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第十三章 全能神の逆襲
魔導電話で徹底的な謀略戦が始まりました。
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ノルディン帝国の帝都で一斉に全ての魔導電話がクリスの姿を映し出す少し前、クリスは原稿片手にオーウェンを前にして固まっていた。
「オウ、これ本当に読まないといけないの?」
原稿を見ながらクリスは嫌そうにしていた。
「えっ、いやか。でもジャルカ様がこれをと作られたんだけど」
「シャラザール様って、伝説の戦神なんてここに持ってきていいの?」
「ああ、向こうもゼウスなんて全能神持ってきているから気にしないで」
「でもゼウスと名乗るのはいたわよ」
クリスが反論する。
「大丈夫。こちらもいるから」
「ひょっとしてジャルカ様がやるって言うの?」
クリスが疑問を投げかける。
「えっ、いやそんなこと無いんじゃないか」
クリスが気絶すればすぐにシャラザールが来臨するなんて、口止めされて言えないオーウェンは口を濁しながら答えた。
しかし、なんとかクリスを誤魔化して出来てきた映像を見てオーウェンは絶句したのだ。これはまずいと思った。しかし、もう直している時間はない。
クリスはピキピキこめかみを震わせながら戦場を前にそれを見ていた。
「オウ、帰ったらただじゃ済まさないんだから!」
作戦前に全員の魔道電話が一斉に鳴り出していやがおうにも見せつけられたのだ。
「私はボフミエ魔導国の筆頭魔道士クリスティーナ・ミハイルです」
「両手を握りしめて聖女をイメージして言われると良いですぞ」とのジャルカの言うままにしたのだが・・・・
「ノルデイン帝国の皆さんに大変なお知らせがあります。なんと貴国の皇帝陛下が魔王に乗っ取られてしまったのです。こちらが先の大戦で戦神シャラザール様に退治された邪神であり新魔王であるゼウスです。ゼウスはシャラザール様に退治されて地獄の無限地獄で服役していたのが、なんと、地獄の門を脱獄し、あろうことか、貴国の皇帝陛下を乗っ取ったのです。
今回の我が国に攻めてきた画像がこちらです」
「予はゼウスじゃ。余に逆らうアレクサンドルを助けてほしければ全面的に降伏せよ」
クリスらを攻撃するゼウスのおどろおどろしい顔がアップになる。
「ノルデイン帝国の兵士の皆さんへ。見られましたか? すなわち、いまあなた方に出されている命令は邪神からの命令で、善良な兵士の皆さんは聞く必要がないということです。
邪神は反対した貴国の皇太子殿下である我が国の外務卿アレクサンドル様をも拘束し、今まさに殺そうとしているのです。ノルディン帝国の皆さん。今こそ、立ち上がって皇太子殿下を救出し、邪神ゼウスを倒そうではありませんか」
そう言うクリスの顔の下にクリスのプロフィールがずらりと並んでいた。
シャラザール山爆裂魔術一撃で破壊消滅、魔王と化した王弟殴打にて人間に戻す。
悪徳商人GAFAの4本拠地雷撃にて破壊。魔王消滅、浄化させる。新大陸、魔の山一撃消滅。南山脈消滅等々、彼女に負けの文字は無し。無敵の聖女等々。
そして、それが次々に記録映像に変わっていく。シャラザール山がクリスの自棄糞の攻撃で爆発のあと煙がなくなると消滅していたり、雷撃で黒こげになったGAFAの跡地を唖然と見るアメリアだったり、次々に変わっていく。どこもかしこも焦土と化していた。
「いやあ、クリス様の戦績はすごいですね」
「ノルデインの皇子も一閃でやっつけたとか」
「基本的にボフミエで筆頭魔道士様に逆らう奴はいません」
「なんせあの赤い死神が怖れていますから」
フェビアンとシュテファンと思しき声が聞こえる。
あの二人も許さないとクリスは両手を拳に握りしめて誓ったのだった。
「でも、今回の最大の戦力は戦神シャラザール様がなんと、ご親征されるそうです」
フェビアンの声に、シャラザールのアップになる。
「予は世界の始祖、シャラザールである。我が娘ノルデイン帝国始祖エカテリーナの子孫共よ。
今すぐ立ち、邪神ゼウスを倒すのじゃ。予は今からそちらに出撃する。
余に逆らうものはどうなるか、先の陳国での戦闘で思い知っておろう。直ちに余のもとに馳せ参じるのだ。魔王になってしまった余の子孫の皇帝なんぞの言う事を聞いたやつは、ノルディンからいや、地上から消滅させてやるからそのつもりでいるのじゃ。
ま、余としては逆らってもらったほうが、やりがいがあるがな。わっはっはっは」
シャラザールの高笑いが、魔導電話から流れた。
そして、また最初にもどるのだ。
ペトロラ3人は唖然としてそれを見ていた。
そして、通気口の下にいる兵士たちも同様だった。彼らは何故頭上からも同じ声が聞こえるのか考える余裕はなかった。
何しろこの兵士たちは陳国で捕虜になってシャラザールの猛訓練に参加させられていたのだ。
シャラザールがどれだけ規格外に強いかは身をもって知っていた。
「おい、どうするんだ。あの化け物がまた来るって言っているぞ」
一人が言う。
「えっ、しかし、皇帝陛下に逆らうと」
「あの化け物と陛下とどちらが強いと思っているんだよ」
「いやあ、そらあ、化け物だけど・・・」
「でも、逆らうと反逆罪だぞ」
「どうするんだよ」
「でももうじき来るつていっているぞ」
「あっ」
ミシッといって通気口が3人の重さに耐えきれずに兵士たちの頭上に落ちたのはその時だった・・・・。
「オウ、これ本当に読まないといけないの?」
原稿を見ながらクリスは嫌そうにしていた。
「えっ、いやか。でもジャルカ様がこれをと作られたんだけど」
「シャラザール様って、伝説の戦神なんてここに持ってきていいの?」
「ああ、向こうもゼウスなんて全能神持ってきているから気にしないで」
「でもゼウスと名乗るのはいたわよ」
クリスが反論する。
「大丈夫。こちらもいるから」
「ひょっとしてジャルカ様がやるって言うの?」
クリスが疑問を投げかける。
「えっ、いやそんなこと無いんじゃないか」
クリスが気絶すればすぐにシャラザールが来臨するなんて、口止めされて言えないオーウェンは口を濁しながら答えた。
しかし、なんとかクリスを誤魔化して出来てきた映像を見てオーウェンは絶句したのだ。これはまずいと思った。しかし、もう直している時間はない。
クリスはピキピキこめかみを震わせながら戦場を前にそれを見ていた。
「オウ、帰ったらただじゃ済まさないんだから!」
作戦前に全員の魔道電話が一斉に鳴り出していやがおうにも見せつけられたのだ。
「私はボフミエ魔導国の筆頭魔道士クリスティーナ・ミハイルです」
「両手を握りしめて聖女をイメージして言われると良いですぞ」とのジャルカの言うままにしたのだが・・・・
「ノルデイン帝国の皆さんに大変なお知らせがあります。なんと貴国の皇帝陛下が魔王に乗っ取られてしまったのです。こちらが先の大戦で戦神シャラザール様に退治された邪神であり新魔王であるゼウスです。ゼウスはシャラザール様に退治されて地獄の無限地獄で服役していたのが、なんと、地獄の門を脱獄し、あろうことか、貴国の皇帝陛下を乗っ取ったのです。
今回の我が国に攻めてきた画像がこちらです」
「予はゼウスじゃ。余に逆らうアレクサンドルを助けてほしければ全面的に降伏せよ」
クリスらを攻撃するゼウスのおどろおどろしい顔がアップになる。
「ノルデイン帝国の兵士の皆さんへ。見られましたか? すなわち、いまあなた方に出されている命令は邪神からの命令で、善良な兵士の皆さんは聞く必要がないということです。
邪神は反対した貴国の皇太子殿下である我が国の外務卿アレクサンドル様をも拘束し、今まさに殺そうとしているのです。ノルディン帝国の皆さん。今こそ、立ち上がって皇太子殿下を救出し、邪神ゼウスを倒そうではありませんか」
そう言うクリスの顔の下にクリスのプロフィールがずらりと並んでいた。
シャラザール山爆裂魔術一撃で破壊消滅、魔王と化した王弟殴打にて人間に戻す。
悪徳商人GAFAの4本拠地雷撃にて破壊。魔王消滅、浄化させる。新大陸、魔の山一撃消滅。南山脈消滅等々、彼女に負けの文字は無し。無敵の聖女等々。
そして、それが次々に記録映像に変わっていく。シャラザール山がクリスの自棄糞の攻撃で爆発のあと煙がなくなると消滅していたり、雷撃で黒こげになったGAFAの跡地を唖然と見るアメリアだったり、次々に変わっていく。どこもかしこも焦土と化していた。
「いやあ、クリス様の戦績はすごいですね」
「ノルデインの皇子も一閃でやっつけたとか」
「基本的にボフミエで筆頭魔道士様に逆らう奴はいません」
「なんせあの赤い死神が怖れていますから」
フェビアンとシュテファンと思しき声が聞こえる。
あの二人も許さないとクリスは両手を拳に握りしめて誓ったのだった。
「でも、今回の最大の戦力は戦神シャラザール様がなんと、ご親征されるそうです」
フェビアンの声に、シャラザールのアップになる。
「予は世界の始祖、シャラザールである。我が娘ノルデイン帝国始祖エカテリーナの子孫共よ。
今すぐ立ち、邪神ゼウスを倒すのじゃ。予は今からそちらに出撃する。
余に逆らうものはどうなるか、先の陳国での戦闘で思い知っておろう。直ちに余のもとに馳せ参じるのだ。魔王になってしまった余の子孫の皇帝なんぞの言う事を聞いたやつは、ノルディンからいや、地上から消滅させてやるからそのつもりでいるのじゃ。
ま、余としては逆らってもらったほうが、やりがいがあるがな。わっはっはっは」
シャラザールの高笑いが、魔導電話から流れた。
そして、また最初にもどるのだ。
ペトロラ3人は唖然としてそれを見ていた。
そして、通気口の下にいる兵士たちも同様だった。彼らは何故頭上からも同じ声が聞こえるのか考える余裕はなかった。
何しろこの兵士たちは陳国で捕虜になってシャラザールの猛訓練に参加させられていたのだ。
シャラザールがどれだけ規格外に強いかは身をもって知っていた。
「おい、どうするんだ。あの化け物がまた来るって言っているぞ」
一人が言う。
「えっ、しかし、皇帝陛下に逆らうと」
「あの化け物と陛下とどちらが強いと思っているんだよ」
「いやあ、そらあ、化け物だけど・・・」
「でも、逆らうと反逆罪だぞ」
「どうするんだよ」
「でももうじき来るつていっているぞ」
「あっ」
ミシッといって通気口が3人の重さに耐えきれずに兵士たちの頭上に落ちたのはその時だった・・・・。
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