悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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第三部 ルートン王国交換留学編

アルメリア王国影視点 海の向こうの公爵令嬢を殺すように命じられました

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ここまで読んで頂いて有難うございます。
物語はここからラストまで怒涛の如く突き進んでいく予定です。

お忙しい中お気に入り登録、感想等していただいた方、本当に有難うございます。

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俺はアルメリア王に忠誠を誓う影、すなわち、極秘に諜報や暗殺をやる部門の長だ。

現国王のイエクラ様は元々アルメリア王国の宰相で、我が家は代々イエクラ家に影としてお仕えしていた。
当時の国王は無策で贅沢三昧、商会から依頼された海賊対策も碌に出来なかった。そんな中、政治力と各部門の調整力と指導力のある宰相のイエクラ様に人望が集まるのは当然の帰結だった。

そして、俺はイエクラ様に命じられて国王に毒をもったのだ。


側近共は騒ぎ立てたが、証拠は残らないようにしてあった。

それを機に、一気にイエクラ様は海賊と組んでクーデターを起こして、アルメリア王国を乗っ取られたのだ。

それから15年。イエクラ様は恐怖政治を敷かれて、アルメリア王国を掌握された。

それには俺も大いに関わったのだ。

王族や反対派は我々が調べて次々に容疑を暴き、あるいは捏造し、絞首刑台に送って行った。

残っていた反対派の粗方は処分した。

唯一逃したのは国王の息子の第二王子だった。
第二王子は隣国ルートン王国に亡命し、トルトサ伯爵として生き永らえた。

なあに、そんなどうしようもない王子など、ほっておいてもいいとは思ったのだが、国にある反対派は今でも王子を担ぎ出そうと暗躍しているみたいだ。

まあ、皆の不満のはけ口に反対派を多少は残しておいたが、それが最近は少し力を持ち出したらしい。

イエクラ様は、その面々が事を起こしてそれを一網打尽にするために、ルートン王国に元王族を引き渡すように圧力をかけられたのだ。

まあ、ルートンとしてはそのようなことは到底飲めまい。

なにしろ、現在、第一王子の婚約者が元王族の第二王子の娘でもあるのだ。

しかし、我がアルメリア王国が引き渡しを要求することによって、親アルメリア王国派の貴族共が暗躍していくれて、その婚約を破棄させるのも可能だと踏んだのだ。

そして、我がアルメリア王国の王子の嫁にルートン王国の王女を迎えて、半ば人質にしてルートン進出への足がかりを掴もうとしたのだ。


しかし、そこに、何故か、海の向こうのエルグラン王国が邪魔してきたのだ。

ルブラン公爵家の小娘が、襲いかかった我が海賊の赤髪のジャックを逆に捕まえてしまったのだ。

何をしていたのだ、ジャックは? 馬鹿なのか?

高々16の小娘に捕まるなど、余程油断をしたに違いない。

そうか娘の色香に惑わされたのか?

あいつは女と見ると見境なく襲っていたから、油断してしまったのだろう!

それにルートン側が何をトチ狂ったか、その小娘を王太子の婚約者にして後ろ盾にエルグランのルブラン家を当てようと画策しだしたのだ。

まあ、ルブラン家は陸の上ではそこそこ名が通っているが、海の上では大したことがなかろうに、ルートンも本当に浅はかだ。

これも全ては襲撃に失敗したジャックが悪い。

その浅はかさを思い知らせるために、我が国の協力貴族のコフレンテスにその令嬢を捕まえるように指示したのだ。

しかしだ。あろうことか、コフレンテスもまた、返り討ちに合ってしまった。

本当にコフレンテスも馬鹿だ。

たかだか16の小娘だと、赤髪のジャックのように油断したのだろう。

二度も失敗して、我がアルメリア王国のメンツが丸つぶれになったのだ。

イエクラ様はその邪魔な小娘を見せしめのために、殺すように指示が来た。

今度は、他人任せでなく、確実に仕留めるために影の長の俺自ら当たることにしたのだ。

暗殺を防ぐというのはとても難しいものなのだ。相当な手練でも、暗殺を100%防ぐのは無理だ。

粋がった小娘など、一瞬で終わるだろう。

我がアルメリア王国に敵対したのがその小娘の運の尽きだ。

大人しくしていればもう少し長生きできただろうに。

この時期に、小娘らの学園は演劇などというふざけたものをやるそうで、その最中に惨殺すれば、丁度良い見せしめになるだろう。

貴族達の多くが見ている前で串刺しにしてやるのだ。

学園の演劇の最中に小娘を惨殺すれば、貴族共は我がアルメリア王国に怖気づいて、従わせやすくなるだろう。

俺はどうやって殺したら効果的なのか、その劇のシナリオを協力者に命じて取り寄せてみたのだ。

こんな舞台の上で多くの人が観劇している時に殺すなど、大した手間もかかるまい。

ルブランの小娘はこれで終わりだ。

皆の前で惨殺されて、我がアルメリアの恐怖の宣伝になってくれれば、言うことはないだろう。

これに恐れをなして、我がアルメリア王国に従えば良し、従わねば更に攻撃を強めるだけだ。

俺はこの任務は簡単に片付くと思っていた。

ルブランの小娘の力など、噂ほどではないと高を括っていたのだ。
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この次の作品はこちら
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