21 / 174
第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
辛子を突っ込んだのは王太子で、その後やたらと私に構うようになったんですけど
しおりを挟む
辛子の辛さにのたうち回っているベッティル様の横に、いつの間にか見慣れた金髪碧眼の麗しい方がいらっしゃった。
「いやあ、悪い悪い、大変そうだから水の瓶を突っ込もうとして、間違って隣の辛子のチューブをつっこんじゃったよ」
私の横にはにこやかに笑っているフィル様がいた。でも、目が笑っていないんだけど。なんか怒っている。今まで聖女と仲良くしていたのに!
私は目が点になっていた。まさか、イングリッドがやるならいざしらず、フィル様がこんな事やるなんて・・・・
「フィル、貴様、良くも・・・・水、水をくれ」
「イングリッド、水だって」
「いや、待て」
慌てるベッティル様の頭の上からイングリッドが魔術で水をぶっかけたのだった。
ベッティル様はまさしく濡れ鼠になっていた。なんか少し可愛そうだ。
「お、お前らな。先輩に対してなんて事を、しやがる」
「まあ、先輩。乾かしてあげますから」
「当たり前だ」
怒っているベッティル様にフィル様は温風を当てた。
「あちっ、熱いって」
ベッティル様が叫ばれる。
「乾かすためにはこれくらい必要なんですよ」
フィル様の目が怖いんだけど。何に怒っているんだろう?
「お前らな。どうせなら、アンちゃんにやってもらいたい」
「何か言われました」
そう言うフィル様の目が怖い。
「熱い、お前、更に温度上げているだろう!」
ベッティル様が叫んでおられる。
「あのう、ベッティル様、私、魔術を人に対して使っては行けないってガーブリエル様に厳禁されているんです。死人が出るかもしれないからって」
「わっ、判った。いや、良い。俺もまだ死にたくない。今年の一年は本当に恐ろしいな」
「何か言われました?」
「イヤイヤ、何も言っていないよ」
イングリッドに言われて慌てて、食器を持ってベッティル様が立ち上がられた。
「イェルド、クリストフ、先に行っているぞ」
慌てて、ベッティル様は出ていかれた。
「で、殿下、ベッティルにやりすぎなのでは」
さすがに生徒会長が苦言を述べられた。
「いやあ、申し訳ない。つい、手が滑ってしまったんだ」
フィル様は全然すまなさそうには見えないんですけど。
「アンさん。それよりも全然食が進んでいないじゃないか。ベッティルさんなんかの面倒を見る必要なんて無かったのに」
フィル様はそのままベッティル様の座っていた席に座られるんだけど。聖女をほっておいて良いんだろうか?
「いえ、そう言うわけではなくて、ちょっと食欲がなくて」
「えっ、大丈夫なの」
急に心配そうに言われると私のおでこに手を当てられたのだけど・・・・私は真っ赤になって固まってしまった。ウッソー、フィル様におでこ触られた。それにやたらと近いんですけど。
もう私は沸騰しそうだった。
「ちょっとアンさん。熱あるんじゃない」
「フィル、女性のおでこに無闇に触らない」
イングリッドが注意してくれた。
「そんな事言ったって、病気なら医務室に行かないと」
「だ、大丈夫です」
手を離されて私はホッとした。
「本当に?」
いや、ちょっとフィル様の顔が近い、近すぎるんですけど!
もう私は本当にパニックだった。
「食べられないんなら、この前は俺が食べさせてもらったから、俺が食べさせようか」
「いえ、大丈夫です。自分で食べられますから」
もう私は必死だった。だってこんなところで王太子殿下に食べさせられたなんて噂が広まれば、また、王妃様から呼び出しは確実だった。
その後、フィル様は椅子を近くまで引っ張ってきて、ずうっと私の横にいて、やたらと食べさせようとするんだけど。本当に食べづらかった。
それに、エルダとイングリッドの視線も痛いんだけど。
あなた達もそんなに変わらないじゃない!
王太子に公爵兄妹、侯爵兄妹という、学園のヒエラルキーのトップの中に、一平民のモブにもなれなかった私がいるだけでも変なのに、更にそのトップの王太子に世話を焼かれるなんて絶対に変だった。
****************************************************************
お忙しい中、ここまで読んで頂いてありがとうございます。
犯人はフィルでした。その理由は・・・・。
ちなみに、ここでは3枚目のベッティルですが、学年では3番めの人気です。軽さと気さくさが人気の秘密だとか。
「いやあ、悪い悪い、大変そうだから水の瓶を突っ込もうとして、間違って隣の辛子のチューブをつっこんじゃったよ」
私の横にはにこやかに笑っているフィル様がいた。でも、目が笑っていないんだけど。なんか怒っている。今まで聖女と仲良くしていたのに!
私は目が点になっていた。まさか、イングリッドがやるならいざしらず、フィル様がこんな事やるなんて・・・・
「フィル、貴様、良くも・・・・水、水をくれ」
「イングリッド、水だって」
「いや、待て」
慌てるベッティル様の頭の上からイングリッドが魔術で水をぶっかけたのだった。
ベッティル様はまさしく濡れ鼠になっていた。なんか少し可愛そうだ。
「お、お前らな。先輩に対してなんて事を、しやがる」
「まあ、先輩。乾かしてあげますから」
「当たり前だ」
怒っているベッティル様にフィル様は温風を当てた。
「あちっ、熱いって」
ベッティル様が叫ばれる。
「乾かすためにはこれくらい必要なんですよ」
フィル様の目が怖いんだけど。何に怒っているんだろう?
「お前らな。どうせなら、アンちゃんにやってもらいたい」
「何か言われました」
そう言うフィル様の目が怖い。
「熱い、お前、更に温度上げているだろう!」
ベッティル様が叫んでおられる。
「あのう、ベッティル様、私、魔術を人に対して使っては行けないってガーブリエル様に厳禁されているんです。死人が出るかもしれないからって」
「わっ、判った。いや、良い。俺もまだ死にたくない。今年の一年は本当に恐ろしいな」
「何か言われました?」
「イヤイヤ、何も言っていないよ」
イングリッドに言われて慌てて、食器を持ってベッティル様が立ち上がられた。
「イェルド、クリストフ、先に行っているぞ」
慌てて、ベッティル様は出ていかれた。
「で、殿下、ベッティルにやりすぎなのでは」
さすがに生徒会長が苦言を述べられた。
「いやあ、申し訳ない。つい、手が滑ってしまったんだ」
フィル様は全然すまなさそうには見えないんですけど。
「アンさん。それよりも全然食が進んでいないじゃないか。ベッティルさんなんかの面倒を見る必要なんて無かったのに」
フィル様はそのままベッティル様の座っていた席に座られるんだけど。聖女をほっておいて良いんだろうか?
「いえ、そう言うわけではなくて、ちょっと食欲がなくて」
「えっ、大丈夫なの」
急に心配そうに言われると私のおでこに手を当てられたのだけど・・・・私は真っ赤になって固まってしまった。ウッソー、フィル様におでこ触られた。それにやたらと近いんですけど。
もう私は沸騰しそうだった。
「ちょっとアンさん。熱あるんじゃない」
「フィル、女性のおでこに無闇に触らない」
イングリッドが注意してくれた。
「そんな事言ったって、病気なら医務室に行かないと」
「だ、大丈夫です」
手を離されて私はホッとした。
「本当に?」
いや、ちょっとフィル様の顔が近い、近すぎるんですけど!
もう私は本当にパニックだった。
「食べられないんなら、この前は俺が食べさせてもらったから、俺が食べさせようか」
「いえ、大丈夫です。自分で食べられますから」
もう私は必死だった。だってこんなところで王太子殿下に食べさせられたなんて噂が広まれば、また、王妃様から呼び出しは確実だった。
その後、フィル様は椅子を近くまで引っ張ってきて、ずうっと私の横にいて、やたらと食べさせようとするんだけど。本当に食べづらかった。
それに、エルダとイングリッドの視線も痛いんだけど。
あなた達もそんなに変わらないじゃない!
王太子に公爵兄妹、侯爵兄妹という、学園のヒエラルキーのトップの中に、一平民のモブにもなれなかった私がいるだけでも変なのに、更にそのトップの王太子に世話を焼かれるなんて絶対に変だった。
****************************************************************
お忙しい中、ここまで読んで頂いてありがとうございます。
犯人はフィルでした。その理由は・・・・。
ちなみに、ここでは3枚目のベッティルですが、学年では3番めの人気です。軽さと気さくさが人気の秘密だとか。
21
ここまで読んでいただいてありがとうございます。この話の続編始めました
『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした!勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/782706326
両親を幼い頃に殺された王女アンネローゼはその仇を討つために母国スカンディーナ王国に仲間とともにアンネローゼ王国を建国した。悲劇の王女として祖国に暖かく迎え入れられると思ったのに、周りの民の反応は疫病神に対するようで、その上、そこに現れた勇者と名乗る男に魔王と言われ、自分が前世のゲーム『スカンディーナの聖女』のラスボス魔王だと知るのだ。何でこうなった? 自分は悲劇のヒロインのはずが…ラスボスは両親の仇、悪逆非道の摂政ブルーノのはずなのに…。ブルーノが慈悲深い聖王だと…そんな訳あるか
弱小国の軍隊を率いて必至にあがく可憐な王女のはずが、素手で勇者を粉砕、付いた渾名が暴虐の山姥、とか赤髪の魔王、私を見ると皆逃げていくんだけど、なんで!前世コミュ障引きこもりだった私が気弱なふりをすればするだけドツボに嵌って…。隣国の暴虐令嬢の先輩と大魔術師、冷酷非道な内務卿に良いように振り回されて、いく国盗り物語です。
是非ともお読み下さい。
『転生して悲劇の王女になったつもりが魔王でした!勇者から斬りつけられて素手で殴り返した、前世コミュ障引き籠りだった弱小王国王女の帝国建国物語』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/782706326
両親を幼い頃に殺された王女アンネローゼはその仇を討つために母国スカンディーナ王国に仲間とともにアンネローゼ王国を建国した。悲劇の王女として祖国に暖かく迎え入れられると思ったのに、周りの民の反応は疫病神に対するようで、その上、そこに現れた勇者と名乗る男に魔王と言われ、自分が前世のゲーム『スカンディーナの聖女』のラスボス魔王だと知るのだ。何でこうなった? 自分は悲劇のヒロインのはずが…ラスボスは両親の仇、悪逆非道の摂政ブルーノのはずなのに…。ブルーノが慈悲深い聖王だと…そんな訳あるか
弱小国の軍隊を率いて必至にあがく可憐な王女のはずが、素手で勇者を粉砕、付いた渾名が暴虐の山姥、とか赤髪の魔王、私を見ると皆逃げていくんだけど、なんで!前世コミュ障引きこもりだった私が気弱なふりをすればするだけドツボに嵌って…。隣国の暴虐令嬢の先輩と大魔術師、冷酷非道な内務卿に良いように振り回されて、いく国盗り物語です。
是非ともお読み下さい。
お気に入りに追加
1,640
あなたにおすすめの小説
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
困りました。縦ロールにさよならしたら、逆ハーになりそうです。《改訂版》
新 星緒
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢アニエス(悪質ストーカー)に転生したと気づいたけれど、心配ないよね。だってフラグ折りまくってハピエンが定番だもの。
趣味の悪い縦ロールはやめて性格改善して、ストーカーしなければ楽勝楽勝!
……って、あれ?
楽勝ではあるけれど、なんだか思っていたのとは違うような。
想定外の逆ハーレムを解消するため、イケメンモブの大公令息リュシアンと協力関係を結んでみた。だけどリュシアンは、「惚れた」と言ったり「からかっただけ」と言ったり、意地悪ばかり。嫌なヤツ!
でも実はリュシアンは訳ありらしく……
冤罪で処刑されたら死に戻り、前世の記憶が戻った悪役令嬢は、元の世界に帰る方法を探す為に婚約破棄と追放を受け入れたら、伯爵子息様に拾われました
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
ワガママ三昧な生活を送っていた悪役令嬢のミシェルは、自分の婚約者と、長年に渡っていじめていた聖女によって冤罪をでっちあげられ、処刑されてしまう。
その後、ミシェルは不思議な夢を見た。不思議な既視感を感じる夢の中で、とある女性の死を見せられたミシェルは、目を覚ますと自分が処刑される半年前の時間に戻っていた。
それと同時に、先程見た夢が自分の前世の記憶で、自分が異世界に転生したことを知る。
記憶が戻ったことで、前世のような優しい性格を取り戻したミシェルは、前世の世界に残してきてしまった、幼い家族の元に帰る術を探すため、ミシェルは婚約者からの婚約破棄と、父から宣告された追放も素直に受け入れ、貴族という肩書きを隠し、一人外の世界に飛び出した。
初めての外の世界で、仕事と住む場所を見つけて懸命に生きるミシェルはある日、仕事先の常連の美しい男性――とある伯爵家の令息であるアランに屋敷に招待され、自分の正体を見破られてしまったミシェルは、思わぬ提案を受ける。
それは、魔法の研究をしている自分の専属の使用人兼、研究の助手をしてほしいというものだった。
だが、その提案の真の目的は、社交界でも有名だった悪役令嬢の性格が豹変し、一人で外の世界で生きていることを不審に思い、自分の監視下におくためだった。
変に断って怪しまれ、未来で起こる処刑に繋がらないようにするために、そして優しいアランなら信用できると思ったミシェルは、その提案を受け入れた。
最初はミシェルのことを疑っていたアランだったが、徐々にミシェルの優しさや純粋さに惹かれていく。同時に、ミシェルもアランの魅力に惹かれていくことに……。
これは死に戻った元悪役令嬢が、元の世界に帰るために、伯爵子息と共に奮闘し、互いに惹かれて幸せになる物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿しています。全話予約投稿済です⭐︎
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【連載版】ヒロインは元皇后様!?〜あら?生まれ変わりましたわ?〜
naturalsoft
恋愛
その日、国民から愛された皇后様が病気で60歳の年で亡くなった。すでに現役を若き皇王と皇后に譲りながらも、国内の貴族のバランスを取りながら暮らしていた皇后が亡くなった事で、王国は荒れると予想された。
しかし、誰も予想していなかった事があった。
「あら?わたくし生まれ変わりましたわ?」
すぐに辺境の男爵令嬢として生まれ変わっていました。
「まぁ、今世はのんびり過ごしましょうか〜」
──と、思っていた時期がありましたわ。
orz
これは何かとヤラカシて有名になっていく転生お皇后様のお話しです。
おばあちゃんの知恵袋で乗り切りますわ!
愛を知らない「頭巾被り」の令嬢は最強の騎士、「氷の辺境伯」に溺愛される
守次 奏
恋愛
「わたしは、このお方に出会えて、初めてこの世に産まれることができた」
貴族の間では忌み子の象徴である赤銅色の髪を持って生まれてきた少女、リリアーヌは常に家族から、妹であるマリアンヌからすらも蔑まれ、その髪を隠すように頭巾を被って生きてきた。
そんなリリアーヌは十五歳を迎えた折に、辺境領を収める「氷の辺境伯」「血まみれ辺境伯」の二つ名で呼ばれる、スターク・フォン・ピースレイヤーの元に嫁がされてしまう。
厄介払いのような結婚だったが、それは幸せという言葉を知らない、「頭巾被り」のリリアーヌの運命を変える、そして世界の運命をも揺るがしていく出会いの始まりに過ぎなかった。
これは、一人の少女が生まれた意味を探すために駆け抜けた日々の記録であり、とある幸せな夫婦の物語である。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」様にも短編という形で掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる