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逃げようとしたら侍従に王子と一緒に陛下の所に連行されました

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「エド、陛下からのお呼び出しよ。エドが今度は何をしたのか知らないけれど、さっさと行って謝っておいたほうが良いわよ」
私は親切にもエドに忠告してあげたのだ。
「何を言う! 呼ばれているのはジャンヌだろう! 今度は何をやったのだ?」
エドが私の方を見てくるんだけど……

「そんな訳無いでしょ。最近は静かに領地に籠もっていたわよ」
「どうだか」
私の言葉にエドが疑い深そうに聞いてきた。

「そもそも、陛下の担当はあなたじゃない。私は王妃様担当なんだから」
そう、昔から怒られる時はエドは陛下で私が王妃様と相場は決まっていたのだ。
そして、今回は陛下からの呼び出しということでエドの担当のはずだ。

「何を言っているんだ。怒られるのはいつもお前が俺達を無理やりドラゴン退治とか盗賊退治に付き合わさせたからだろうが! お前さえ、俺達を変なことに誘わなければ俺らが怒られることはなかったんだぞ」
エドが怒ってくるけれど、
「何言っているのよ。そんなの一緒について来たら同罪に決まっているじゃない!」
こいつらは何を言い出すのだ。そんなのは常識だ。

「それに後から文句を言うなんて本当に女々しいのね」
私が軽蔑して言ってやると

「な、何を言うんだ」
「殿下、落ち着いて」
後ろから必死に側近らに止められているんだけど。
本来はもっとからかって遊びたかったんだけど、陛下からお呼び出しがかかったのなら仕方がない。

「後はよろしくね。エド」
私はそう言うと、シャルルと一緒に出ていこうとした。

「お待ちくださいませ。今回、陛下はジャンヌ様をお呼びです」
「えっ」
侍従の言葉に私は絶句した。

「ほら見てみろ。呼ばれているのはジャンヌじゃないか。がんばって行ってこいよ」
喜んでエドが手を振ってくれるんだけど……
思いっきり向こう脛でも蹴飛ばしてやろうかしらと思った時だ。

「エドワード様もジャンヌ様の後見人ということで呼ばれています」
「なんで俺がこいつの後見人なんだ」
「なんでエドが私の後見人なのよ」
私達は珍しく同時に叫んでいた。

「今回シャルル様の後見人をジャンヌ様にされるという時に陛下がつけられた条件がそれです。勅書にも書かれていたはずですが」
侍従がそうはっきりと言ってくれた。
そうなんだ。細かいところまで見ていなかった。

「そう言えばそう言うことがあったな」
エドが誤魔化すが、

「私は聞いていないわよ」
「聞くも何も、時間がなかったんだろうが」
私の言葉にエドが言ってくれるんだけど。

「まあ良いわ。私が何か問題起こせば、責任は全部エドに取ってもらうから」
私が自分に都合の良い様に解釈した。

「ちょっと待て、自分の責任くらい自分で取れ」
「ええええ、そんな面倒くさい。怒られるくらいエドが怒られてよ」
「もうお前のせいで散々怒られているわ」
エドが叫んできたんだけど。

「お二方とも宜しいですか」
侍従さんが似合わぬ大声を出して私達を黙らせてくれた。

「もう大分陛下をおまたせしております」
「えっ、陛下は待っておられるの?」
「左様でございます。お急ぎ下さい」
私達は侍従に言われるがままに、ついて行ったのだ。
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