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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
公国令息のせいで礼儀作法の補講が倍になりました
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「フランソワーズさん。頭の角度を少し上に」
フェリシー先生の指導が入る。
「上ですか」
私が顔を少し上に上げると
「上げすぎです。もう少し下に……今度は下すぎです」
フェリシー先生の注文は本当に難しい。
私が四苦八苦していると、
「本当にどうしようもないな」
笑ってアホリックが言ってくれるんだけど、
「エーリックさん。あなたは頭が10度も違いますよ。もっと上に上げて」
「えっ、いや、頭の角度なんて、そんな細かいこと気にする必要はないでしょう」
エーリックが不満そうにブツブツ言うが、
「何か言いましたか?」
ギロリとフェリシー先生に睨みつけられて
「いえ、なんでも無いです」
慌てて首を振る。
こいつも、フェリシー先生に逆らうと、お説教の時間が倍になることにやっと気づいたのだ。
本当に気づくのが遅い。そんなのすぐに気付けよ!
私は言いたかった。
この一週間の補講は本当に最悪だったのだ。
いつもこいつが余計な一言を言うから、その度に、拘束時間が増えて、いつも夕食は食堂の開いているぎりぎりの時間になるし、そんな時間になると碌な物がもう残っていないのだ。
昨日は魚定食、それも鯵の干物にしか無かったんだけど。
メインディッシュが鯵の干物って何よ!
私は大声で叫びたい気分だった。
結局、今回のクラス対抗戦も、私の魔術の使用は禁止になった。
そして、メラニーがほくそ笑んでいたが、エーリックも禁止になってしまったのだ。
クラリスが反抗しようとして、フェリシー先生の一睨みで大人しくなった。
流石にクラリス、空気を読むのがうまい。
この馬鹿にも教えておいて欲しかった。
こいつが余計な事を言うたびに補講の時間が長くなって本当に最悪だった。
私の使用禁止は、また、グレース等が暗躍してくれたんだろう。
魔術を放ってこの補講の鬱憤を晴らしたかったのに!
「そんな事したら、また、訓練場が壊れるじゃない! あなた、学園の訓練場を3回も壊した令嬢として代々語り継がれることになるのよ!」
メラニーが言ってくれるんだけど、もう、2回も3回も同じじゃない?
普通はやっても1回なのだ。
それを2回もやるなんて!
悪いのはエーリックなのに。
なんで私のせいになるのよ!
そう言うと、普通は1回もやろうとしても壊せないはずなのに……
オリーブに呆れられていた。
オリーブも言うこと言うようになってくれたじゃない!
この前は訳の解らない私の本を出してくれるし……。
ムカムカしていた私はいつもなら笑って許せることも許せない気分になっていたのだ。
メラニーに、「折角アドが補講をなくしてくれたのに!」
私が文句を言うと、
「良いじゃない。対抗馬の一年A組のエーリックが魔術を使えなくなったんだから。
我々が勝てる可能性が上がったのよ」
ってメラニーは得意げに言うんだけど、一緒に補講受けさせられている私はどうなるのよ!
絶対にメラニーにハメられた。
私は恨みがましい目でメラニーを睨んだのに、メラニーはどこ吹く風だった……
しかし、その補講もやっと今日で終わりだ。
私はホッとしていた。
後、残り1日だ。今日さえ我慢できれば良いのだ。
私は自分に言い聞かせていたのだ。絶対に何があっても我慢しろと。
そう考えている時だ。フェリシー先生が、他の先生に呼ばれて少しだけ席を離してくれた。
私はホッとした。
「本当に、どこかの誰かのせいで、最悪だわ」
私がボソリというと
「何だと、破壊女。俺こそ貴様のせいでこんな補講受けさせられて、最悪なんだぞ」
「元はと言えばあんたが攻撃してきたからでしょう。訓練場を壊したのはあんたなんだから、私を巻き込まずに、一人で補講受けなさいよ」
「何言っているんだ、破壊女。貴様が礼儀作法がなっていないから礼儀作法の補講になったんだろうが」
「何言っているのよ。あんたの方が礼儀作法が出来ていないじゃない。あんたの母も私に注意する前に、実の息子にちゃんと礼儀作法くらい教えておきなさいよね」
「な、何だと、黙って聞いていれば、好きなこと言ってくれやがって。今度こそ燃やしてやろうか?」
「やるの!」
私は相当気が立っていたのだ。
「やるか」
エーリックが叫んで、睨み合った時だ。
「何してるんですか!」
フェリシー先生の大声が教室中に響き渡った。
「「えっ」」
私達が固まってそちらを見ると怒髪天のフェリシー先生が扉を開けて仁王立ちで立っていた。
「折角反省したのなら、早く終わってあげようと思っていたのに、あなた達はそういう気はないようですね」
フェリシー先生はニコリと笑ったのだ。
いや、違う。目は笑っていない。
「先生。ありがとうございます。ではこれで」
エーリックが立ち上がろうとした。
「何をしているのですか。エーリックさん」
静かにフェリシー先生は言うが、まさに嵐の前の静けさだった。
「えっ、先生が早く終わってくれるって」
「それは私の心をくんで、お互いに礼儀作法の中にも、お互いを思いやる心を持てた場合です。いがみ合っている貴方がたはまだまだ修行が足りません。私はいまので実感しました」
フェリシー先生が宣告してくれた。
「いや、先生。今のは冗談です。そうよね。エーリックさん」
私は引きつった顔でエーリックに振った。
「えっ、ああ、そうですよ。先生」
少しぎこちなくエーリックが返してきた。
おい、折角ひとが折れているんだからすぐに反応しろよ!
私が思った時だ。
「何言っているんです。全く信用なりません。あなた達は後一週間じっくりと補講を受けてもらいます」
「えっ」
「そんな」
私達は絶句した。
なんでこうなる! 本当にボケリックにせいだ!
馬鹿野郎!
私はこころの中で悪態をついたのだった。
********************************
恨み辛みがドンドン溜まって行くフランでした。
次話は対抗戦に向けてついに動き出します。
今年は勝てるのか?
今夜更新予定です
フェリシー先生の指導が入る。
「上ですか」
私が顔を少し上に上げると
「上げすぎです。もう少し下に……今度は下すぎです」
フェリシー先生の注文は本当に難しい。
私が四苦八苦していると、
「本当にどうしようもないな」
笑ってアホリックが言ってくれるんだけど、
「エーリックさん。あなたは頭が10度も違いますよ。もっと上に上げて」
「えっ、いや、頭の角度なんて、そんな細かいこと気にする必要はないでしょう」
エーリックが不満そうにブツブツ言うが、
「何か言いましたか?」
ギロリとフェリシー先生に睨みつけられて
「いえ、なんでも無いです」
慌てて首を振る。
こいつも、フェリシー先生に逆らうと、お説教の時間が倍になることにやっと気づいたのだ。
本当に気づくのが遅い。そんなのすぐに気付けよ!
私は言いたかった。
この一週間の補講は本当に最悪だったのだ。
いつもこいつが余計な一言を言うから、その度に、拘束時間が増えて、いつも夕食は食堂の開いているぎりぎりの時間になるし、そんな時間になると碌な物がもう残っていないのだ。
昨日は魚定食、それも鯵の干物にしか無かったんだけど。
メインディッシュが鯵の干物って何よ!
私は大声で叫びたい気分だった。
結局、今回のクラス対抗戦も、私の魔術の使用は禁止になった。
そして、メラニーがほくそ笑んでいたが、エーリックも禁止になってしまったのだ。
クラリスが反抗しようとして、フェリシー先生の一睨みで大人しくなった。
流石にクラリス、空気を読むのがうまい。
この馬鹿にも教えておいて欲しかった。
こいつが余計な事を言うたびに補講の時間が長くなって本当に最悪だった。
私の使用禁止は、また、グレース等が暗躍してくれたんだろう。
魔術を放ってこの補講の鬱憤を晴らしたかったのに!
「そんな事したら、また、訓練場が壊れるじゃない! あなた、学園の訓練場を3回も壊した令嬢として代々語り継がれることになるのよ!」
メラニーが言ってくれるんだけど、もう、2回も3回も同じじゃない?
普通はやっても1回なのだ。
それを2回もやるなんて!
悪いのはエーリックなのに。
なんで私のせいになるのよ!
そう言うと、普通は1回もやろうとしても壊せないはずなのに……
オリーブに呆れられていた。
オリーブも言うこと言うようになってくれたじゃない!
この前は訳の解らない私の本を出してくれるし……。
ムカムカしていた私はいつもなら笑って許せることも許せない気分になっていたのだ。
メラニーに、「折角アドが補講をなくしてくれたのに!」
私が文句を言うと、
「良いじゃない。対抗馬の一年A組のエーリックが魔術を使えなくなったんだから。
我々が勝てる可能性が上がったのよ」
ってメラニーは得意げに言うんだけど、一緒に補講受けさせられている私はどうなるのよ!
絶対にメラニーにハメられた。
私は恨みがましい目でメラニーを睨んだのに、メラニーはどこ吹く風だった……
しかし、その補講もやっと今日で終わりだ。
私はホッとしていた。
後、残り1日だ。今日さえ我慢できれば良いのだ。
私は自分に言い聞かせていたのだ。絶対に何があっても我慢しろと。
そう考えている時だ。フェリシー先生が、他の先生に呼ばれて少しだけ席を離してくれた。
私はホッとした。
「本当に、どこかの誰かのせいで、最悪だわ」
私がボソリというと
「何だと、破壊女。俺こそ貴様のせいでこんな補講受けさせられて、最悪なんだぞ」
「元はと言えばあんたが攻撃してきたからでしょう。訓練場を壊したのはあんたなんだから、私を巻き込まずに、一人で補講受けなさいよ」
「何言っているんだ、破壊女。貴様が礼儀作法がなっていないから礼儀作法の補講になったんだろうが」
「何言っているのよ。あんたの方が礼儀作法が出来ていないじゃない。あんたの母も私に注意する前に、実の息子にちゃんと礼儀作法くらい教えておきなさいよね」
「な、何だと、黙って聞いていれば、好きなこと言ってくれやがって。今度こそ燃やしてやろうか?」
「やるの!」
私は相当気が立っていたのだ。
「やるか」
エーリックが叫んで、睨み合った時だ。
「何してるんですか!」
フェリシー先生の大声が教室中に響き渡った。
「「えっ」」
私達が固まってそちらを見ると怒髪天のフェリシー先生が扉を開けて仁王立ちで立っていた。
「折角反省したのなら、早く終わってあげようと思っていたのに、あなた達はそういう気はないようですね」
フェリシー先生はニコリと笑ったのだ。
いや、違う。目は笑っていない。
「先生。ありがとうございます。ではこれで」
エーリックが立ち上がろうとした。
「何をしているのですか。エーリックさん」
静かにフェリシー先生は言うが、まさに嵐の前の静けさだった。
「えっ、先生が早く終わってくれるって」
「それは私の心をくんで、お互いに礼儀作法の中にも、お互いを思いやる心を持てた場合です。いがみ合っている貴方がたはまだまだ修行が足りません。私はいまので実感しました」
フェリシー先生が宣告してくれた。
「いや、先生。今のは冗談です。そうよね。エーリックさん」
私は引きつった顔でエーリックに振った。
「えっ、ああ、そうですよ。先生」
少しぎこちなくエーリックが返してきた。
おい、折角ひとが折れているんだからすぐに反応しろよ!
私が思った時だ。
「何言っているんです。全く信用なりません。あなた達は後一週間じっくりと補講を受けてもらいます」
「えっ」
「そんな」
私達は絶句した。
なんでこうなる! 本当にボケリックにせいだ!
馬鹿野郎!
私はこころの中で悪態をついたのだった。
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恨み辛みがドンドン溜まって行くフランでした。
次話は対抗戦に向けてついに動き出します。
今年は勝てるのか?
今夜更新予定です
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