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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
クラス対抗戦2 騎馬戦で弟らに去年の戦法を横取りされて負けてしまいました
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公国自慢の剣士とやらは私の前に一瞬で撃沈した。
真剣勝負なら瞬殺だ。
クラスの皆は固まっていた。
周りの観客も。
「えっ?」
メラニーなんて目を見開いて固まっているんだけど。
ちょっとちょっと、私、一応、自分で優勝候補だって言ったよね。
誰も信じてくれなかったけれど……
無理して言ったのに。
ルブランの騎士は嘘は言わないのに!
「「「うわああああ」」」
一瞬後に大歓声が沸き起こった。
「凄いじゃない」
「やったわね、フラン」
私は一呼吸置いた後でクラスの皆の手荒い歓迎を受けた。
「これなら優勝も狙えるんじゃない!」
メラニーなんて散々不安そうにしていたのに、180度態度が変わっているんだけど……
「流石に破壊女と恐れられているフランソワーズさんです。魔術だけかと思いきや、剣でも凄まじい物がありましたね」
司会まで態度が変わっている。
「本当にホームズもどうしようもないわね」
昨年に懲りずにまた司会をしているピンク頭がブツブツ文句を言っている。
「さて、映像が出てきました。ここではじめの合図と同時にフランソワーズさんが動き出しました」
「えっ、少し早くないですか」
早速ピンク頭が注文をつけてくるが、
「いや、」大丈夫ですよ。フランソワーズさんは野生の勘が鋭いですから。去年のクイズ戦でも凄まじいボタン押しの連続でしたからね」
「野生児にやられてしまいました」
ピンク頭が私をけなしてくれるんだけど。
「あまりの速さにアルセーヌ君は思わず口を開けてしまいましたね」
馬鹿面のアルセーヌが写っていた。
「本当にアホ面です」
ピンク頭が自分のクラスの人間をこき下ろした。役立たないやつは即座に切り捨てるらしい。
グレースももう次の格好良い騎士を応援しているし。A組の誰も飛んで行った顔だけ男の所に行かないんだけど。流石に酷くないか?
「そして、ここで剣を真横に振り払って一瞬でアルセーヌ君を張り倒してくれました」
映像を司会が解説してくれた。
「いやあ、二年A組の優勝候補の一角と見られていたアルセーヌ君が一瞬で敗れ去った波乱がありましたね」
「彼はもうクラスに帰って来なくていいです」
あっさりピンク頭は斬り捨てているし、本当に見捨てていた。
「ようし、剣術はフランで優勝できるし、後は俺たちはどれだけ点数が稼げるかだな」
クラスの席に戻ったらアルマンが言ってきた。
「何言っているのよ。優勝できるかどうかは全てはあんたのボタン押す腕にかかっているのよ。去年のフランは本当に異常だったんだからね」
「分かっているって」
メラニーの一言にまだ包帯をしているアルマンが苦い顔で答えた。
この一週間左腕で必死にボタンを押す練習をアルマンはしていたのだ。
「頼むぜ。アルマン。俺は10点は稼いできたからな」
今年も200メートル走で、勝ってきたバンジャマンが言った。
「任せておけって」
アルマンが自信満々に答えるんだけど。
まあ、私も顔だけ気障男やアドに勝てるかどうかは判らないのだから。
「よお、アルマン。なんか、また、一年にボコボコにされたんだって」
そこに二年B組のアシルらがやってきた。
「魔術じゃないからなんとかなるかと思ったんだよ」
嫌そうにアルマンが答えた。
「その仇は私が取ってあげるわ」
私が言うと
「これはこれはフラン様。貴族の令嬢らしからぬ、剣術戦などに出られるとは。王妃様が嘆いておられそうですね」
このボケ、ここで王妃様の名前を出すか?
私はムっとした。
そうだ。王妃様がまた何か言ってくるかもしれない。もしお小言もらったらまた二時間コースだ。
だから私は剣術に出たくなかったのだ。
「ああら、そのフランの前に一瞬で弾き飛ばされたB組の方が何か言われますの?」
そこへ、メラニーが嫌味を言ってくれた。そう私の二回戦の相手はB組の騎士を目指しているやつで、それも一瞬で叩き潰してきたのだ。
「何だと」
きっとしてアシルがメラニーに掴みかかろうとして、その前に私が出る。
「去年はでかいこと言って私のクラスの騎馬に完敗したのに、口だけは一人前ね」
「な、去年は卑怯な手を使われて油断しただけだ」
「ふん、頭の勝利と言ってよね。脳筋さん」
「な、何だと」
メラニーの言葉にアシルは激昂するが私を前に流石に何も出来ない。まあ、してきても一瞬で弾き飛ばすだけだけど。
「ふんっ、今年も同じ手は通用せんぞ。絶対に痛い目に遭わせてやるからな」
アシルは捨て台詞を吐いて去っていった。
そして、次はその騎馬戦だ。
我がクラスはまた、去年と同じ、オリーブらだ。
しかし、今年は幻覚魔術で姿を消して良いのは1分間だけになってしまった。
圧倒的に不利だと思うのだけど勝てるのだろうか?
メラニーに聞くと「あんたでも秘密よ」とのことだった。
まあ、メラニーに任せておけばなんとかなるだろう。
騎馬戦の皆が位置についた。
やはり我がクラスの騎馬が一番小さい。
「ようい、ドン」
先生の合図で一斉に騎馬戦が始まった。
最初から我がクラスの騎馬は逃げ出したのだ。
「待てえ!」
なんとそれをB組の騎馬が追いかけだしたのだけど、
「キャーーー」
我が騎馬は悲鳴を上げながら逃げる。
「卑怯者」
「か弱い女の子らを追いかけるなんて最低」
「変態」
メラニーらが一斉に囃し立てるんだけど。
「なんとでも言え、今年は負けん」
アシルが振り返って叫んだ。
アシルらは巨体だが、我が方の騎馬は小さくてちょこまかと騎馬の間を逃げる。
アシルらは前に現れた騎馬と戦わざる終えずに、いつまでも追いかけられなかった。
騎馬戦で唯一の女騎馬ということで、他クラスもなかなか我がクラスを攻撃出来ないし、したらしたで、
「アシル様、ひどい」
「鬼よ」
「悪魔だ」
メラニーやノエルの悲鳴で戦いにくいことこの上ないはずだ。
しかし、途中からオリーブらが全く追いかけられなくなったから幻覚魔術をかけたんだろう。
ちょっと早すぎないかとも思ったが、何か作戦があるんだろう。
残り3騎になった。
「ふん、時間切れか。馬鹿な奴らだ」
アシルらがオリーブらの横をすり抜けて誰もいない所に向かっていくんだけど。
「彼奴等馬鹿なの」
私が思わず呟いたら
「しぃ!」
メラニーに口を押さえられた。
「えっ」
見ている間に後ろからオリーブが手を伸ばしてアシルのはちまきを取ったのだ。
「な、なんだと」
アシルが叫んでいる。
「彼奴等馬鹿なのよ。幻覚であそこにオリーブらがいるように見せかけたのよ」
メラニーが解説してくれた。
さすがメラニー。やるじゃない。
「やった」
「これで勝った」
えっ、でももう一騎いるわよ。
でも皆見えていないみたいだ。
あれは弟だ。
「オリーブ、後ろよ」
私は大声で叫んでいた。
「えっ?」
オリーブらが慌てて後ろを見る。
ジェドらの騎馬が迫っているのだ。
どうやら奴らは幻覚魔術を使って姿を消しているらしい。
「逃げて」
私が叫ぶが、遅かったみたいだ。
オリーブのはちまきがジェドに取られてしまった。
「ああああ、あいつら、酷い。去年の私の手を取ったのね」
メラニーがじだんだ踏んで悔しがつたが、後の祭りだった。
********************************************************
腹黒弟に負けてしまったフランのクラス。
これで優勝できるのか?
真剣勝負なら瞬殺だ。
クラスの皆は固まっていた。
周りの観客も。
「えっ?」
メラニーなんて目を見開いて固まっているんだけど。
ちょっとちょっと、私、一応、自分で優勝候補だって言ったよね。
誰も信じてくれなかったけれど……
無理して言ったのに。
ルブランの騎士は嘘は言わないのに!
「「「うわああああ」」」
一瞬後に大歓声が沸き起こった。
「凄いじゃない」
「やったわね、フラン」
私は一呼吸置いた後でクラスの皆の手荒い歓迎を受けた。
「これなら優勝も狙えるんじゃない!」
メラニーなんて散々不安そうにしていたのに、180度態度が変わっているんだけど……
「流石に破壊女と恐れられているフランソワーズさんです。魔術だけかと思いきや、剣でも凄まじい物がありましたね」
司会まで態度が変わっている。
「本当にホームズもどうしようもないわね」
昨年に懲りずにまた司会をしているピンク頭がブツブツ文句を言っている。
「さて、映像が出てきました。ここではじめの合図と同時にフランソワーズさんが動き出しました」
「えっ、少し早くないですか」
早速ピンク頭が注文をつけてくるが、
「いや、」大丈夫ですよ。フランソワーズさんは野生の勘が鋭いですから。去年のクイズ戦でも凄まじいボタン押しの連続でしたからね」
「野生児にやられてしまいました」
ピンク頭が私をけなしてくれるんだけど。
「あまりの速さにアルセーヌ君は思わず口を開けてしまいましたね」
馬鹿面のアルセーヌが写っていた。
「本当にアホ面です」
ピンク頭が自分のクラスの人間をこき下ろした。役立たないやつは即座に切り捨てるらしい。
グレースももう次の格好良い騎士を応援しているし。A組の誰も飛んで行った顔だけ男の所に行かないんだけど。流石に酷くないか?
「そして、ここで剣を真横に振り払って一瞬でアルセーヌ君を張り倒してくれました」
映像を司会が解説してくれた。
「いやあ、二年A組の優勝候補の一角と見られていたアルセーヌ君が一瞬で敗れ去った波乱がありましたね」
「彼はもうクラスに帰って来なくていいです」
あっさりピンク頭は斬り捨てているし、本当に見捨てていた。
「ようし、剣術はフランで優勝できるし、後は俺たちはどれだけ点数が稼げるかだな」
クラスの席に戻ったらアルマンが言ってきた。
「何言っているのよ。優勝できるかどうかは全てはあんたのボタン押す腕にかかっているのよ。去年のフランは本当に異常だったんだからね」
「分かっているって」
メラニーの一言にまだ包帯をしているアルマンが苦い顔で答えた。
この一週間左腕で必死にボタンを押す練習をアルマンはしていたのだ。
「頼むぜ。アルマン。俺は10点は稼いできたからな」
今年も200メートル走で、勝ってきたバンジャマンが言った。
「任せておけって」
アルマンが自信満々に答えるんだけど。
まあ、私も顔だけ気障男やアドに勝てるかどうかは判らないのだから。
「よお、アルマン。なんか、また、一年にボコボコにされたんだって」
そこに二年B組のアシルらがやってきた。
「魔術じゃないからなんとかなるかと思ったんだよ」
嫌そうにアルマンが答えた。
「その仇は私が取ってあげるわ」
私が言うと
「これはこれはフラン様。貴族の令嬢らしからぬ、剣術戦などに出られるとは。王妃様が嘆いておられそうですね」
このボケ、ここで王妃様の名前を出すか?
私はムっとした。
そうだ。王妃様がまた何か言ってくるかもしれない。もしお小言もらったらまた二時間コースだ。
だから私は剣術に出たくなかったのだ。
「ああら、そのフランの前に一瞬で弾き飛ばされたB組の方が何か言われますの?」
そこへ、メラニーが嫌味を言ってくれた。そう私の二回戦の相手はB組の騎士を目指しているやつで、それも一瞬で叩き潰してきたのだ。
「何だと」
きっとしてアシルがメラニーに掴みかかろうとして、その前に私が出る。
「去年はでかいこと言って私のクラスの騎馬に完敗したのに、口だけは一人前ね」
「な、去年は卑怯な手を使われて油断しただけだ」
「ふん、頭の勝利と言ってよね。脳筋さん」
「な、何だと」
メラニーの言葉にアシルは激昂するが私を前に流石に何も出来ない。まあ、してきても一瞬で弾き飛ばすだけだけど。
「ふんっ、今年も同じ手は通用せんぞ。絶対に痛い目に遭わせてやるからな」
アシルは捨て台詞を吐いて去っていった。
そして、次はその騎馬戦だ。
我がクラスはまた、去年と同じ、オリーブらだ。
しかし、今年は幻覚魔術で姿を消して良いのは1分間だけになってしまった。
圧倒的に不利だと思うのだけど勝てるのだろうか?
メラニーに聞くと「あんたでも秘密よ」とのことだった。
まあ、メラニーに任せておけばなんとかなるだろう。
騎馬戦の皆が位置についた。
やはり我がクラスの騎馬が一番小さい。
「ようい、ドン」
先生の合図で一斉に騎馬戦が始まった。
最初から我がクラスの騎馬は逃げ出したのだ。
「待てえ!」
なんとそれをB組の騎馬が追いかけだしたのだけど、
「キャーーー」
我が騎馬は悲鳴を上げながら逃げる。
「卑怯者」
「か弱い女の子らを追いかけるなんて最低」
「変態」
メラニーらが一斉に囃し立てるんだけど。
「なんとでも言え、今年は負けん」
アシルが振り返って叫んだ。
アシルらは巨体だが、我が方の騎馬は小さくてちょこまかと騎馬の間を逃げる。
アシルらは前に現れた騎馬と戦わざる終えずに、いつまでも追いかけられなかった。
騎馬戦で唯一の女騎馬ということで、他クラスもなかなか我がクラスを攻撃出来ないし、したらしたで、
「アシル様、ひどい」
「鬼よ」
「悪魔だ」
メラニーやノエルの悲鳴で戦いにくいことこの上ないはずだ。
しかし、途中からオリーブらが全く追いかけられなくなったから幻覚魔術をかけたんだろう。
ちょっと早すぎないかとも思ったが、何か作戦があるんだろう。
残り3騎になった。
「ふん、時間切れか。馬鹿な奴らだ」
アシルらがオリーブらの横をすり抜けて誰もいない所に向かっていくんだけど。
「彼奴等馬鹿なの」
私が思わず呟いたら
「しぃ!」
メラニーに口を押さえられた。
「えっ」
見ている間に後ろからオリーブが手を伸ばしてアシルのはちまきを取ったのだ。
「な、なんだと」
アシルが叫んでいる。
「彼奴等馬鹿なのよ。幻覚であそこにオリーブらがいるように見せかけたのよ」
メラニーが解説してくれた。
さすがメラニー。やるじゃない。
「やった」
「これで勝った」
えっ、でももう一騎いるわよ。
でも皆見えていないみたいだ。
あれは弟だ。
「オリーブ、後ろよ」
私は大声で叫んでいた。
「えっ?」
オリーブらが慌てて後ろを見る。
ジェドらの騎馬が迫っているのだ。
どうやら奴らは幻覚魔術を使って姿を消しているらしい。
「逃げて」
私が叫ぶが、遅かったみたいだ。
オリーブのはちまきがジェドに取られてしまった。
「ああああ、あいつら、酷い。去年の私の手を取ったのね」
メラニーがじだんだ踏んで悔しがつたが、後の祭りだった。
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腹黒弟に負けてしまったフランのクラス。
これで優勝できるのか?
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