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第三部 ルートン王国交換留学編
ソニア視点 大好きな王太子に振られてしまいました
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私はソニア・トルトサ、トルトサ伯爵家の長女だ。
そして、伯爵家でありながら、私の婚約者はこの国の王太子殿下だった。
その理由は我が家の出自が、元々アルメリア王国の王家の血筋だったからなのだが、当時の国王陛下は、国を追われた我が家の事を憐れまれて、今の由緒正しき伯爵家を与えられて、生まれたばかりの私を孫の婚約者にして頂けたのだ。
元王家の婚約者など、現アルメリア王家からは睨まれるし、何の力もないから王太子の婚約者になんかしても仕方がないのに。前国王陛下はお優しい方で、貴族たちの反対を押し切ってそうして頂けたのだ。
しかし、前国王陛下が元気なうちは良かったが、亡くなられた後は、私の立場はとても弱いものになってしまった。
同い年のシルビア殿下は私と親しくして頂けるのだが、周りの取り巻きの方々からは白い目で見られている。
「あなたなんかが、何故王太子殿下の婚約者でいるの?」
令嬢にこう言われたことも一度や二度ではない。
「あなたと婚約していることで新アルメリア王国から我が国に対する風当たりが強くなっているんだけど、どうしてくれるのよ」
とまで言われたこともある。
お兄様に
「私はフェリペ様の婚約者を辞退した方が良いのでは」
そう言ったこともある。
でも、兄はその度に、
「フェリペ殿下はお前を気にいっているし、お前が婚約者でいることで、アルメリア王国に残った多くの民が救われているのだよ」
お兄様はそう言ってくれるんだけど、果たして残った民の中の少しの者でも、私達のことを覚えてくれているんだろうか?
私には疑問だった。
王妃教育も最近は富みに厳しくなって、王妃様から叱責されることも多くなっていた。
私にとっては今の位置は針のむしろだった。
でも、そんな私にフェリペ殿下は優しく接してくれていたのだ。
一週間に一度の殿下とのお茶会が私の唯一の救いだった。
そんな時だ。エルグランへの留学生への付添の話が来たのは。
留学生と行動を共にしてエルグランまで送り届けるのが仕事だった。
当初はフェリペ殿下と一緒に行く予定だったが、急遽殿下は予定が入ってしまって、私だけで行くことになったのだ。もっとも外交官の方とか一行は五十人以上のメンバーがいたが。
現地で歓迎された私は、ルートンの始業式があるので、早めに商船に乗って帰ることにしたのだ。
まさかその商船が海賊に襲われるとは思ってもいなかった。
海賊たちに商船では対抗できずに、私の騎士達も殺されてしまった。
私は侍女の一人として身分を偽って捕まったのだ。
私は蒼白になっていた。
こんなことなら、始業式に間に合わなくても、一行と一緒に帰ってくれば良かった。海賊に捕まったら奴隷として売られるかもしれない。
最悪貞操も奪われてしまうだろう。
海賊共はいやらしい視線で私を見てくるし、私はもう震えているくらいしか出来なかった。
そんな時だ。フランソワーズ嬢が乗り込んできたのは。
私は新手の海賊かと思わず疑ってしまったが、それくらい型破りな令嬢だった。
彼女はほとんど1人で海賊を捕まえてしまったのだ。
こんな凄い戦士がいるんだ。私は感激していた。
後で知ったのだが、彼女は私と同じ貴族の令嬢だったのだ。これが同じ貴族令嬢だとは到底思えなかった。さすが、呪いの剣を残していくルブラン公爵の令嬢だと思った。
そして、この強力な令嬢が、海の向こうのエルグラン王国の王太子の婚約者なのだ。何の力もない私と違って、存在自体が強烈だった。そして、その後ろ盾の家は他国にまで名の響いたルブラン公爵家なのだ。滅び去った王国の元王女である私と比べるとなんて違いがあるんだろう。
私はとてもみじめな気分になった。
私は船に乗っていたたまたま知り合いの船員に身分を偽って助けてもらった。
私が海賊に捕まっていたなんて知られたら、貞操を奪われたとして絶対に王太子との婚約が破棄されてしまう。
私は平民だと偽って、満足にお礼も言えずにフランソワ嬢と別れたのだ。
元々海賊に捕まった時に変装して髪の色や形は変えていたのだ。学園で会っても彼女は私が助けた令嬢だとは気付いていなかった。
私はほっとした。
幸いなことに何故かクラスは別だ。
彼女は公爵令嬢なのに一番下のEクラスにいたのだ。これで会う機会は減ったし、後はできる限り彼女と会わなければ、誤魔化せるだろうと私は思ってしまったのだ。
それが悪かったのだろう。彼女には素直に全て話して黙ってもらっていればよかったのだ。
正直に話さなかったから、私に天罰が下ったのだ。
まず、殿下との仲がギクシャクしてきた。何かと理由をつけて週に一回のお茶会が無くなったのだ。
そして、頻繁にフランソワーズ嬢に話しかける殿下を見るようになった。
その上、それを咎めに行ったシルビア殿下と共に彼女の水魔術の攻撃を受けることになったのだ。
それによって私は腕を骨折してしまったのだ。
本当に天罰だと思う。骨折自体はすぐに同じクラスの聖女様が治して頂けた。
「あなたとは、どこかで会ったっけ?」
聖女様が聞いてきた。
「いえ、そのような事は無いかと」
私は慌てて否定した。そういえばこの子も同じ船に乗っていたのだ。でも、この子に知られるわけにはいかない。この子は男とみれば見境なしに声をかけているような子なのだ。私が海賊に攫われていたなんて知られたら、絶対にそれを利用して殿下に近づくはずだ。
「まあ、そんな事はどうでもいいわ。本当にあなたも災難よね。フランには気をつけなさいよ。あの子は根に持つからね。私がアドルフ様に声かけたからって、どんな悲惨な目にあわされたか。あの子はあなたが王太子殿下の婚約者だというのが気に食わないのよ。なんでも一番にならないと気が済まないんだから」
聖女様は私に同情した様に言ってくれた。
「いざとなったら、相談してね。私の友人のグレースはあの子のルブラン公爵家にも遠慮しないラクロワ公爵家の令嬢だから」
「そうよ。今回の件もフェリシー先生にははっきりと報告しておいたから」
二人は言ってくれるんだけど、その目が怖いのだ。この二人も危険だ。私が海賊に捕まったと知ったら、今度は殿下にそれをネタに近寄らないはずはなかった。
私は二人からも出来る限り離れようと思ったのだ。
そして、本当のことがバレるのが怖くて、謝りに来てくれたフランソワーズ嬢には会えなかった。
本来ならば、全て話してお礼を言わなければならなかったのだ。
それを怠ったばかりに、私はさらに酷い現実を突きつけられる事になるのだ。
平民食堂の前を通ったのは偶然だった。そこからシルビア殿下の声が聞こえたのだ。
そして、入った食堂で、フランソワーズ嬢が殿下から、最近流行りでプロポーズの時によく男から渡す赤い十二本の薔薇を渡されたのを知ったのだった。
私は天罰が下ったのだと思い知らされた。神様は必ず、私達の行動を見ておられるのだ。
私はその場を走って後にすると、宛もなくそのままふらふらと彷徨した。
図書館のその場所に来たのはたまたまだった。よくここで殿下と勉強したことを思い出していた。
「殿下、どういう事です。フランソワーズ嬢にバラの花束を渡したそうじゃないですか」
そこには殿下とシルビア殿下の婚約者候補のクラウディオ様がいたのだ。
「単なるプレゼントだ。会ってもくれないから贈り物だけでもと思ったのだが」
「あなたは、婚約者のソニア嬢はどうするんです」
「何言うんだ! 俺もソニアといっしょにいたいよ。お前らみたいにな」
殿下はそうきつく言ってくれた。
でも、これは……
「じゃあ、そうしたら良いじゃないですか?」
「お前は能天気だな」
「なんですって!」
殿下の言葉にクラウディオ様は切れていたが、
「父も母もお前の父もだ。会う度に、国のために、フランソワーズ嬢と一緒になれって言われるんだぞ」
「陛下や、我が父までがそんな事を」
クラウディオ様はショックを受けたみたいだった。
「そうだ。俺もソニアと一緒にいたい。でも、誰もそれを望んでいないんだ」
私はその言葉を聞いて唖然とした。
そうだ。私は何もかも彼女に勝てないのだ。そして、後ろ盾も何もない私は殿下の隣にいてはならないのだ。
どうやって自分の部屋に帰ったか判らなかった。
そして、私はその日から三日間高熱を出して寝込んでしまったのだ。
そして、伯爵家でありながら、私の婚約者はこの国の王太子殿下だった。
その理由は我が家の出自が、元々アルメリア王国の王家の血筋だったからなのだが、当時の国王陛下は、国を追われた我が家の事を憐れまれて、今の由緒正しき伯爵家を与えられて、生まれたばかりの私を孫の婚約者にして頂けたのだ。
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同い年のシルビア殿下は私と親しくして頂けるのだが、周りの取り巻きの方々からは白い目で見られている。
「あなたなんかが、何故王太子殿下の婚約者でいるの?」
令嬢にこう言われたことも一度や二度ではない。
「あなたと婚約していることで新アルメリア王国から我が国に対する風当たりが強くなっているんだけど、どうしてくれるのよ」
とまで言われたこともある。
お兄様に
「私はフェリペ様の婚約者を辞退した方が良いのでは」
そう言ったこともある。
でも、兄はその度に、
「フェリペ殿下はお前を気にいっているし、お前が婚約者でいることで、アルメリア王国に残った多くの民が救われているのだよ」
お兄様はそう言ってくれるんだけど、果たして残った民の中の少しの者でも、私達のことを覚えてくれているんだろうか?
私には疑問だった。
王妃教育も最近は富みに厳しくなって、王妃様から叱責されることも多くなっていた。
私にとっては今の位置は針のむしろだった。
でも、そんな私にフェリペ殿下は優しく接してくれていたのだ。
一週間に一度の殿下とのお茶会が私の唯一の救いだった。
そんな時だ。エルグランへの留学生への付添の話が来たのは。
留学生と行動を共にしてエルグランまで送り届けるのが仕事だった。
当初はフェリペ殿下と一緒に行く予定だったが、急遽殿下は予定が入ってしまって、私だけで行くことになったのだ。もっとも外交官の方とか一行は五十人以上のメンバーがいたが。
現地で歓迎された私は、ルートンの始業式があるので、早めに商船に乗って帰ることにしたのだ。
まさかその商船が海賊に襲われるとは思ってもいなかった。
海賊たちに商船では対抗できずに、私の騎士達も殺されてしまった。
私は侍女の一人として身分を偽って捕まったのだ。
私は蒼白になっていた。
こんなことなら、始業式に間に合わなくても、一行と一緒に帰ってくれば良かった。海賊に捕まったら奴隷として売られるかもしれない。
最悪貞操も奪われてしまうだろう。
海賊共はいやらしい視線で私を見てくるし、私はもう震えているくらいしか出来なかった。
そんな時だ。フランソワーズ嬢が乗り込んできたのは。
私は新手の海賊かと思わず疑ってしまったが、それくらい型破りな令嬢だった。
彼女はほとんど1人で海賊を捕まえてしまったのだ。
こんな凄い戦士がいるんだ。私は感激していた。
後で知ったのだが、彼女は私と同じ貴族の令嬢だったのだ。これが同じ貴族令嬢だとは到底思えなかった。さすが、呪いの剣を残していくルブラン公爵の令嬢だと思った。
そして、この強力な令嬢が、海の向こうのエルグラン王国の王太子の婚約者なのだ。何の力もない私と違って、存在自体が強烈だった。そして、その後ろ盾の家は他国にまで名の響いたルブラン公爵家なのだ。滅び去った王国の元王女である私と比べるとなんて違いがあるんだろう。
私はとてもみじめな気分になった。
私は船に乗っていたたまたま知り合いの船員に身分を偽って助けてもらった。
私が海賊に捕まっていたなんて知られたら、貞操を奪われたとして絶対に王太子との婚約が破棄されてしまう。
私は平民だと偽って、満足にお礼も言えずにフランソワ嬢と別れたのだ。
元々海賊に捕まった時に変装して髪の色や形は変えていたのだ。学園で会っても彼女は私が助けた令嬢だとは気付いていなかった。
私はほっとした。
幸いなことに何故かクラスは別だ。
彼女は公爵令嬢なのに一番下のEクラスにいたのだ。これで会う機会は減ったし、後はできる限り彼女と会わなければ、誤魔化せるだろうと私は思ってしまったのだ。
それが悪かったのだろう。彼女には素直に全て話して黙ってもらっていればよかったのだ。
正直に話さなかったから、私に天罰が下ったのだ。
まず、殿下との仲がギクシャクしてきた。何かと理由をつけて週に一回のお茶会が無くなったのだ。
そして、頻繁にフランソワーズ嬢に話しかける殿下を見るようになった。
その上、それを咎めに行ったシルビア殿下と共に彼女の水魔術の攻撃を受けることになったのだ。
それによって私は腕を骨折してしまったのだ。
本当に天罰だと思う。骨折自体はすぐに同じクラスの聖女様が治して頂けた。
「あなたとは、どこかで会ったっけ?」
聖女様が聞いてきた。
「いえ、そのような事は無いかと」
私は慌てて否定した。そういえばこの子も同じ船に乗っていたのだ。でも、この子に知られるわけにはいかない。この子は男とみれば見境なしに声をかけているような子なのだ。私が海賊に攫われていたなんて知られたら、絶対にそれを利用して殿下に近づくはずだ。
「まあ、そんな事はどうでもいいわ。本当にあなたも災難よね。フランには気をつけなさいよ。あの子は根に持つからね。私がアドルフ様に声かけたからって、どんな悲惨な目にあわされたか。あの子はあなたが王太子殿下の婚約者だというのが気に食わないのよ。なんでも一番にならないと気が済まないんだから」
聖女様は私に同情した様に言ってくれた。
「いざとなったら、相談してね。私の友人のグレースはあの子のルブラン公爵家にも遠慮しないラクロワ公爵家の令嬢だから」
「そうよ。今回の件もフェリシー先生にははっきりと報告しておいたから」
二人は言ってくれるんだけど、その目が怖いのだ。この二人も危険だ。私が海賊に捕まったと知ったら、今度は殿下にそれをネタに近寄らないはずはなかった。
私は二人からも出来る限り離れようと思ったのだ。
そして、本当のことがバレるのが怖くて、謝りに来てくれたフランソワーズ嬢には会えなかった。
本来ならば、全て話してお礼を言わなければならなかったのだ。
それを怠ったばかりに、私はさらに酷い現実を突きつけられる事になるのだ。
平民食堂の前を通ったのは偶然だった。そこからシルビア殿下の声が聞こえたのだ。
そして、入った食堂で、フランソワーズ嬢が殿下から、最近流行りでプロポーズの時によく男から渡す赤い十二本の薔薇を渡されたのを知ったのだった。
私は天罰が下ったのだと思い知らされた。神様は必ず、私達の行動を見ておられるのだ。
私はその場を走って後にすると、宛もなくそのままふらふらと彷徨した。
図書館のその場所に来たのはたまたまだった。よくここで殿下と勉強したことを思い出していた。
「殿下、どういう事です。フランソワーズ嬢にバラの花束を渡したそうじゃないですか」
そこには殿下とシルビア殿下の婚約者候補のクラウディオ様がいたのだ。
「単なるプレゼントだ。会ってもくれないから贈り物だけでもと思ったのだが」
「あなたは、婚約者のソニア嬢はどうするんです」
「何言うんだ! 俺もソニアといっしょにいたいよ。お前らみたいにな」
殿下はそうきつく言ってくれた。
でも、これは……
「じゃあ、そうしたら良いじゃないですか?」
「お前は能天気だな」
「なんですって!」
殿下の言葉にクラウディオ様は切れていたが、
「父も母もお前の父もだ。会う度に、国のために、フランソワーズ嬢と一緒になれって言われるんだぞ」
「陛下や、我が父までがそんな事を」
クラウディオ様はショックを受けたみたいだった。
「そうだ。俺もソニアと一緒にいたい。でも、誰もそれを望んでいないんだ」
私はその言葉を聞いて唖然とした。
そうだ。私は何もかも彼女に勝てないのだ。そして、後ろ盾も何もない私は殿下の隣にいてはならないのだ。
どうやって自分の部屋に帰ったか判らなかった。
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