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第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
破落戸にさらわれました
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球技大会の翌日の土曜日の朝、私は少し寝不足だった。
昨日は夜遅くまでエルダの部屋で女性陣で騒いでいたのだ。
みんな、私と王太子殿下のことを色々言うけれど、私はモブにもなれない、平民のアンなのだ。王太子殿下は、はるか雲の上過ぎて、全く考えられなかった。母にも学園を卒業したらできたら領地に帰ってきてほしいと言われているし。
あり得ないというと、皆疑い深そうに私を見るんだけれど、何でなんだろう?
「どう見ても、フィルはあなたに気があるわよ」
イングリツドが言うけれど、
「そうかな。私は単なる級友に対するそれだと思うんだけど」
そう言いながら、そう言えばドサクサに紛れてフィル様に抱きつけたんだと赤くなる。もう一生の思い出だ。
「だってこうして皆と普通に話せるのは今だけだと思うし、卒業したら二度とお話できる機会なんて無いと思うから」
私が言い切ると
「何なの! アン、その言い方。私はそんなの絶対に許さないからね」
エルダが言い切った。
「そうよ。それにアン、あなたは20年ぶりのガーブリエル様の弟子なのよ。宮廷魔道士になれるのは確実よ。はっきり言って嫁に行けない家なんて無いのよ。この国でガーブリエル様に逆らえる魔道士なんて一人もいないんだから。というか、陛下もお弟子さんだから逆らえないのよ。別に王家ですら嫁に行けると思うわよ」
イングリッドまで訳の判らない事を言ってくれるんだけど。私をガーブリエル様が弟子にしたのは絶対に私が面白いことを色々するからだと思う。面白がっての弟子なのだ。だって水晶の光の大きさは一番小さかったし・・・・
「それでもダメなら、いざとなったら我が家に養子に来ればいいと思うわ」
「えっ、ちょっとまってよ、イングリッド。最初にアンを見つけたのは私なんだから、当然我が公爵家よね」
イングリッドにエルダが文句を言う。
「えっ、いや、モブですらない平民の私が高位貴族の養子なんて絶対に無理だから」
「モブって何よ?」
「大丈夫よ。母がはっきり言うのを聞いたから」
エルダは無視してイングリツドがまた理解できないこと言っているんだけど。
「いやいやいや、侯爵様が認めないでしょう」
「大丈夫よ。お父様は母の言うことに絶対に反対しないから」
「だからそんなの無理だって」
なんか不毛な言い合いになっていたのだ。
まあ、それはあり得ないし、このゲームの舞台の学園でフイル様と一緒の学生時代を送れているのだ。もうそれだけで私は十分だった。卒業したらそれを大切な想い出にして一生生きて行くのだ。
その日の午前中は、王宮でガーブリエル様にしごかれて、前日の寝不足と相まって私はもうフラフラになっていた。
そんなだらしない私に、ガーブリエル様は宿題を出されたのだ。土人形の背の高さを後少し高くするようにと。そんなの絶対に無理だ。散々やったのに、全然出来なかったのだから。
今日の送り当番は、魔術師団長のヴィルマル様が予定があるからということで、副官のバルブロ・フォシュマン様にして頂くことになっていたのだが、私はこの副師団長が苦手だった。
なんか平民の私を見下しているようなのだ。何故平民の送り迎えなどしなくてはならないのだと露骨に嫌な対応をしてくれるのだ。私が頼んだことではないし、皆勝手にやってくれることで私に当たるのは止めてほしいのだけど・・・・。
出来たら私は乗合馬車で帰りたかった。
それに人形の身長を大きくするにはどうするのか、街の魔術書専門店で少し立ち読みがしたかった。この球技大会の貸出のために、魔術人形関連の書物が学園の図書館から全く消えていたのだ。
でも、それを機嫌の悪い副師団長には言い出しづらかった。
「アンさん」
そこにフィル様が現れたのだった。
「これは殿下」
私は王宮モードでフィル様に話しかけた。
「えっ、何、その他人行儀な話し方は」
殿下が親しそうに言うが、やめて。少なくともこの機嫌の悪い副師団長の前では、止めてほしい。
「いいえ、王宮ですから」
私が暗に副師団長の前だからと伝えるのだけれど、なかなか殿下には伝わらない。
やむを得ず、話題を変えるためにガーブリエル様の宿題のことを話した。
「そうか、学園の図書館にないのか。なら街の本屋で見るしかないんじゃないかな」
フィル様が言ってくれた。
「やっぱりそうですかね」
私がどうやって寄ろうか考えながら言うと
「何なら一緒に行くか」
フィル様に言ってもらった。
嘘ーーー。フィル様がついてきてくれるならば、それに越したことはない。この副師団長とはいたくないし・・・・と私はつい思ってしまったのだ。雲の上のフィル様に本屋に案内してもらうなんて本来ならば考えてはいけなかったのだ。そんな事を考えたからバチが当たってしまったのだ。
「殿下、まわざわざお迎えに来て頂けたのですか」
なんと、馬車止まりで前からピンク頭がやって来たのだ。
「はっ、何の話だ」
フィル様が冷たく見下す。ピンク頭は流石だ。あれだけフィル様に冷たくされても全く堪えていない。
「えっ。今日、王妃様のところに呼ばれていまして、大司教様がおっしゃるには殿下もいらっしゃるはずだと」
図々しくもピンク頭が言った。
「はっ、私は何も聞いていないぞ」
ブスッとしてフィル様が言う。
「えっ、そうなのですか。夏祭りの打ち合わせとかで、色々話したいことがあるとのことだったのですが」
「ああ、王都の祭か」
フィル様が面倒くさそうに言われた。
そうか、夏のお祭りが王都でもあるのだ。私のアベニウスでも、屋台が出たりして結構賑やかだったけど、王都ではさぞ盛大な祭りになるのだろう。
「なにかご予定があるのですか」
「いや、私は少し」
ピンク頭の質問にフィル様は口ごもる。
「アン嬢を本屋にご案内するならば、私が行いますが」
横から副師団長が口を出してきた。
それはそうだ。
フィル様にとって私の相手をするよりも夏祭りの打ち合わせのほうが余程大切だろう。
「本屋ならカール・ベントソン商会の会長にここまで送ってもらったのです。会長の所の本屋が王都でも大きくて良いと思うのですが」
「我が本屋をご利用いただけますか」
ピンク頭の後に嬉々としてカール・ベントソンが言ってきた。ベントソン書店は王都の目貫通りにあって結構大きい。そこなら私も行ったことがある。
フィル様は嫌そうな顔をしていたが、そこまで言われてはどうしようもない。最後は諦めて聖女に引っ張られていった。
私は少し心が痛んだ。でも、私はモブにすらなれなかった平民だ。フィル様は雲の上の人だ。そして聖女はヒロイン。本来はヒロインと結ばれるのが正しいのだ、と無理やり思い込もうとした。
そんな私が馬車に乗ろうとした時だ。
「副師団長、大変です。街で事件が起こったみたいで、至急の応援要請が来たのですが」
副師団長のところに魔術師がかけてきた。
「えっ、しかし」
「フォシュマン伯爵様。アン様は私が責任を持って我が書店までご案内して、その後学園までお送りいたしますよ」
副師団長に会長が言った。
「副師団長様。私はベントソン様のご厚意で、連れて行ってもらって問題ありませんが」
私は半分は喜んで会長の申し出に頷いたのだ。
「そ、そうか、ではベントソン、お願いできるか」
「かしこまりました」
ベントソン会長は私を馬車に案内してくれた。商人も儲かるのだろう。フィル様の馬車ほどではないが、結構立派な馬車だった。
馬車の中で会長は如才なく、色んな話をしてくれた。そして、店で私を希望の売り場まで自ら案内してくれてなんと本を半額で売ってくれたのだった。
その店から私は送ってくれるという会長からの申し出を断って、乗合馬車で帰ることにした。久しぶりで街を一人で歩きたかったのだ。
でも、それが間違いだった。
少し店を離れた寂れたところで、私はいきなり、人相の悪いごろつき共に囲まれてしまったのだった。
昨日は夜遅くまでエルダの部屋で女性陣で騒いでいたのだ。
みんな、私と王太子殿下のことを色々言うけれど、私はモブにもなれない、平民のアンなのだ。王太子殿下は、はるか雲の上過ぎて、全く考えられなかった。母にも学園を卒業したらできたら領地に帰ってきてほしいと言われているし。
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「だってこうして皆と普通に話せるのは今だけだと思うし、卒業したら二度とお話できる機会なんて無いと思うから」
私が言い切ると
「何なの! アン、その言い方。私はそんなの絶対に許さないからね」
エルダが言い切った。
「そうよ。それにアン、あなたは20年ぶりのガーブリエル様の弟子なのよ。宮廷魔道士になれるのは確実よ。はっきり言って嫁に行けない家なんて無いのよ。この国でガーブリエル様に逆らえる魔道士なんて一人もいないんだから。というか、陛下もお弟子さんだから逆らえないのよ。別に王家ですら嫁に行けると思うわよ」
イングリッドまで訳の判らない事を言ってくれるんだけど。私をガーブリエル様が弟子にしたのは絶対に私が面白いことを色々するからだと思う。面白がっての弟子なのだ。だって水晶の光の大きさは一番小さかったし・・・・
「それでもダメなら、いざとなったら我が家に養子に来ればいいと思うわ」
「えっ、ちょっとまってよ、イングリッド。最初にアンを見つけたのは私なんだから、当然我が公爵家よね」
イングリッドにエルダが文句を言う。
「えっ、いや、モブですらない平民の私が高位貴族の養子なんて絶対に無理だから」
「モブって何よ?」
「大丈夫よ。母がはっきり言うのを聞いたから」
エルダは無視してイングリツドがまた理解できないこと言っているんだけど。
「いやいやいや、侯爵様が認めないでしょう」
「大丈夫よ。お父様は母の言うことに絶対に反対しないから」
「だからそんなの無理だって」
なんか不毛な言い合いになっていたのだ。
まあ、それはあり得ないし、このゲームの舞台の学園でフイル様と一緒の学生時代を送れているのだ。もうそれだけで私は十分だった。卒業したらそれを大切な想い出にして一生生きて行くのだ。
その日の午前中は、王宮でガーブリエル様にしごかれて、前日の寝不足と相まって私はもうフラフラになっていた。
そんなだらしない私に、ガーブリエル様は宿題を出されたのだ。土人形の背の高さを後少し高くするようにと。そんなの絶対に無理だ。散々やったのに、全然出来なかったのだから。
今日の送り当番は、魔術師団長のヴィルマル様が予定があるからということで、副官のバルブロ・フォシュマン様にして頂くことになっていたのだが、私はこの副師団長が苦手だった。
なんか平民の私を見下しているようなのだ。何故平民の送り迎えなどしなくてはならないのだと露骨に嫌な対応をしてくれるのだ。私が頼んだことではないし、皆勝手にやってくれることで私に当たるのは止めてほしいのだけど・・・・。
出来たら私は乗合馬車で帰りたかった。
それに人形の身長を大きくするにはどうするのか、街の魔術書専門店で少し立ち読みがしたかった。この球技大会の貸出のために、魔術人形関連の書物が学園の図書館から全く消えていたのだ。
でも、それを機嫌の悪い副師団長には言い出しづらかった。
「アンさん」
そこにフィル様が現れたのだった。
「これは殿下」
私は王宮モードでフィル様に話しかけた。
「えっ、何、その他人行儀な話し方は」
殿下が親しそうに言うが、やめて。少なくともこの機嫌の悪い副師団長の前では、止めてほしい。
「いいえ、王宮ですから」
私が暗に副師団長の前だからと伝えるのだけれど、なかなか殿下には伝わらない。
やむを得ず、話題を変えるためにガーブリエル様の宿題のことを話した。
「そうか、学園の図書館にないのか。なら街の本屋で見るしかないんじゃないかな」
フィル様が言ってくれた。
「やっぱりそうですかね」
私がどうやって寄ろうか考えながら言うと
「何なら一緒に行くか」
フィル様に言ってもらった。
嘘ーーー。フィル様がついてきてくれるならば、それに越したことはない。この副師団長とはいたくないし・・・・と私はつい思ってしまったのだ。雲の上のフィル様に本屋に案内してもらうなんて本来ならば考えてはいけなかったのだ。そんな事を考えたからバチが当たってしまったのだ。
「殿下、まわざわざお迎えに来て頂けたのですか」
なんと、馬車止まりで前からピンク頭がやって来たのだ。
「はっ、何の話だ」
フィル様が冷たく見下す。ピンク頭は流石だ。あれだけフィル様に冷たくされても全く堪えていない。
「えっ。今日、王妃様のところに呼ばれていまして、大司教様がおっしゃるには殿下もいらっしゃるはずだと」
図々しくもピンク頭が言った。
「はっ、私は何も聞いていないぞ」
ブスッとしてフィル様が言う。
「えっ、そうなのですか。夏祭りの打ち合わせとかで、色々話したいことがあるとのことだったのですが」
「ああ、王都の祭か」
フィル様が面倒くさそうに言われた。
そうか、夏のお祭りが王都でもあるのだ。私のアベニウスでも、屋台が出たりして結構賑やかだったけど、王都ではさぞ盛大な祭りになるのだろう。
「なにかご予定があるのですか」
「いや、私は少し」
ピンク頭の質問にフィル様は口ごもる。
「アン嬢を本屋にご案内するならば、私が行いますが」
横から副師団長が口を出してきた。
それはそうだ。
フィル様にとって私の相手をするよりも夏祭りの打ち合わせのほうが余程大切だろう。
「本屋ならカール・ベントソン商会の会長にここまで送ってもらったのです。会長の所の本屋が王都でも大きくて良いと思うのですが」
「我が本屋をご利用いただけますか」
ピンク頭の後に嬉々としてカール・ベントソンが言ってきた。ベントソン書店は王都の目貫通りにあって結構大きい。そこなら私も行ったことがある。
フィル様は嫌そうな顔をしていたが、そこまで言われてはどうしようもない。最後は諦めて聖女に引っ張られていった。
私は少し心が痛んだ。でも、私はモブにすらなれなかった平民だ。フィル様は雲の上の人だ。そして聖女はヒロイン。本来はヒロインと結ばれるのが正しいのだ、と無理やり思い込もうとした。
そんな私が馬車に乗ろうとした時だ。
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「えっ、しかし」
「フォシュマン伯爵様。アン様は私が責任を持って我が書店までご案内して、その後学園までお送りいたしますよ」
副師団長に会長が言った。
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ベントソン会長は私を馬車に案内してくれた。商人も儲かるのだろう。フィル様の馬車ほどではないが、結構立派な馬車だった。
馬車の中で会長は如才なく、色んな話をしてくれた。そして、店で私を希望の売り場まで自ら案内してくれてなんと本を半額で売ってくれたのだった。
その店から私は送ってくれるという会長からの申し出を断って、乗合馬車で帰ることにした。久しぶりで街を一人で歩きたかったのだ。
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