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側妃と陛下に虐められそうになりましたが、王妃様に助けて頂きました

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そして、私達が連れて行かれた先は側妃の部屋だった……

「陛下。私はあのような屈辱を受けたのは初めてです」
中では側妃がわめきさらしているのだ。
その横には財務大臣もいて一緒に頷いているのだ。
私はうんざりした。

私達が入ってきたのを見て、さすがにうんざりしていたのか陛下が喜んだ顔をした。

「ジャンヌ。お前は今度は側妃を侮辱したというのは本当のことなのか」
挨拶も何もなしにいきなり陛下が怒鳴ってきたんだけど。

私は少し機嫌を悪くした。

「私は侮辱などしておりませんわ」
私は否定した。

「何言っているのよ。侯爵のほうが側妃より偉いって言ったじゃない」
「事実ですわ。それは」
側妃の言葉に私は大きく頷いたのだ。

「ほら、陛下、聞かれましたか?」
「左様でございます。不敬でしょう」
側妃と財務卿が一緒に私に対して言っているんだけど。

「いや、ジャンヌや。その言い方はだな」
陛下が文句を言いだしたので、
「そもそも陛下。王室規範には側妃などというものはございません」
私は正論を言ったのだ。

「いや、それはそうだが、それでは、側妃のことを妾と呼んだそうではないか。それはどうなのだ?」
「そうです。この女は私のことを妾と呼んでくれたのです」
「本当に不敬ですぞ」

「それは事実でございます。だって、資料には側妃なんて名前はございませんし、あるのは妾と言う言葉だけでございました」
「ほら見て下さい。陛下。この女を罰して下さい」
この側妃私の言葉を聞いていたのか?
財務今日の娘だそうだけど、娘がこの頭では財務卿も知れているのか?
私はこの国の未来が不安になった。

「私はけなしたわけではなくて、事実を申立までですわ。それに王妃様からもそう呼べと言われております」
「なんじゃと、王妃がそう申したというのか?」
「はい」
私は頷いたのだ。

「何をしているのです!」
そこに大きな声がして王妃様がいらっしゃった。

私達は直ちに頭を下げた。

「これはジャンヌではないか。息災にしておったか」
私を見つけて嬉しそうに王妃様が話された。
私は何故か元々王妃様とうまが合うのだ。

「はい王妃様」
「その腕の中がその方の息子のシャルルか」
「はい、左様でございます」
私達は陛下を無視して話しだしたのだ。

「ほううう、これは可愛いではないか」
「そうでしょう。本当に可愛くて」
私達が話していると
「おほんおほん」
陛下が咳払いをされた。

「これは陛下。このようなところでどうされたのです?」
始めて知ったかのように王妃様が陛下を見られた。

「ジャンヌが言うにはその方が側妃に対して妾と呼べと言ったという話しであるが」
「当たり前でしょう。そもそも側妃などという名前はないのです。正式名称は妾でございます。正式名称を呼んで何が悪いのですか」
王妃様が正論を述べられた。

「いや、そのだな」
「側妃など、あなたのお祖父様から作られた俗称でしょう。そう呼ばれたほうが汚らわしいと私は存じますが」
「いや、まあ、あのだな」
王妃様に強くでられるといつも陛下は弱いのだ。

「そもそも、既に跡継ぎはエドワードがいるのですから、これ以上の王子は必要ないと申したのに、あなたとそこの財務大臣が勝手にしたことなのです。何故私までが付き合わないといけないのですか」
急に王妃様の機嫌が悪くなった。
こうなると王妃様の独断場だ。

「ということで、ジャンヌは連れてまいります。宜しいですね」
「……」
王妃様の前に陛下は何も言えなくなってしまったのだ。


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