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第十一章 パレルモ王国の陰謀
エピローグ2 大国皇太子はクリスに看病されようとしましたが、周りの部下たちに邪魔されてしまいました
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クリスは責任をとるかたちでオーウェンの看護をすることにした。
「でも、オーウエンの顔ってそんなに酷くなっていたか」
「いや、その時はそんなに腫れていなかったんじゃないか」
クリスの出ていった後でウィルとアルバートは不審に思って言い合っていたのをクリスは知らなかった。
お仕着せに着替えてオーウエンの部屋に来る。
「クリス様」
扉の前で警備していたジェキンスは驚いてクリスを見た。
「アメリア様からオーウェン様を看護するように言われて参りました」
恥ずかしいので仏頂面でクリスが言う。
「クリス様がですか」
ジェキンスが驚いた。さすがわがまま皇太子、言うときは言ってくれるとジェキンスは喜んで迎え入れた。
ジェキンスが部屋を見るとオーウエンは寝ていた。
「寝ていらっしゃいますが、どうぞ」
クリスを侍女のミアと一緒に入れる。
クリスは青く腫れたオーウェンの顔を見て驚いた。
やっぱり思いっきり張ってしまったんだ。クリスは後悔した。恥ずかしさと怒りのあまりやってしまったと。
「ごめんなさい。オウ」
クリスはすマナそうに手でゆっくりと腫れたところに触れる。
クリスは手ぬぐいを洗面器の中で絞るとオーウェンの顔半分にかぶせて冷やした。
「うっ」
オーウェンはゆっくりと目を開けた。
「えっクリス」
オーウェンはお仕着せを来たクリスを見て驚いた。
「ごめんなさい。オウ。叩いてしまって」
クリスが下を見て謝る。
「いや、良いよ。それよりも心配してくれてありがとう。あんなふうに泣いてくれるなんて思ってもいなかった」
嬉しそうにオーウェンが言った。
「オウ、何言ってるのよ。本当に心配したんだから」
少し怒ってクリスが言った。
「御免。でも、私もびっくりしたよ。突然体が動かなくなったから」
「本当に凄まじい血しぶき上げて倒れてきたんただから」
「ジャンヌには怪物が切られたのかと思ったって言われるし、ジャルカ爺も酷いよね。前もって教えてくれたら良かったのに」
「本当よ。本当にびっくりした。でも生きていて良かった」
涙目でクリスが言った。
「クリス」
「オウ」
二人は見つめ合った。
「ゴホン、ゴホン」
後ろでミアが咳をした。
「えっ」
パッとクリスは後ろに下がる。
二人だけじゃなかったんだ。
クリスはミアが後ろに控えていたことを思い出して赤くなる。
「ミア、あなたも仕事があるんじゃないの」
「そうだよ。私は病人だから何もしないよ」
二人が言うが、
「いえいえ、ウィル様やアルバート様らからは絶対にお二人を二人だけにしないように厳命されております」
「あの二人な」
ボソッとオーウェンは文句を言った。
「それよりも、クリス様。オーウェン様にお食事を食べさせて上げたら喜ばれるかと」
「えっ」
二人は声を上げた。
クリスは恥ずかしがってオーウェンは喜んで。
しかし、ミアが出してきたスープを見て、オーウェンは少し嫌そうな顔をした。
「どうしたの?オウ。お豆のスープ嫌いだったっけ」
クリスが不思議そうに聞く。確かオーウェンは好き嫌いが殆どなかったはずだ。
「いや、嫌いじゃないけれどそこまで好きなことは。だってそれ本当に豆ばかりじゃん」
「好き嫌いはダメだって、かぼちゃはちゃんと食べなさいって、オウに散々言われたのに」
クリスが口を尖らせて言う。
「いや、だから、別にそこまで嫌いなわけじゃ」
「じゃあ食べさせてあげるから」
お姉さんのようにクリスが言ってスープを一口すくうとオーウェンの口元に持っていく。
「はい、あーんして」
少し嫌そうな顔を少ししたが、オーウェンは諦めて口を開く。
クリスがスプーンをオーウエンの口元に運ぶ。
「姉様」
そこへ二人の後ろにウイルが転移してきた。
「えっ」
びっくりしてクリスがオーウェンの口に突っ込んでいた。
オーウェンが喉をつまられせる。
慌ててクリスがオーウェンの背中を叩く。
「何してるんだよ」
怒ってウィルが二人を引き離そうとする。
だんっと扉が開いてアルバートも入って来る。
「どうしたの。二人共」
慌ててクリスが聞く。
「ジャルカ爺に聞いたんだけど、オーウェンはどこも悪くないって」
「念の為に1日寝かせているだけで、顔の腫れも、仮病に見えないようジャルカ様が膨らませただけだそうではないですか」
「そう、だからこんな奴の世話なんてする必要はないよ。なのに、何で食べさせなんてやっているのさ」
「ミアも注意しなよ」
ウィルとアルバートはクリスを連れ出そうとした。
「えっ、でも」
「おい、お前らな」
そこにクリスにアメリアからの電話が鳴った。
「クリス。何故、ヘルマンの副総督就任が駄目なの」
そこには怒っているアメリアがいた。
「だってオーウェン様がこの前断っていたじゃないですか」
「それはフロンティアでしょ。今度はパレルモよ」
「えっ、パレルモですか。それはまだ何も決まっていないのでは」
「というか、アメリア。お前、何故そんなにヘルマンの副総督に拘っているわけ。そもそもヘルマンは内務次官なんだから副総督より上だぞ」
横からオーウェンが言う。
「知らないわよ。王配にするなら母が言いだした役職が副総督以上なのよ」
「俺が話そうか」
「あなたは私の王配候補なんだから、あなたが話すと話がややこしくなるのよ」
「えっ、そうなんですか。オーウェン様」
クリスの冷えた声に部屋の温度が下がる。
「いや、クリス、俺は知らないから。そんなのは」
オーウエンが否定する。
「そもそも、クリスがいつまでもオーウェンに返事しないから悪いのよ」
「えっ、私のせいなんですか」
クリスが不満そうに言う。
「そうだ。姉様はオーウェンなんかに渡さないぞ」
ウィルが言う。
「何他人事宜しく言っているのよ。ウィル、アルバート。あんたらも私の王配の候補に上がっているんだから」
「はいっ?」
「何で私まで」
ウィルガキョトンして、アルバートは驚いて言った。
「母は、ここまで来たらシャラザール3国の年齢の近い王配候補全てを虱潰しに当たるみたいよ」
アメリアは嘆息していった。
「ということでクリスも執務室に戻って助けてよ」
「えっ、だって、アメリアお姉様がオウの面倒見ろって」
「ごめん、あれ間違いだったんだって。ウィルから聞いたわ。オーウェンのその顔はジャルカが面白おかしくメークしたんですって」
可笑しそうにアメリアが言った。
「えっ、そうなのか。そんなに酷いのか」
オーウェンに見られて皆が目をそらす。
「ええ、少し」
仕方無しにクリスが頷いた。
「くっそう、ジャルカ爺め。よくも・・・・」
「ということでクリス、宜しくお願いするわ。あなた達二人ともいないと本当に回らないのよ」
「ということで姉様行こう」
「えっ」
「ちょっと」
クリスはあっという間に連れ去られたのだった。
後には呆然とスプーンを咥えたオーウェンだけが残されていたのだった・・・・
********************************************************
ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました。
今章今話によって完結です。
少し休みます。
続きはしばらくお待ち下さい
「でも、オーウエンの顔ってそんなに酷くなっていたか」
「いや、その時はそんなに腫れていなかったんじゃないか」
クリスの出ていった後でウィルとアルバートは不審に思って言い合っていたのをクリスは知らなかった。
お仕着せに着替えてオーウエンの部屋に来る。
「クリス様」
扉の前で警備していたジェキンスは驚いてクリスを見た。
「アメリア様からオーウェン様を看護するように言われて参りました」
恥ずかしいので仏頂面でクリスが言う。
「クリス様がですか」
ジェキンスが驚いた。さすがわがまま皇太子、言うときは言ってくれるとジェキンスは喜んで迎え入れた。
ジェキンスが部屋を見るとオーウエンは寝ていた。
「寝ていらっしゃいますが、どうぞ」
クリスを侍女のミアと一緒に入れる。
クリスは青く腫れたオーウェンの顔を見て驚いた。
やっぱり思いっきり張ってしまったんだ。クリスは後悔した。恥ずかしさと怒りのあまりやってしまったと。
「ごめんなさい。オウ」
クリスはすマナそうに手でゆっくりと腫れたところに触れる。
クリスは手ぬぐいを洗面器の中で絞るとオーウェンの顔半分にかぶせて冷やした。
「うっ」
オーウェンはゆっくりと目を開けた。
「えっクリス」
オーウェンはお仕着せを来たクリスを見て驚いた。
「ごめんなさい。オウ。叩いてしまって」
クリスが下を見て謝る。
「いや、良いよ。それよりも心配してくれてありがとう。あんなふうに泣いてくれるなんて思ってもいなかった」
嬉しそうにオーウェンが言った。
「オウ、何言ってるのよ。本当に心配したんだから」
少し怒ってクリスが言った。
「御免。でも、私もびっくりしたよ。突然体が動かなくなったから」
「本当に凄まじい血しぶき上げて倒れてきたんただから」
「ジャンヌには怪物が切られたのかと思ったって言われるし、ジャルカ爺も酷いよね。前もって教えてくれたら良かったのに」
「本当よ。本当にびっくりした。でも生きていて良かった」
涙目でクリスが言った。
「クリス」
「オウ」
二人は見つめ合った。
「ゴホン、ゴホン」
後ろでミアが咳をした。
「えっ」
パッとクリスは後ろに下がる。
二人だけじゃなかったんだ。
クリスはミアが後ろに控えていたことを思い出して赤くなる。
「ミア、あなたも仕事があるんじゃないの」
「そうだよ。私は病人だから何もしないよ」
二人が言うが、
「いえいえ、ウィル様やアルバート様らからは絶対にお二人を二人だけにしないように厳命されております」
「あの二人な」
ボソッとオーウェンは文句を言った。
「それよりも、クリス様。オーウェン様にお食事を食べさせて上げたら喜ばれるかと」
「えっ」
二人は声を上げた。
クリスは恥ずかしがってオーウェンは喜んで。
しかし、ミアが出してきたスープを見て、オーウェンは少し嫌そうな顔をした。
「どうしたの?オウ。お豆のスープ嫌いだったっけ」
クリスが不思議そうに聞く。確かオーウェンは好き嫌いが殆どなかったはずだ。
「いや、嫌いじゃないけれどそこまで好きなことは。だってそれ本当に豆ばかりじゃん」
「好き嫌いはダメだって、かぼちゃはちゃんと食べなさいって、オウに散々言われたのに」
クリスが口を尖らせて言う。
「いや、だから、別にそこまで嫌いなわけじゃ」
「じゃあ食べさせてあげるから」
お姉さんのようにクリスが言ってスープを一口すくうとオーウェンの口元に持っていく。
「はい、あーんして」
少し嫌そうな顔を少ししたが、オーウェンは諦めて口を開く。
クリスがスプーンをオーウエンの口元に運ぶ。
「姉様」
そこへ二人の後ろにウイルが転移してきた。
「えっ」
びっくりしてクリスがオーウェンの口に突っ込んでいた。
オーウェンが喉をつまられせる。
慌ててクリスがオーウェンの背中を叩く。
「何してるんだよ」
怒ってウィルが二人を引き離そうとする。
だんっと扉が開いてアルバートも入って来る。
「どうしたの。二人共」
慌ててクリスが聞く。
「ジャルカ爺に聞いたんだけど、オーウェンはどこも悪くないって」
「念の為に1日寝かせているだけで、顔の腫れも、仮病に見えないようジャルカ様が膨らませただけだそうではないですか」
「そう、だからこんな奴の世話なんてする必要はないよ。なのに、何で食べさせなんてやっているのさ」
「ミアも注意しなよ」
ウィルとアルバートはクリスを連れ出そうとした。
「えっ、でも」
「おい、お前らな」
そこにクリスにアメリアからの電話が鳴った。
「クリス。何故、ヘルマンの副総督就任が駄目なの」
そこには怒っているアメリアがいた。
「だってオーウェン様がこの前断っていたじゃないですか」
「それはフロンティアでしょ。今度はパレルモよ」
「えっ、パレルモですか。それはまだ何も決まっていないのでは」
「というか、アメリア。お前、何故そんなにヘルマンの副総督に拘っているわけ。そもそもヘルマンは内務次官なんだから副総督より上だぞ」
横からオーウェンが言う。
「知らないわよ。王配にするなら母が言いだした役職が副総督以上なのよ」
「俺が話そうか」
「あなたは私の王配候補なんだから、あなたが話すと話がややこしくなるのよ」
「えっ、そうなんですか。オーウェン様」
クリスの冷えた声に部屋の温度が下がる。
「いや、クリス、俺は知らないから。そんなのは」
オーウエンが否定する。
「そもそも、クリスがいつまでもオーウェンに返事しないから悪いのよ」
「えっ、私のせいなんですか」
クリスが不満そうに言う。
「そうだ。姉様はオーウェンなんかに渡さないぞ」
ウィルが言う。
「何他人事宜しく言っているのよ。ウィル、アルバート。あんたらも私の王配の候補に上がっているんだから」
「はいっ?」
「何で私まで」
ウィルガキョトンして、アルバートは驚いて言った。
「母は、ここまで来たらシャラザール3国の年齢の近い王配候補全てを虱潰しに当たるみたいよ」
アメリアは嘆息していった。
「ということでクリスも執務室に戻って助けてよ」
「えっ、だって、アメリアお姉様がオウの面倒見ろって」
「ごめん、あれ間違いだったんだって。ウィルから聞いたわ。オーウェンのその顔はジャルカが面白おかしくメークしたんですって」
可笑しそうにアメリアが言った。
「えっ、そうなのか。そんなに酷いのか」
オーウェンに見られて皆が目をそらす。
「ええ、少し」
仕方無しにクリスが頷いた。
「くっそう、ジャルカ爺め。よくも・・・・」
「ということでクリス、宜しくお願いするわ。あなた達二人ともいないと本当に回らないのよ」
「ということで姉様行こう」
「えっ」
「ちょっと」
クリスはあっという間に連れ去られたのだった。
後には呆然とスプーンを咥えたオーウェンだけが残されていたのだった・・・・
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