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第二部 帝国の逆襲
洞窟探検1 修学旅行気分満々で行きました
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二学期の大きなイベントは洞窟体験だ。
ダンジョンに潜って宝物を探し出すのだ。
そのダンジョンは王都から50キロのところにあり、テントで2泊するのだ。
完全な旅行だった。いわば修学旅行だ。
前世では修学旅行なんて行けなかった私は、もうテンション上がりまくりだった。
洞窟の入口は5つもあって中はいくつにも別れていた。この国最大のダンジョンだ。
いる魔物は低級の魔物が中心だ。
まあ、魔の森で鍛えられている私にとっては、敵ではないのだ。たとえ巨大龍が出てきても、私は負ける気はしないが・・・・
組分けは魔力の強いものと弱いものを組み合わけるということで、私の班はベンとオリーブ、バンジャマン、ソレンヌ、それに私だった。
私達は馬車に分譲して出発する。
私は1班で2班はメラニーが班長だった。
「わああああ、皆で旅行なんてめちゃくちゃ嬉しい」
「おい、フラン、遊びでないぞ」
一緒に馬車に乗ってきたベルタン先生は言うけれど、私にとっては完全に遊びだった。
それも生まれて初めて、いや前世も含めて初めての修学旅行気分だ。もうウキウキだった。
「洞窟の中はスライムが多いそうだぞ。それにコボルトや、ゴブリンにも気をつけろよ」
先生が言う。
「まあねそういうのはバンジャマンとベンに任せるわ」
私は完全にお上りさん気分で言った。
「ええええ、でも数が多いと苦戦しそうなんだけど」
「そうそう、集団が来たら大変だぞ」
ベンとバンジャマンが言う。
「ま、相手にできなくなったら言ってよ。その時は私が出るわ」
私が言い切った。
「あんたら、あまりフランを出しだら駄目よ。洞窟が崩壊するから。できるだけフランは出さないでよ」
メラニーが横から注意するんだけど何でだ?
「失礼ねメラニー、いくら私でも、洞窟を破壊したりはしないわよ」
「何言っているのよ。フランがプッツン切れたら洞窟崩壊では収まらないわよ。バンジャマン、ベン、あんたら二人の活躍にかかっているんだからね。どんな事があってもフランは出さないように」
「メラニー、お前はそう言うけど、俺らではゴブリン10体が限度だけど」
バンジャマンが言う。
「多くなったら、剣を持たせてフランにやらせればいいから。魔術を使わせなかったらどんだけ使ってもいいわよ」
なんか、メラニーの私に対する扱いが酷くない?
私はムカつきつつ、アドにもらったお菓子を取り出した。
「皆お菓子はいっぱいあるわよ」
そう、アドに頼んだら婚約10周年記念のお菓子を沢山くれたのだ。私のリュックはそれで一杯だった。それを皆に配る。
「あんた、リュックの中身はお菓子しかないじゃない!」
「失礼ね。ちゃんと下着とかも入れているわよ。宿泊地の温泉、とても楽しみよね」
「お前な。本当に旅行気分だな」
ベルタン先生が呆れて言った。
まあ、低級魔物なんて100体集まっても私は一閃して勝つ気満々だった。
「あああ、着いた着いた」
馬車は森の中の広場に到着した。
ここから洞窟の入口までは約1キロ。
「ようし、早速テントを張り出すぞ」
先生の声を合図に全員でテントを張り出す。
1学年200名、3学年で600名の大所帯だ。
私達女子は4名で1つのテントだ。
一応、王子の護衛も兼ねて20名の騎士も同行していた。
私達女子も4人で協力して1つテントを建てる。
食事は私達女子が作ることになったが、「あんたは火の番していればいいから」
あっさりとメラニーから戦力外通告されたんだけど、酷くない?
私も焼くくらい出来るのに!
最も焼きすぎたり、半生だったりするけれど・・・・
「大丈夫よ! 火さえ通していれば、死ぬことないから」
夏に皆でしたバーベキューで私はそう言い切ったのだ。
「あのね、大丈夫なのは鋼鉄の胃のあんたくらいよ」
皆にはそれ以降一切料理させてもらえていないんだけど、今まで大丈夫だったんだから、絶対に大丈夫だって。
私の言葉は誰ひとり聞いてくれなかったんだけど、何でだろう?
みんなの作った料理は私の作る料理よりも断然美味しかった・・・・。何か悔しい・・・・。
その夜は皆で温泉入ってワイワイしてとても楽しかった。
私に対しての陰謀がなされているなんてつゆほども思っていなかったのだ。
ダンジョンに潜って宝物を探し出すのだ。
そのダンジョンは王都から50キロのところにあり、テントで2泊するのだ。
完全な旅行だった。いわば修学旅行だ。
前世では修学旅行なんて行けなかった私は、もうテンション上がりまくりだった。
洞窟の入口は5つもあって中はいくつにも別れていた。この国最大のダンジョンだ。
いる魔物は低級の魔物が中心だ。
まあ、魔の森で鍛えられている私にとっては、敵ではないのだ。たとえ巨大龍が出てきても、私は負ける気はしないが・・・・
組分けは魔力の強いものと弱いものを組み合わけるということで、私の班はベンとオリーブ、バンジャマン、ソレンヌ、それに私だった。
私達は馬車に分譲して出発する。
私は1班で2班はメラニーが班長だった。
「わああああ、皆で旅行なんてめちゃくちゃ嬉しい」
「おい、フラン、遊びでないぞ」
一緒に馬車に乗ってきたベルタン先生は言うけれど、私にとっては完全に遊びだった。
それも生まれて初めて、いや前世も含めて初めての修学旅行気分だ。もうウキウキだった。
「洞窟の中はスライムが多いそうだぞ。それにコボルトや、ゴブリンにも気をつけろよ」
先生が言う。
「まあねそういうのはバンジャマンとベンに任せるわ」
私は完全にお上りさん気分で言った。
「ええええ、でも数が多いと苦戦しそうなんだけど」
「そうそう、集団が来たら大変だぞ」
ベンとバンジャマンが言う。
「ま、相手にできなくなったら言ってよ。その時は私が出るわ」
私が言い切った。
「あんたら、あまりフランを出しだら駄目よ。洞窟が崩壊するから。できるだけフランは出さないでよ」
メラニーが横から注意するんだけど何でだ?
「失礼ねメラニー、いくら私でも、洞窟を破壊したりはしないわよ」
「何言っているのよ。フランがプッツン切れたら洞窟崩壊では収まらないわよ。バンジャマン、ベン、あんたら二人の活躍にかかっているんだからね。どんな事があってもフランは出さないように」
「メラニー、お前はそう言うけど、俺らではゴブリン10体が限度だけど」
バンジャマンが言う。
「多くなったら、剣を持たせてフランにやらせればいいから。魔術を使わせなかったらどんだけ使ってもいいわよ」
なんか、メラニーの私に対する扱いが酷くない?
私はムカつきつつ、アドにもらったお菓子を取り出した。
「皆お菓子はいっぱいあるわよ」
そう、アドに頼んだら婚約10周年記念のお菓子を沢山くれたのだ。私のリュックはそれで一杯だった。それを皆に配る。
「あんた、リュックの中身はお菓子しかないじゃない!」
「失礼ね。ちゃんと下着とかも入れているわよ。宿泊地の温泉、とても楽しみよね」
「お前な。本当に旅行気分だな」
ベルタン先生が呆れて言った。
まあ、低級魔物なんて100体集まっても私は一閃して勝つ気満々だった。
「あああ、着いた着いた」
馬車は森の中の広場に到着した。
ここから洞窟の入口までは約1キロ。
「ようし、早速テントを張り出すぞ」
先生の声を合図に全員でテントを張り出す。
1学年200名、3学年で600名の大所帯だ。
私達女子は4名で1つのテントだ。
一応、王子の護衛も兼ねて20名の騎士も同行していた。
私達女子も4人で協力して1つテントを建てる。
食事は私達女子が作ることになったが、「あんたは火の番していればいいから」
あっさりとメラニーから戦力外通告されたんだけど、酷くない?
私も焼くくらい出来るのに!
最も焼きすぎたり、半生だったりするけれど・・・・
「大丈夫よ! 火さえ通していれば、死ぬことないから」
夏に皆でしたバーベキューで私はそう言い切ったのだ。
「あのね、大丈夫なのは鋼鉄の胃のあんたくらいよ」
皆にはそれ以降一切料理させてもらえていないんだけど、今まで大丈夫だったんだから、絶対に大丈夫だって。
私の言葉は誰ひとり聞いてくれなかったんだけど、何でだろう?
みんなの作った料理は私の作る料理よりも断然美味しかった・・・・。何か悔しい・・・・。
その夜は皆で温泉入ってワイワイしてとても楽しかった。
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