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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
婚約者が補講を代わってくれると言ったので、キスしたのに、更にひどい状態になってしまいました
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本当にもう最悪だった。
せっかくアドがフェリシー先生の補講を無くしてくれたのに、メラニーの言うとおりにしたら、何と二週間も放課後補講になってしまったのだ。
もうやってられなかった。
そう文句を言ったら
「今回の延長は私は何も悪くないでしょ」
とメラニーに怒られてしまったけれど。
我慢しなかった私が悪いのは事実だったけれど。何も怒ることないじゃない!
その上、何故かアドの機嫌も悪くなって、やたらと私に構うようになって来たんだけど。
何で?
「どういう事だ、フラン。更に一週間もエーリックと一緒に補講なんて」
「知らないわよ。文句はエーリックに言ってよ」
不機嫌なアドに私は言い返した。最悪なのは私だし、アドは関係ないじゃない。
「元々エーリックとの決闘も見に来なかったくせに」
「仕方がなかっただろう。父に呼ばれていたんだから。それにフランがあんな奴に負けるとは思ってもいなかったし」
私が文句を言うとアドが言い返してきた。
でも、私は何も悪くないのだ。あのアホリックがあんなところで私に絡んでこなかったらこんなことにはなっていなかったのだ。
「そうだ、アドが私の代わりに出てくれたらいいのよ」
私は良いことを思いついたようにアドに言った。
「そんなの出来るわけないだろう」
アドが怒って言ったが、
「だって私は今回は巻き込まれただけよ。エーリックの攻撃は全部障壁で弾き飛ばしただけなんだから」
そうだ。本来、悪いのは完全に攻撃してきたエーリックのはずなのだ。
なのに、何故私が二週間も付き合わないといけないのだ。
「だからアドが代わってくれるって言ったら絶対にフェリシー先生は認めてくれるはずよ」
私は自信を持って言ったのだ。
「だから、なんで俺がフランの代わりに補講に出なければいけないんだよ」
「良いじゃない。たまには婚約者の頼みを聞いてくれても」
私はアドにダメもとで頼んでみた。
私の言葉に少しアドが考えていたけれど、
「じゃあ、キスしてくれたら考えてもいいよ」
アドが飛んでもないことを言ってきた。
「いや、何言っているのよ。そんなのできるわけないでしょ」
私は恥ずかしさのあまり真っ赤になった。そうだ。まだ、アドとはそんなにキスなんてしていない。
私達は健全な交際なのだ。
「キスくらい良いじゃないか。フェリシー先生の補講がなくなるのならば」
「それもそうね」
私は何をトチ狂ったのか、その通りだと思ってしまったのだ。
それだけ私はフェリシー先生の補講は嫌だった。
そうだ。フェリシー先生の補講が無くなるのならばアドにキスするくらいなんでもない。
補講いやさに私は思わずそう思ってしまったのだ。
私は何も考えずに、その勢いのまま、アドの頬にチュッとキスをしたのだ。
「えっ」
アドは驚いて目を見開いて私を見た。
何よ。あなたがそうしろって言ったんじゃない!
私が思った時だ。
「うそっ」
「キャーーーー」
「あの女、王子様にキスした」
いきなり食堂は黄色い悲鳴が巻き起こった。
そうだ。忘れていた。ここは学食だったのだ。
やってしまった。
メラニーらは呆れているけれど、一年生たちが驚いて見ていた。
「あの女何なの」
「いや、フラン様は王太子殿下の婚約者だから」
「でも、こんな公衆の面前でキスする何て」
「それだけお二人は熱々なんじゃない」
「何言っているんだか」
「この二人は昔からそうだよね」
うちのクラスの連中もなんか言っている。
「ちょっと姉上、何やっているんですか」
「兄上も離れてください」
そこに怒ったジェドとヴァンが飛んで来た。
二人は強引に私たちを引き離すと、
「一体、こんな公衆の面前で何やっているんですか」
「兄上も生徒会長の自覚を持ってください」
ぶつぶつ文句を言う二人の前で恥辱に染まって真っ赤になって私は震えていた。
アドは嬉しそうにニコニコしているし、もう最悪だった。
だが、そんな恥をかいてキスまでしたのに、私の補講はなくならなかったのだ。
アドはフェリシー先生に言ってくれたのだが、通らなかったらしい。
更には何故か、アドがその補講に加わってくれたんだけど……
「そうです。さすがアドルフさんです。素晴らしいです」
フェリシー先生はアドをべた褒めだった。もう絶賛の嵐だ。
そうだった。アドは昔からフェリシー先生のお気に入りだった。
姿勢もいいし、何故かその礼儀作法の所作がフェリシー先生の考えとぴったり合ったのだ。
私の見た目からはその動きは私とそんなに変わらないのに、なぜこうなる?
「さあ、フランソワーズさんもエーリックさんもアドルフさんを真似てちゃんとやってくださいね」
「俺と何が違うんだよ」
エーリックがぶつぶつ言うが、
「あんたのは見ただけで、違いが一目両全瞭然でしょ」
私がズバッと言った。
「お前と変わんないだろう」
「何言っているんですか。二人ともまだまだです」
私達の文句はフェリシー先生の一言でぶった切られた。
補講の間中、アドは褒められて私はけなされたのだ。
何なのよ。これ。さらに酷くなったじゃない!
私は二度とアドのいう事は聞かないようにしようと思ったのだ。
*****************************************************
すみません。補講ばかりで……
今回は珍しくアドに振り回されたフランでした。
次は街中デート編です。
ご期待ください。
明朝更新予定です
せっかくアドがフェリシー先生の補講を無くしてくれたのに、メラニーの言うとおりにしたら、何と二週間も放課後補講になってしまったのだ。
もうやってられなかった。
そう文句を言ったら
「今回の延長は私は何も悪くないでしょ」
とメラニーに怒られてしまったけれど。
我慢しなかった私が悪いのは事実だったけれど。何も怒ることないじゃない!
その上、何故かアドの機嫌も悪くなって、やたらと私に構うようになって来たんだけど。
何で?
「どういう事だ、フラン。更に一週間もエーリックと一緒に補講なんて」
「知らないわよ。文句はエーリックに言ってよ」
不機嫌なアドに私は言い返した。最悪なのは私だし、アドは関係ないじゃない。
「元々エーリックとの決闘も見に来なかったくせに」
「仕方がなかっただろう。父に呼ばれていたんだから。それにフランがあんな奴に負けるとは思ってもいなかったし」
私が文句を言うとアドが言い返してきた。
でも、私は何も悪くないのだ。あのアホリックがあんなところで私に絡んでこなかったらこんなことにはなっていなかったのだ。
「そうだ、アドが私の代わりに出てくれたらいいのよ」
私は良いことを思いついたようにアドに言った。
「そんなの出来るわけないだろう」
アドが怒って言ったが、
「だって私は今回は巻き込まれただけよ。エーリックの攻撃は全部障壁で弾き飛ばしただけなんだから」
そうだ。本来、悪いのは完全に攻撃してきたエーリックのはずなのだ。
なのに、何故私が二週間も付き合わないといけないのだ。
「だからアドが代わってくれるって言ったら絶対にフェリシー先生は認めてくれるはずよ」
私は自信を持って言ったのだ。
「だから、なんで俺がフランの代わりに補講に出なければいけないんだよ」
「良いじゃない。たまには婚約者の頼みを聞いてくれても」
私はアドにダメもとで頼んでみた。
私の言葉に少しアドが考えていたけれど、
「じゃあ、キスしてくれたら考えてもいいよ」
アドが飛んでもないことを言ってきた。
「いや、何言っているのよ。そんなのできるわけないでしょ」
私は恥ずかしさのあまり真っ赤になった。そうだ。まだ、アドとはそんなにキスなんてしていない。
私達は健全な交際なのだ。
「キスくらい良いじゃないか。フェリシー先生の補講がなくなるのならば」
「それもそうね」
私は何をトチ狂ったのか、その通りだと思ってしまったのだ。
それだけ私はフェリシー先生の補講は嫌だった。
そうだ。フェリシー先生の補講が無くなるのならばアドにキスするくらいなんでもない。
補講いやさに私は思わずそう思ってしまったのだ。
私は何も考えずに、その勢いのまま、アドの頬にチュッとキスをしたのだ。
「えっ」
アドは驚いて目を見開いて私を見た。
何よ。あなたがそうしろって言ったんじゃない!
私が思った時だ。
「うそっ」
「キャーーーー」
「あの女、王子様にキスした」
いきなり食堂は黄色い悲鳴が巻き起こった。
そうだ。忘れていた。ここは学食だったのだ。
やってしまった。
メラニーらは呆れているけれど、一年生たちが驚いて見ていた。
「あの女何なの」
「いや、フラン様は王太子殿下の婚約者だから」
「でも、こんな公衆の面前でキスする何て」
「それだけお二人は熱々なんじゃない」
「何言っているんだか」
「この二人は昔からそうだよね」
うちのクラスの連中もなんか言っている。
「ちょっと姉上、何やっているんですか」
「兄上も離れてください」
そこに怒ったジェドとヴァンが飛んで来た。
二人は強引に私たちを引き離すと、
「一体、こんな公衆の面前で何やっているんですか」
「兄上も生徒会長の自覚を持ってください」
ぶつぶつ文句を言う二人の前で恥辱に染まって真っ赤になって私は震えていた。
アドは嬉しそうにニコニコしているし、もう最悪だった。
だが、そんな恥をかいてキスまでしたのに、私の補講はなくならなかったのだ。
アドはフェリシー先生に言ってくれたのだが、通らなかったらしい。
更には何故か、アドがその補講に加わってくれたんだけど……
「そうです。さすがアドルフさんです。素晴らしいです」
フェリシー先生はアドをべた褒めだった。もう絶賛の嵐だ。
そうだった。アドは昔からフェリシー先生のお気に入りだった。
姿勢もいいし、何故かその礼儀作法の所作がフェリシー先生の考えとぴったり合ったのだ。
私の見た目からはその動きは私とそんなに変わらないのに、なぜこうなる?
「さあ、フランソワーズさんもエーリックさんもアドルフさんを真似てちゃんとやってくださいね」
「俺と何が違うんだよ」
エーリックがぶつぶつ言うが、
「あんたのは見ただけで、違いが一目両全瞭然でしょ」
私がズバッと言った。
「お前と変わんないだろう」
「何言っているんですか。二人ともまだまだです」
私達の文句はフェリシー先生の一言でぶった切られた。
補講の間中、アドは褒められて私はけなされたのだ。
何なのよ。これ。さらに酷くなったじゃない!
私は二度とアドのいう事は聞かないようにしようと思ったのだ。
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すみません。補講ばかりで……
今回は珍しくアドに振り回されたフランでした。
次は街中デート編です。
ご期待ください。
明朝更新予定です
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