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第十二章 婚活と雪女
クリスをかけて大国皇太子と南国皇太子は決闘しましたが、クリスの暴発した魔術で死にそうになりました
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「ヨーナス様。頑張ってくださいね。パレルモの未来はあなたにかかっているんですから」
クリスはそう言うと頭を下げるヨーナスの前を立ち上がって自分の席に戻ろうとした。
その時だ。どこからともなくいきなりサウスの皇太子チャドウィックが現れたのだ。
「オーーーー。愛しのハニー、クリスティーナ。平民の願いも叶えるなんて、あなたの心はどこまで広いんだ!」
チャドウィックは言いながらクリスに抱きつこうとした。
その前にオーウェンが立ちふさがる。
「貴様。クリスに近づくな」
「おーー、陰険皇太子、貴様、1度ならず2度までも私とクリスティーナの邪魔をするのか」
「貴様勝手にクリスを呼び捨てにするな」
「貴様こそ名称呼び捨てにしているではないか」
二人は睨み合った。
「よーし、判った。我がサウス王国では恋路をかけて剣で勝負するのが決まりだ。しかし、勉強だけの王子は剣を持ったこともあるまい」
チャドウィックは馬鹿にしたようにオーウェンを見下す。
「何だと、口だけ皇太子め。貴様こそ口先だけだろうが」
「ほう、その軟弱な躰で私に対抗するつもりか」
「剣の扱いは口先だけではできんぞ」
「判った。では剣でしょうぶしようではないか」
「判った剣で勝負してやる」
チャドウィックの挑発にオーウェンがのった。
「ちょっとオウ、この忙しい時に私をかけて余計なことしないで」
クリスが止めようとするが
「ほう、女に腕を心配されて止められるのか、軟弱い陰険皇太子」
チャドウィックは馬鹿にして言った。
「き、貴様、二度とその軽口がきけないようにしてやる」
二人はクリスをおいて火花を散らした。
そして、今、訓練場では多くのギャラリーを集めてオーウェンとチャドウィックが対峙していた。
「あの軟弱男、戦えるのか」
ジャンヌまでそこにいた。
「彼は狩猟国家のサウスの皇太子ですからね。剣はある程度は出来るのではないですか」
グリフィズが言う。
「じゃあ、あいつが勝つとクリスとアイツが付き合うのか」
「姫様。そんなの許すわけ無いですよね。その時は俺が叩き潰してやりますよ」
剣に手をかけてウィルが言った。
クリスの騎士の他の3人も頷く。
「クリス様に抱きつくなどただでは許しません」
メイも目を怒らせて言う。
「ま、皇太子殿下は前座ということで、クリス様に対して馴れ馴れしい態度を取ったことを死ぬほど後悔させてやりますよ」
アルバートが総括した。
「あのう、それは後でいくらでもやってもらって構わないが、もしクリス様が暴走しそうになったら止めてくださいね」
グリフィズが念の為に4人とジャンヌに頼む。
「えっ、それはなかなか難しいと思うぞ。クリスが暴走したら止められるやつなんてシャラザール様くらいしかいないぞ」
「オーウェン様がやられてもクリス様がそこまで熱くなられることはないのではないかと」
イザベラが言う。
「でも、この忙しい中、興味が無かったらここにいらしやいますか」
グリフィズが一抹の不安を感じながら言う。
皆は顔を見合わせた。
確かにグリフィズの言うことも一理ある。
なんだかんだ言ってもあの二人は仲が良い。
もし、クリスが切れたら下手したらこのナッツァ壊滅も十二分にあり得た。
「では、どちらかが参ったと言うまで。勝負開始」
戦いを止めようかどうかとジャンヌらが悩んでいる間に戦いが始まっていた。
二人は剣を構える。
「オーウェン様!」
決闘を聞きつけた令嬢達が黄色い声をあげる。
「おお、陰険皇太子、可愛いギャラリーの前であなたがやられるなんて」
「それはやってから言え」
いうや、オーウェンは上段から斬り込んだ。
ガチンッと大きな音がする。
オーウェンの振り下ろした剣を下からチャドウィックはモロに受けた。
「ほう、中々やるな」
「これからあるよ」
チャドウィックはオーウェンの剣を弾いた。
オーウェンは上段真横、から次々に剣を繰り出す。
それをチャドウィックは次々に受けた。
クリスはそれを冷静に見ているように見えたが、心の中ではオーウェンを応援していた。
誰も見ていなかったが、クリスの手は手すりを掴んでいたが、その金属製の手すりに、クリスの手形がついていた。
オーウェンの息が上がってくる。
「どうした。もう終わりか」
「何を」
オーウェンは焦りだした。このサウスの皇太子、まだ力を温存している。
「では行くぞ」
目も止まらぬ速さで上段から剣を繰り出してきた。
それをオーウェンは何とか避けたが、次の横から迫ってくる剣は避けられなかった。
横腹を思いっきり剣の腹で叩かれる。
オーウェンは地面に叩きつけられた。
その倒れ込んだオーウェンを蹴飛ばす。
オーウェンは蹴り飛ばされた。
バキッという音共にクリスの手が鉄の手すりを握りつぶしていた。
周りの人間は唖然とする。
や、やばい
本能的にジャンヌは危険を感じた。
「降参か?」
立ち上がろうとしたオーウェンにチャドウィックが聞く。
「まだまだ」
オーウエンは諦めるつもりはなかった。
そのオーウェンの体をチャドウィックは剣の峰で殴っていた。
オーウェンが弾き飛ばされる。
それがまたクリスを刺激する。
「おのれ。」
クリスの手に魔力が貯まりだした。
「審判止めさせろ」
グリフィズが叫ぶ。
「しかし」
審判は状況がよく判っていなかった。
確かにチャドウィックはやりすぎな面があったが、まだ、止めるほどではと思ってしまった。
チャドウィックは降伏するまでオーウェンをサンドバッグにしようとしていた。
しかし、不吉な予感がする。
「姉様。魔力暴発する」
「えっ」
ウィルがクリスの前に転移して叫ぶ。
クリスの暴発した魔術の方向を上に向けさせる。
振り向いたチャドウィックの少し上をクリスの暴発した魔術が通過していった。
チャドウィックは動くことさえ出来なかった。
しかし、それに伴う風圧でチャドウィックは弾き飛ばされて、城壁に叩きつけられていた。
そのクリスの暴発した魔術は城壁の一部を消滅、曇っている空の雲に巨大などてっぱらを開けて天界まで届いていた・・・・・
クリスはそう言うと頭を下げるヨーナスの前を立ち上がって自分の席に戻ろうとした。
その時だ。どこからともなくいきなりサウスの皇太子チャドウィックが現れたのだ。
「オーーーー。愛しのハニー、クリスティーナ。平民の願いも叶えるなんて、あなたの心はどこまで広いんだ!」
チャドウィックは言いながらクリスに抱きつこうとした。
その前にオーウェンが立ちふさがる。
「貴様。クリスに近づくな」
「おーー、陰険皇太子、貴様、1度ならず2度までも私とクリスティーナの邪魔をするのか」
「貴様勝手にクリスを呼び捨てにするな」
「貴様こそ名称呼び捨てにしているではないか」
二人は睨み合った。
「よーし、判った。我がサウス王国では恋路をかけて剣で勝負するのが決まりだ。しかし、勉強だけの王子は剣を持ったこともあるまい」
チャドウィックは馬鹿にしたようにオーウェンを見下す。
「何だと、口だけ皇太子め。貴様こそ口先だけだろうが」
「ほう、その軟弱な躰で私に対抗するつもりか」
「剣の扱いは口先だけではできんぞ」
「判った。では剣でしょうぶしようではないか」
「判った剣で勝負してやる」
チャドウィックの挑発にオーウェンがのった。
「ちょっとオウ、この忙しい時に私をかけて余計なことしないで」
クリスが止めようとするが
「ほう、女に腕を心配されて止められるのか、軟弱い陰険皇太子」
チャドウィックは馬鹿にして言った。
「き、貴様、二度とその軽口がきけないようにしてやる」
二人はクリスをおいて火花を散らした。
そして、今、訓練場では多くのギャラリーを集めてオーウェンとチャドウィックが対峙していた。
「あの軟弱男、戦えるのか」
ジャンヌまでそこにいた。
「彼は狩猟国家のサウスの皇太子ですからね。剣はある程度は出来るのではないですか」
グリフィズが言う。
「じゃあ、あいつが勝つとクリスとアイツが付き合うのか」
「姫様。そんなの許すわけ無いですよね。その時は俺が叩き潰してやりますよ」
剣に手をかけてウィルが言った。
クリスの騎士の他の3人も頷く。
「クリス様に抱きつくなどただでは許しません」
メイも目を怒らせて言う。
「ま、皇太子殿下は前座ということで、クリス様に対して馴れ馴れしい態度を取ったことを死ぬほど後悔させてやりますよ」
アルバートが総括した。
「あのう、それは後でいくらでもやってもらって構わないが、もしクリス様が暴走しそうになったら止めてくださいね」
グリフィズが念の為に4人とジャンヌに頼む。
「えっ、それはなかなか難しいと思うぞ。クリスが暴走したら止められるやつなんてシャラザール様くらいしかいないぞ」
「オーウェン様がやられてもクリス様がそこまで熱くなられることはないのではないかと」
イザベラが言う。
「でも、この忙しい中、興味が無かったらここにいらしやいますか」
グリフィズが一抹の不安を感じながら言う。
皆は顔を見合わせた。
確かにグリフィズの言うことも一理ある。
なんだかんだ言ってもあの二人は仲が良い。
もし、クリスが切れたら下手したらこのナッツァ壊滅も十二分にあり得た。
「では、どちらかが参ったと言うまで。勝負開始」
戦いを止めようかどうかとジャンヌらが悩んでいる間に戦いが始まっていた。
二人は剣を構える。
「オーウェン様!」
決闘を聞きつけた令嬢達が黄色い声をあげる。
「おお、陰険皇太子、可愛いギャラリーの前であなたがやられるなんて」
「それはやってから言え」
いうや、オーウェンは上段から斬り込んだ。
ガチンッと大きな音がする。
オーウェンの振り下ろした剣を下からチャドウィックはモロに受けた。
「ほう、中々やるな」
「これからあるよ」
チャドウィックはオーウェンの剣を弾いた。
オーウェンは上段真横、から次々に剣を繰り出す。
それをチャドウィックは次々に受けた。
クリスはそれを冷静に見ているように見えたが、心の中ではオーウェンを応援していた。
誰も見ていなかったが、クリスの手は手すりを掴んでいたが、その金属製の手すりに、クリスの手形がついていた。
オーウェンの息が上がってくる。
「どうした。もう終わりか」
「何を」
オーウェンは焦りだした。このサウスの皇太子、まだ力を温存している。
「では行くぞ」
目も止まらぬ速さで上段から剣を繰り出してきた。
それをオーウェンは何とか避けたが、次の横から迫ってくる剣は避けられなかった。
横腹を思いっきり剣の腹で叩かれる。
オーウェンは地面に叩きつけられた。
その倒れ込んだオーウェンを蹴飛ばす。
オーウェンは蹴り飛ばされた。
バキッという音共にクリスの手が鉄の手すりを握りつぶしていた。
周りの人間は唖然とする。
や、やばい
本能的にジャンヌは危険を感じた。
「降参か?」
立ち上がろうとしたオーウェンにチャドウィックが聞く。
「まだまだ」
オーウエンは諦めるつもりはなかった。
そのオーウェンの体をチャドウィックは剣の峰で殴っていた。
オーウェンが弾き飛ばされる。
それがまたクリスを刺激する。
「おのれ。」
クリスの手に魔力が貯まりだした。
「審判止めさせろ」
グリフィズが叫ぶ。
「しかし」
審判は状況がよく判っていなかった。
確かにチャドウィックはやりすぎな面があったが、まだ、止めるほどではと思ってしまった。
チャドウィックは降伏するまでオーウェンをサンドバッグにしようとしていた。
しかし、不吉な予感がする。
「姉様。魔力暴発する」
「えっ」
ウィルがクリスの前に転移して叫ぶ。
クリスの暴発した魔術の方向を上に向けさせる。
振り向いたチャドウィックの少し上をクリスの暴発した魔術が通過していった。
チャドウィックは動くことさえ出来なかった。
しかし、それに伴う風圧でチャドウィックは弾き飛ばされて、城壁に叩きつけられていた。
そのクリスの暴発した魔術は城壁の一部を消滅、曇っている空の雲に巨大などてっぱらを開けて天界まで届いていた・・・・・
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