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第三部 ルートン王国交換留学編
人生始めてのパーテイーで嬉し恥ずかし映像を皆に見られて私のプライドはズタズタにされました
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私はアドにエスコートされて王宮の巨大なパーテイー会場に連れ出された。
それにしても、会場はでかい。わがエルグラン王国でもこれだけ広い舞踏会場は無かった。
まあ、ルートン王国は歴史が古いだけあって貴族の数も多く、新たな爵位の准男爵位まであるのだ。わがエルグラン王国とは人口は変わらないのに、貴族の数は2.5倍くらいいる。
この会場も数千人が入れるようになっていた。
しかし、そんな大きな会場でも中は人人人だった。
私は人に酔ってしまいそうだった。
私達は来賓と言うか今日の主役なので、中央の一段高いところに案内された。
まあ、初パーティーだったが、目立っているのはいつものことだし、それ自体は緊張はしない。
グレースをこの国の公爵令息の確か名前はカルロスだったがエスコートしていた。ピンク頭は留学生で教会の大司教の孫のシリル・フォールが、グレースの取り巻きのポレット・ジード子爵令嬢は、オーレリアンが。メラニーには嫌だと散々ごねていたアルマンがエスコートさせられていた。平民のC組の二人は免除されていた。私も免除されたかった・・・・。
まあ、学年末の学園のパーテイーは全員参加だからその時に参加できるだろう。
ルートンの平民のクラスメートもだ。
出来たら彼ら全員とパーティーに参加したかった。
前世の記憶があるからか、私は基本は差別社会は好きではない。特に学生の時なんか、差別になるから本当はこんな催しは参加はしたくないのだ。
まあ、その貴族社会のナンバー2の公爵令嬢の私が言えることではないとは思うのだが・・・・
そんな私の感情なんか無視して、貴族のクラスメートが頭を下げてくるので、私も会釈を返した。
イネはエドガルドにエスコートされている。
准男爵家のクラスメートの大半は参加しているみたいだった。
皆パーテイーの雰囲気を楽しんでいるみたいだった。
私も今は嫌なことは忘れて人生始めてのパーテイーを楽しもうと思った。
そんな時だ。
舞台の中央に陛下が進み出た。
「皆の者も知ってくれていると思うが、本日は海の向かいの友好国のエルグラン王国から友好の使者として、王太子のアドルフ・エルグラン殿下にお越し頂いた」
陛下がアドを指すと皆一斉に拍手した。
アドが皆に片手を振って応える。
「そして、今は我が国とエルグランとの友好の催しの一つとして交換留学生を迎えているが、なんと、その中の一人であるフランソワーズ・ルブラン公爵令嬢が、沿海を荒らし回っていた『赤髪海賊団』を退治していただけたのだ。これほど嬉しいことはない」
陛下の声に皆また盛大な拍手をしてくれる。
私は戸惑ったが、アドが私の手をつかんで持ち上げてくれた。仕方なしに、何時も散々フェリシー先生に注意されているにこやかな笑みを周りに振りまいた。無理やりやらされた感満載の不機嫌な笑みにはなっていないはずだ。
後でメラニーに聞いたら少し引きつっていたそうだが。
それくらい許容範囲だ。私には・・・・
「そう、そして、彼女はかのアドルフ王太子殿下の婚約者でもある」
陛下の声にまた拍手が湧いて、一部口笛も飛ぶ。
王宮の夜会とはいえ南国のこの国は皆、陽気みたいだ。エルグランのような堅苦しさはない。
「彼女の勇姿はまた後ほど映像でお見せするが、相手がいなければ、私の息子の嫁に欲しかったくらいだ」
私は映像で見せるとの言葉にガックリと来たんだけど、アドは後ろの言葉に少し怒っていた。
私としては言うくらい良いと思うのだが。どのみちリップサービスだ。こんな伝統国で私が生きていけるわけはないのだ。
「では、ここでその熱々のお二人に登壇いただこう」
ええええ! 聞いていない、私は思わず叫びそうになったが、アドに手を引かれて壇上に上がった。
まあ、話すのはアドに任せておけばいいだろう。
「友朋のルートン王国の皆さん。今陛下のご紹介に預かりましたアドルフです。今日、友好の印としてこのような盛大なもてなしのパーテイーを開いて頂いたルートン王国の皆様に感謝いたします。今私の隣の婚約者を始め10名の留学生が、皆さんの王立学園で学ばせていただいています。良き友達に恵まれて我が婚約者のフランソワーズもとても喜んでいました。今後とも両国の友好が末永く続くように祈らせていただいて私の挨拶を終えさせて頂きます」
アドの挨拶とともに盛大な拍手が巻き起こった。
なんか婚約者ってやたら強調していたと思うのは私だけだろうか?
「婚約者様からも一言!」
大きなやじが聞こえたんだけど。あれは絶対にエドガルドだ。後で覚えておけよと心の中で叫びながら、
「では、要望があったので、フランソワーズ嬢もぜひ」
陛下に請われれば拒否は出来ない。
「紹介に預かりましたフランソワーズ・ルブランです。我がルブラン家は武の一門であり、海賊退治は単に海賊に攻撃されたからそれを撃退しただけなんです。でも、海賊退治を貴族の令嬢がやるなんて普通は無いそうで、私の礼儀作法の先生に海賊退治がバレて昨日は散々怒られてしまいました」
私は思わず頭をかいていた。
「これ以上怒られないためにも皆さんには忘れて頂けると有り難いです」
私がそう言うと皆どっと笑ってくれた。
「なるほど、フランソワーズ嬢は素晴らしいことをしてくれたのに怒られてしまったのか。悪いことをしてしまったな」
陛下が謝ってくれて再度皆笑った。
「では、ここで、その時の雄姿を皆にお見せしよう」
「えっ、いや、あの・・・・」
「ああああああ!」
私の戸惑いを無視してまたあの時の映像が始まったのだ。
皆、ターザンのマネをして帆柱の間を帆綱をつかんで飛び回って海賊を退治していく私に度肝を抜かれていた。
ああああ! もう人生終わりだ。おしとやかな私のイメージがこれで・・・・
私はもう真っ赤になってアドの胸の中で顔を隠すしかなかった。
一分ほどの画像が終わると沈黙が訪れた。
誰も何も言わない。みんな余りの私のお転婆さに呆れかえったのだろうか。
「フラン様、凄いです!」
そこへ感極まったイネの声が聞こえた。
「本当だ。凄い」
「こんな人に張り倒されて俺は一生自慢できます」
なんかドミンゴの場違いな声が響いて
みんな一斉に拍手と口笛と歓声が会場に響き渡ったのだ。
「フラン、皆に応えて」
アドが言ってくれるんだけど・・・・仕方がない。
私は引きつった笑みを皆に向けた。フェリシー先生の視線が怖いんですけど。
「さあ、手を振って」
アドに言われて手を振っていた。
「フランソワーズ嬢の活躍は素晴らしかったな。無理やり連れていかれたダミアンが少し情けなかったが・・・・」
陛下の言葉に皆がどっと笑う。
「えっ、陛下もいきなり襟首掴まれて空中に放り出されたらああなりますよ」
ダミアンが必死に言い訳しているけれど・・・・
「まあ、今宵はエルグランとの友好と、海賊退治してくれたフランソワーズ嬢への感謝の意味を込めた宴だ。皆も精一杯彼らをもてなして欲しい」
陛下の開会宣言が終わり、宴が始まったのだ。
歓迎というよりは見世物の間違いじゃないのだろうか? こんな映像みんなに見られたら、もう絶対にお嫁にいけない!
私はアドの胸の中でずうーーーーっと顔を隠していたい気分だった。
それにしても、会場はでかい。わがエルグラン王国でもこれだけ広い舞踏会場は無かった。
まあ、ルートン王国は歴史が古いだけあって貴族の数も多く、新たな爵位の准男爵位まであるのだ。わがエルグラン王国とは人口は変わらないのに、貴族の数は2.5倍くらいいる。
この会場も数千人が入れるようになっていた。
しかし、そんな大きな会場でも中は人人人だった。
私は人に酔ってしまいそうだった。
私達は来賓と言うか今日の主役なので、中央の一段高いところに案内された。
まあ、初パーティーだったが、目立っているのはいつものことだし、それ自体は緊張はしない。
グレースをこの国の公爵令息の確か名前はカルロスだったがエスコートしていた。ピンク頭は留学生で教会の大司教の孫のシリル・フォールが、グレースの取り巻きのポレット・ジード子爵令嬢は、オーレリアンが。メラニーには嫌だと散々ごねていたアルマンがエスコートさせられていた。平民のC組の二人は免除されていた。私も免除されたかった・・・・。
まあ、学年末の学園のパーテイーは全員参加だからその時に参加できるだろう。
ルートンの平民のクラスメートもだ。
出来たら彼ら全員とパーティーに参加したかった。
前世の記憶があるからか、私は基本は差別社会は好きではない。特に学生の時なんか、差別になるから本当はこんな催しは参加はしたくないのだ。
まあ、その貴族社会のナンバー2の公爵令嬢の私が言えることではないとは思うのだが・・・・
そんな私の感情なんか無視して、貴族のクラスメートが頭を下げてくるので、私も会釈を返した。
イネはエドガルドにエスコートされている。
准男爵家のクラスメートの大半は参加しているみたいだった。
皆パーテイーの雰囲気を楽しんでいるみたいだった。
私も今は嫌なことは忘れて人生始めてのパーテイーを楽しもうと思った。
そんな時だ。
舞台の中央に陛下が進み出た。
「皆の者も知ってくれていると思うが、本日は海の向かいの友好国のエルグラン王国から友好の使者として、王太子のアドルフ・エルグラン殿下にお越し頂いた」
陛下がアドを指すと皆一斉に拍手した。
アドが皆に片手を振って応える。
「そして、今は我が国とエルグランとの友好の催しの一つとして交換留学生を迎えているが、なんと、その中の一人であるフランソワーズ・ルブラン公爵令嬢が、沿海を荒らし回っていた『赤髪海賊団』を退治していただけたのだ。これほど嬉しいことはない」
陛下の声に皆また盛大な拍手をしてくれる。
私は戸惑ったが、アドが私の手をつかんで持ち上げてくれた。仕方なしに、何時も散々フェリシー先生に注意されているにこやかな笑みを周りに振りまいた。無理やりやらされた感満載の不機嫌な笑みにはなっていないはずだ。
後でメラニーに聞いたら少し引きつっていたそうだが。
それくらい許容範囲だ。私には・・・・
「そう、そして、彼女はかのアドルフ王太子殿下の婚約者でもある」
陛下の声にまた拍手が湧いて、一部口笛も飛ぶ。
王宮の夜会とはいえ南国のこの国は皆、陽気みたいだ。エルグランのような堅苦しさはない。
「彼女の勇姿はまた後ほど映像でお見せするが、相手がいなければ、私の息子の嫁に欲しかったくらいだ」
私は映像で見せるとの言葉にガックリと来たんだけど、アドは後ろの言葉に少し怒っていた。
私としては言うくらい良いと思うのだが。どのみちリップサービスだ。こんな伝統国で私が生きていけるわけはないのだ。
「では、ここでその熱々のお二人に登壇いただこう」
ええええ! 聞いていない、私は思わず叫びそうになったが、アドに手を引かれて壇上に上がった。
まあ、話すのはアドに任せておけばいいだろう。
「友朋のルートン王国の皆さん。今陛下のご紹介に預かりましたアドルフです。今日、友好の印としてこのような盛大なもてなしのパーテイーを開いて頂いたルートン王国の皆様に感謝いたします。今私の隣の婚約者を始め10名の留学生が、皆さんの王立学園で学ばせていただいています。良き友達に恵まれて我が婚約者のフランソワーズもとても喜んでいました。今後とも両国の友好が末永く続くように祈らせていただいて私の挨拶を終えさせて頂きます」
アドの挨拶とともに盛大な拍手が巻き起こった。
なんか婚約者ってやたら強調していたと思うのは私だけだろうか?
「婚約者様からも一言!」
大きなやじが聞こえたんだけど。あれは絶対にエドガルドだ。後で覚えておけよと心の中で叫びながら、
「では、要望があったので、フランソワーズ嬢もぜひ」
陛下に請われれば拒否は出来ない。
「紹介に預かりましたフランソワーズ・ルブランです。我がルブラン家は武の一門であり、海賊退治は単に海賊に攻撃されたからそれを撃退しただけなんです。でも、海賊退治を貴族の令嬢がやるなんて普通は無いそうで、私の礼儀作法の先生に海賊退治がバレて昨日は散々怒られてしまいました」
私は思わず頭をかいていた。
「これ以上怒られないためにも皆さんには忘れて頂けると有り難いです」
私がそう言うと皆どっと笑ってくれた。
「なるほど、フランソワーズ嬢は素晴らしいことをしてくれたのに怒られてしまったのか。悪いことをしてしまったな」
陛下が謝ってくれて再度皆笑った。
「では、ここで、その時の雄姿を皆にお見せしよう」
「えっ、いや、あの・・・・」
「ああああああ!」
私の戸惑いを無視してまたあの時の映像が始まったのだ。
皆、ターザンのマネをして帆柱の間を帆綱をつかんで飛び回って海賊を退治していく私に度肝を抜かれていた。
ああああ! もう人生終わりだ。おしとやかな私のイメージがこれで・・・・
私はもう真っ赤になってアドの胸の中で顔を隠すしかなかった。
一分ほどの画像が終わると沈黙が訪れた。
誰も何も言わない。みんな余りの私のお転婆さに呆れかえったのだろうか。
「フラン様、凄いです!」
そこへ感極まったイネの声が聞こえた。
「本当だ。凄い」
「こんな人に張り倒されて俺は一生自慢できます」
なんかドミンゴの場違いな声が響いて
みんな一斉に拍手と口笛と歓声が会場に響き渡ったのだ。
「フラン、皆に応えて」
アドが言ってくれるんだけど・・・・仕方がない。
私は引きつった笑みを皆に向けた。フェリシー先生の視線が怖いんですけど。
「さあ、手を振って」
アドに言われて手を振っていた。
「フランソワーズ嬢の活躍は素晴らしかったな。無理やり連れていかれたダミアンが少し情けなかったが・・・・」
陛下の言葉に皆がどっと笑う。
「えっ、陛下もいきなり襟首掴まれて空中に放り出されたらああなりますよ」
ダミアンが必死に言い訳しているけれど・・・・
「まあ、今宵はエルグランとの友好と、海賊退治してくれたフランソワーズ嬢への感謝の意味を込めた宴だ。皆も精一杯彼らをもてなして欲しい」
陛下の開会宣言が終わり、宴が始まったのだ。
歓迎というよりは見世物の間違いじゃないのだろうか? こんな映像みんなに見られたら、もう絶対にお嫁にいけない!
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