悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
上 下
111 / 309
第三部 ルートン王国交換留学編

今度はならず者に友人が学園で襲われました

しおりを挟む
でも、その後が大変だった。

物音に驚いて、皆、飛んで来るし、扉を壊したことでフェリシー先生にはまた怒られるし。

フラビオは単なるいたずらでやったって言うけれど絶対に嘘だ。
ピンク頭かシルビアに示唆させてやったに違いない。

でも、何故、相手がベルナルドなんだろう? 確か彼は王太子と同じ三年生A組だ。王太子の婚約者の妹のソニアは一年A組で、フラビオと同じクラスだ。私たちの艶聞が広まったら自分のA組にも被害が出るはずだ。

「元アルメニアの王子様というのも気になるところよね」
「どういう事?」
私はメラニーがいう事に質問した。

「フランを嵌めようとした相手は今のアルメリア王国と繋がりのあると言われているコフレンテス商会の息子よ」
「コフレンテス商会って、この前の夜会で私に嫌味を言ってきてヴァンに撃退されたあいつか」
小太りの中年を私は思い出していた。

「そうか、あいつはアルメリア王国と繋がりがあるのね」
「フラン、それくらい常識よ。殿下のくれた資料にもそう書いてあったでしょ。あんたまた適当にしか見ていなかったでしょ」
「まあ、そのあたりの事はアドとあなたで何とかやってくれるかなと思っていて」
私が頭をかいて言うと、

「あなたね、未来の王妃になるんでしょ。もう少しちゃんとやりなさいよね。あの資料、殿下がまとめて頂いたもので要点しか書いてなかったわよ。それくらい読んでおきなさいよね」
「読むのは読んだわよ。まあ、でも、そういう所はアドの役目だから」
そう反論すると白い目で見返されてしまった。

「殿下、あれ書くのに半徹夜だったんですけど」
オーレリアンが言ってくれるんだけど。

そうだったんだ。私はあの夜会の前夜は緊張したとは言っても六時間は寝ていた。それを聞くと少しはアドに悪い気がしてきた。アドは記憶お化けだからあんな物は聞いただけで覚えられるそうだけど、私はそうはいかない。だから私のためにわざわざやる必要もないのに紙に書いてくれたのだ。それも半徹夜までして・・・・。

でも、待てよ、渡された紙は一枚だった。あんな紙書くのは、アドなら十分もかからず出来るはずだ。

私がその旨を言うと、

「すいません。練習だって言われて、原稿作ったのは私です」
オーレリアンが慌てて白状してきた。

「結局、殿下にダメだしされて、殿下が一からあっという間に書かれてしまって意味なかったんですけど」
オーレリアンが肩を落として下を向いた。

「オーレリアン、もっと努力しないとだめね」
私が呆れて言うと、
「読みもしないあんたに言われたら、いくら何でもオーレリアンが可哀そうよ」
メラニーが注意してくれるんだけど。

「読むのは読んだわよ。でも、海賊王国に興味はないって思っただけで」
「海賊王国って?」
私の言葉にアルマンが聞いてきた。

「アルメリア王国は十五年前に当時宰相だった今の国王が、海賊と組んで反逆して乗っ取った王国なのよ。だから海賊とつながりが深いって言われているわ」
メラニーが説明してくれた。

「そうか。それでアルメリアと繋がりの深い、コフレンテス商会がアルメリア王国にとって目の上のたんこぶの前王子様とアルメリアの子分の海賊を退治したフランを合わせて醜聞まみれにしようと画策したのか」
やっと判ってアルマンが言った。

「まあ、それもフランの怪力の前に瞬殺されたけど」
「ちょっとメラニー、怪力って、何よ! 怪力って。衝撃波は魔術だからね」
メラニーの言葉に私は反論した。

「まあ、フランの馬鹿力を理解しなかったフラビオが馬鹿なのよね。全治二週間の怪我だそうよ」
「そんなの大げさに言っているだけよ。ピンク頭が治療したらすぐに治るでしょう」
「まあ、ピンク頭も言ってたものね。『フラビオ様。世の中には近寄ってはいけない怪物がいるのです』って」
「あのピンク頭。次に会ったらただじゃあ済まさないんだから」
私はメラニーの言葉にキレ気味に言った。
「でも、その後にフラビオが言っていたぞ。『君がやれば面白いって言って・・・・』途中でピンク頭に口を塞がれていたけれど」
「どのみちピンク頭が余計な事を示唆したんでしょ」
私は次やったら、ピンク頭をどうするか頭の中でいろいろ考えた。


しかし、こんな事があった後だ。私はアルメリア側はこれでしばらく大人しくなると思ったのだ。


翌日の放課後、演劇の稽古の時間になっても、テオドラの姿が無かったのだ。
「ルフィナ。テオドラを知らない?」
イライラしたメラニーが聞いていた。

「大分前にトイレに行くって出ていきましたけど」
「ちょっと心配だから見に行ってくれる?」
「はい」
ルフィナとジュセニアが見に行ってくれた。

「テオドラも食い意地が張っているから食べ過ぎでお腹でも壊したのかな」
私が言うと

「あんたじゃないんだから、食い過ぎなんてことはないでしょ」
メラニーが言うんだけど。

「失礼ね。私は今まで食い過ぎでお腹痛なんてなったことないんだから」
私が自慢して言うと、
「そうよね。フランの胃は鋼鉄の胃だもんね。鍋をそのまま食べてもピンピンしているくらいだもんね」
「そんなわけないでしょ」
メラニーの言葉に私がムッとした。

「遅いわね」
「トイレに籠もっているんじゃない?」
私はまだ能天気だったのだ。


「トイレのどこを探してもテオドラはいないんですけど」
そこに扉が開いて、ルフィナが帰ってきた。

「気分悪くて保健室に行ったのかな?」
私がそう言った時だ。

「すみません」
空いた扉から、女の子が顔を覗かせた。

「フランソワーズ様」
「あなたは確か一年A組のソニア・トルトサさん?」
私の声に令嬢は頷いた。私と一緒にこの前嵌められそうになったベルナルドの妹のはずだ。
でも、それ以前に、どこかで見たことがあるような気がするんだけど、どこでだろう? すぐには判らなかった。

「あの、学園の中で怪しげな男の人達が、このクラスの女の子と一緒に歩いているのを見たんですけど」
おずおずとソニアは言ってくれた。

「な、なんですって!」
私は慌てて立ち上がった。
学園内は安全だと過信していた。
この学園は港に面していて砂浜もあり、侵入しようとすれば容易に入れそうなところは結構あるのだ。
「ちょっと、そこに案内して」
私はソニアを連れて慌てて部屋を飛び出したのだ。

しおりを挟む
script?guid=onここまで読んでいただいてありがとうございます。
この次の作品はこちら
『天使な息子にこの命捧げます』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/22857933



「次にくるライトノベル大賞2023」

に私の下記の本がノミネートされました
なんと5つ目に
それを記念して『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』王子様に執着された無敵少女、魔王も怖くないが王妃様は苦手です』絶賛更新中
このお話【書籍化】!
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスのページに飛びます。



感想 334

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

初対面の婚約者に『ブス』と言われた令嬢です。

甘寧
恋愛
「お前は抱けるブスだな」 「はぁぁぁぁ!!??」 親の決めた婚約者と初めての顔合わせで第一声で言われた言葉。 そうですかそうですか、私は抱けるブスなんですね…… って!!こんな奴が婚約者なんて冗談じゃない!! お父様!!こいつと結婚しろと言うならば私は家を出ます!! え?結納金貰っちゃった? それじゃあ、仕方ありません。あちらから婚約を破棄したいと言わせましょう。 ※4時間ほどで書き上げたものなので、頭空っぽにして読んでください。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

王命により泣く泣く婚約させられましたが、婚約破棄されたので喜んで出て行きます。

十条沙良
恋愛
「僕にはお前など必要ない。婚約破棄だ。」と、怒鳴られました。国は滅んだ。

伯爵令嬢が婚約破棄され、兄の騎士団長が激怒した。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

契約破棄された聖女は帰りますけど

基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」 「…かしこまりました」 王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。 では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。 「…何故理由を聞かない」 ※短編(勢い)

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。