の私に対する思いが知れて良かった・・・・

いや、良くない。何で、いつもブルーノにやられないといけないの。

私はなんとしてでもフィル様のところまで帰らないと。

でも、ブルーノが私がにげるのを見逃してくれるとは思えないけれど。

私がぼんやりとこちらに歩いてくるブルーノを見た時だ。

空をポヨンポヨンと飛んでいる赤い火の玉が見えたのだ。

そういえば一番最初に放った火の玉はホーミング機能があったのだ。

そして、火の玉には恐らくミラーは効かない。

「小娘、ここでお前を殺してやるわ」
ニヤリと笑って爆裂魔術を放とうとしたブルーノと赤い点が重なったのだ。

ブルーノは完全に油断してしていたみたいだった。


ピカッ

閃光が走り、

ドカーーーーン

巨大な爆発が起こったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……! 前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。 正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。 そして、気づけば違う世界に転生! けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ! 私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……? 前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー! ※第15回恋愛大賞にエントリーしてます! 開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです! よろしくお願いします!!

聖女召喚に巻き込まれた挙句、ハズレの方と蔑まれていた私が隣国の過保護な王子に溺愛されている件

バナナマヨネーズ
恋愛
聖女召喚に巻き込まれた志乃は、召喚に巻き込まれたハズレの方と言われ、酷い扱いを受けることになる。 そんな中、隣国の第三王子であるジークリンデが志乃を保護することに。 志乃を保護したジークリンデは、地面が泥濘んでいると言っては、志乃を抱き上げ、用意した食事が熱ければ火傷をしないようにと息を吹きかけて冷ましてくれるほど過保護だった。 そんな過保護すぎるジークリンデの行動に志乃は戸惑うばかり。 「私は子供じゃないからそんなことしなくてもいいから!」 「いや、シノはこんなに小さいじゃないか。だから、俺は君を命を懸けて守るから」 「お…重い……」 「ん?ああ、ごめんな。その荷物は俺が持とう」 「これくらい大丈夫だし、重いってそういうことじゃ……。はぁ……」 過保護にされたくない志乃と過保護にしたいジークリンデ。 二人は共に過ごすうちに知ることになる。その人がお互いの運命の人なのだと。 全31話

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈 
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

【完結】ドケチ少女が断罪後の悪役令嬢に転生したら、嫌われ令息に溺愛されました。

やまぐちこはる
恋愛
仁科李依紗は所謂守銭奴、金を殖やすのが何よりの楽しみ。 しかし大学一年の夏、工事現場で上から落ちてきた鉄板に当たり落命してしまう。 その事故は本当は男子学生の命を奪うものだったが、李依紗が躓いた弾みで学生を突き飛ばし、身代わりになってしまったのだ。 まだまだ寿命があったはずの李依紗は、その学生に自分の寿命を与えることになり、学生の代わりに異世界へ転生させられることになった。 異世界神は神世に現れた李依紗を見て手違いに驚くが今回は李依紗で手を打つしかない、いまさらどうにもならぬと、貴族令嬢の体を与えて転生させる。 それは李依紗の世界のとある小説を異世界神が面白がって現実化したもの。 李依紗も姉のお下がりで読んだことがある「帝国の気高き薔薇」という恋愛小説。 それは美しい子爵令嬢と王太子のラブストーリー。そして李依紗は、令嬢を虐めたと言われ、嫌われることになるありがちな悪役令嬢リイサ・サレンドラ公爵令嬢の体に入れ替わってしまったのだ。 =============================== 最終話まで書き終え、予約投稿済です。年末年始は一日3〜4話、それ以外は毎日朝8時に更新です。 よろしくお願い致します。

教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!

海空里和
恋愛
王都にある果実店の果実飴は、連日行列の人気店。 そこで働く孤児院出身のエレノアは、聖女として教会からやりがい搾取されたあげく、あっさり捨てられた。大切な人を失い、働くことへの意義を失ったエレノア。しかし、果実飴の成功により、働き方改革に成功して、穏やかな日常を取り戻していた。 そこにやって来たのは、場違いなイケメン騎士。 「エレノア殿、迎えに来ました」 「はあ?」 それから毎日果実飴を買いにやって来る騎士。 果実飴が気に入ったのかと思ったその騎士、イザークは、実はエレノアとの結婚が目的で?! これは、エレノアにだけ距離感がおかしいイザークと、失意にいながらも大切な物を取り返していくエレノアが、次第に心を通わせていくラブストーリー。

【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。

yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~) パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。 この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。 しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。 もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。 「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。 「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」 そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。 竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。 後半、シリアス風味のハピエン。 3章からルート分岐します。 小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。 表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。 https://waifulabs.com/

転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる

花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...