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第三部 ルートン王国交換留学編
終業式で婚約者の王太子に行かせたくないとダダをこねられました
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それから延々2時間位、いかに皆が心配しているか言われて、結局私は絶対に魔術を思いっきり使わないって誓約書を書かされたのだ。
皆は本来ならば魔術は一切使わないって誓約書を書かせたかったみたいだが、流石に安全面の問題があるからとアドが反対してくれた。
まあ、誓約書なんて破るためにあるのだから、いざとなったら破る気満々なんだけど。でも、ルートン王国の王立学園を破壊することなんてしないわよ。
きっと・・・・
そう文句をヴァンに言ったら、やらなくていいのに、今まで私が破壊した施設の名前を順番に挙げてくれたのだ。王宮の訓練場から、学園の訓練場、果ては我が家の訓練場まで・・・・。それを言われると流石に私は何も言い返せなかった。
「でも、義姉上。俺はもし義姉上がルートン王立学園の訓練場を壊しても、修理する費用くらい出してあげますから」
ヴァンはそう言ってくれるんだけど、何か壊す前提なのが酷いんだけど・・・・
そして、終業式を迎えた。
今学期の終業式兼交換留学生のメンバー発表の場なのだ。
留学生は年明けすぐにルートン王国に向かうことになっていた。まさか、私が外されることはないとは思うが、あの学園長や陛下の心配具合からして下手したら外されかねない。
私はドキドキしながら学園長の挨拶を聞いていた。
「試験の成績ですが、今回、一年生はA組が発奮してE組から一位の座を奪取してくれました。A組の頑張りに私は拍手したい」
パチパチまばらな拍手がなった。
まあ、これが普通なのだ。前回我々に負けたのが屈辱のはずで、A組の連中も喜ぶに喜べないはずだ。
そうか、今回は私に勝てば公爵家にご招待のにんじんが無かったからみんな、いい加減な勉強しかしなかったんだと私は思った。
グレースがそれ見たことかと私を見て笑っていた。
何か悔しい。
でも待てよ。ベスト10には一位のメラニーと二位はグレースだったけれど、オーレリアンと私が入っていたはずだ。他の皆が出来なかったんだろうか?
「まあ、二位はE組です。相変わらずの奮闘に拍手」
こっちもパラパラの拍手だ。
どのみちならば二連覇したかったのに。
ちょっと留学に浮かれすぎたか。
「あっ、判った。聖女がいないから、A組の平均点が上がったんじゃないか」
アルマンが思いついたように言ってくれた。
そうだ。そう言えばピンク頭は最下位に近かったはずだ。
「そこ、静かに」
A組担任のフェリシー先生が注意してきたが、おそらく図星だ。確かにピンク頭は赤点のオンパレードだったはずだ。そうか、聖女がいなくなったから、平均が上がったのか!
私は納得したのだ。
そして、聖女が復活すれば再びわがクラスが奪取できる?!
「そして、来学期はルートン王国との恒例の交換留学があります。留学生に選ばれた方々はくれぐれも羽目を外さずにして下さい」
学園長がまっすぐ私を見て言うんだけど、私だけ?
何かおかしい。
メラニーに文句を言ったら。
「まあまあ、学園長も定年間際だから、ここであなたに問題起こされて責任取らされたら困ると思ったんじゃないの」
って言われてしまったけれど。
「まあ、学園長の不幸はあなたが入学してきたことよね」
そこまでいうか! 私はメラニーを睨みつけたけれど、メラニーは相変わらずびくともしない。
「では、ここで交換留学生を発表させていただきます。呼ばれた生徒は前に出てきてください」
「一年A組、グレース・ラクロワ嬢」
「ええええ!」
私は唖然とした。なんという事だ。グレースも行くのか?
フェリシー先生の厳しい顔も何のそのだ。
その他にはグレースの取り巻きのポレット・ジード子爵令嬢とピンク頭。教会関係者が王宮お百度参りをして謹慎処分からやっと解放されたらしい。ほとぼりを覚ますために来学期は留学させて現地で箔をつけさせるらしい。まあ、アドの命を救ってくれたから、私は許してあげたけど。でも、本当に反省しているのか?
まあ、聖魔術の使い手はほとんどいないので、いるに越したことはないが、性格の悪さは相変わらずのはずだ。そんなのを留学させて良いのか? よほど私より問題だろうって後でメラニーに言ったらどっこいどっこいじゃないって言われてしまった。そこは納得行かないんだけど・・・・
その聖女の監視役のB組のシリル・フォールは大司教の孫だ。こいつは腰は低いが何を考えているかわからない奴だ。
後はC組の成績ツートップと我がE組はアルマンとオーレリアンとメラニー、それに私だ。
私は最後に呼ばれてほっとした。もし外していたら、私はすねて領地に引っ込んでいたところだった。
「今回の選抜に色々思うところはあるかもしれませんが、各クラスのバランスと、成績、王家と教会からの要請によって決定しました」
学園長は言うんだけど、選抜には自分は関係ないって言いたいんだろうか?
うーん、E組からはもう少し行けると思ったのに。私はその点が不満だった。
「まあ、皆さんには十分にわが校の代表ということを留意して行動してもらいたい」
学園長が私の方を向いて言うんだけど、もうわかってますって!
「それでは留学生を代表してラクロワ嬢から挨拶してもらいます」
「代表が成績一位のメラニーでなくて、なんでグレースなのよ」
私がメラニーに文句を言ったら
「だって、代表になったらあなたの件も責任取らなきゃいけないかもしれないじゃない。あなたのせいで退学になるのはいやよ」
メラニーの言う事はきつすぎるんだけど!
「学園長先生はじめ私たちをいつも温かい視線で見つめてくださる先生方。王太子殿下を始めとする諸先輩方、そして、同級生の皆さん。私達交換留学生は礼儀作法を完璧にして、エルグラン王立学園の品位を守り、ルートン王国の方々と仲良く勉学に励んでくることをここに誓います。年度末にはまた戻ってまいりますので、ご期待下さい」
グレースは私の方を見下しながら私に対して嫌味たっぷりに挨拶してくれたんだけど。本当にむかつく!
そして、生徒会長の贈る言葉になったんだけど、
「まあ、今回、交換留学生には優秀な1年生の10名が選ばれた。その選定に思うところはあるが、行く限りは成果を出してきて欲しい。隣国のいけ好かない・・・・いや、ナンパに長けた・・・・顔だけいい王子には十分に注意して、もし余計なことをされたら即座に報告して欲しい」
私の方を見ていうのは止めてほしいんだけど。
フェリシー先生に何度も「殿下!」と注意されて言い直していたけれど、アドは散々、自分も行きたい感満載で話してくれた。
何故か最後に留学生一人一人と握手し始めたんだけど、なにこれ? こんなのあったか?
「フランをよろしく頼むよ」
アルマンとかオーレリアンとかメラニーに頼んでいるんだけど、王太子がいうことか?
私にも手を差し出してきたので、握手しようとしたらぐいっと引っ張られてアドの腕の中に抱き寄せられたんだけど・・・・
「フラン、出来たら行かせたくない」
そう言って強く抱きしめられてしまったんだけど。
ええええ! これは何なの? 皆の前で何の恥辱プレイ?
「きゃーーーー」
「凄い」
「さすがバカップル」
周りの生暖かい大声援の中、本当に穴があったら入りたかった・・・・
アドと何故か私が後からフェリシー先生に怒られたんだけど、いや、絶対に悪いのはアドだ!
皆は本来ならば魔術は一切使わないって誓約書を書かせたかったみたいだが、流石に安全面の問題があるからとアドが反対してくれた。
まあ、誓約書なんて破るためにあるのだから、いざとなったら破る気満々なんだけど。でも、ルートン王国の王立学園を破壊することなんてしないわよ。
きっと・・・・
そう文句をヴァンに言ったら、やらなくていいのに、今まで私が破壊した施設の名前を順番に挙げてくれたのだ。王宮の訓練場から、学園の訓練場、果ては我が家の訓練場まで・・・・。それを言われると流石に私は何も言い返せなかった。
「でも、義姉上。俺はもし義姉上がルートン王立学園の訓練場を壊しても、修理する費用くらい出してあげますから」
ヴァンはそう言ってくれるんだけど、何か壊す前提なのが酷いんだけど・・・・
そして、終業式を迎えた。
今学期の終業式兼交換留学生のメンバー発表の場なのだ。
留学生は年明けすぐにルートン王国に向かうことになっていた。まさか、私が外されることはないとは思うが、あの学園長や陛下の心配具合からして下手したら外されかねない。
私はドキドキしながら学園長の挨拶を聞いていた。
「試験の成績ですが、今回、一年生はA組が発奮してE組から一位の座を奪取してくれました。A組の頑張りに私は拍手したい」
パチパチまばらな拍手がなった。
まあ、これが普通なのだ。前回我々に負けたのが屈辱のはずで、A組の連中も喜ぶに喜べないはずだ。
そうか、今回は私に勝てば公爵家にご招待のにんじんが無かったからみんな、いい加減な勉強しかしなかったんだと私は思った。
グレースがそれ見たことかと私を見て笑っていた。
何か悔しい。
でも待てよ。ベスト10には一位のメラニーと二位はグレースだったけれど、オーレリアンと私が入っていたはずだ。他の皆が出来なかったんだろうか?
「まあ、二位はE組です。相変わらずの奮闘に拍手」
こっちもパラパラの拍手だ。
どのみちならば二連覇したかったのに。
ちょっと留学に浮かれすぎたか。
「あっ、判った。聖女がいないから、A組の平均点が上がったんじゃないか」
アルマンが思いついたように言ってくれた。
そうだ。そう言えばピンク頭は最下位に近かったはずだ。
「そこ、静かに」
A組担任のフェリシー先生が注意してきたが、おそらく図星だ。確かにピンク頭は赤点のオンパレードだったはずだ。そうか、聖女がいなくなったから、平均が上がったのか!
私は納得したのだ。
そして、聖女が復活すれば再びわがクラスが奪取できる?!
「そして、来学期はルートン王国との恒例の交換留学があります。留学生に選ばれた方々はくれぐれも羽目を外さずにして下さい」
学園長がまっすぐ私を見て言うんだけど、私だけ?
何かおかしい。
メラニーに文句を言ったら。
「まあまあ、学園長も定年間際だから、ここであなたに問題起こされて責任取らされたら困ると思ったんじゃないの」
って言われてしまったけれど。
「まあ、学園長の不幸はあなたが入学してきたことよね」
そこまでいうか! 私はメラニーを睨みつけたけれど、メラニーは相変わらずびくともしない。
「では、ここで交換留学生を発表させていただきます。呼ばれた生徒は前に出てきてください」
「一年A組、グレース・ラクロワ嬢」
「ええええ!」
私は唖然とした。なんという事だ。グレースも行くのか?
フェリシー先生の厳しい顔も何のそのだ。
その他にはグレースの取り巻きのポレット・ジード子爵令嬢とピンク頭。教会関係者が王宮お百度参りをして謹慎処分からやっと解放されたらしい。ほとぼりを覚ますために来学期は留学させて現地で箔をつけさせるらしい。まあ、アドの命を救ってくれたから、私は許してあげたけど。でも、本当に反省しているのか?
まあ、聖魔術の使い手はほとんどいないので、いるに越したことはないが、性格の悪さは相変わらずのはずだ。そんなのを留学させて良いのか? よほど私より問題だろうって後でメラニーに言ったらどっこいどっこいじゃないって言われてしまった。そこは納得行かないんだけど・・・・
その聖女の監視役のB組のシリル・フォールは大司教の孫だ。こいつは腰は低いが何を考えているかわからない奴だ。
後はC組の成績ツートップと我がE組はアルマンとオーレリアンとメラニー、それに私だ。
私は最後に呼ばれてほっとした。もし外していたら、私はすねて領地に引っ込んでいたところだった。
「今回の選抜に色々思うところはあるかもしれませんが、各クラスのバランスと、成績、王家と教会からの要請によって決定しました」
学園長は言うんだけど、選抜には自分は関係ないって言いたいんだろうか?
うーん、E組からはもう少し行けると思ったのに。私はその点が不満だった。
「まあ、皆さんには十分にわが校の代表ということを留意して行動してもらいたい」
学園長が私の方を向いて言うんだけど、もうわかってますって!
「それでは留学生を代表してラクロワ嬢から挨拶してもらいます」
「代表が成績一位のメラニーでなくて、なんでグレースなのよ」
私がメラニーに文句を言ったら
「だって、代表になったらあなたの件も責任取らなきゃいけないかもしれないじゃない。あなたのせいで退学になるのはいやよ」
メラニーの言う事はきつすぎるんだけど!
「学園長先生はじめ私たちをいつも温かい視線で見つめてくださる先生方。王太子殿下を始めとする諸先輩方、そして、同級生の皆さん。私達交換留学生は礼儀作法を完璧にして、エルグラン王立学園の品位を守り、ルートン王国の方々と仲良く勉学に励んでくることをここに誓います。年度末にはまた戻ってまいりますので、ご期待下さい」
グレースは私の方を見下しながら私に対して嫌味たっぷりに挨拶してくれたんだけど。本当にむかつく!
そして、生徒会長の贈る言葉になったんだけど、
「まあ、今回、交換留学生には優秀な1年生の10名が選ばれた。その選定に思うところはあるが、行く限りは成果を出してきて欲しい。隣国のいけ好かない・・・・いや、ナンパに長けた・・・・顔だけいい王子には十分に注意して、もし余計なことをされたら即座に報告して欲しい」
私の方を見ていうのは止めてほしいんだけど。
フェリシー先生に何度も「殿下!」と注意されて言い直していたけれど、アドは散々、自分も行きたい感満載で話してくれた。
何故か最後に留学生一人一人と握手し始めたんだけど、なにこれ? こんなのあったか?
「フランをよろしく頼むよ」
アルマンとかオーレリアンとかメラニーに頼んでいるんだけど、王太子がいうことか?
私にも手を差し出してきたので、握手しようとしたらぐいっと引っ張られてアドの腕の中に抱き寄せられたんだけど・・・・
「フラン、出来たら行かせたくない」
そう言って強く抱きしめられてしまったんだけど。
ええええ! これは何なの? 皆の前で何の恥辱プレイ?
「きゃーーーー」
「凄い」
「さすがバカップル」
周りの生暖かい大声援の中、本当に穴があったら入りたかった・・・・
アドと何故か私が後からフェリシー先生に怒られたんだけど、いや、絶対に悪いのはアドだ!
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