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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
クラス対抗戦7 最後の競技が始まりました
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本日2話目です。
**************************************************
「凄い」
「やった」
「剣術はフランが優勝だ」
我がEクラスは大盛りあがりだった。
「お兄様、大丈夫?」
慌てた緑頭がエーリックに抱きつくように体を起こさせた。
「くっそー、貴様よくも」
地面に這いつくばらされたエーリックが立ち上がり様、顔を歪めて文句を言ってくる。
「ふんっ、負け犬の遠吠えね」
私は一瞥して見下してやった。
負けは負けだ。
「おのれえ、魔術さえ使えれば」
顔だけ気障男は何か言っているが、元々魔術のほうが得意なのは私も同じだ。
勝手にほざいていろと私は無視した。
無視した私に怒りの視線を向けてくるが、
「フラン、よくやったわ」
ノエルとかジャッキーが抱きついてきた。
「皆取り敢えず仕事はしたわよ」
皆に手を振る。
E組から歓声が上がった。
私が剣術で優勝して160点が我が二年E組に入ったが、ここまでのマイナスもあって我がクラスはまだトップではない。
これでトップはアドの三年A組だ。
さすが三年生、全てにおいて優秀で、この位置にいる。
ついで魔術戦で緑頭が優勝したから1年生A組がいて、
第三位は癒やし魔術で優勝したピンク頭のいる二年A組がつけている。
A組がベスト3を独占しているのだ。
我が2年E組は第四位で、アドの3年A組と50点差だ。
ということは最後のクイズで優勝したら優勝だ。
といか、優勝以外は一位になれない。
まあ、それは他クラスにしても同じだ。
まあ、必ずしも優勝が全てではないが、優勝の百点は大きい。
それ以上に稼げるかというとなかなか難しいだろう。
最低条件がやはりクイズ戦での優勝だろう。
後はアルマンとメラニーの頑張り次第だ。
「メラニー、後は頼んだわよ」
私が声をかける。
「任しておいて」
メラニーが手を上げてきた。
「さあて、最後のクイズ戦です。5クラスが100点以内に入っています。果たして今年の優勝は何処でしょうか」
「今年は絶対に二年A組です」
ピンク頭が言い切った。
「おお、優勝宣言ですか」
「はい。私が頑張りましたから」
ピンク頭は鼻高々と言うんだけど。
そもそも、聖女で癒やし魔術が強いのはこのピンク頭しかいないのだ。
A組に点数を渡すためだけの種目だった。
絶対にまた、グレースあたりが手を回したに違いない。
まあ、でも、このゲームをやり尽くしたメラニーが載っているのだ。
私は安心していた。
「なるほど、私は今年卒業の殿下のいらっしゃる三年A組をかっているんですが、殿下は先程の剣術戦で負けたショックをひきずっていらっしゃらないと良いんですが」
「クラリスさんがヒールしていらつしゃいましたよね」
ピンク頭が言った。
そうだ。クラリスがアドの頭をかき抱いていたように見えたのだ。
私は嫌なことを思い出していた。
「聖女であるローズさんが殿下にヒールをかけなかったのは、負傷した殿下の方が、二年A組が優勝し易いと思ったからですか?」
司会が厳しいところをついてきたが、
「いやだ! そんなわけないですよ。私もやりたかったんですけれど、クラリスさんがやりたいって立候補されたから譲って上げたんです」
ピンク頭が両手を握って上目遣いに言うけれど、それは十分に考えられた。
そもそも、アルマンをピンク頭がヒールしてくれたら、アルマンも剣術戦に参加できたはずだ。
今までクラリスは健気な後輩だと思っていたけれど。いつも無理難題を私がクラリスに振っていたという認識もあるし。でも、ここ最近は何か違う。
クラリスがアルマンを治したというのは、我がクラスに不利にするためにしたんじゃないかと勘ぐってしまった。
それにクラリスもこの前街で見た感じ、王弟殿下の所のカミーユと付き合っているんじゃないのか? 私は海外にいたカミーユをよく知らないけれど、いろいろクラリスに言っているのかもしれない。
そうでないと、クラリスがアドを抱きしめていた理由が判らない。
私を動揺させるためだろうか? 何か他に理由があるのか? 私にはよく判らなかった。
「殿下。大丈夫ですか?」
ララがアドの額の汗を拭いていた。
「えっ」
私はそれをガン見していた。
「おーっとララさんは先程剣を投げられた意趣返しでしょうか。殿下の婚約者の前で殿下とイチャイチャしていますが」
「それをフランが睨みつけていますね」
余計なことをピンク頭が注進してくれる。
「ちょっと待て、フラン。俺はだな」
必死に言い訳しようとするアドを私は無視した。
「ふんっ」
もう、良い。アドのことは忘れよう。
「アルマン。絶対にアドに勝つのよ」
私は大声で叫んでいた。
「任せろ。フラン。絶対に優勝してやるよ」
アルマンが手を振ってきた。
「では第一問です」
「我が国の南にある我が国と交易している国は」
「ピンポン」
「はい、殿下」
「ルートン王国だ」
ブブーー
アドが答えたのにブザーがなる。
「な、何かでだ」
「まだ、問題の途中です」
「な、何だと」
「続きをどうぞ」
「その国にこれまで海賊行為を仕掛けていた国は」
ピンポン
アルマンが押していた。
「はい、二年E組」
「アルメリア王国です」
メラニーが答える。
「正解です」
「おーーーーっといきなり、殿下はお手つきで2回休みです。
フランソワーズさんに変な所見られて動揺したか?」
「司会、余計なことは言わない」
フェリシー先生が注意して来た。
「はい、気をつけます」
司会もフェリシー先生には逆らわない。
「しかし、二年E組連覇に向けて幸先良いスタートです」
「くっそー、いきなり引っ掛けかよ」
アド悔しがっているが、
「アルマン、その調子よ」
私はアドを無視してアルマンに声援を送ったのだ。
******************************************
いきなりお手つきで焦るアドと1問正解の幸先の良いアルマン。
果たして結果はどうなる?
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「凄い」
「やった」
「剣術はフランが優勝だ」
我がEクラスは大盛りあがりだった。
「お兄様、大丈夫?」
慌てた緑頭がエーリックに抱きつくように体を起こさせた。
「くっそー、貴様よくも」
地面に這いつくばらされたエーリックが立ち上がり様、顔を歪めて文句を言ってくる。
「ふんっ、負け犬の遠吠えね」
私は一瞥して見下してやった。
負けは負けだ。
「おのれえ、魔術さえ使えれば」
顔だけ気障男は何か言っているが、元々魔術のほうが得意なのは私も同じだ。
勝手にほざいていろと私は無視した。
無視した私に怒りの視線を向けてくるが、
「フラン、よくやったわ」
ノエルとかジャッキーが抱きついてきた。
「皆取り敢えず仕事はしたわよ」
皆に手を振る。
E組から歓声が上がった。
私が剣術で優勝して160点が我が二年E組に入ったが、ここまでのマイナスもあって我がクラスはまだトップではない。
これでトップはアドの三年A組だ。
さすが三年生、全てにおいて優秀で、この位置にいる。
ついで魔術戦で緑頭が優勝したから1年生A組がいて、
第三位は癒やし魔術で優勝したピンク頭のいる二年A組がつけている。
A組がベスト3を独占しているのだ。
我が2年E組は第四位で、アドの3年A組と50点差だ。
ということは最後のクイズで優勝したら優勝だ。
といか、優勝以外は一位になれない。
まあ、それは他クラスにしても同じだ。
まあ、必ずしも優勝が全てではないが、優勝の百点は大きい。
それ以上に稼げるかというとなかなか難しいだろう。
最低条件がやはりクイズ戦での優勝だろう。
後はアルマンとメラニーの頑張り次第だ。
「メラニー、後は頼んだわよ」
私が声をかける。
「任しておいて」
メラニーが手を上げてきた。
「さあて、最後のクイズ戦です。5クラスが100点以内に入っています。果たして今年の優勝は何処でしょうか」
「今年は絶対に二年A組です」
ピンク頭が言い切った。
「おお、優勝宣言ですか」
「はい。私が頑張りましたから」
ピンク頭は鼻高々と言うんだけど。
そもそも、聖女で癒やし魔術が強いのはこのピンク頭しかいないのだ。
A組に点数を渡すためだけの種目だった。
絶対にまた、グレースあたりが手を回したに違いない。
まあ、でも、このゲームをやり尽くしたメラニーが載っているのだ。
私は安心していた。
「なるほど、私は今年卒業の殿下のいらっしゃる三年A組をかっているんですが、殿下は先程の剣術戦で負けたショックをひきずっていらっしゃらないと良いんですが」
「クラリスさんがヒールしていらつしゃいましたよね」
ピンク頭が言った。
そうだ。クラリスがアドの頭をかき抱いていたように見えたのだ。
私は嫌なことを思い出していた。
「聖女であるローズさんが殿下にヒールをかけなかったのは、負傷した殿下の方が、二年A組が優勝し易いと思ったからですか?」
司会が厳しいところをついてきたが、
「いやだ! そんなわけないですよ。私もやりたかったんですけれど、クラリスさんがやりたいって立候補されたから譲って上げたんです」
ピンク頭が両手を握って上目遣いに言うけれど、それは十分に考えられた。
そもそも、アルマンをピンク頭がヒールしてくれたら、アルマンも剣術戦に参加できたはずだ。
今までクラリスは健気な後輩だと思っていたけれど。いつも無理難題を私がクラリスに振っていたという認識もあるし。でも、ここ最近は何か違う。
クラリスがアルマンを治したというのは、我がクラスに不利にするためにしたんじゃないかと勘ぐってしまった。
それにクラリスもこの前街で見た感じ、王弟殿下の所のカミーユと付き合っているんじゃないのか? 私は海外にいたカミーユをよく知らないけれど、いろいろクラリスに言っているのかもしれない。
そうでないと、クラリスがアドを抱きしめていた理由が判らない。
私を動揺させるためだろうか? 何か他に理由があるのか? 私にはよく判らなかった。
「殿下。大丈夫ですか?」
ララがアドの額の汗を拭いていた。
「えっ」
私はそれをガン見していた。
「おーっとララさんは先程剣を投げられた意趣返しでしょうか。殿下の婚約者の前で殿下とイチャイチャしていますが」
「それをフランが睨みつけていますね」
余計なことをピンク頭が注進してくれる。
「ちょっと待て、フラン。俺はだな」
必死に言い訳しようとするアドを私は無視した。
「ふんっ」
もう、良い。アドのことは忘れよう。
「アルマン。絶対にアドに勝つのよ」
私は大声で叫んでいた。
「任せろ。フラン。絶対に優勝してやるよ」
アルマンが手を振ってきた。
「では第一問です」
「我が国の南にある我が国と交易している国は」
「ピンポン」
「はい、殿下」
「ルートン王国だ」
ブブーー
アドが答えたのにブザーがなる。
「な、何かでだ」
「まだ、問題の途中です」
「な、何だと」
「続きをどうぞ」
「その国にこれまで海賊行為を仕掛けていた国は」
ピンポン
アルマンが押していた。
「はい、二年E組」
「アルメリア王国です」
メラニーが答える。
「正解です」
「おーーーーっといきなり、殿下はお手つきで2回休みです。
フランソワーズさんに変な所見られて動揺したか?」
「司会、余計なことは言わない」
フェリシー先生が注意して来た。
「はい、気をつけます」
司会もフェリシー先生には逆らわない。
「しかし、二年E組連覇に向けて幸先良いスタートです」
「くっそー、いきなり引っ掛けかよ」
アド悔しがっているが、
「アルマン、その調子よ」
私はアドを無視してアルマンに声援を送ったのだ。
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いきなりお手つきで焦るアドと1問正解の幸先の良いアルマン。
果たして結果はどうなる?
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