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第三部 隣国潜伏編 母の故国で対決します
伯爵領で疫病を治療しました
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翌朝、目を覚ますと私は布団の中で寝ていた。
それも広い立派な部屋に変わっていた。
「アン様。お目覚めですか」
私が起きるのを見たのか、そこにはつっけんどんだったヤーナさんがいた。
「ご気分はいかがですか?」
でも、何か態度が180度変わっているような気がするんだけど。
「ありがとうございます。ぐっすり寝れて大丈夫です」
私が答えると
「昨日は私が失礼な態度を取ったことを深くお詫び申しあげます」
ヤーナさんは90度頭を下げてくれた。
「えっ、いえ、胡散臭いと思われても仕方がありませんから」
「そのような。アン様を信じなかった私が悪いのです。なのに、昨日は私共の仲間をお助け頂き、本当にありがとうございました。感謝の言葉もございません」
「気にしないでください。当然のことをしたまでです。それより、ヤーナさん。まだまだ多くの人が苦しんでいるのですよね。出来れば今日はその方々のところを回りたいのですが」
「ありがとうございます。そう言って頂けると感謝の言葉もございません」
私はヤーナさんに手伝ってもらって、着替えると食堂に向かった。
「アン様。気分はどうですか」
廊下に詰めていたメルケルが声をかけてきた。
「ここまで運んでくれたんだって。ありがとう。私は大丈夫よ。それよりも今日も回れるだけ回りたいの。ついて来てくれる?」
「でも、お体は大丈夫なのですか?」
心配してメルケルが言ってくれるが、
「昨日は張り切りすぎて、無茶をしすぎただけよ。慣れてくればもっとうまくできるようになると思うの」
「あまり無理はなされませんように」
何か同級生に敬語で言われて変な気分だ。もっとももともとメルケルは敬語だけど。
「これはこれはアン様。昨日は本当にありがとうございました。我が家の家人を治して頂いてありがとうございました」
食堂に行くと立上って伯爵が挨拶してきた。
「伯爵様。当然のことをしたまでです。今日もこれからできるだけ回りたいと思います」
「大丈夫でございますか」
「慣れれば問題ないと思います」
「二クラス、お前がアン様のお供をするのだぞ。くれぐれも無理な行動は慎むように」
「はい、父上」
一緒にいた二クラスが父に頷いていた。
私は、メルケルらと一緒に街の中を移動した。
メルケルらは馬で移動して私は二クラスと一緒の馬車だった。
B組の二クラスとはクラスも違ったので、接点は殆どなかった。伯爵と違って太ってはいなかったし、見目麗しかったし、同年代だから本来は話しやすいはずだったが、やつぱり気詰まり感は拭えなかった。
二クラスは色々私に話しかけてくるんだけど、この領地のことを色々話してくれるのはこの地を知る意味でもありがたかったが、私の肌が白くてきれいだとか、赤髪がバラのように綺麗だとか見え透いたお世辞を言われても、なんと返していいか判らなかった。
私はそもそも平民で、貴族とは基本的に話は会わないのだ。Aクラスの皆はそんな私に気をつけてくれて、特にフィル様やエルダやイングリッドが話を合わせてくれたからまだ話せたのだ。そう言えばエルダらは元気にしているんだろうか? 最後に挨拶だけでも出来たら良かったのに。まあ、その暇はなかったけれど・・・・。
伯爵令息と居るよりはメルケルと一緒のほうが余程気楽だったのだがその彼は馬の上だ。
彼は同じクラスだったから共通の友人も多いし、話題には事欠かない。
二クラスの話題はB組の二クラスのクラスメートだった、ピンク頭のこととか王女の事言われても私には振れたくない話題だった。特に恋敵の王女のことは振れてほしくなかった。
まあ、敵対する二クラスだから、王女は傲慢だったとか、他人に対する思いやりを持っていなかったとか、貴族としか仲良くしなかったとか悪口ばかりだったけれど。
最初の教会に入るとそこにも熱病でうなされる多くの病人がいた。
皆最初は私を胡散臭そうに見ていた。
「皆の者。こちらは聖女アン様だ。聖女アン様はムオニオ村と我が屋敷の使用人に聖魔術をかけて頂いて半日ですべての病人が全快した。その方共にも聖女様が聖魔術を今からかけて頂ける。感謝するのだぞ」
わざわざ二クラスが大声で私を紹介してくれるんだけど、とても上から目線の紹介に私は真っ赤になった。もっとうまい紹介の仕方があるだろうに。
私から言うと角が立つので、後でメルケルから穏便に注意してもらおうと私は思ったのだ。
まあ、仕方がない。私は皆が病気が治るように心の中で祈った。
そして、今日は片手を上げる。
「ヒール」
昨日よりも少し抑えめに叫んだ。
「おおおおお」
私の手から金の光が溢れて周りに広がるのを見て皆がざわめく。
今回は私は倒れなかった。
力をセーブしたのだ。
どれだけ治ったか判らなかったけれど、私たちは休むまもなく、次の所に向かった。
次の場所での私の紹介はメルケルに注意したからか、少しはましになっていた。
その日は領都の街の4箇所の収容所を回ったのだ。
私は疲れ切って伯爵邸に帰ってきた。
「アン様。本日はありがとうございました。今晩はぜひともアン様の歓迎の宴を催したいのですが」
私はその言葉にぎょっとした。
何しろ今日はヒールと伯爵令息の相手で疲れ切っていたのだ。そんな疲れることは出来れば遠慮したい。
「アン様。お疲れとは存じますが、いかがですか」
伯爵令息まで言うんだけど。私は白い目でメルケルを見た。
「伯爵様。アン様は本当にお疲れなのです。今日の所はお休みになられたいとのことです」
メルケルが代わりに言ってくれた。
「そうなのですか」
いかにも残念そうに伯爵が言うんだけど。
「申し訳ないのですが、疲れ切っているのです。この騒動が全て終わってからにしていただけますか」
私は少しつっけんどうな言い方になってしまったが、それは許してほしかった。
「左様で御座いますな。判りました。ではまた日を改めましょう」
いかにも残念そうに伯爵は言うんだけど、出来ればそういうのはなくして欲しかった。
私は疲れ切ってそのまま部屋に帰った。その私を睨みつけるものが居るのに気付いたが、それが誰か確かめる気力はもう残っていなかったのだ。
*************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の他の作品紹介です。
『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/904668301
前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。二人をくっつけようとするシルフィだけど、何故か上手くいかなくて・・・・。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
その上、何故か史上最強の母親たちが出てきてもう大変です!
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
それも広い立派な部屋に変わっていた。
「アン様。お目覚めですか」
私が起きるのを見たのか、そこにはつっけんどんだったヤーナさんがいた。
「ご気分はいかがですか?」
でも、何か態度が180度変わっているような気がするんだけど。
「ありがとうございます。ぐっすり寝れて大丈夫です」
私が答えると
「昨日は私が失礼な態度を取ったことを深くお詫び申しあげます」
ヤーナさんは90度頭を下げてくれた。
「えっ、いえ、胡散臭いと思われても仕方がありませんから」
「そのような。アン様を信じなかった私が悪いのです。なのに、昨日は私共の仲間をお助け頂き、本当にありがとうございました。感謝の言葉もございません」
「気にしないでください。当然のことをしたまでです。それより、ヤーナさん。まだまだ多くの人が苦しんでいるのですよね。出来れば今日はその方々のところを回りたいのですが」
「ありがとうございます。そう言って頂けると感謝の言葉もございません」
私はヤーナさんに手伝ってもらって、着替えると食堂に向かった。
「アン様。気分はどうですか」
廊下に詰めていたメルケルが声をかけてきた。
「ここまで運んでくれたんだって。ありがとう。私は大丈夫よ。それよりも今日も回れるだけ回りたいの。ついて来てくれる?」
「でも、お体は大丈夫なのですか?」
心配してメルケルが言ってくれるが、
「昨日は張り切りすぎて、無茶をしすぎただけよ。慣れてくればもっとうまくできるようになると思うの」
「あまり無理はなされませんように」
何か同級生に敬語で言われて変な気分だ。もっとももともとメルケルは敬語だけど。
「これはこれはアン様。昨日は本当にありがとうございました。我が家の家人を治して頂いてありがとうございました」
食堂に行くと立上って伯爵が挨拶してきた。
「伯爵様。当然のことをしたまでです。今日もこれからできるだけ回りたいと思います」
「大丈夫でございますか」
「慣れれば問題ないと思います」
「二クラス、お前がアン様のお供をするのだぞ。くれぐれも無理な行動は慎むように」
「はい、父上」
一緒にいた二クラスが父に頷いていた。
私は、メルケルらと一緒に街の中を移動した。
メルケルらは馬で移動して私は二クラスと一緒の馬車だった。
B組の二クラスとはクラスも違ったので、接点は殆どなかった。伯爵と違って太ってはいなかったし、見目麗しかったし、同年代だから本来は話しやすいはずだったが、やつぱり気詰まり感は拭えなかった。
二クラスは色々私に話しかけてくるんだけど、この領地のことを色々話してくれるのはこの地を知る意味でもありがたかったが、私の肌が白くてきれいだとか、赤髪がバラのように綺麗だとか見え透いたお世辞を言われても、なんと返していいか判らなかった。
私はそもそも平民で、貴族とは基本的に話は会わないのだ。Aクラスの皆はそんな私に気をつけてくれて、特にフィル様やエルダやイングリッドが話を合わせてくれたからまだ話せたのだ。そう言えばエルダらは元気にしているんだろうか? 最後に挨拶だけでも出来たら良かったのに。まあ、その暇はなかったけれど・・・・。
伯爵令息と居るよりはメルケルと一緒のほうが余程気楽だったのだがその彼は馬の上だ。
彼は同じクラスだったから共通の友人も多いし、話題には事欠かない。
二クラスの話題はB組の二クラスのクラスメートだった、ピンク頭のこととか王女の事言われても私には振れたくない話題だった。特に恋敵の王女のことは振れてほしくなかった。
まあ、敵対する二クラスだから、王女は傲慢だったとか、他人に対する思いやりを持っていなかったとか、貴族としか仲良くしなかったとか悪口ばかりだったけれど。
最初の教会に入るとそこにも熱病でうなされる多くの病人がいた。
皆最初は私を胡散臭そうに見ていた。
「皆の者。こちらは聖女アン様だ。聖女アン様はムオニオ村と我が屋敷の使用人に聖魔術をかけて頂いて半日ですべての病人が全快した。その方共にも聖女様が聖魔術を今からかけて頂ける。感謝するのだぞ」
わざわざ二クラスが大声で私を紹介してくれるんだけど、とても上から目線の紹介に私は真っ赤になった。もっとうまい紹介の仕方があるだろうに。
私から言うと角が立つので、後でメルケルから穏便に注意してもらおうと私は思ったのだ。
まあ、仕方がない。私は皆が病気が治るように心の中で祈った。
そして、今日は片手を上げる。
「ヒール」
昨日よりも少し抑えめに叫んだ。
「おおおおお」
私の手から金の光が溢れて周りに広がるのを見て皆がざわめく。
今回は私は倒れなかった。
力をセーブしたのだ。
どれだけ治ったか判らなかったけれど、私たちは休むまもなく、次の所に向かった。
次の場所での私の紹介はメルケルに注意したからか、少しはましになっていた。
その日は領都の街の4箇所の収容所を回ったのだ。
私は疲れ切って伯爵邸に帰ってきた。
「アン様。本日はありがとうございました。今晩はぜひともアン様の歓迎の宴を催したいのですが」
私はその言葉にぎょっとした。
何しろ今日はヒールと伯爵令息の相手で疲れ切っていたのだ。そんな疲れることは出来れば遠慮したい。
「アン様。お疲れとは存じますが、いかがですか」
伯爵令息まで言うんだけど。私は白い目でメルケルを見た。
「伯爵様。アン様は本当にお疲れなのです。今日の所はお休みになられたいとのことです」
メルケルが代わりに言ってくれた。
「そうなのですか」
いかにも残念そうに伯爵が言うんだけど。
「申し訳ないのですが、疲れ切っているのです。この騒動が全て終わってからにしていただけますか」
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私は疲れ切ってそのまま部屋に帰った。その私を睨みつけるものが居るのに気付いたが、それが誰か確かめる気力はもう残っていなかったのだ。
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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の他の作品紹介です。
『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/904668301
前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。二人をくっつけようとするシルフィだけど、何故か上手くいかなくて・・・・。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
その上、何故か史上最強の母親たちが出てきてもう大変です!
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
1
『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした!勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/782706326
両親を幼い頃に殺された王女アンネローゼはその仇を討つために母国スカンディーナ王国に仲間とともにアンネローゼ王国を建国した。悲劇の王女として祖国に暖かく迎え入れられると思ったのに、周りの民の反応は疫病神に対するようで、その上、そこに現れた勇者と名乗る男に魔王と言われ、自分が前世のゲーム『スカンディーナの聖女』のラスボス魔王だと知るのだ。何でこうなった? 自分は悲劇のヒロインのはずが…ラスボスは両親の仇、悪逆非道の摂政ブルーノのはずなのに…。ブルーノが慈悲深い聖王だと…そんな訳あるか
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是非ともお読み下さい。
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