328 / 444
第十章 マーマレード元皇太子の反撃
大国皇太子はマーマレード王宮の裏口から潜入しました
しおりを挟む
一方のオーウェンはジャンヌが派手に正門から突入したのに比べて、裏門からひっそりと入っていた。
まず、ジャックの母親を呼び出してもらう。
「どうしたんだい。ジャック」
一人息子がすぐに会いたいと言っていると聞いて慌てて侍女のメリーが飛び出してきた。
「いや、俺じゃなくてクリス姉ちゃんの件なんだけど」
ジャックが慌てて言う。
「クリス様の件」
訝しげにジャックと一緒に来た者の顔を見てメリーは飛び上がらんばかりに驚いた。
そこには平民の格好をしたオーウェンがいた。
「ドラフォード皇太子殿下。何故息子と」
「いやあ、彼とはクリスつながりの友達で」
「お、お友達ですか」
隣国の大国の皇太子と息子が友達だと、サラリととんでもない事を言われてメリーは気絶しそうになった。
「いや、申し訳ない。クリスがエドに捕まって幽閉されていると聞いて、ご子息になんとか開放するのを手伝って欲しいとお願いしたのだが」
「クリス様の件ですか。確か気分が悪くなって王宮でお休みというのがおかしいとは思ったのですが、また、エドワード殿下が良からぬことを企んでいらっしゃるのですか」
メリーは気を取り直して聞く
「ああ、ぜひともクリスを救い出したい」
「判りました。クリス様は私共にとっても大恩人です。我々も協力させていただきます」
「あと、ウィルたちも捕まっているはずなんだが」
「ウィリアム様がですか」
「シャーロット夫人も拘束されているらしい。何でもおば上がなにかに憑依させられたと」
「おば上?。王妃様がですか」
「何か感じないか」
「そう言えば昨日からついているものが、王妃様も少し変わられたと話していたような」
思い出しながらメリーが言う。
「クリスがどこに幽閉されているか判るだろうか」
「ずくに調べましょう。こちらへどうぞ」
メリーは2人を案内して王宮の中に入って行った。
そして、クリスは王宮の豪華な客間で寝かされていた。
クリスは夢の中にいた。
何故か子供の頃だった。
オウとおままごとしているところだった。
「あなた、お帰りなさい」
「ただいま」
オウは迎えに来たクリスを抱きしめてくれていた。
おでこに軽くキスをしてくれる。
(えっいきなりキスなんて)
夢の中でもクリスは悶た。
「今日は何をしていたのかな」
「今日はジャンヌお姉さまに呼ばれてお城でお茶会をしていたの」
「お城はどうだった」
「大きくて広くて素晴らしかったわ」
「そうか。クリスもうちにお嫁に来れば大きなお城に住めるよ」
「えっ本当に。うちの領地のお屋敷よりも大きい?」
「まあ、あの屋敷は桁違いにでかいけど、こっちはお城だからね。テラスから城下の街並みが一望できるんだ」
「えっお城から街が見えるの?」
「そう。特に夜景が綺麗かな」
「えっ、ぜひとも見てみたい!」
「遊びに来たら見せてあげるよ」
「約束よ」
クリスは今までそんな約束したことなんて忘れていた。
そして、1年くらい前にその約束通りにオウが街並みの夜景を見せてくれたことを知った。
オウは昔から約束に義理堅いことを思い出した。
いつもクリスの我儘に付き合ってくれていたことも。
まず、ジャックの母親を呼び出してもらう。
「どうしたんだい。ジャック」
一人息子がすぐに会いたいと言っていると聞いて慌てて侍女のメリーが飛び出してきた。
「いや、俺じゃなくてクリス姉ちゃんの件なんだけど」
ジャックが慌てて言う。
「クリス様の件」
訝しげにジャックと一緒に来た者の顔を見てメリーは飛び上がらんばかりに驚いた。
そこには平民の格好をしたオーウェンがいた。
「ドラフォード皇太子殿下。何故息子と」
「いやあ、彼とはクリスつながりの友達で」
「お、お友達ですか」
隣国の大国の皇太子と息子が友達だと、サラリととんでもない事を言われてメリーは気絶しそうになった。
「いや、申し訳ない。クリスがエドに捕まって幽閉されていると聞いて、ご子息になんとか開放するのを手伝って欲しいとお願いしたのだが」
「クリス様の件ですか。確か気分が悪くなって王宮でお休みというのがおかしいとは思ったのですが、また、エドワード殿下が良からぬことを企んでいらっしゃるのですか」
メリーは気を取り直して聞く
「ああ、ぜひともクリスを救い出したい」
「判りました。クリス様は私共にとっても大恩人です。我々も協力させていただきます」
「あと、ウィルたちも捕まっているはずなんだが」
「ウィリアム様がですか」
「シャーロット夫人も拘束されているらしい。何でもおば上がなにかに憑依させられたと」
「おば上?。王妃様がですか」
「何か感じないか」
「そう言えば昨日からついているものが、王妃様も少し変わられたと話していたような」
思い出しながらメリーが言う。
「クリスがどこに幽閉されているか判るだろうか」
「ずくに調べましょう。こちらへどうぞ」
メリーは2人を案内して王宮の中に入って行った。
そして、クリスは王宮の豪華な客間で寝かされていた。
クリスは夢の中にいた。
何故か子供の頃だった。
オウとおままごとしているところだった。
「あなた、お帰りなさい」
「ただいま」
オウは迎えに来たクリスを抱きしめてくれていた。
おでこに軽くキスをしてくれる。
(えっいきなりキスなんて)
夢の中でもクリスは悶た。
「今日は何をしていたのかな」
「今日はジャンヌお姉さまに呼ばれてお城でお茶会をしていたの」
「お城はどうだった」
「大きくて広くて素晴らしかったわ」
「そうか。クリスもうちにお嫁に来れば大きなお城に住めるよ」
「えっ本当に。うちの領地のお屋敷よりも大きい?」
「まあ、あの屋敷は桁違いにでかいけど、こっちはお城だからね。テラスから城下の街並みが一望できるんだ」
「えっお城から街が見えるの?」
「そう。特に夜景が綺麗かな」
「えっ、ぜひとも見てみたい!」
「遊びに来たら見せてあげるよ」
「約束よ」
クリスは今までそんな約束したことなんて忘れていた。
そして、1年くらい前にその約束通りにオウが街並みの夜景を見せてくれたことを知った。
オウは昔から約束に義理堅いことを思い出した。
いつもクリスの我儘に付き合ってくれていたことも。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,448
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる