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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
プロローグ 大公視点 三百年前の恨みを晴らすときが来ました
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「父上。エルグランに行く準備は整いました」
息子のエーリックがさっそうと私の執務室に入ってきた。
「そうか、ついにこの時が来たのだな」
私は感無量だった。
私はゲオルク・シュタイン、シュタイン公国の大公だ。我がシュタイン家は古の古代帝国では公爵家を拝命していた。最盛期の我が家の領地は現エルグラン王国の過半を占めていたのだ。
古代帝国ではエルグラン王国の前王家は子爵家だったし、更に言うならば、今のエルグラン王家など、その時は存在さえしていなかったのだ。
帝国が分裂して力が無くなった今では、わが家はエルグランの北で公国として細々と生き残っているに過ぎない。本当に悔しい事だ。
しかし、三百年前のエルグランの騒乱の時は後少しで古の領地を取り戻せそうになったのだ。エルグラン国王から援軍要請にわが家を中心とした大軍を率いて我が祖先は向かったのだ。
ルブランめが邪魔さえしてくれなければ成功していただろう。
万難を排してエルグランの地に向かった我が先祖はそこに居たルブランの奴のせいで完膚なきまでに叩き潰されたのだ。先祖は命からがら領地に帰り着いたという。
その時の敗戦で、わがシュタイン公国の領土は更に十分の一にまで減らされて何とか生き残ったのだ。
以来三百年、わが家は必死にこの屈辱に耐えてきた。
でも、やっとその屈辱を晴らす時が来たのだ。
元々古代帝国は魔力で世界を支配していた。当然その公爵家であった我が家も元々魔力の多い家柄だった。しかし、年月が経ち、その血が薄まってはいた。しかし、その当時でも、我が先祖の魔力は結構大きかったはずなのだ。それでもルブランの蛮勇の前には手も足も出なかったという。
奴らと対抗するには何としても魔力の強い者がいる。我が家はこの300年、ただ、無為に過ごしてきたわけではない。魔力の強い血を取り込んできたのだ。私の母は先祖を辿ると古代帝国で何人もの大魔術師を輩出した侯爵家の家柄で、我が妻の父は北にある帝国の元魔術師団長だった。私も妻も魔力は多いのだ。その二人から生まれた子供達は魔力が大きかった。特に我が息子のエーリックは古代帝国で生まれても大魔術師になれるほどの力を持っていたのだ。
窓の外を見ると大きなファドーツ湖が眼前に広がっていた。
そして、その対岸にはエルグランの広大な大地が横たわっていた。
今までこの景色を見てどれほど屈辱を感じたろうか。
しかし、やっと300年の屈辱を晴らす時が来たのだ。
そう思うとこれまでの苦労が報われるというものだ。
「ついにその時が来たのだな」
私は息子を見て感慨にふけっていた。
その時だ。
「お、お待ち下さい」
衛兵の静止する声を振り切って
ダンッ
と言う大きな音ともに扉が開いたのだ。
「閣下、エルグランと事を構えるなど正気の沙汰とは思えません。何卒おやめ下さい」
そこに血相を変えた宰相が飛び込んできたのだ。
また、此奴か。私はつくづく呆れた。
この二十年間。ずっと準備してきたのだ。今更辞める訳にはいかないではないか
「ロッテ宰相。断りもなしに入ってくるなど、無礼ではありませんか」
私の親衛隊長のブレゲンツが咎め立てた。
「今はそれどころではないわ。閣下、エルグランは大国ですぞ。それと事を構えるなど、気でも狂われたか」
「宰相こそ、閣下になんと言うことを言われるのですか」
「そうだ。ロッテ、貴様エルグランから金でももらっているのか」
息子のエーリックは辛辣だ。
「何を言われるのです。エーリック様やマドレーヌ様が如何に魔術に秀ておられても高々お二人ではないですか。エルグランには魔術に秀た者だけ集めた魔術師団もあるのですぞ。それにアルメリア王国を征伐した破壊女もおります。お二人の力がいくら秀ていようとも多勢に無勢です。危険なことはお辞め下さい」
そう宰相が叫んだ瞬間、息子の手から閃光が走った。
それは一瞬で宰相を襲いボロ雑巾のように吹き飛ばした。
「エーリック!」
私は思わずやりすぎだと叫んでいた。
「大丈夫ですよ。父上。命まで取っていません」
息子はニヤリと酷薄な笑みを浮かべて言い切った。
「それなら良いが」
「牢屋にでも繋いでおけ」
息子は衛兵に命じるとすくっと立ち上がった。
「エルグランの破壊女もこのように始末してやりますよ」
息子は冷酷な笑みを浮かべて言い切ったのだ。
私はその性格が酷薄すぎるような気もしたが、この非常時にはやむを得まいと心の奥底から思おうとしたのだ。
何しろこの三百年間のシュタイン家の悲願を成すべき時が来たのだから。
*******************************************************
ついにフランの前に強敵出現?
ちょうど桜の散る頃、1年生……
ということで待ちに待ったフランの2年生ライフの開始は今夜から始まります。
何故か新入生よりも先輩になるのが嬉しいフランの登場です。
皆様の応援のお陰でレジーナブックスから書籍化していただくことが決まりました。
本当に皆様のおかげです。感謝の言葉もありません。
息子のエーリックがさっそうと私の執務室に入ってきた。
「そうか、ついにこの時が来たのだな」
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私はゲオルク・シュタイン、シュタイン公国の大公だ。我がシュタイン家は古の古代帝国では公爵家を拝命していた。最盛期の我が家の領地は現エルグラン王国の過半を占めていたのだ。
古代帝国ではエルグラン王国の前王家は子爵家だったし、更に言うならば、今のエルグラン王家など、その時は存在さえしていなかったのだ。
帝国が分裂して力が無くなった今では、わが家はエルグランの北で公国として細々と生き残っているに過ぎない。本当に悔しい事だ。
しかし、三百年前のエルグランの騒乱の時は後少しで古の領地を取り戻せそうになったのだ。エルグラン国王から援軍要請にわが家を中心とした大軍を率いて我が祖先は向かったのだ。
ルブランめが邪魔さえしてくれなければ成功していただろう。
万難を排してエルグランの地に向かった我が先祖はそこに居たルブランの奴のせいで完膚なきまでに叩き潰されたのだ。先祖は命からがら領地に帰り着いたという。
その時の敗戦で、わがシュタイン公国の領土は更に十分の一にまで減らされて何とか生き残ったのだ。
以来三百年、わが家は必死にこの屈辱に耐えてきた。
でも、やっとその屈辱を晴らす時が来たのだ。
元々古代帝国は魔力で世界を支配していた。当然その公爵家であった我が家も元々魔力の多い家柄だった。しかし、年月が経ち、その血が薄まってはいた。しかし、その当時でも、我が先祖の魔力は結構大きかったはずなのだ。それでもルブランの蛮勇の前には手も足も出なかったという。
奴らと対抗するには何としても魔力の強い者がいる。我が家はこの300年、ただ、無為に過ごしてきたわけではない。魔力の強い血を取り込んできたのだ。私の母は先祖を辿ると古代帝国で何人もの大魔術師を輩出した侯爵家の家柄で、我が妻の父は北にある帝国の元魔術師団長だった。私も妻も魔力は多いのだ。その二人から生まれた子供達は魔力が大きかった。特に我が息子のエーリックは古代帝国で生まれても大魔術師になれるほどの力を持っていたのだ。
窓の外を見ると大きなファドーツ湖が眼前に広がっていた。
そして、その対岸にはエルグランの広大な大地が横たわっていた。
今までこの景色を見てどれほど屈辱を感じたろうか。
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息子のエーリックは辛辣だ。
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そう宰相が叫んだ瞬間、息子の手から閃光が走った。
それは一瞬で宰相を襲いボロ雑巾のように吹き飛ばした。
「エーリック!」
私は思わずやりすぎだと叫んでいた。
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息子はニヤリと酷薄な笑みを浮かべて言い切った。
「それなら良いが」
「牢屋にでも繋いでおけ」
息子は衛兵に命じるとすくっと立ち上がった。
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息子は冷酷な笑みを浮かべて言い切ったのだ。
私はその性格が酷薄すぎるような気もしたが、この非常時にはやむを得まいと心の奥底から思おうとしたのだ。
何しろこの三百年間のシュタイン家の悲願を成すべき時が来たのだから。
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