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第三部 隣国潜伏編 母の故国で対決します
暴虐令嬢視点4 国境の町の残りの病人を聖女に治させました
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私は駆け通して国境の町パヤラに来ていた。
傭兵募集と義勇兵募集の広告に続々と兵士たちが集まってきた。その中には公爵家のエルダや、侯爵家のイングリッドもいた。
数も1000を越えた。スカンディーナの国境の警備は厳重で中々中の情報が判らなかった。
でも、色々手を尽くすと、アンは予想通り、ヴァルドネル伯爵領にいるみたいで、聖女様と呼ばれているらしい。
さすが我が後輩と言うべきだろう。元王女でなくて聖女でデビューするとは。その方が国民の受けも格段に良いはずだ。スカンディーナの聖女は賢明に病を治しているみたいだ。
片や、こちらの聖女は聖女の名前にあぐらをかいて何もしていないらしい。この国境の街では疫病にかかった人の大半はアンが治していったそうだが、まだ、かかっている人が居て疫病は徐々にまた広がり始めているらしい。
「聖女がいるだろう。あのピンク頭は何をしているのだ」
「なんでも、アン様が治された事実をあれは私がやったんだから、もうやるだけはやったからいいでしょうと言い募っているのだとか」
ベーンが報告してきた。
「顔を出せば良いんだな」
「クリスティーン様の顔を見れば聖女様もちゃんとやるでしょう」
ベーンが嬉々として言うのだが、
その部屋の前まで来ると
「もう良いでしょ。私は王太子含めて大半の人を治したじゃない。もう働きすぎたわよ。何人治したと思っているのよ」
相変わらず尊大な態度でいるみたいだ。
「えっ、クリスティーンを連れてくるだ。あんなゴリラ女怖くもないわよ」
聖女の前に座っていたバツクマンがピンク頭の後ろに立つ私を見て固まったが、ピンク頭はどこ吹く風だ。
「ゴリラ女がヒールすれば・・・・何後ろ見てんのよ」
流石におかしいと思ってピンク頭が振り返ってきた。
「ひ、出た! ゴリラ女!」
驚愕に彩られた顔をして後ずさろうとしたピンク頭の頬を軽く張るのとが同時だった。
パシーーーーン
小気味よい音とともに張り飛ばされたピンク頭が、机に頭から突っ込んで机がぺしゃんこになる。
「誰がゴリラ女なんだ。ピンク頭」
私がピンク頭の顔を持ち上げると鼻血で血まみれになったピンク頭が恐怖に歪んだ顔で私を見た。
少し、やりすぎたか。軽く張っただけなのだが。
「うーわ、すごい顔。ホラーですね」
ベーンが嬉しそうに言うんだが、ギロリと睨むと慌てて明後日の方を見る。
「き、貴様何をするのじゃ。聖女様に」
横に居た教会関係者と思しき男が言った。
「ふんっ、聖女の仕事を何もせずに、のうのうと国民の金だけ使っている聖女など、聖女では無いわ」
私が言い切ると、
「貴様、何奴だ。こちらの方を聖女様と知っての狼藉か」
更に横の若い聖職者が叫んだ。
「私はクリスティーンだ」
「クリスティーン?」
若い男は私のことが判らなかったみたいだ。
「カールソン公爵家から勘当された令嬢だ」
苦虫を噛み潰したように、年寄りの方が言う。
「そこの爺さん。私はこちらから公爵家の縁を切ったのだ。間違うな」
「貴様、勘当された平民の分際でこの地区の司教様に逆らうのか」
若い男が私の言葉に文句をつけてきた。
「司教だ。それがどうしたのだ。我ら社会の寄生虫ではないか」
「な、何だと」
若い男はもう完全に切れていた。
「ぴいぴいうるさいガキだな。貴様らがさっさと聖女に仕事をさせないから仕方なしに私がここに来てやったのだぞ」
そう言いつつ、私はピンク頭の顔を若い男に突き出した。
「げっ、何をするのだ」
男は避けた拍子に思わず腰砕けに地面に倒れていた。
「な、何なのよ。私は何も悪いことをしていないわよ」
ピンク頭が必至に言う。
「何言っているんだ。聖女のくせに疫病にかかった人達を治さなかってではないか。それこそ重罪だ」
「何言っているのよ。多くの人を治したじゃない」
「治したのはアンだろうが。役立たず。アンは聖女でもないのに、大半の病人を治したのだぞ。貴様らそれで恥ずかしくないのか」
私は聖女らを睥睨した。
「あの赤毛じゃなくて私よ」
ピンク頭はなおかつ嘘を言い張るみたいだ。
私はピンク頭のお尻を突き上げさせた。
「いや、嘘、止めて、治したのはアンよ」
ピンク頭は昔の100叩きの恐怖があるのかすぐに謝った。
「でも、あんた。疫病なんて治せるわけ無いでしょ。もしかかって私が死んだらどうしするのよ」
「何を言っている。聖女は病人を治すためにいるんだよ。その仕事を放棄してアンにやらせるなんて何している。そうか、貴様ら、スカンディーナの王女の手先になって病が広がるのを静観していたのか? 領民に疫病を流行らせて多くの人を殺そうとしたとなると国家反逆罪並の犯罪だ。ここで処刑してやろうか」
私はそう言うと剣を引き抜いた。
ヒィィィぃ
教会関係者達は腰を抜かしていた。
「き、貴様聖女様に剣を向けるなど」
「うるさい。私は始祖様に命じられているのだ。役立たずの聖女ならば斬り捨てて行けとな」
「し、始祖様だと」
「そんなわけがあるか」
「また作りましたね」
協会関係者の声に小うるさいベーンの声が聞こえたみたいだが、私の一捻りと聖剣を聖女のお尻に突きつけると聖女は恐怖で顔を引き攣らせた。
「や、止めて、叩かないで。やるからやれば良いんでしょ」
聖女が泣きわめしいた。本当に面倒なピンク頭だ。最初からちゃんとやればいいのに。
それから残っていた病人100人の所を連れ回して全員にヒールをかけさせるのがまた一仕事だったのだが。
「疲れた」とか「もうダメ」とか言う聖女のおもりが本当に面倒だった。
しまいには面倒になったので、聖剣を聖女のお尻に付けて「100叩きしてやろうか」と言ってやった。
それからは何も言わずとも聖女はやっとまともに仕事をしてくれたのだった。
傭兵募集と義勇兵募集の広告に続々と兵士たちが集まってきた。その中には公爵家のエルダや、侯爵家のイングリッドもいた。
数も1000を越えた。スカンディーナの国境の警備は厳重で中々中の情報が判らなかった。
でも、色々手を尽くすと、アンは予想通り、ヴァルドネル伯爵領にいるみたいで、聖女様と呼ばれているらしい。
さすが我が後輩と言うべきだろう。元王女でなくて聖女でデビューするとは。その方が国民の受けも格段に良いはずだ。スカンディーナの聖女は賢明に病を治しているみたいだ。
片や、こちらの聖女は聖女の名前にあぐらをかいて何もしていないらしい。この国境の街では疫病にかかった人の大半はアンが治していったそうだが、まだ、かかっている人が居て疫病は徐々にまた広がり始めているらしい。
「聖女がいるだろう。あのピンク頭は何をしているのだ」
「なんでも、アン様が治された事実をあれは私がやったんだから、もうやるだけはやったからいいでしょうと言い募っているのだとか」
ベーンが報告してきた。
「顔を出せば良いんだな」
「クリスティーン様の顔を見れば聖女様もちゃんとやるでしょう」
ベーンが嬉々として言うのだが、
その部屋の前まで来ると
「もう良いでしょ。私は王太子含めて大半の人を治したじゃない。もう働きすぎたわよ。何人治したと思っているのよ」
相変わらず尊大な態度でいるみたいだ。
「えっ、クリスティーンを連れてくるだ。あんなゴリラ女怖くもないわよ」
聖女の前に座っていたバツクマンがピンク頭の後ろに立つ私を見て固まったが、ピンク頭はどこ吹く風だ。
「ゴリラ女がヒールすれば・・・・何後ろ見てんのよ」
流石におかしいと思ってピンク頭が振り返ってきた。
「ひ、出た! ゴリラ女!」
驚愕に彩られた顔をして後ずさろうとしたピンク頭の頬を軽く張るのとが同時だった。
パシーーーーン
小気味よい音とともに張り飛ばされたピンク頭が、机に頭から突っ込んで机がぺしゃんこになる。
「誰がゴリラ女なんだ。ピンク頭」
私がピンク頭の顔を持ち上げると鼻血で血まみれになったピンク頭が恐怖に歪んだ顔で私を見た。
少し、やりすぎたか。軽く張っただけなのだが。
「うーわ、すごい顔。ホラーですね」
ベーンが嬉しそうに言うんだが、ギロリと睨むと慌てて明後日の方を見る。
「き、貴様何をするのじゃ。聖女様に」
横に居た教会関係者と思しき男が言った。
「ふんっ、聖女の仕事を何もせずに、のうのうと国民の金だけ使っている聖女など、聖女では無いわ」
私が言い切ると、
「貴様、何奴だ。こちらの方を聖女様と知っての狼藉か」
更に横の若い聖職者が叫んだ。
「私はクリスティーンだ」
「クリスティーン?」
若い男は私のことが判らなかったみたいだ。
「カールソン公爵家から勘当された令嬢だ」
苦虫を噛み潰したように、年寄りの方が言う。
「そこの爺さん。私はこちらから公爵家の縁を切ったのだ。間違うな」
「貴様、勘当された平民の分際でこの地区の司教様に逆らうのか」
若い男が私の言葉に文句をつけてきた。
「司教だ。それがどうしたのだ。我ら社会の寄生虫ではないか」
「な、何だと」
若い男はもう完全に切れていた。
「ぴいぴいうるさいガキだな。貴様らがさっさと聖女に仕事をさせないから仕方なしに私がここに来てやったのだぞ」
そう言いつつ、私はピンク頭の顔を若い男に突き出した。
「げっ、何をするのだ」
男は避けた拍子に思わず腰砕けに地面に倒れていた。
「な、何なのよ。私は何も悪いことをしていないわよ」
ピンク頭が必至に言う。
「何言っているんだ。聖女のくせに疫病にかかった人達を治さなかってではないか。それこそ重罪だ」
「何言っているのよ。多くの人を治したじゃない」
「治したのはアンだろうが。役立たず。アンは聖女でもないのに、大半の病人を治したのだぞ。貴様らそれで恥ずかしくないのか」
私は聖女らを睥睨した。
「あの赤毛じゃなくて私よ」
ピンク頭はなおかつ嘘を言い張るみたいだ。
私はピンク頭のお尻を突き上げさせた。
「いや、嘘、止めて、治したのはアンよ」
ピンク頭は昔の100叩きの恐怖があるのかすぐに謝った。
「でも、あんた。疫病なんて治せるわけ無いでしょ。もしかかって私が死んだらどうしするのよ」
「何を言っている。聖女は病人を治すためにいるんだよ。その仕事を放棄してアンにやらせるなんて何している。そうか、貴様ら、スカンディーナの王女の手先になって病が広がるのを静観していたのか? 領民に疫病を流行らせて多くの人を殺そうとしたとなると国家反逆罪並の犯罪だ。ここで処刑してやろうか」
私はそう言うと剣を引き抜いた。
ヒィィィぃ
教会関係者達は腰を抜かしていた。
「き、貴様聖女様に剣を向けるなど」
「うるさい。私は始祖様に命じられているのだ。役立たずの聖女ならば斬り捨てて行けとな」
「し、始祖様だと」
「そんなわけがあるか」
「また作りましたね」
協会関係者の声に小うるさいベーンの声が聞こえたみたいだが、私の一捻りと聖剣を聖女のお尻に突きつけると聖女は恐怖で顔を引き攣らせた。
「や、止めて、叩かないで。やるからやれば良いんでしょ」
聖女が泣きわめしいた。本当に面倒なピンク頭だ。最初からちゃんとやればいいのに。
それから残っていた病人100人の所を連れ回して全員にヒールをかけさせるのがまた一仕事だったのだが。
「疲れた」とか「もうダメ」とか言う聖女のおもりが本当に面倒だった。
しまいには面倒になったので、聖剣を聖女のお尻に付けて「100叩きしてやろうか」と言ってやった。
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