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第二部 帝国の逆襲
閑話 クラスの皆を公爵邸に招きました
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夏休み、私は皆に約束していたことを実行しようとしていた。
そう、皆を夏に公爵邸にお招きするというやつだ。
40名近くを迎える金をどうするとか、いろんな問題があったのだが、そこは弟のジェドらがいろいろ考えてくれたのだ。
何しろルブラン公爵家は2代前に領地を半減させられたにも関わらず、雇っている騎士の数は変わらず、なおかつ領地の税金も3割のままに留めているので、本当に貧しいのだ。このエルグラン王国有数というか貴族のトップであるにも関わらずだ。
まあ、生まれて初めて公爵家にお邪魔したいという、ノエルの頼みを聞くためもあって呼ぶことにしたんだけど。
「みんな、我が家に来て、貴族生活に失望しないといいけれど・・・・」
弟のジェドが不吉なことを言うんだけど、それは無いだろう。
うん、無いはずだ。
時間は1時過ぎ、皆を載せた馬車が間もなく到着するはずだ。
「フラン様。到着したようです」
執事のクリストフが言ってきた。
私は慌てて玄関に向かう。
そこには馬車ならぬ、我が騎士隊に引かれた人力荷馬車が4台到着した。
流石に1台6名の騎士では荷馬車を引くのも大変だったみたいで、皆もう倒れそうだった。
「ちょっとジェド、騎士達全然じゃない」
「ちょっと、訓練が足りないんじゃないですか」
ジェドの表情が怖いんだけど。新人の訓練の一貫でさせてみたんだけど、難しかったみたい。
何か、アルマンまで荷馬車を引いているし・・・・。
「皆様、ようこそ、我がルブラン公爵家にお越しいただきました」
私は荷馬車があたかも、超高級馬車が着いたように振る舞いながら、皆を出迎えた。
皆唖然として私を見ている。そう珍しく私は正装しているのだ。ドレスを着て完璧な公爵令嬢を演じているのだ。
私一人が正装だ。残りは全員、執事服にメイド服を着ている。
「ちょっと、フラン、この馬車は流石にこれはまずいんじゃない」
メラニーが着くなり言ってくるんだけど、
「うーん、領地には馬車はいくらでもあるんだけど、こっちはなかなか数がないのよ。緊急の連絡ように残しているから。まあ、騎士の訓練兼ねてやったんだけど、ちょっと難しかったみたいね」
私は苦笑いをした。
「中庭にお茶を準備しましたの。クリストフ、そちらに皆さまをご案内して」
「ようこそ、ル・ブラン公爵家にお越しいただきました。執事をしております、クリストフと申します。使用人一同、精一杯のおもてなしをさせて頂きますので、宜しくお願いします」
クリストフが中心になってクラスメートを案内した。
「すごーーーい」
ノエルなんて外面見て感激している。建物は外から見たらとても立派なのだ。
外から見ると。
建立から100年くらい建っていて、ガタはそうとうきているんだけど、外側はクリーンの魔術できれいにしたところだからきれいに見えるのだ。
テーブルは昔からあるのを使っている。まあ、これもクリーンできれいにしたから大丈夫だろう。騎士達を動員して壊れている机は作り直したのだ。
お茶は市販の普通のお茶を、お菓子はアドに無理言って幸福堂のケーキを買ってきてもらった。
「あっ、すごい、フランと殿下の婚約10周年ケーキだ」
ノエルが喜んでいる。
「えっ、で、殿下」
お茶を入れてくれている執事を見て、メラニーが固まっていた。
「そう、どうしても出たいって言うから、人が足りないから執事するなら良いわよって言ったのよ」
私が仕方なさそうにいう。
そう、基本、執事はクリストフ一人しかいないし、後は庭師にコック、基本は大半が騎士なのだ。40名ほどがこの屋敷にいる。
ルブランは武の一族。基本使用人などいらない。というのが家訓ではなくて、純粋に金が無いので王都の屋敷は私達の護衛騎士40名がいるだけだ。
まあ、護衛は私一人いればいいけれど。領地では全て訓練できないので、一部を私が受け持っている。まあ、私と対等に戦える者など剣技でもなかなかいないけれど。多くは新人だ。
「殿下に給仕して頂けるなんて、感激です。一生涯誇りに思います」
ソレンヌなんて感激のあまり固まっているし。
まあ、我が家のクリストフと私の侍女のアリス以外はジェドとヴァンとアドだから王族と公爵令息を動員しているんだけど。
味は絶対にクリストフとアリスのが美味しいはずだ。
私はアドを無視してクリストフに入れてもらった。
メラニーとかは少し顔を歪ませたが、そこは仕方ないよね。王子様にお茶の入れ方なんて期待しても無駄なのだ。
そして、何故か給仕した執事役が3人も座っているし。
「せっかく皆を呼んだんだから、ルブラン家の秘宝を見せたら良いんじゃないか」
とでかい態度を取っているんだけど、まあ、いいか、クラスメートだし。
「えっ、でもあんなの見ても面白くないんじゃない」
「いや、ぜひとも見させてもらいたい」
アルマンなんて興味津々なんだけど。そんなに良いのあったっけ?
まあ、家のガラクタに皆が興味あるのならば良いのか。
でも、それは完全に失敗だった。
「じゃあ、クリストフ、案内してもらえる」
「判りました」
クリストフが一同を引き連れて向かってくれた。
「こちらが初代様が着ておられた鎧です」
飾ってある年代物の鎧を見せながらクリストフが説明する。
「すごい刀傷だな」
アルマンが一番目立つ傷を見て言った。ズボッと穴が空いている。
「ああ、それは5歳の時にフラン様が投げられた刀が貫通した後です」
「ええええ! そんなのあったっけ」
私は唖然とした。
「この折れた刀は」
年代物の刀を指さしてアルマンが聞くと
「それは初代様が使われていた刀ですが、フラン様がちゃんばらごっこをされて折られたのです」
「えっ」
私は絶句した。そんな事したっけ。
「本当にフランは凄いな」
「ちなみにお相手はそう言われる殿下でしたが」
アドが余計なことを言って地雷を踏んでいた。
「あんたも変わらないじゃない」
私はアドに言い返した。
「ちなみにこの廊下に飾られている鎧20体ございますが、フラン様が傷つけられなかった鎧はございません。ご主人さまと奥様は『元気なことは良いことよ』と笑っておられましだか、先代の執事は泣いておりました」
そうだった。先代の執事、今の領地の執事、すなわちクリストフの父はよく嘆いていたのだった。
散々な宝物見学だったが、皆はそれなりに楽しんでもらったみたいだ。
まあ、一応、この国の歴史の教科書に出てくる人物が満載なのだ。その絵もあったし、
「フラン、この絵、コツホの勇敢なる騎士じゃない」
2代目の騎士の絵姿にメラニーが感激していた。
「本当だ。これ時価にしたら凄い価値なんじゃないか」
バンジャマンも言うんだけど。
「あれ、でも、何か教科書に載っている絵と違うけど」
ボソリとメラニーが言った。
「ひ、髭があるじゃない」
オリーブが悲鳴を上げる。
「そうなんです。フラン様が6歳の時に落書きされて」
「フ、フラン、あんた、歴史的絵画になんてことしてくれるのよ」
それから金の亡者のメラニーに延々と怒られる羽目になってしまった。
「本当にフランも馬鹿だよな。髭さえなければ凄い価値だったのに」
アドが馬鹿にしたようにいつてくれたんだけど、
「ちなみに、髭があったほうがカツコイイと唆されたのは殿下ですが」
クリストフにバラされて、アドも一緒に怒られる羽目になっていた。
ふん、ざまーみろだ。
「まあ、でも、フランが落書きしたんだろ。いずれはそれが高値になるかもしれないぞ」
アルマンの一言に皆固まっていたが、
「そんな訳ないじゃない。私の落書きが高く買われるわけ無いでしょう」
「でも、王妃殿下の子供の頃を示すエピソードで高く買う好事家がいるかもしれないぜ」
何かメラニーの顔から怒気が消えて
「それもそうね」
急に目にドルマークが出て、頭の中で必死に金勘定し始めたんだけど。
そんな訳あるわけないじゃない。
私には信じられなかったんだけど。
何かそれからは教科書に落書きしてくれだの、サインしてくれだの訳の判んない事が増えたんだけど、そんなの価値は出ないって、絶対に! まあ出たほうが良いけれど・・・・
****************************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/337638866
第二部絶好調更新中です。
ぜひともご覧ください。
そう、皆を夏に公爵邸にお招きするというやつだ。
40名近くを迎える金をどうするとか、いろんな問題があったのだが、そこは弟のジェドらがいろいろ考えてくれたのだ。
何しろルブラン公爵家は2代前に領地を半減させられたにも関わらず、雇っている騎士の数は変わらず、なおかつ領地の税金も3割のままに留めているので、本当に貧しいのだ。このエルグラン王国有数というか貴族のトップであるにも関わらずだ。
まあ、生まれて初めて公爵家にお邪魔したいという、ノエルの頼みを聞くためもあって呼ぶことにしたんだけど。
「みんな、我が家に来て、貴族生活に失望しないといいけれど・・・・」
弟のジェドが不吉なことを言うんだけど、それは無いだろう。
うん、無いはずだ。
時間は1時過ぎ、皆を載せた馬車が間もなく到着するはずだ。
「フラン様。到着したようです」
執事のクリストフが言ってきた。
私は慌てて玄関に向かう。
そこには馬車ならぬ、我が騎士隊に引かれた人力荷馬車が4台到着した。
流石に1台6名の騎士では荷馬車を引くのも大変だったみたいで、皆もう倒れそうだった。
「ちょっとジェド、騎士達全然じゃない」
「ちょっと、訓練が足りないんじゃないですか」
ジェドの表情が怖いんだけど。新人の訓練の一貫でさせてみたんだけど、難しかったみたい。
何か、アルマンまで荷馬車を引いているし・・・・。
「皆様、ようこそ、我がルブラン公爵家にお越しいただきました」
私は荷馬車があたかも、超高級馬車が着いたように振る舞いながら、皆を出迎えた。
皆唖然として私を見ている。そう珍しく私は正装しているのだ。ドレスを着て完璧な公爵令嬢を演じているのだ。
私一人が正装だ。残りは全員、執事服にメイド服を着ている。
「ちょっと、フラン、この馬車は流石にこれはまずいんじゃない」
メラニーが着くなり言ってくるんだけど、
「うーん、領地には馬車はいくらでもあるんだけど、こっちはなかなか数がないのよ。緊急の連絡ように残しているから。まあ、騎士の訓練兼ねてやったんだけど、ちょっと難しかったみたいね」
私は苦笑いをした。
「中庭にお茶を準備しましたの。クリストフ、そちらに皆さまをご案内して」
「ようこそ、ル・ブラン公爵家にお越しいただきました。執事をしております、クリストフと申します。使用人一同、精一杯のおもてなしをさせて頂きますので、宜しくお願いします」
クリストフが中心になってクラスメートを案内した。
「すごーーーい」
ノエルなんて外面見て感激している。建物は外から見たらとても立派なのだ。
外から見ると。
建立から100年くらい建っていて、ガタはそうとうきているんだけど、外側はクリーンの魔術できれいにしたところだからきれいに見えるのだ。
テーブルは昔からあるのを使っている。まあ、これもクリーンできれいにしたから大丈夫だろう。騎士達を動員して壊れている机は作り直したのだ。
お茶は市販の普通のお茶を、お菓子はアドに無理言って幸福堂のケーキを買ってきてもらった。
「あっ、すごい、フランと殿下の婚約10周年ケーキだ」
ノエルが喜んでいる。
「えっ、で、殿下」
お茶を入れてくれている執事を見て、メラニーが固まっていた。
「そう、どうしても出たいって言うから、人が足りないから執事するなら良いわよって言ったのよ」
私が仕方なさそうにいう。
そう、基本、執事はクリストフ一人しかいないし、後は庭師にコック、基本は大半が騎士なのだ。40名ほどがこの屋敷にいる。
ルブランは武の一族。基本使用人などいらない。というのが家訓ではなくて、純粋に金が無いので王都の屋敷は私達の護衛騎士40名がいるだけだ。
まあ、護衛は私一人いればいいけれど。領地では全て訓練できないので、一部を私が受け持っている。まあ、私と対等に戦える者など剣技でもなかなかいないけれど。多くは新人だ。
「殿下に給仕して頂けるなんて、感激です。一生涯誇りに思います」
ソレンヌなんて感激のあまり固まっているし。
まあ、我が家のクリストフと私の侍女のアリス以外はジェドとヴァンとアドだから王族と公爵令息を動員しているんだけど。
味は絶対にクリストフとアリスのが美味しいはずだ。
私はアドを無視してクリストフに入れてもらった。
メラニーとかは少し顔を歪ませたが、そこは仕方ないよね。王子様にお茶の入れ方なんて期待しても無駄なのだ。
そして、何故か給仕した執事役が3人も座っているし。
「せっかく皆を呼んだんだから、ルブラン家の秘宝を見せたら良いんじゃないか」
とでかい態度を取っているんだけど、まあ、いいか、クラスメートだし。
「えっ、でもあんなの見ても面白くないんじゃない」
「いや、ぜひとも見させてもらいたい」
アルマンなんて興味津々なんだけど。そんなに良いのあったっけ?
まあ、家のガラクタに皆が興味あるのならば良いのか。
でも、それは完全に失敗だった。
「じゃあ、クリストフ、案内してもらえる」
「判りました」
クリストフが一同を引き連れて向かってくれた。
「こちらが初代様が着ておられた鎧です」
飾ってある年代物の鎧を見せながらクリストフが説明する。
「すごい刀傷だな」
アルマンが一番目立つ傷を見て言った。ズボッと穴が空いている。
「ああ、それは5歳の時にフラン様が投げられた刀が貫通した後です」
「ええええ! そんなのあったっけ」
私は唖然とした。
「この折れた刀は」
年代物の刀を指さしてアルマンが聞くと
「それは初代様が使われていた刀ですが、フラン様がちゃんばらごっこをされて折られたのです」
「えっ」
私は絶句した。そんな事したっけ。
「本当にフランは凄いな」
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そうだった。先代の執事、今の領地の執事、すなわちクリストフの父はよく嘆いていたのだった。
散々な宝物見学だったが、皆はそれなりに楽しんでもらったみたいだ。
まあ、一応、この国の歴史の教科書に出てくる人物が満載なのだ。その絵もあったし、
「フラン、この絵、コツホの勇敢なる騎士じゃない」
2代目の騎士の絵姿にメラニーが感激していた。
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バンジャマンも言うんだけど。
「あれ、でも、何か教科書に載っている絵と違うけど」
ボソリとメラニーが言った。
「ひ、髭があるじゃない」
オリーブが悲鳴を上げる。
「そうなんです。フラン様が6歳の時に落書きされて」
「フ、フラン、あんた、歴史的絵画になんてことしてくれるのよ」
それから金の亡者のメラニーに延々と怒られる羽目になってしまった。
「本当にフランも馬鹿だよな。髭さえなければ凄い価値だったのに」
アドが馬鹿にしたようにいつてくれたんだけど、
「ちなみに、髭があったほうがカツコイイと唆されたのは殿下ですが」
クリストフにバラされて、アドも一緒に怒られる羽目になっていた。
ふん、ざまーみろだ。
「まあ、でも、フランが落書きしたんだろ。いずれはそれが高値になるかもしれないぞ」
アルマンの一言に皆固まっていたが、
「そんな訳ないじゃない。私の落書きが高く買われるわけ無いでしょう」
「でも、王妃殿下の子供の頃を示すエピソードで高く買う好事家がいるかもしれないぜ」
何かメラニーの顔から怒気が消えて
「それもそうね」
急に目にドルマークが出て、頭の中で必死に金勘定し始めたんだけど。
そんな訳あるわけないじゃない。
私には信じられなかったんだけど。
何かそれからは教科書に落書きしてくれだの、サインしてくれだの訳の判んない事が増えたんだけど、そんなの価値は出ないって、絶対に! まあ出たほうが良いけれど・・・・
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