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第十三章 全能神の逆襲

赤い死神救出作戦の開始が宣言されました。

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シャラザール3国とは
1000年前のシャラザール帝国が分かれて出来た3国
マーマレード王国ジャンヌ皇太子とクリスらの出身国
テレーゼ王国、女王の国。アメリア教育卿が皇太子
ドラフォード王国 南の大国。ノルディン帝国と並ぶ大国。オーウェン内務卿が皇太子
ちなみに、今捕まっているアレクサンドルはノルディン帝国の皇太子でボフミエ魔導国の外務卿。

ボフミエ魔導国は真ん中にある中堅国家であったが、クリスらによって大国に。
シャラザール3国とノルディン帝国それに現地のボフミエの人間を中心に東の大国陳王国等の人材も活用している。多民族国家になっている。閣僚の大半は各国の皇太子が務めている。

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「ペトロ!」
ウィルが電話に向かって叫ぶが、もはや返事はなかった。

「魔導電話の電波を遮断されたみたいです」
グリフィズが報告した。

「現在ノルディンに滞在中の40名で他に連絡取れたものはいません」
続けて悠然が報告する。

「今の場所のトレースできましたぞ」
ジャルカが場所を明示する。

場所は広大な宮殿の一角だった。

「アレク様の反応が消えたのも宮殿で、おそらく、宮殿からは出ていないと推察されます」
グリフィズが言い切った。

「クリス、心配だ。出来れば我が隊だけでも即座に出撃したい」
ジャンヌが言い切った。

「しかし、ジャンヌ。危険よ。アレク様ても対処できなかったのよ。魔導部隊だけで行っても捕まりに行くようなものよ」
教育卿でテレーゼ皇太子のアメリアが言う。
「そうだ。ジャンヌ。ここはシャラザール3国を中心に抗議行動に出て、敵の出方を見るべきだ」
オーウェンも言う。

「しかし、あちらはゼウス自ら乗り込んで来たんだ。抗議したくらいじゃなんともならないだろう」
「もう少し様子を見るべきだと思うわ」
「時間をかけて良くなるとは思えない」
「アレク様が捕まっていて心配なのは判るけれど、どうなっているかもう少し情報を集めるべきよ」
「でも、実際現地に行って見てみないとわからないだろう。他国を当てにするのも限界があるぞ」
「しかし、危険すぎる。敵の力は絶大だぞ。それに他国と言うが、我らの母国だ」
「そうよ、ここは自重よ。お母様にも情報収集はお願いしているから」
アメリアが諭すように言う。いつもは積極派にアレクがいるので積極派と消極派がトントンだが、今日は積極派はジャンヌ一人で不利だった。

「しかし」
ジャンは唇を噛んだ。

「クリス。どう思う?」
出来ればこれで議論を終わりにしたいと思ってオーウエンが聞いた。

「今回は出ようと思います」
「えっ」
クリスの言葉にオーウェンは絶句した。

「どうしたのよ。クリス。慎重派のあなたらしくないわ」
アメリアまで慌てる。

「敵はまさかすぐに攻撃を仕掛けてくるとは思っていないと思うのです。一気に攻撃を仕掛けて、アレク様はじめ出来るだけ多くの者を救出、帰還します」
「しかし、クリス、それは危険だ」
オーウェンが即座に反対した。今回ゼウスまでいるということは例え最悪シャラザールが来臨すると言っても危険だと思った。

「今回ゼウスとかいう邪神に攻撃されたのです。即座に反撃しないと国が揺れます」
「しかし、勝てるという保障はないんだぞ」
「勝たなくてもいいのです。アレク様さえ連れて帰れれば良いのですから」
「それはそうだが」
「主力を集めて急襲、敵の混乱のドサクサに紛れてアレク様を助けて帰還します」
クリスは言い切った。

「本当にされるのですか」
ジャルカが聞いてきた。

「時間が経つほど、こちらは不利になりそうな予感がするのです」
クリスが言い切った。

「誰を行かせるのですか。夜襲なら少数精鋭で行くべきだと思いますが」
「お姉様の部隊20名。ジャスティン。魔導騎士を中心に20名選出して下さい。私の戦闘部隊はビアンカも含めて全員。ジャルカ様は魔道士を40名選出して下さい」
「いや、クリス、君が行くのならば、おれも行く」
オーウェンが申し出た。

「オーウェン様。オーウェン様には後方で、全員がうまく撤収できるように指揮をお願いしたいのです。これをお願いできるのはオーウェン様しか、いらっしゃらないのです」
クリスはオーウェンに頼み込んだ。

「しかし、クリス・・・・」
「今回の作戦はうまくいくかどうかは本当に綱渡りなのです。その後ろをお任せできるのはオーウェン様しかいらっしゃいません」
クリスが言い切った。

「判った。それしかないのならば。直ちにノルディン帝国に対して謀略行動に出る」
「こちらの人員は攻撃部隊以外の指揮をオーウェン様におまかせします」
クリスはそう言うと一同を見回した。

「2時間後に作戦開始します。ジャルカ様グリフィズとお姉様とジャスティン、具体的な作戦計画を策定しましょう」
「しかし、時間がありませんな」
「まあ、向こうもまさか今夜襲撃してくるとは思ってもいないでしょう。そこを突きます」
クリスは全員を見渡して宣言した。

執務室内はクリスの宣言で蜂の巣をつついたような大騒動になった。
ここに救出作戦が開始されたのだ。
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