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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
ここ押せのボタンを押したら、さらにとんでもないことが始まる予感がしました
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ジリリリリリリ
いきなり非常ベルが鳴りだして私はパニックになった。
「やばい!」
「ちょっと姉上、何やっているんだよ。みんなにバレちゃうよ」
ジェドが叫んでくるが、私はもうそれどころではなかった。
扉はびくともしないし、非常ベルは鳴り出すし、ヴァネッサは死にそうだし、碌なことは無かった。
「ちょっと、フラン、何しているのよ」
そこに着飾ったメラニーが飛び込んで来た。
「あっ、メラニー、この非常ベル止めてよ! このままじゃフェリシー先生に知られてしまうじゃない!」
私は叫ぶ。
「あ、あんたね、今、気にするところそこなの?」
何故かメラニーが頭を押さえている。
「何言っているのよ。フェリシー先生をこれ以上怒らせたら、夏休み中、補講になるかもしれないじゃない。そうなったらどうしてくれるのよ」
私は必死に言った。
「それよりも、気にするところ別にあるでしょ。今まさに反乱が起ころうとしているのよ」
「そうだよ。姉上。兵士たちが下から駆けあがってくるよ」
「はああああ! そんなのジェドが何とかしなさいよ。あんた、ルブランの跡取りでしょ」
「そういった面は俺が出来ないの知っているでしょ」
ブスッとしてジェドが文句を言ってくれた。そういえば、弟はルブラン300年のいや有史以来の歴史の中でも、最低の武力しか持たない跡取りだった。
その分頭脳は天才なんだが……
魔の森の試練は私が母に頼み込んでなくさせたけれど、他のも彼は武力関係全て免除されていたのだ。
何しろ、我が家はエルグラン王国最強クラス、いや、世界最強クラスがゴロゴロいるのだから、別にジェド一人武力や魔術が使えなくても、どうでもなるのだ。武力関係というか脳筋関係は両親がそうだし、私もいるし、わが騎士団にもそろっているのだ。
ジェドはその脳筋どもをうまく采配出来れば良いだろうというのが我が家の統一した見解で、私として一番してほしいことは、食事の時に肉がたくさん食べられるように色々とやってほしいと思っている。
そのようにいろいろと金策関係さえしてくれたら、後は守ってあげるわよ! と日々、ジェドに言っていて、あまり戦闘訓練とかはさせていなかった。
どうしよう?
扉は開かないし、このままでは私がジェドやメラニーを守れない。
下からは剣檄の音とか悲鳴とかが上がってくるし、非常ベルは鳴り止まないし、それにこのままでは、本当にフェリシー先生が来てしまう。
「もう、こうなったら力ずくでやるしかないわね」
私は覚悟を決めた。
「ちょっと姉上、早まったことをしたらダメだよ」
「そうよ、フラン、あなただけじゃなくて私達を巻き込むのは止めてよ!」
ジェドとメラニーの慌てた叫び声が聞こえたが、私は無視した。
まあ、でも、爆裂魔術を壁めがけて放って、反射されたらもろに私が食らってしまう。
自分の魔術で黒焦げになるのだけは嫌だ。
ここは、取り敢えず、拳と腕に強化魔術をかけて壁を殴って見ればいいだろう。それなら被害は少ないはずだ。
「ようし、これでも喰らええええ!」
「えっ、姉上?」
「フラン、待って!」
ジェドとメラニーの焦った声を無視して、私は渾身の力で壁を殴りつけていた。
「痛っ!」
しかし、拳を魔術で強化したのに、壁はびくともしなかった。
即座に壁に跳ね返されたのだ。
めちゃくちゃ腕が痛かった。
手を押さえて呻くしか出来なかった。
「ちょっと大丈夫?」
「フラン、むちゃしちゃだめよ」
二人が言ってくれるけれど、私は手を痛めつけられて、プッツン切れてしまったのだ。
「こうなったらもう、本気でやるわ」
私が腕まくりして言うと、
「ちょっと姉上、そんな事したら学園が吹っ飛ぶよ」
「いやいや、ジェラルド様、そんなのでは収まらないでしょう」
「そうよ、王都が壊滅するわ」
ジェドの言葉にモーリスとメラニーが被せて言ってくれるんだけど、そこまでの被害はないはずだ。
そして、私の本気を検知したのか、何か知らないが、何故か壁が震えだしたんだけど……
壁が震えるって可怪しくない?
その上何故か、赤いボタンが目で見えるようになったんだけど。
そこにはデカデカと
「最悪の時はこれを押すべし」
と言う文字が浮かび上がって来たのだ。
普通ならば少しでも考えれば怪しいと思えたはずなのだ。
でも、敵兵士たちが上の階にいつ上がってくるかわからないし、ヴァネッサもぐったりしている。
私には不審に思う時間も無かったのだ。
私は何も考えずに、思いっきりそのボタンを押していたのだ。
ピーピーピーピー
しかし、しかしだ。
今度は非常ベルにプラスして別の警報が鳴り出したのだった……
いきなり非常ベルが鳴りだして私はパニックになった。
「やばい!」
「ちょっと姉上、何やっているんだよ。みんなにバレちゃうよ」
ジェドが叫んでくるが、私はもうそれどころではなかった。
扉はびくともしないし、非常ベルは鳴り出すし、ヴァネッサは死にそうだし、碌なことは無かった。
「ちょっと、フラン、何しているのよ」
そこに着飾ったメラニーが飛び込んで来た。
「あっ、メラニー、この非常ベル止めてよ! このままじゃフェリシー先生に知られてしまうじゃない!」
私は叫ぶ。
「あ、あんたね、今、気にするところそこなの?」
何故かメラニーが頭を押さえている。
「何言っているのよ。フェリシー先生をこれ以上怒らせたら、夏休み中、補講になるかもしれないじゃない。そうなったらどうしてくれるのよ」
私は必死に言った。
「それよりも、気にするところ別にあるでしょ。今まさに反乱が起ころうとしているのよ」
「そうだよ。姉上。兵士たちが下から駆けあがってくるよ」
「はああああ! そんなのジェドが何とかしなさいよ。あんた、ルブランの跡取りでしょ」
「そういった面は俺が出来ないの知っているでしょ」
ブスッとしてジェドが文句を言ってくれた。そういえば、弟はルブラン300年のいや有史以来の歴史の中でも、最低の武力しか持たない跡取りだった。
その分頭脳は天才なんだが……
魔の森の試練は私が母に頼み込んでなくさせたけれど、他のも彼は武力関係全て免除されていたのだ。
何しろ、我が家はエルグラン王国最強クラス、いや、世界最強クラスがゴロゴロいるのだから、別にジェド一人武力や魔術が使えなくても、どうでもなるのだ。武力関係というか脳筋関係は両親がそうだし、私もいるし、わが騎士団にもそろっているのだ。
ジェドはその脳筋どもをうまく采配出来れば良いだろうというのが我が家の統一した見解で、私として一番してほしいことは、食事の時に肉がたくさん食べられるように色々とやってほしいと思っている。
そのようにいろいろと金策関係さえしてくれたら、後は守ってあげるわよ! と日々、ジェドに言っていて、あまり戦闘訓練とかはさせていなかった。
どうしよう?
扉は開かないし、このままでは私がジェドやメラニーを守れない。
下からは剣檄の音とか悲鳴とかが上がってくるし、非常ベルは鳴り止まないし、それにこのままでは、本当にフェリシー先生が来てしまう。
「もう、こうなったら力ずくでやるしかないわね」
私は覚悟を決めた。
「ちょっと姉上、早まったことをしたらダメだよ」
「そうよ、フラン、あなただけじゃなくて私達を巻き込むのは止めてよ!」
ジェドとメラニーの慌てた叫び声が聞こえたが、私は無視した。
まあ、でも、爆裂魔術を壁めがけて放って、反射されたらもろに私が食らってしまう。
自分の魔術で黒焦げになるのだけは嫌だ。
ここは、取り敢えず、拳と腕に強化魔術をかけて壁を殴って見ればいいだろう。それなら被害は少ないはずだ。
「ようし、これでも喰らええええ!」
「えっ、姉上?」
「フラン、待って!」
ジェドとメラニーの焦った声を無視して、私は渾身の力で壁を殴りつけていた。
「痛っ!」
しかし、拳を魔術で強化したのに、壁はびくともしなかった。
即座に壁に跳ね返されたのだ。
めちゃくちゃ腕が痛かった。
手を押さえて呻くしか出来なかった。
「ちょっと大丈夫?」
「フラン、むちゃしちゃだめよ」
二人が言ってくれるけれど、私は手を痛めつけられて、プッツン切れてしまったのだ。
「こうなったらもう、本気でやるわ」
私が腕まくりして言うと、
「ちょっと姉上、そんな事したら学園が吹っ飛ぶよ」
「いやいや、ジェラルド様、そんなのでは収まらないでしょう」
「そうよ、王都が壊滅するわ」
ジェドの言葉にモーリスとメラニーが被せて言ってくれるんだけど、そこまでの被害はないはずだ。
そして、私の本気を検知したのか、何か知らないが、何故か壁が震えだしたんだけど……
壁が震えるって可怪しくない?
その上何故か、赤いボタンが目で見えるようになったんだけど。
そこにはデカデカと
「最悪の時はこれを押すべし」
と言う文字が浮かび上がって来たのだ。
普通ならば少しでも考えれば怪しいと思えたはずなのだ。
でも、敵兵士たちが上の階にいつ上がってくるかわからないし、ヴァネッサもぐったりしている。
私には不審に思う時間も無かったのだ。
私は何も考えずに、思いっきりそのボタンを押していたのだ。
ピーピーピーピー
しかし、しかしだ。
今度は非常ベルにプラスして別の警報が鳴り出したのだった……
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