悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
上 下
129 / 309
第三部 ルートン王国交換留学編

劇の練習していたら、お邪魔3トリオが私の恥ずかしい本がベストセラーになっていると知らせてくれました

しおりを挟む
「アルマン様。私はもう、フラン様が怖くてたまりません」
「イネス、判った。私もフランは恐ろしいが、もう我慢できない。明日のパーティーでフランを断罪しよう」
「本当ですか? アルマン様」
「ああ、約束する。必ずや、今までのフランの罪を審らかに白日のもとに晒して、あの悪役令嬢を断罪しよう」
「嬉しい、アルマン様」
アルマンとイネスが抱き合った時だ。

「オッホッホッホッホッ。こんなところでコソコソ逢引して、何の良からぬ計画を練っていらっしゃるのかしら?」
そこに大笑いをして取り巻き令嬢をたくさん連れた私が登場したのだ。

「フラン様!」
「フラン! 私達はコソコソ会ってなどおらんわ。貴様こそ人の話を盗み聞きをするとはなんとも下品なことだな」
「なんとでもおっしゃって下さい! 私を断罪するなど、出来るならばやってもらいましょう」
そう私が高らかに宣言した時だ。

ダンッ
と、教室の扉が大きく開け放たれたのだ。

「ちょっと、フラン、これはどう言うことよ!」
「今日という今日は許さないわ!」
「このピンク伯爵って何よ。名前くらいまともに付けなさいよ!」
そこにはこの国の王女のシルビアと我が国の公爵令嬢のグレース、そしてピンク頭と今日は珍しく3人共揃った、ガスペルがつけたあだ名のお邪魔トリオが乱入してきたのだ。

「ああああら、あなた達も平民イネスの味方がしたくて来たの?」
私は劇中のそのままの気分で言ってしまったのだ。

「何しょうもないことを言っているのよ」
「この本のことについてに決まっているでしょ」
「著者のブーリオ・ノルアって、あんたの偽名でしょう」
また3人揃っていってくれるんだけど、今度は私もその本を見て、三人の慌てぶりを大らかに笑っている余裕はなかった。

「な、何よ! この『王太子アドは薔薇の魔術師フランを熱愛する』って本は! そもそもこの二人の絵ってどう見ても私とアドじゃない!」
私はこのまえの映像だけで、切れていたのに、またこの小っ恥ずかしい話が今度は本になっているんだけど、どう言うことよ!

「オーレリアン! これは一体全体どう言う事?」
私は一番知っていそうなオーレリアンに叫んでいた。

「さあ、私は何も。殿下が本国から送ってこられて勝手に本屋の配本に載せられただけかと」
オーレリアンがとぼけるんだけど、絶対に嘘だ。

「ああ、この本って、今やこの国のベストセラーなのよ。やっぱりこの本のヒロインってフランの事よね」
本屋の娘のバネッサが言ってくれるんだけど……

「だと思ったんだ。だってこの本の絵はどう見てもフランとアドルフ殿下よね」
テオドラがそう言うし、

「隣国の留学生で王太子のフェルがフランに恋したり、隣国の留学生のシルピー王女や公爵令嬢のグレス、聖女でピンク伯爵家のロスがアドに横恋慕して二人の仲を邪魔しようとするんだけど、二人は熱く結ばれるって話はとても素敵だったわ」
ジュセニアが熱く手を握って言ってくるんだけど。

「フェルって王太子殿下のことよね」
「じゃあ、シルピー王女ってシルビアの事で、公爵令嬢のグレースにピンク頭のローズって事なんだ」
私が三人を指さして言うと、

「フラン、あなた、元々知っているくせに、今知ったみたいにしらばっくれて!」
「絶対にこの話はフランが書いたに違いないわ」
「殿下、フランにはこのような話を書く頭は持ち合わせていないかと」
「あっ、そうだったわね」
「頭が残念だものね」
3人は何か好きなことをいつてくれるんだけど。

「あなた方には頭についてとやかく言われたくないわ」
私が叫んでいた。この3人、何を他人事のように言ってくれるのだ。特に学年最下位のピンク頭には言われたくない。一応エルグランでの私の成績順位は10位だった。

グレースには負けていたが、それは全てあのフェリシー先生の礼儀作法の授業が悪いのだ。あれさえなければ絶対にグレースには勝てるのに!

「でも、じゃあ、こんな私達を馬鹿にした話は誰が書いたのよ」
シルビアが皆を見回した。

「どのみちアドが適当に書いたんじゃ無いの?」
私が言うと

「何故、殿下は私が12歳までオネショをしていたのを知っているのよ」
ピンク頭が大声で言うんだけど。

「あんた12歳までおねしょしていたんだ」
私が言うと

「違うわよ。本の中の私よ。私がそんな事するわけ無いでしょ」
必死にピンク頭は言いはるんだけど、皆、ピンク頭がおねしょしていたのを確信したのだ。

「でも、何か私の変なエピソードが多いのよね」
「じゃあ、これ書いた人は1人しかいないんじゃない?」
メラニーが言い出したんだけど。

「何、まさかあなただって言うの?」
ピンク頭がメラニーに突っ込んでくるんだけど。

「私はあなたが12歳までおねしょしていたのは、今はじめて知ったわよ」
「違う、私はそんな年までオネショはしていない。11歳までよ」
何か全然変わらないことを言っているんだけど。

「名前を反対から読めば判るんじゃない?」
メラニーが変なことを言うんだけど。

「アルノ・オリーブ?」
「判った。あんたと幼なじみのオリーブ・アルノーじゃない。だからあんたが12歳までおねしょしていたのを知っていたんだ」
私が言うと

「おのれオリーブめ。良くもこんな小っ恥ずかしていことを書いてくれたわね」
両手を震わせてピンク頭が言った。
「本当よね。許さないわ」
今日は私も同意見だった。

「なんであなたが文句をいうのよ。完璧なヒロインなのに」
ピンク頭が文句を言うんだけど。

「どこが完璧ヒロインなんだよ。読む限り脳筋だし、単細胞だし、抜けているし、フランそっくりじゃんか」
アルマンはつぶやいた。彼は私が隣りにいる事を忘れていたみたいだ。

そして、つぎの瞬間、思いっきり私に足を踏まれて悲鳴を挙げていたのだった。
しおりを挟む
script?guid=onここまで読んでいただいてありがとうございます。
この次の作品はこちら
『天使な息子にこの命捧げます』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/22857933



「次にくるライトノベル大賞2023」

に私の下記の本がノミネートされました
なんと5つ目に
それを記念して『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』王子様に執着された無敵少女、魔王も怖くないが王妃様は苦手です』絶賛更新中
このお話【書籍化】!
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスのページに飛びます。



感想 334

あなたにおすすめの小説

私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか

あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。 「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」 突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。 すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。 オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……? 最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意! 「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」 さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は? ◆小説家になろう様でも掲載中◆ →短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。 レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。 【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。 そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】

契約破棄された聖女は帰りますけど

基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」 「…かしこまりました」 王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。 では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。 「…何故理由を聞かない」 ※短編(勢い)

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

王命により泣く泣く婚約させられましたが、婚約破棄されたので喜んで出て行きます。

十条沙良
恋愛
「僕にはお前など必要ない。婚約破棄だ。」と、怒鳴られました。国は滅んだ。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。