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第十二章 婚活と雪女
正月特別企画 新年のシャラザールの来臨は何故か宴会になりました
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クリスマスイブはボフミエ魔導国の幹部連中にとっては最悪の一夜になってしまった。
サンタのおもちゃ配りの仕事は、翌朝、日の出前に配りきったが、全員疲労のあまり即座に寝込んだのは言うまでもなかった。
もう二度と嫌だ。
オーウェンは翌朝、辛いのに鞭打って起き上がりながら思った。
「オウ、昨日はごめんね。また、アルコールを飲んでしまったみたいで、寝てしまって」
クリスに謝られて少しは機嫌の治ったオーウェンだったのだが。
その日の夕方から、子供たちから次々にお礼の手紙が届きだしたのだ。
最初は何のことか判らずにキョトンしていたクリスだが、
「えええ、そんな! 私が寝ている間に皆でそんな良い事していたなんて、ずるい」
とお冠だった。
「いや、クリス、これはそんな良いことじゃないって」
「本当だぞ。もう散々だったんだから」
オーウェンの言葉にジャンヌもつらそうに頷く。
「でも、私もさせて頂きたかったです。子どもたちの喜ぶ姿も見られたし・・・・」
クリスは残念そうだった。
「次にやる時は絶対に起こしてくださいね」
オーウェンには何度も念押しするクリスだった。
「でも、シャラザールがやっている限りクリスは出てこれないよな」
影でボソリと言ったジャンヌの言葉は真実だったのだが、クリスはまだ知らない。
そして、迎えた次のイベントは年明けだ。
中庭に机を並べて皆で新年を祝う会だった。
雪国と違ってボフミエでは雪が降ることはなく、冬の夜と言ってもそんなに寒くない。
今日の乾杯の音頭はお祭り隊長のジャンヌだ。
「よし、全員杯を持ったな」
ジャンヌが言う。クリスのコップの中がノンアルコールなのは確認済みだ。
「では、行くぞ。3,2,1、新年おめでとう! 乾杯」
「おめでとう」
「やっほーーー」
「やった」
「新年だ」
皆日頃の鬱憤を晴らすようにはしゃぎまわった。
夜空には次々に花火が打ち上げられる。
色とりどりの花火が夜空を飾る。
この日は市民も街に総出で繰り出していた。
各地で夜通しお祝いがされるのだ。
オーウェンは昨年一年間のことを思い出したいた。結構いろいろなことがあったが、今年こそ、クリストうまくいきますようにと心のなかで祈った。
そして、目を開けて、クリスを探したときだ。クリスの杯にソニアがお屠蘇を注いだ後だった。そう言えばソニアはクリスがアルコールを飲むとシャラザールになるのを知らないんだったと思い出したのは後の祭りだった。
「えっ、クリス、待った」
オーウエンが叫んだ時にはクリスはお屠蘇を口に含んだ後だった。
ダンッ
そこにはいつものごとく威圧感バリバリのシャラザールが立っていた。
「えっ、クリス様どうされたのですか」
「その方がソニアか。余はシャラザールじゃ」
「えっ、シャラザールって戦神シャラザールでしょ。1000年前の伝説じゃないですか。
クリス様も飲むとおちゃめになるんですね。ま、もう一杯いきましょう」
ソニアは全く動じずに、シャラザールに杯を注いだ。
「ん、そうか」
注がれた酒をシャラザールが飲む。
「さすが、シャラザール様は違いますね。では、もう一杯」
ソニアが注ぐ。
「ん、すまぬな」
次の盃も一気にシャラザールは空ける。
「本当に、クリス様はシャラザール様になられるとお酒が飲めるようになるのですね。他の方々には、クリス様にはお酒を飲ませると大変なことが起こるから、絶対に飲ませるなと言われているんですが」
「ほうう、誰がそのような事を言ったのだ」
シャラザールの言葉に棘がある。
全員真っ青になった。
シャラザールに余計なことを言った事がバレると殺されかねない。
皆必死にソニアに止めさせようと合図するが、ソニアも少し酔っているみたいでまったく、通じない。
「アレク様でしょ。ジャンヌ様でしょ。オーウェン様までクリス様が飲んだら、神より怖い存在になるみたいなこと言うんですよ」
事実を淡々と離す、ソニアの周りはシーンとした。
シャラザールの目が鋭くなる。
「アレク、この娘はそのように申しておるが本当か」
「いえ、その様な事は滅相もございません。シャラザール様はとても凛々しくなると話しただけで」
アレクは必死に誤魔化していた。ソニアの糞娘、なんてこと言ってくれるんだ。
アレクは切れていたが、シャラザールの前で余計な事は出来ない。
「まあまあ、シャラザール様。飲みの席は無礼講ですよ。怒ってはいけません。ほら、もう一杯お注ぎしますから」
そう言うとシャラザールの杯にソニアが注いだ。
「うん、そうか」
止むを得ずシャラザールが杯を飲み干す。
「お詫びにアレク様が踊りを踊って頂けるそうです」、
「えっ、俺が・・・・」
周りのものは青くなった。赤い死神に踊りを踊らせるなど何という恐れ知らずな。
「そうか、アレクよ。踊ってみよ。それで許してやろう」
しかし、シャラザールに言われればどうしようもないではないか。
「では、私めが歌いましょう」
いうや、音痴な歌をソニアが歌い出した。
「ええい、もうやけだ」
アレクがそれに合わせて踊りだす。
「いよう、アレク様、素敵」
「凄いアレク」
もう、周りもやけ状態だ。
下手にシャラザールの機嫌を損ねる訳にもいかず、そのままのノリで騒ぎ出す。
それに、シャラザールの特訓よりもましだろうと次から次に踊り手が現れだした。何しろ新年早々訓練はないだろう。
「そう言えばジャルカよ。昔はよくこうして宴会をやったな」
「左様でございますな。良く夜通し宴会をやりましたな。シャラザール様も下手な踊りをよく踊っておられました」
「下手な踊りは余計じゃが、余もたまには踊るか」
シャラザールまで踊りだして、もう本当の大宴会になってしまった。
その日は珍しく、特訓もなく、シャラザールも喜んで夜通し騒いでいたそうな・・・・・
「ソニア!」
翌日怒髪天したアレクがソニアに詰め寄ったが、ソニアは全く動じずに、
「すいません。アレク様。私、飲むと皆さんに失礼な事してしまうみたいで、誠に申し訳ありませんでした」
ソニアが深く頭を下げる。
最初に謝られたので、アレクも上げた手を振り下ろせなかった。
「よっていて覚えていなかったんですけど、確かクリス様だと思うんですけど、飲んだ時の事で困ったことがあれば、すぐに私に言えみたいなこと言われたんですけど、どういう意味ですかね。アレク様判ります?」
ソニアは無邪気に聞いた。
アレクはそれを聞いてゾォーーとした。そう言えばシャラザールは出ようと思えばすぐに出られるようなことを言っていたような。
この小娘に何か言うのは自分のためにも止めようと心に誓ったアレクだった・・・・・
**************************************************************************
ソニアは最強かも・・・ソニアの主人公の話はこちら「大国に乗っ取られそうな王女の侍女は後ろ盾を探すために異国に留学しますが、気付かぬうちに超大国の方々と仲良くなっていました」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/520576250
また、現在毎日更新中の新作「好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/377591254
絶好調更新中です。
ついに第二王子の母、現王妃の毒牙がリアに向かいます。
王子の後継者争いで渦中のカートがそれを防ごうとして・・・・
リアの運命やいかに?
ついに明らかになるカートの正体・・・・・
ラストまでここから怒涛の展開です。
ぜひともお読み下さい。
サンタのおもちゃ配りの仕事は、翌朝、日の出前に配りきったが、全員疲労のあまり即座に寝込んだのは言うまでもなかった。
もう二度と嫌だ。
オーウェンは翌朝、辛いのに鞭打って起き上がりながら思った。
「オウ、昨日はごめんね。また、アルコールを飲んでしまったみたいで、寝てしまって」
クリスに謝られて少しは機嫌の治ったオーウェンだったのだが。
その日の夕方から、子供たちから次々にお礼の手紙が届きだしたのだ。
最初は何のことか判らずにキョトンしていたクリスだが、
「えええ、そんな! 私が寝ている間に皆でそんな良い事していたなんて、ずるい」
とお冠だった。
「いや、クリス、これはそんな良いことじゃないって」
「本当だぞ。もう散々だったんだから」
オーウェンの言葉にジャンヌもつらそうに頷く。
「でも、私もさせて頂きたかったです。子どもたちの喜ぶ姿も見られたし・・・・」
クリスは残念そうだった。
「次にやる時は絶対に起こしてくださいね」
オーウェンには何度も念押しするクリスだった。
「でも、シャラザールがやっている限りクリスは出てこれないよな」
影でボソリと言ったジャンヌの言葉は真実だったのだが、クリスはまだ知らない。
そして、迎えた次のイベントは年明けだ。
中庭に机を並べて皆で新年を祝う会だった。
雪国と違ってボフミエでは雪が降ることはなく、冬の夜と言ってもそんなに寒くない。
今日の乾杯の音頭はお祭り隊長のジャンヌだ。
「よし、全員杯を持ったな」
ジャンヌが言う。クリスのコップの中がノンアルコールなのは確認済みだ。
「では、行くぞ。3,2,1、新年おめでとう! 乾杯」
「おめでとう」
「やっほーーー」
「やった」
「新年だ」
皆日頃の鬱憤を晴らすようにはしゃぎまわった。
夜空には次々に花火が打ち上げられる。
色とりどりの花火が夜空を飾る。
この日は市民も街に総出で繰り出していた。
各地で夜通しお祝いがされるのだ。
オーウェンは昨年一年間のことを思い出したいた。結構いろいろなことがあったが、今年こそ、クリストうまくいきますようにと心のなかで祈った。
そして、目を開けて、クリスを探したときだ。クリスの杯にソニアがお屠蘇を注いだ後だった。そう言えばソニアはクリスがアルコールを飲むとシャラザールになるのを知らないんだったと思い出したのは後の祭りだった。
「えっ、クリス、待った」
オーウエンが叫んだ時にはクリスはお屠蘇を口に含んだ後だった。
ダンッ
そこにはいつものごとく威圧感バリバリのシャラザールが立っていた。
「えっ、クリス様どうされたのですか」
「その方がソニアか。余はシャラザールじゃ」
「えっ、シャラザールって戦神シャラザールでしょ。1000年前の伝説じゃないですか。
クリス様も飲むとおちゃめになるんですね。ま、もう一杯いきましょう」
ソニアは全く動じずに、シャラザールに杯を注いだ。
「ん、そうか」
注がれた酒をシャラザールが飲む。
「さすが、シャラザール様は違いますね。では、もう一杯」
ソニアが注ぐ。
「ん、すまぬな」
次の盃も一気にシャラザールは空ける。
「本当に、クリス様はシャラザール様になられるとお酒が飲めるようになるのですね。他の方々には、クリス様にはお酒を飲ませると大変なことが起こるから、絶対に飲ませるなと言われているんですが」
「ほうう、誰がそのような事を言ったのだ」
シャラザールの言葉に棘がある。
全員真っ青になった。
シャラザールに余計なことを言った事がバレると殺されかねない。
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シャラザールの目が鋭くなる。
「アレク、この娘はそのように申しておるが本当か」
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シャラザールまで踊りだして、もう本当の大宴会になってしまった。
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「ソニア!」
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「すいません。アレク様。私、飲むと皆さんに失礼な事してしまうみたいで、誠に申し訳ありませんでした」
ソニアが深く頭を下げる。
最初に謝られたので、アレクも上げた手を振り下ろせなかった。
「よっていて覚えていなかったんですけど、確かクリス様だと思うんですけど、飲んだ時の事で困ったことがあれば、すぐに私に言えみたいなこと言われたんですけど、どういう意味ですかね。アレク様判ります?」
ソニアは無邪気に聞いた。
アレクはそれを聞いてゾォーーとした。そう言えばシャラザールは出ようと思えばすぐに出られるようなことを言っていたような。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/520576250
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