109 / 174
第二部 学園波乱編 隣国から多くの留学生が来ました
友達に王太子との婚約の件を相談したら、それは決定事項だから絶対に変えられないと言い切られてしまいました
しおりを挟む
その日の午後の授業は、フィル様に抱きつかれた事とスカンディーナの連中に挨拶されたことで、混乱して、頭に全く入らなかった。
基本的に、と言うかなんというか、私は今は平民のアンなのだ。
たしかに元は、スカンディーナの王女でフィル様の婚約者だ。
でも、今は違う。単なるオースティン王国の平民アンなのだ。
王太子殿下の横に立つ事は、本当におこがましいと思う。まあ、私もオースティン王国に生きている女の子だ。見目麗しい王子様が迎えに来てくれたら、と子供の頃夢見たことはあったけど。
前世の記憶が戻ってからは、特にフィル様が私の心の中のイチオシで、学園に来てお会いできて感激し、隣の席になって感激し、デートできて感激した。さっきなんて抱きしめられて、もう死んでもいいと感激したのは事実だ。
このゲームに転生させてもらって良かった。神様、ありがとうと感謝した。
前世の引きこもりと違って本当に好い目に会わせてもらった。
もうこの世界に思い残すことなんて何も無いと思うくらいに。それでブルーノに殺されるとなるとまた違うが、いつまでも平民アンが麗しのフィル様の横にいていいのかと悩んでるのだ。
その上でスカンディーナのことなんだけど・・・・。メルケルは良いやつだと思う。
でも、今日の感じだと、元々この国に来たのは、元王女の私に会う為みたいだ。
私を正当な王位継承者にするためらしい。彼ら反対勢力の旗印として。
でも、はっきり言って、私自身はスカンディーナのことは授業で習った以外はよく判らない。考えれば母からは折に触れて隣国のことは色々聞いてはいたが、スカンディーナの出身だとも父や母のことなども詳しくは聞いたことがなかったのだ。
前世でゲームをしたことはあったが、スカンディーナのことなんて殆ど出てこなかった。
そこにいきなり、王女殿下と言われて頼られるのは違うと思う。
そもそも私自身がアンネローゼというのが未だに殆ど信じられないんだけど・・・・。
このオースティン王国の平民だと思っていたし、実際今でもそうだ。
私としては、この国の乙女の大半の憧れのフィル様と一緒にいるのは夢だった。それは前世からの夢でもある。
でも、スカンディーナの王女に戻ってくれって言われても、青天の霹靂、実感が無いというか、今まで全く感心がなかったとか、無視していたというか、判らなかった。
私の感覚ではスカンディーナは私の両親を殺して、私の命を狙ってくる怖い国という認識だ。その国をもとに戻すために役立ってくれって言われてもよく判らない。
確かに、私が親の仇を討ちたいかと言われるとそれは道義的には討ったほうが良いのではなかろうかとは思う。
でも、現実問題として、私はたかだか一平民なのだ。一人ではスカンディーナ王国相手に何も出来ない。頼めば手伝ってくれる人がいるかもしれないが、他の人間を巻き込むことはいけないことだと思う。何しろ相手は国家なのだ。仇を討つということは国家に逆らうことになる。
そんな私に手を貸すのは良くないだろうし、頼むのも良くないことだ。最悪外交問題になる。
それを考えると、仇を討つのは良くないのではないかと思ってしまう。
そして、そうして欲しい、反体制派が私に近づいてくれば私の存在自体がオースティン王国の足かせになるのではないだろうか。
一平民アンを保護するのと、それを王太子の婚約者にしておくのとでは全然違う。スカンディーナとの外交問題になるような者を婚約者においておくのは良くないのだ。
イングリッド邸での合宿の相部屋は何故かエルダだった。
皆で演劇練習してワイワイやった後、部屋に帰って
「アンどうしたの? 午後から心ここにあらずって感じだけど」
心配してエルダが聞いてきた。
「ああ、ごめん」
私はエルダに相談することにした。今日あったことをかいつまんで説明したのだ。
そして、自分の考えを述べた。
「やっぱり、私、フィル様の婚約者でいるのを止めたほうが良いよね」
私はエルダに相談していた。
「アン。何言っているのよ。フィルはそんな事は判っているわよ。その上であなたを守るって言っているのよ」
「えっ、でも」
「でも、くそもないわよ。
元々フィルはあなたが行方不明になっている10歳の時に王妃様に言われて婚約者選定のパーティーを開かせられているのよ」
「えっ、そうだったんだ」
私は驚いたが、それは現実的なことだと思った。王太子の婚約者が行方不明は良くないだろう。
「でも、彼はその時に本当に能面だったの。行方不明の婚約者がいるのに婚約者を決めろって言われてふてくされていたのよ」
「えっ、そうなんだ」
そんなときから私のこと気にしてくれていたんだ。私はそれを聞いて嬉しかった。
「そんな、彼にイングリッドが言ったのよ。
『あなた、今回のお茶会、ひどくない? あなたには行方不明のアンネローゼ様がいるじゃない。今もどこかで苦労しているのよ。その子は。飢えているかもしれないし、死にそうになっているかもしれない。なのに、こんなお茶会なんて開いて! その子が落ちぶれたからって、その子を捨てるの? そんな薄情な王太子に誰がついていくのよ』って」
「えっ、イングリッド、そんな事言ってくれたの。会ったこともない私のために」
「そうよ。アン。フィルはそれで婚約者選定パーティを止めて、陛下と妃殿下に言い切ったのよ。どんな事があっても俺の婚約者はアンだって。だからあなたはフィルの婚約者でいていいのよ。というかいないと駄目なの」
「えっ、でも」
「でもも、糞もないわよ。うちの母もあなたとフィルの婚約が決まった時にあなたのお母様に約束しているのよ。たとえどんな事があっても絶対にあなたを守るって。それはイングリツドのところも同じよ。だから私のところのオールソン家もイングリッドのところのバーマン侯爵家もあなたの後ろ盾なのよ」
「でも、スカンディーナとの関係が悪くなるんじゃない」
「それは簒奪したブルーノが悪いのよ。スカンディーナ側の問題なんて関係ないのよ。我が家はどんな事があっても一度約束したことは違えない。これは建国以来の我が家の家訓なのよ。だからアンもどーんと大船に乗った気持ちでいてね」
「ありがとう。エルダ。でも、それで良いのかな」
「良いも悪いもないわ。それ以外の道はないのよ。アン。スカンディーナの反体制派をどうするかはまた別の問題だけど、しばらく静観するしか無いんじゃないの。私達はまだまだそんな事に手を出している余裕はないわよ」
はっきりエルダに言われて私はそれもそうだと思ってしまったのだった。
************************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の物語紹介で次の物語は
『王太子に婚約破棄されたので、ぶった斬りました!何を?!出来損ない令嬢の波乱万丈恋愛物語』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/425620227
「貴様との婚約を破棄する!」学園の卒業パーティーにて皆の前で私は王太子に婚約破棄されてしまった。いくら私が出来損ないと言われているからといってそんな!普通は泣き叫ぶか、許してくれと懇願するかそんなところだと思うのだが、「ヤッターーーー。バンザーイ」私は喜びのあまり飛び上がっていた・・・・だってこの王太子、良いのは顔だけ。いろんな女にうつつを抜かす超遊び人なのだ。しかし、悪巧みを働く力はあるみたいで、あろうことか私を修道院に送る途中で襲わせて慰み者にしようと企んでいたみたいで、ほう、私に対してそのようなことをしようとするとは・・・・。私自身、剣は兄に相手にされず、魔術は姉の足元にも及ばない、辺境伯の出来損ないなのだ。でも、我が武の名門辺境伯の令嬢として、受けた辱めは相手をぶった斬って晴らします!出来損ないの私に出来るのかですって? そんなのやって見ないと判らないじゃない!
南国と国が共同して我が領地に攻めてきたり、帝国皇子がやってきて纏わり付いたりもう大変。でも諦めずに前に向いてがんばります。
面白いので是非とも読んで下さい。
基本的に、と言うかなんというか、私は今は平民のアンなのだ。
たしかに元は、スカンディーナの王女でフィル様の婚約者だ。
でも、今は違う。単なるオースティン王国の平民アンなのだ。
王太子殿下の横に立つ事は、本当におこがましいと思う。まあ、私もオースティン王国に生きている女の子だ。見目麗しい王子様が迎えに来てくれたら、と子供の頃夢見たことはあったけど。
前世の記憶が戻ってからは、特にフィル様が私の心の中のイチオシで、学園に来てお会いできて感激し、隣の席になって感激し、デートできて感激した。さっきなんて抱きしめられて、もう死んでもいいと感激したのは事実だ。
このゲームに転生させてもらって良かった。神様、ありがとうと感謝した。
前世の引きこもりと違って本当に好い目に会わせてもらった。
もうこの世界に思い残すことなんて何も無いと思うくらいに。それでブルーノに殺されるとなるとまた違うが、いつまでも平民アンが麗しのフィル様の横にいていいのかと悩んでるのだ。
その上でスカンディーナのことなんだけど・・・・。メルケルは良いやつだと思う。
でも、今日の感じだと、元々この国に来たのは、元王女の私に会う為みたいだ。
私を正当な王位継承者にするためらしい。彼ら反対勢力の旗印として。
でも、はっきり言って、私自身はスカンディーナのことは授業で習った以外はよく判らない。考えれば母からは折に触れて隣国のことは色々聞いてはいたが、スカンディーナの出身だとも父や母のことなども詳しくは聞いたことがなかったのだ。
前世でゲームをしたことはあったが、スカンディーナのことなんて殆ど出てこなかった。
そこにいきなり、王女殿下と言われて頼られるのは違うと思う。
そもそも私自身がアンネローゼというのが未だに殆ど信じられないんだけど・・・・。
このオースティン王国の平民だと思っていたし、実際今でもそうだ。
私としては、この国の乙女の大半の憧れのフィル様と一緒にいるのは夢だった。それは前世からの夢でもある。
でも、スカンディーナの王女に戻ってくれって言われても、青天の霹靂、実感が無いというか、今まで全く感心がなかったとか、無視していたというか、判らなかった。
私の感覚ではスカンディーナは私の両親を殺して、私の命を狙ってくる怖い国という認識だ。その国をもとに戻すために役立ってくれって言われてもよく判らない。
確かに、私が親の仇を討ちたいかと言われるとそれは道義的には討ったほうが良いのではなかろうかとは思う。
でも、現実問題として、私はたかだか一平民なのだ。一人ではスカンディーナ王国相手に何も出来ない。頼めば手伝ってくれる人がいるかもしれないが、他の人間を巻き込むことはいけないことだと思う。何しろ相手は国家なのだ。仇を討つということは国家に逆らうことになる。
そんな私に手を貸すのは良くないだろうし、頼むのも良くないことだ。最悪外交問題になる。
それを考えると、仇を討つのは良くないのではないかと思ってしまう。
そして、そうして欲しい、反体制派が私に近づいてくれば私の存在自体がオースティン王国の足かせになるのではないだろうか。
一平民アンを保護するのと、それを王太子の婚約者にしておくのとでは全然違う。スカンディーナとの外交問題になるような者を婚約者においておくのは良くないのだ。
イングリッド邸での合宿の相部屋は何故かエルダだった。
皆で演劇練習してワイワイやった後、部屋に帰って
「アンどうしたの? 午後から心ここにあらずって感じだけど」
心配してエルダが聞いてきた。
「ああ、ごめん」
私はエルダに相談することにした。今日あったことをかいつまんで説明したのだ。
そして、自分の考えを述べた。
「やっぱり、私、フィル様の婚約者でいるのを止めたほうが良いよね」
私はエルダに相談していた。
「アン。何言っているのよ。フィルはそんな事は判っているわよ。その上であなたを守るって言っているのよ」
「えっ、でも」
「でも、くそもないわよ。
元々フィルはあなたが行方不明になっている10歳の時に王妃様に言われて婚約者選定のパーティーを開かせられているのよ」
「えっ、そうだったんだ」
私は驚いたが、それは現実的なことだと思った。王太子の婚約者が行方不明は良くないだろう。
「でも、彼はその時に本当に能面だったの。行方不明の婚約者がいるのに婚約者を決めろって言われてふてくされていたのよ」
「えっ、そうなんだ」
そんなときから私のこと気にしてくれていたんだ。私はそれを聞いて嬉しかった。
「そんな、彼にイングリッドが言ったのよ。
『あなた、今回のお茶会、ひどくない? あなたには行方不明のアンネローゼ様がいるじゃない。今もどこかで苦労しているのよ。その子は。飢えているかもしれないし、死にそうになっているかもしれない。なのに、こんなお茶会なんて開いて! その子が落ちぶれたからって、その子を捨てるの? そんな薄情な王太子に誰がついていくのよ』って」
「えっ、イングリッド、そんな事言ってくれたの。会ったこともない私のために」
「そうよ。アン。フィルはそれで婚約者選定パーティを止めて、陛下と妃殿下に言い切ったのよ。どんな事があっても俺の婚約者はアンだって。だからあなたはフィルの婚約者でいていいのよ。というかいないと駄目なの」
「えっ、でも」
「でもも、糞もないわよ。うちの母もあなたとフィルの婚約が決まった時にあなたのお母様に約束しているのよ。たとえどんな事があっても絶対にあなたを守るって。それはイングリツドのところも同じよ。だから私のところのオールソン家もイングリッドのところのバーマン侯爵家もあなたの後ろ盾なのよ」
「でも、スカンディーナとの関係が悪くなるんじゃない」
「それは簒奪したブルーノが悪いのよ。スカンディーナ側の問題なんて関係ないのよ。我が家はどんな事があっても一度約束したことは違えない。これは建国以来の我が家の家訓なのよ。だからアンもどーんと大船に乗った気持ちでいてね」
「ありがとう。エルダ。でも、それで良いのかな」
「良いも悪いもないわ。それ以外の道はないのよ。アン。スカンディーナの反体制派をどうするかはまた別の問題だけど、しばらく静観するしか無いんじゃないの。私達はまだまだそんな事に手を出している余裕はないわよ」
はっきりエルダに言われて私はそれもそうだと思ってしまったのだった。
************************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の物語紹介で次の物語は
『王太子に婚約破棄されたので、ぶった斬りました!何を?!出来損ない令嬢の波乱万丈恋愛物語』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/425620227
「貴様との婚約を破棄する!」学園の卒業パーティーにて皆の前で私は王太子に婚約破棄されてしまった。いくら私が出来損ないと言われているからといってそんな!普通は泣き叫ぶか、許してくれと懇願するかそんなところだと思うのだが、「ヤッターーーー。バンザーイ」私は喜びのあまり飛び上がっていた・・・・だってこの王太子、良いのは顔だけ。いろんな女にうつつを抜かす超遊び人なのだ。しかし、悪巧みを働く力はあるみたいで、あろうことか私を修道院に送る途中で襲わせて慰み者にしようと企んでいたみたいで、ほう、私に対してそのようなことをしようとするとは・・・・。私自身、剣は兄に相手にされず、魔術は姉の足元にも及ばない、辺境伯の出来損ないなのだ。でも、我が武の名門辺境伯の令嬢として、受けた辱めは相手をぶった斬って晴らします!出来損ないの私に出来るのかですって? そんなのやって見ないと判らないじゃない!
南国と国が共同して我が領地に攻めてきたり、帝国皇子がやってきて纏わり付いたりもう大変。でも諦めずに前に向いてがんばります。
面白いので是非とも読んで下さい。
0
『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした!勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/782706326
両親を幼い頃に殺された王女アンネローゼはその仇を討つために母国スカンディーナ王国に仲間とともにアンネローゼ王国を建国した。悲劇の王女として祖国に暖かく迎え入れられると思ったのに、周りの民の反応は疫病神に対するようで、その上、そこに現れた勇者と名乗る男に魔王と言われ、自分が前世のゲーム『スカンディーナの聖女』のラスボス魔王だと知るのだ。何でこうなった? 自分は悲劇のヒロインのはずが…ラスボスは両親の仇、悪逆非道の摂政ブルーノのはずなのに…。ブルーノが慈悲深い聖王だと…そんな訳あるか
弱小国の軍隊を率いて必至にあがく可憐な王女のはずが、素手で勇者を粉砕、付いた渾名が暴虐の山姥、とか赤髪の魔王、私を見ると皆逃げていくんだけど、なんで!前世コミュ障引きこもりだった私が気弱なふりをすればするだけドツボに嵌って…。隣国の暴虐令嬢の先輩と大魔術師、冷酷非道な内務卿に良いように振り回されて、いく国盗り物語です。
是非ともお読み下さい。
お気に入りに追加
1,640
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました
ゆうき
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。
その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。
それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。
記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。
初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。
それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。
だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。
変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。
最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。
これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
聖女のわたしを隣国に売っておいて、いまさら「母国が滅んでもよいのか」と言われましても。
ふまさ
恋愛
「──わかった、これまでのことは謝罪しよう。とりあえず、国に帰ってきてくれ。次の聖女は急ぎ見つけることを約束する。それまでは我慢してくれないか。でないと国が滅びる。お前もそれは嫌だろ?」
出来るだけ優しく、テンサンド王国の第一王子であるショーンがアーリンに語りかける。ひきつった笑みを浮かべながら。
だがアーリンは考える間もなく、
「──お断りします」
と、きっぱりと告げたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】婚約破棄されたユニコーンの乙女は、神殿に向かいます。
秋月一花
恋愛
「イザベラ。君との婚約破棄を、ここに宣言する!」
「かしこまりました。わたくしは神殿へ向かいます」
「……え?」
あっさりと婚約破棄を認めたわたくしに、ディラン殿下は目を瞬かせた。
「ほ、本当に良いのか? 王妃になりたくないのか?」
「……何か誤解なさっているようですが……。ディラン殿下が王太子なのは、わたくしがユニコーンの乙女だからですわ」
そう言い残して、その場から去った。呆然とした表情を浮かべていたディラン殿下を見て、本当に気付いてなかったのかと呆れたけれど――……。おめでとうございます、ディラン殿下。あなたは明日から王太子ではありません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる