96 / 309
第三部 ルートン王国交換留学編
杉を植林することでなんとか許してもらったら、翌日エルグランの王太子が目の前にいました
しおりを挟む
先生二人のお小言で、結局デザートを食べる時間が私達二人にはなかった。
本当に先生も止めて欲しい!
まあ、私の自業自得なんだけど。
私達が叱られている間に、鍋はすっからかんになり、私のプリンはメラニーのお腹の中につるりと入ってしまったみたいだ。
メラニーは酷い!
私の分は取っておいてくれたら良かったのに!
結局杉の木は休みの日に私が登ってきて植林することで話がついた。
怒られた上に罰ゲームまであるなんて、なんて酷いんだ! 最悪だ・・・・
「あんたが薪にするから悪いんでしょ」
「だってドミンゴが遅かったからだし」
「元々、ドミンゴが遅いのは判っていたじゃない。その彼に薪を持たすのがおかしかったのよ」
まあ、メラニーの言う通りだった。
「判っていたら言ってよ」
私の言葉は無視して
「まあ、当初思った以上にうまくいったとは思うけど」
メラニーが珍しく褒め目てくれた。
「ふんっ、そうよ。私の提案することに間違いはないのよ」
胸をそらして言う私に、
「ま、いつもの如く最後には怒られて終わったけれどね」
「メラニー酷い。確かに杉を勝手に薪にしたわたしも悪かったけれど、その鍋食べたんだから本来ならばあなたも同罪じゃない」
私がムッとして言うと、
「まあまあ、フラン。これ」
メラニーがテオドラの店のプリンを出してくれたのだ。
「えっ、これどうしたの?」
「あんたのためにおいておいてあげたんでしょ」
「有難う。メラニー」
私は予想外のメラニーの行動に感動した。
そうか、いつもは欲張りのノエルがいるから私の食事が無くなるのか!
「美味しい。テオドラ」
私はスプーンで一口食べて言った。このプリン、ミルクプリンかなんだか知らないけれど、白くて、キラキラ光っているのだ。そして、口の中でとろけるのだ。
「そうでしょう。我が家の自慢の逸品なのよ」
「凄いじゃない。これなら十分にハッピ堂のプリンと対抗できるわよ」
「そこまでじゃないと思うけど。そうよね、頑張ればなんとかなるわよね」
テオドラも喜んでくれた。
「フラン、今度の休みにはうちの料理屋にも来てよ」
「あっ、じゃあ、うちの文房具屋にも、可愛い小物がいっぱいあるの」
「うちにも・・・・」
皆が呼んでくれたのだ。よしよし、これで仲良くなった。
今回の鍋は大成功だった。
次はクラス対抗戦に向けて、いろいろと考えようと私は思ったのだ。
そして、翌日、朝食を食べて教室に向かっていた時だ。
何故か教室の周りに人だかりができていた。
結構たくさんの人が教室の周りにいて、中を見ているんだけど。
「あれ?、あれってアルマンのお父さんじゃない?」
私がルール騎士長を見つけた。
「あっ、本当だ。親父だ」
アルマンは驚いて、ルール騎士を見た。
「よっ」
ルール騎士がアルマンに手を上げてきた。
という事は中にいるのは・・・・
教室の扉を開けるとそこにはやはりアドがいたのだ。
「フラン、会いたかったよ」
私を見つけるとアドは私に抱きついてきたのだ。
「ちょっとアド、人前でやめてよ」
私は真っ赤になって抱きついてきたアドを無理やり剥がす。
皆の生暖かい視線が痛いんだけど・・・・
「酷い、フラン、二週間ぶりなのに」
「二週間ぶりもくそもない」
アドが言うが、私は赤くなって言い返すが、
「フランソワーズさん。何ですか。その言葉使いは」
ええええ!
フェリシー先生までいるじゃない。こんなところでアドは何をしてくれるのよ。
私がむっとしてアドを見る。
「殿下も公の場では控えていただかないと」
「いやあ、つい」
アドが笑って誤魔化そうとするが、それで許してくれるフェリシー先生ではない。
「そもそも王族たるものが・・・・」
「いや、フェリシー、時間がないのではないか」
「そうでした」
アドの言葉にフェリシー先生は我に返った。
「えっ、時間がないって。どこかに行くの?」
私は不吉な予感がしたのだ。
「一応、外交という名目で強引に今回のスケジュールを入れたんだ。それで、今回の留学を受け入れてくれたことの礼を兼ねて王宮を訪問するんだ」
「じゃあ、アド、頑張って」
私は逃げようとした。
「何言っているんだ。フランもだ」
「ええええ! ここの王様、陰険だからできるだけ会うなって母に言われているんだけど」
「フランソワーズさん。他国の国王陛下の事を悪し様に言うなどどういうことです・・・・」
やばい、フェリシー先生がいたんだ。余計なことを言ってしまった。でも、母が言うくらいだから余程陰険なんだと思うんだけど。そうか、言い寄られた母がこっぴどく振ったかどっちかだ。どちらにしろ碌なことはない。
「フェリシー、時間がない。お小言は後で」
アドが止めてくれたけど、お小言もは後でもいらない!
****************************************************
王宮に連行されるフラン、陰険王の前でどうなる?
続きは明朝です!
本当に先生も止めて欲しい!
まあ、私の自業自得なんだけど。
私達が叱られている間に、鍋はすっからかんになり、私のプリンはメラニーのお腹の中につるりと入ってしまったみたいだ。
メラニーは酷い!
私の分は取っておいてくれたら良かったのに!
結局杉の木は休みの日に私が登ってきて植林することで話がついた。
怒られた上に罰ゲームまであるなんて、なんて酷いんだ! 最悪だ・・・・
「あんたが薪にするから悪いんでしょ」
「だってドミンゴが遅かったからだし」
「元々、ドミンゴが遅いのは判っていたじゃない。その彼に薪を持たすのがおかしかったのよ」
まあ、メラニーの言う通りだった。
「判っていたら言ってよ」
私の言葉は無視して
「まあ、当初思った以上にうまくいったとは思うけど」
メラニーが珍しく褒め目てくれた。
「ふんっ、そうよ。私の提案することに間違いはないのよ」
胸をそらして言う私に、
「ま、いつもの如く最後には怒られて終わったけれどね」
「メラニー酷い。確かに杉を勝手に薪にしたわたしも悪かったけれど、その鍋食べたんだから本来ならばあなたも同罪じゃない」
私がムッとして言うと、
「まあまあ、フラン。これ」
メラニーがテオドラの店のプリンを出してくれたのだ。
「えっ、これどうしたの?」
「あんたのためにおいておいてあげたんでしょ」
「有難う。メラニー」
私は予想外のメラニーの行動に感動した。
そうか、いつもは欲張りのノエルがいるから私の食事が無くなるのか!
「美味しい。テオドラ」
私はスプーンで一口食べて言った。このプリン、ミルクプリンかなんだか知らないけれど、白くて、キラキラ光っているのだ。そして、口の中でとろけるのだ。
「そうでしょう。我が家の自慢の逸品なのよ」
「凄いじゃない。これなら十分にハッピ堂のプリンと対抗できるわよ」
「そこまでじゃないと思うけど。そうよね、頑張ればなんとかなるわよね」
テオドラも喜んでくれた。
「フラン、今度の休みにはうちの料理屋にも来てよ」
「あっ、じゃあ、うちの文房具屋にも、可愛い小物がいっぱいあるの」
「うちにも・・・・」
皆が呼んでくれたのだ。よしよし、これで仲良くなった。
今回の鍋は大成功だった。
次はクラス対抗戦に向けて、いろいろと考えようと私は思ったのだ。
そして、翌日、朝食を食べて教室に向かっていた時だ。
何故か教室の周りに人だかりができていた。
結構たくさんの人が教室の周りにいて、中を見ているんだけど。
「あれ?、あれってアルマンのお父さんじゃない?」
私がルール騎士長を見つけた。
「あっ、本当だ。親父だ」
アルマンは驚いて、ルール騎士を見た。
「よっ」
ルール騎士がアルマンに手を上げてきた。
という事は中にいるのは・・・・
教室の扉を開けるとそこにはやはりアドがいたのだ。
「フラン、会いたかったよ」
私を見つけるとアドは私に抱きついてきたのだ。
「ちょっとアド、人前でやめてよ」
私は真っ赤になって抱きついてきたアドを無理やり剥がす。
皆の生暖かい視線が痛いんだけど・・・・
「酷い、フラン、二週間ぶりなのに」
「二週間ぶりもくそもない」
アドが言うが、私は赤くなって言い返すが、
「フランソワーズさん。何ですか。その言葉使いは」
ええええ!
フェリシー先生までいるじゃない。こんなところでアドは何をしてくれるのよ。
私がむっとしてアドを見る。
「殿下も公の場では控えていただかないと」
「いやあ、つい」
アドが笑って誤魔化そうとするが、それで許してくれるフェリシー先生ではない。
「そもそも王族たるものが・・・・」
「いや、フェリシー、時間がないのではないか」
「そうでした」
アドの言葉にフェリシー先生は我に返った。
「えっ、時間がないって。どこかに行くの?」
私は不吉な予感がしたのだ。
「一応、外交という名目で強引に今回のスケジュールを入れたんだ。それで、今回の留学を受け入れてくれたことの礼を兼ねて王宮を訪問するんだ」
「じゃあ、アド、頑張って」
私は逃げようとした。
「何言っているんだ。フランもだ」
「ええええ! ここの王様、陰険だからできるだけ会うなって母に言われているんだけど」
「フランソワーズさん。他国の国王陛下の事を悪し様に言うなどどういうことです・・・・」
やばい、フェリシー先生がいたんだ。余計なことを言ってしまった。でも、母が言うくらいだから余程陰険なんだと思うんだけど。そうか、言い寄られた母がこっぴどく振ったかどっちかだ。どちらにしろ碌なことはない。
「フェリシー、時間がない。お小言は後で」
アドが止めてくれたけど、お小言もは後でもいらない!
****************************************************
王宮に連行されるフラン、陰険王の前でどうなる?
続きは明朝です!
2
お気に入りに追加
4,165
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
王子様は王妃の出産後すぐ離縁するつもりです~貴方が欲しいのは私の魔力を受け継ぐ世継ぎだけですよね?~
五月ふう
恋愛
ここはロマリア国の大神殿。ロマリア歴417年。雪が降りしきる冬の夜。
「最初から……子供を奪って……離縁するつもりだったのでしょう?」
ロマリア国王子エドワーズの妃、セラ・スチュワートは無表情で言った。セラは両手両足を拘束され、王子エドワーズの前に跪いている。
「……子供をどこに隠した?!」
質問には答えず、エドワーズはセラを怒鳴りつけた。背が高く黒い髪を持つ美しい王子エドワードの顔が、醜く歪んでいる。
「教えてあげない。」
その目には何の感情も浮かんでいない。セラは魔導士達が作る魔法陣の中央に座っていた。魔法陣は少しずつセラから魔力を奪っていく。
(もう……限界ね)
セラは生まれたときから誰よりも強い魔力を持っていた。その強い魔力は彼女から大切なものを奪い、不幸をもたらすものだった。魔力が人並み外れて強くなければ、セラはエドワーズの妃に望まれることも、大切な人と引き離されることもなかったはずだ。
「ちくしょう!もういいっ!セラの魔力を奪え!」
「良いのかしら?魔力がすべて失われたら、私は死んでしまうわよ?貴方の探し物は、きっと見つからないままになるでしょう。」
「魔力を失い、死にたくなかったら、子供の居場所を教えろ!」
「嫌よ。貴方には……絶対見つけられない場所に……隠しておいたから……。」
セラの体は白く光っている。魔力は彼女の生命力を維持するものだ。魔力がなくなれば、セラは空っぽの動かない人形になってしまう。
「もういいっ!母親がいなくなれば、赤子はすぐに見つかるっ。さあ、この死にぞこないから全ての魔力を奪え!」
広い神殿にエドワーズのわめき声が響いた。耳を澄ませば、ゴゴオオオという、吹雪の音が聞こえてくる。
(ねえ、もう一度だけ……貴方に会いたかったわ。)
セラは目を閉じて、大切な元婚約者の顔を思い浮かべる。彼はセラが残したものを見つけて、幸せになってくれるだろうか。
「セラの魔力をすべて奪うまで、あと少しです!」
魔法陣は目を開けていられないほどのまばゆい光を放っている。セラに残された魔力が根こそぎ奪われていく。もはや抵抗は無意味だった。
(ああ……ついに終わるのね……。)
ついにセラは力を失い、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。
「ねえ、***…………。ずっと貴方を……愛していたわ……。」
彼の傍にいる間、一度も伝えたことのなかった想いをセラは最後にそっと呟いた。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。
真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。
そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが…
7万文字くらいのお話です。
よろしくお願いいたしますm(__)m
【完】前世で種を疑われて処刑されたので、今世では全力で回避します。
112
恋愛
エリザベスは皇太子殿下の子を身籠った。産まれてくる我が子を待ち望んだ。だがある時、殿下に他の男と密通したと疑われ、弁解も虚しく即日処刑された。二十歳の春の事だった。
目覚めると、時を遡っていた。時を遡った以上、自分はやり直しの機会を与えられたのだと思った。皇太子殿下の妃に選ばれ、結ばれ、子を宿したのが運の尽きだった。
死にたくない。あんな最期になりたくない。
そんな未来に決してならないように、生きようと心に決めた。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。