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第十二章 婚活と雪女

大国皇太子と南の皇太子は睨み合いました

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翌朝、起きた途端にクリスは頭痛に悩まされた。昨日の夜の記憶があまりない。

「おはようございます」
そこに侍女のミアが入ってきた。
「クリス様。大丈夫ですか」
「何か頭が痛いんだけれど、昨夜の記憶があまりなくて」
「昨夜はアレクサンドル様のミスでアルコールをかけられて、酔っぱらっていらっしゃいました」
ミアは端的に昨日の話をする。

「えっ、女王陛下方に!何か失礼なこと言っていなかった」
「まあ、そこまで酷くはなかったと思いますけれど」
慌てたクリスに誤魔化すようにミアが愛想笑いをした。

「えっ、ということは結構やってしまったのね・・・・」
クリスは頭を抱えた。

そのまま食堂に行くとジャンヌ等多くが揃っていた。

「クリス、昨日は大丈夫だったか」
ジャンヌが聞く。

「すいません。酔ってしまって。結構失礼なことを言っていました?」
「いや、そんなことはないぞ。アメリアとヘルマンの事を叔母上にとても褒めていた」
ジャンヌが言う。
「その後、何をトチ狂ったのかサウスの皇太子殿下が、クリス様に抱きつこうとしたのを噴水の上に転移させていらっしゃいましたが」
メイが言う。

「え、そんな事したの!」
クリスは青くなった。

「良いんだよ。あの空気を読めない皇太子は。せっかく私を褒めてくれようとした所をあのサウスのボケナスが邪魔してくれたんだから」
根に持ってジャンヌが言う。

「朝から謝りに参ります」
クリスが言うと、

「あれは抱きつこうとした奴が悪いんだよ。本来ならば私が止めなければならないのに、申し訳ありません」
ウィルが謝る。母の目の前なのでいつもの行動が制限されたのだ。
ウィルとしては姉に魔術を発動させたことは痛恨事だった。
昨日はアルバートとナタリー、イザベラらが自らの母の相手で側にいなかったので、止めるとしたらウィルのはずだったのだ。

そこへそのチャドウィックが現れた。

「おおお、これは麗しの姫君」
チャドウィックがクリスの前に飛んで来る。

その前に、ウィルが剣を抜いて立ち塞がった。

「オオオ、あなた野蛮ね」
「じゃかましい。貴様。姉上の近くによるな」
ウィルが殺気立って言う。そのウィルをクリスが止める。

「おおお、なんと、クリスティーナ様の弟御ですか。お勇ましい。我がサウス王国の師団長を勤められるほどの勇気がお有りですね」

「チャドウィック様。昨日は失礼致しました」
クリスが頭を下げる。
「いやあ、強い女性にも私とても惹かれます」
また抱きつきそうなのをウィルが止める。
「クリス、こんな礼儀のなっていない男に頭を下げる必要はないよ」
クリスの横にオーウェンが来て言う。

「おおおお、これはこれは剣はからしきだめな、勉強だけ出来るクラーーい北のオーウェン殿下ではありませんか」
「何だと。南の脳筋、口先ナンパ殿下に言われたくないな」
オーウェンとチャドウィックは睨み合った。

「殿下おやめください」
慌ててオーウェンの護衛隊長のジェキンスとサウスの監視役のオコトが止めに入った。

二人は火花を飛ばして睨み合った・・・・・
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