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第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
ヒロインの聖女が王太子の腕に縋り付いてきました。
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そして月曜日になった。前世は月曜日の朝は学校に行け行かないの親との争いがあって憂鬱だったのだが、今世は友達に会えて嬉しかった。特にエルダとイングリッドが帰ってきてくれて私はホッとしていた。
前日の夜二人が部屋まで押し掛けきてくれて夜遅くまで何があったか話させられたのだ。
二人は私の立場に立って王妃様を批判してくれた。
イングリッドなんて何ならこれからは王宮に自分がついていってあげようかとまで言ってくれたのだ。
でも、私は平民で学園生活が終われば、基本は平民の世界に戻るのだ。
エルダとイングリッドはお貴族様として今後も王妃様と付き合わなければいけない、二人に王妃様と対立してもらいたくない。そう言うと、
「何言っているのよ。学園ではうちの両親は陛下と妃殿下の先輩だったのよ。今でも二人に対しては強いんだから。それに妃殿下は伯爵家の出身だから、我が家に対しては遠慮があるのよね」
さすがにイングリッドは無敵みたいだった。
「それに、あの女官長、嫌味よね。昔、お兄様がいたずらして延々と怒られたんだって。退屈になって思わず、ポケットに入れていたカエルを出したら大騒ぎになってしまって、メチャクチャ面白かったとお兄様が言っていたわ」
エルダの話に、あの真面目そうな生徒会長がそんな事するんだと私は驚いた。
この二人が友達で本当に良かったと私は思った。王妃様から見たら、平民風情が何を公爵令嬢と侯爵令嬢をたらしこんでいるのよと怒られそうだとは思ったが。
教室に行くとフィル様はいらっしゃらなかった。何か国の予定が入ったらしい。
帰りの馬車の中でフィル様は自分の婚約者のことについて話していただけた。
そう、フィル様の婚約者はゲーム通りアンネローゼだったのだ。生まれてすぐに仲の良かった両国の国王夫妻同士でお二人の婚約は決まったらしい。それは1年後の政変でも、変えられなかったのだ。物心ついた時からフィル様には行方不明の婚約者がいて、どんな子なんだろう、今どうしているんだろうとずうーっと気にしておられたそうだ。
「でも、君を見た瞬間、一瞬アンネローゼだと思ったんだ」
「でも、私の似ているのは赤髪だけですよね」
「いや、赤ちゃんの時の姿絵があるけれど、目も君の瞳とおんなじだったよ、アン」
なんかフィル様の私を見る視線が熱いんだけど・・・・。でも、私はただの平民だ。母さんはブロンドの髪だし。
そう思った私に、フィル様はペンダントを見せてくれた。そこには赤髪の赤ちゃんの絵姿が描かれていたのだ。どこかで見たことにある絵だとその時は思った。
「アン!」
私はエルダの声ではっと現実に返った。
皆こちらを見ている。
「シャーリーさん。あなた、隣に殿下がいらっしゃらなくてもぼうっととしているんですね」
教壇には怒った顔の数学の先生がいらっしゃった。
「す、すいません」
「じゃあこの問題解いてみて」
そこには簡単な連立方程式があった。これはラッキー、前世では中2レベルだった。私はゲーム開発者が数学が苦手でホッとした。
「はい、結構です。聞いていなくても解けるなんて・・・・」
ブツブツ先生は文句を言っていたけど。
そう、今日はフィル様がいなくてその側近の私の前後のアルフとバートもいないのだった。私一人だけポツンと座っていてもの凄く目立つのだった。それに鉛筆でつついて教えてくれるバートがいないのも大きかった。私は真面目に授業を受けようと思ったのだ。でも、相変わらず妄想癖はなくならなくて、苦手な物理でやってしまい、死ぬような目に合ってしまった。
エルダとイングリッドの白い視線も痛かったんだけど。
翌日フィル様がいらっしゃって私はホッとした。主に後ろから突いてくれるバートがいてくれることになんだけど。
それをエルダにバラされて二人に呆れられてしまった。
「ちょっとアンさん、それは酷いんじゃない」
「アン、俺はお前を起こす役じゃないぞ」
そう冗談を言いながら食堂に向かおうとした時だ。
「殿下」
前からいきなりピンクの髪の女の子が現れてフィル様の腕に縋り付いたのだ。
「えっ」
私達はそれを見て唖然とした。
「ああ、君たちに紹介するよ」
殿下はその女を引き剥がしながら私達に紹介しようとした。
でも、私はそれが誰か知っていた。そう、このゲームの主人公を。
「今日からB組に転入してきた聖女のパウラ・ベックマンさんだ」
2学期からA組に転入してくるはずの聖女が何故かそこにいたのだ。
前日の夜二人が部屋まで押し掛けきてくれて夜遅くまで何があったか話させられたのだ。
二人は私の立場に立って王妃様を批判してくれた。
イングリッドなんて何ならこれからは王宮に自分がついていってあげようかとまで言ってくれたのだ。
でも、私は平民で学園生活が終われば、基本は平民の世界に戻るのだ。
エルダとイングリッドはお貴族様として今後も王妃様と付き合わなければいけない、二人に王妃様と対立してもらいたくない。そう言うと、
「何言っているのよ。学園ではうちの両親は陛下と妃殿下の先輩だったのよ。今でも二人に対しては強いんだから。それに妃殿下は伯爵家の出身だから、我が家に対しては遠慮があるのよね」
さすがにイングリッドは無敵みたいだった。
「それに、あの女官長、嫌味よね。昔、お兄様がいたずらして延々と怒られたんだって。退屈になって思わず、ポケットに入れていたカエルを出したら大騒ぎになってしまって、メチャクチャ面白かったとお兄様が言っていたわ」
エルダの話に、あの真面目そうな生徒会長がそんな事するんだと私は驚いた。
この二人が友達で本当に良かったと私は思った。王妃様から見たら、平民風情が何を公爵令嬢と侯爵令嬢をたらしこんでいるのよと怒られそうだとは思ったが。
教室に行くとフィル様はいらっしゃらなかった。何か国の予定が入ったらしい。
帰りの馬車の中でフィル様は自分の婚約者のことについて話していただけた。
そう、フィル様の婚約者はゲーム通りアンネローゼだったのだ。生まれてすぐに仲の良かった両国の国王夫妻同士でお二人の婚約は決まったらしい。それは1年後の政変でも、変えられなかったのだ。物心ついた時からフィル様には行方不明の婚約者がいて、どんな子なんだろう、今どうしているんだろうとずうーっと気にしておられたそうだ。
「でも、君を見た瞬間、一瞬アンネローゼだと思ったんだ」
「でも、私の似ているのは赤髪だけですよね」
「いや、赤ちゃんの時の姿絵があるけれど、目も君の瞳とおんなじだったよ、アン」
なんかフィル様の私を見る視線が熱いんだけど・・・・。でも、私はただの平民だ。母さんはブロンドの髪だし。
そう思った私に、フィル様はペンダントを見せてくれた。そこには赤髪の赤ちゃんの絵姿が描かれていたのだ。どこかで見たことにある絵だとその時は思った。
「アン!」
私はエルダの声ではっと現実に返った。
皆こちらを見ている。
「シャーリーさん。あなた、隣に殿下がいらっしゃらなくてもぼうっととしているんですね」
教壇には怒った顔の数学の先生がいらっしゃった。
「す、すいません」
「じゃあこの問題解いてみて」
そこには簡単な連立方程式があった。これはラッキー、前世では中2レベルだった。私はゲーム開発者が数学が苦手でホッとした。
「はい、結構です。聞いていなくても解けるなんて・・・・」
ブツブツ先生は文句を言っていたけど。
そう、今日はフィル様がいなくてその側近の私の前後のアルフとバートもいないのだった。私一人だけポツンと座っていてもの凄く目立つのだった。それに鉛筆でつついて教えてくれるバートがいないのも大きかった。私は真面目に授業を受けようと思ったのだ。でも、相変わらず妄想癖はなくならなくて、苦手な物理でやってしまい、死ぬような目に合ってしまった。
エルダとイングリッドの白い視線も痛かったんだけど。
翌日フィル様がいらっしゃって私はホッとした。主に後ろから突いてくれるバートがいてくれることになんだけど。
それをエルダにバラされて二人に呆れられてしまった。
「ちょっとアンさん、それは酷いんじゃない」
「アン、俺はお前を起こす役じゃないぞ」
そう冗談を言いながら食堂に向かおうとした時だ。
「殿下」
前からいきなりピンクの髪の女の子が現れてフィル様の腕に縋り付いたのだ。
「えっ」
私達はそれを見て唖然とした。
「ああ、君たちに紹介するよ」
殿下はその女を引き剥がしながら私達に紹介しようとした。
でも、私はそれが誰か知っていた。そう、このゲームの主人公を。
「今日からB組に転入してきた聖女のパウラ・ベックマンさんだ」
2学期からA組に転入してくるはずの聖女が何故かそこにいたのだ。
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