悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
上 下
37 / 309
第二部 帝国の逆襲

婚約者が帝国の皇女と仲良くしていたので、ムカついて隣国の王子を訓練に付き合わせたら気絶させてしまいました。

しおりを挟む
私達は食器を片付けて走った。次は礼儀作法の先生のフェリシー先生だ。遅れたら何を言われるか判らない。

私たちは何とかギリギリ間に合った。私達が席につくと同時にフェリシー先生が教室に入ってきたのだ。

座ってハアハア息を整えていると
「フランソワーズさん。なんですか。髪が乱れていますよ。ひょっとして走ってきたのですか?」
「いえ、そんな事は」
私は慌てた。髪を押さえる。

「淑女が走るなんてどういうことですか」
先生がお説教を始めた。これはまずい。私は青くなった。

「先生。走ってきたのはフランソワーズさんだけではありません。何故フランソワーズさんだけを叱るのですか」
そこで言わなくても良いのにベンが一言、言ったのだ。

いや、そこは言わなくてもいいから・・・・でも、言ってしまったのね。

「な、何ですって」
より一層ヒートアップした、フェリシー先生のお小言が小一時間続くことになってしまったのだ。流石にそれ以上はベンも言えなかったみたいだ。

「おい、ベン。あんまりフェリシー先生を刺激するなよ」
授業が終わった後にアルマンが言った。

「だってあの先生、フラン姉さまにだけ辛く当たっているから」
「まあ、そうたげど、そこはスルーしような。皆のために」
「それは出来ないよ。僕のフラン姉さまに酷いことをするのは許せない」
「おい、フラン。何とか言い聞かせといてくれよ。でないと、またこんなのが続くとやってられなくなるから」
ベンに言うのを諦めたアルマンはそう言うと教室を出ていった。

「ベン。私のことは良いから、あそこは黙っていようね」
「ええええ! でも、姉さまだけ虐められるのってなんか許せないよ」
ベンは嬉しいことを言ってくれた。他の皆はフランさえ我慢したら、平和に授業が終わるからとか言うけれど、私のために憤ってくれたのはベンが初めてだ。

私はそれが嬉しかったのだ。

そのまま、寮に帰ろうとベンと歩いている時だ。私は前の方を楽しそうに話ながら歩いているアドと女生徒を見つけたのだった。

「あっ、あれが帝国のエミーリア皇女だよ。何か胸が大きいね」
ベンが私が気にしていたことを言ってくれた。エミーリアは私に比べれば圧倒的に豊満な体つきをしていた。

「あの二人仲良さそうに見えるよね」
ボソリとベンが言ってくれた。確かに仲良さそうに見える。ご注進に来た令嬢が言っていた。授業のグループディスカッションでこの二人が同じで、仲睦まじそうにしていたと。

「ふんっ、良いのよ。行くわよ。ベン」
私はそう言うとベンの手を引いてアド達とは反対側にずんずん歩き出したのだ。

そのまま訓練場に着くと
「ベン、ちょっと付き合ってくれる」
「えっ、まあ良いけれどフラン姉さま、お手柔らかにね」
ベンの顔が若干引きつっていたが、ムカムカしていた私は無視した。このムカムカは訓練で発散するに限る。

「行くわよ。障壁を最大に張って」
「判った。頼むから思いっきりやらないでよ!」
私の声にベンが青くなっている。

私はベンに向けて軽く衝撃波を放ったのだ。本当に力をいれずに軽くやったのだ。しかし、それはあっさりとベンの障壁を木端微塵にして、ベンを弾き飛ばしていたのだ。

ええええ! あんな攻撃であっさりやられちゃうの? 私は慌てた。

「べ、ベン、大丈夫?」
私は慌ててベンに駆け寄った。

ベンは完全に気を失っていたのだ。

私は慌ててベンを抱き上げるとそのまま保健室に一目散に駆け込んだのだ。


幸いなことにベンは衝撃を受けて脳震盪になっただけだった。

「フランソワーズさん。あなたは先生方から、他の人に対してあれほど魔術を使ってはいけないと禁止されていましたよね。なのに、何故、それも魔力の少ないベンヤミーンさん相手に使ったのですか。やるならばまだ、アルマンさんやバンジャマンさんにすればいいでしょう。よりにもよって他国の王族に使うとは国際問題になったらどうするつもりなのですか?」
私はまたしてもフェリシー先生のお叱りを受けることになってしまったのだった。うーん、ベンがここまでだめだったとは知らなかった。そう後でメラニー相手に愚痴ったらあんたを基準にしたら皆駄目な部類よ、いい加減わかりなさいよね。とダメだしされてしまった・・・・。解せぬ!


しおりを挟む
script?guid=onここまで読んでいただいてありがとうございます。
この次の作品はこちら
『天使な息子にこの命捧げます』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/22857933



「次にくるライトノベル大賞2023」

に私の下記の本がノミネートされました
なんと5つ目に
それを記念して『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』王子様に執着された無敵少女、魔王も怖くないが王妃様は苦手です』絶賛更新中
このお話【書籍化】!
7月5日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスのページに飛びます。



感想 334

あなたにおすすめの小説

【完結】「私は善意に殺された」

まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。 誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。 私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。 だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。 どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※他サイトにも投稿中。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

生命(きみ)を手放す

基本二度寝
恋愛
多くの貴族の前で婚約破棄を宣言した。 平凡な容姿の伯爵令嬢。 妃教育もままならない程に不健康で病弱な令嬢。 なぜこれが王太子の婚約者なのか。 伯爵令嬢は、王太子の宣言に呆然としていた。 ※現代の血清とお話の中の血清とは別物でござる。 にんにん。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください

ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。 義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。 外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。 彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。 「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」 ――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。 ⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。